こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
企業の公式X(旧Twitter)やInstagramの公式アカウントでは、企業キャラクターが情報を発信し、ユーザーと交流することが当たり前になってきました。かつては広告や商品パッケージで認知度を高める役割が中心でしたが、SNSの普及により、キャラクターは企業とユーザーをつなぐコミュニケーションの担い手へと変化しています。
これから企業キャラクターを制作しようと考えている方の中には、
「SNSでちゃんと話題にしてもらえるだろうか」
「SNSを運用し続けるのは大変なのではないか」
「キャラを作った後、どうやってファンになってもらえばいいのか」
といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、SNSで愛される企業キャラクターを育てるために役立つポイントを成功事例をもとに紹介します。

企業キャラクターの役割とは?
■企業キャラクターとは?
企業キャラクターとは、企業や商品、サービスの魅力をわかりやすく伝えるために制作されるオリジナルキャラクターのことです。(※自治体のご当地キャラクターも同様の役割をするため、この記事では企業キャラクターに分類します)
企業の理念やブランドイメージ、サービスの特徴を視覚的に表現できるため、多くの企業でブランディングや販促活動に活用されています。
例えば、
・楽天の「楽天パンダ」
・ドン・キホーテの「ドンペン」
・不二家の「ペコちゃん」
・熊本県の「くまモン」
などは、多くの人が企業名や地域名とともにキャラクターを思い浮かべることができる代表例です。
企業キャラクターは単なるマスコットや広告用のイラストではありません。企業と生活者をつなぐ存在として、ブランドの魅力を伝える重要な役割を担っています。
企業キャラクターの基礎やメリットなどは以下のコラムでも詳しく紹介していますので、是非こちらも参考にしてください。
■企業キャラクターは「作ること」が目的ではない
企業キャラクターを制作すると、「ロゴと一緒に使う」「パンフレットに掲載する」といった活用で終わってしまうことがあります。
しかし本来、企業キャラクターは作ることがゴールではありません。重要なのは、キャラクターを通じて企業の価値や想いを伝え続けることです。
どれだけ魅力的なデザインのキャラクターでも、ユーザーとの接点がなければ記憶に残ることはありません。反対に、キャラクターが継続的に情報を発信し、人々と関わることで、キャラクターに愛着が生まれたり、企業のブランドイメージが伝わっていきます。
つまり企業キャラクターは「広告素材」ではなく、「ブランドコミュニケーションの担い手」として育てていく必要があります。そこで、キャラクターの魅力や個性を継続的に発信できるSNSは、企業キャラクターを活用するうえで有効な手段の一つです。ユーザーとの交流を重ねることで親近感や愛着が生まれ、企業のブランドイメージの浸透にもつながります。
企業キャラクターを用いたSNS運用のポイントと成功事例
企業キャラクターをSNSアカウントのアイコンに使用したり投稿画像に登場させるだけでは、十分な成果にはつながりません。
商品やブランドとの関係、ターゲットとの相性、コンテンツの価値、ユーザーとの交流、継続できる制作体制まで含めて設計する必要があります。ここでは、企業キャラクターを用いたSNS運用のポイントを、具体的な事例とともに4つ紹介します。
①商品やブランド、ターゲットとの結びつきをつくる
キャラクターだけが人気になっても、企業名や商品を思い出してもらえなければ、マーケティング上の成果にはつながりません。キャラクターの見た目、名前、性格、行動、物語の中に、商品やブランドの提供価値を自然に組み込むことが重要です。
また、企業が伝えたいことだけでなく、ターゲットが共感できる人物像や世界観を設定する必要があります。ただ可愛いキャラクターを作るのではなく、自社のターゲットに合わせて、「身近に感じる」「言葉に共感できる」「関わってみたい」と思える存在として設計しましょう。
事例:ゼスプリ「キウイブラザーズ」
キウイブラザーズは、キウイそのものをキャラクター化し、広告・プロモーションとSNSで共通した世界観を展開しています。SNSでは商品の特徴を説明するだけでなく、キャラクターが実際に生活しているような季節感のある日常や、キウイに関する豆知識などを発信しています。
商品そのものをキャラクター化しているため、キャラクターだけが企業や商品から切り離されて認識されにくいことも特徴です。キャラクターへの愛着がキウイへの親近感につながり、店頭で商品を選ぶ際にも、キウイブラザーズやゼスプリを思い出してもらいやすいコミュニケーション構造になっています。
実際にゼスプリでは、毎年「キウイブラザーズ」のフィギュア付きキウイパックを販売しており、発売のたびに大きな人気を集めています。単なる販促ノベルティにとどまらず、キャラクターをきっかけに商品購入を促進する仕組みとして機能しており、キャラクター人気が商品の売上にも寄与している好例と言えます。

引用元:今年は麦わら帽子がかわいい!毎年SNSで話題沸騰のフィギュアが登場 【数量限定】ゼスプリ・キウイブラザーズ フィギュア付きパック販売スタートhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000113.000015230.html
事例:サントリー「アンクルトリス」
アンクルトリスは、サントリーのウイスキー「トリス」の広告主人公として、1958年に誕生したキャラクターです。「『人間』らしくやりたいナ」というコピーとともに使用され、日々を懸命に生きる人の気持ちに寄り添う存在として長く親しまれてきました。
現在では、SNSでも日常の小さな喜びや失敗、働く人への応援などを、キャラクターらしい言葉とイラストで発信しています。また、SNSだけでなく電車内広告などにおいても、通勤中の社会人が思わず共感するようなメッセージを発信し続けており、長い歴史を持つキャラクターを現代のコミュニケーションへ自然に取り入れている点が特徴です。
商品機能を直接説明するのではなく、ターゲットの気持ちに寄り添う言葉やユーモアを通じて、ブランドへの親近感を生み出しています。キャラクターの性格や発言をターゲットに合わせることで、商品の機能的価値だけでは表現できない、共感や安心感といった情緒的価値を提供している事例です。
②宣伝だけでなく、有益な情報やエンタメを提供する
企業アカウントが商品やキャンペーンの告知ばかりになると、ユーザーに継続してフォローする理由が生まれにくくなります。そこで、ユーザーが「知りたい」「面白い」「役に立つ」と感じる情報を提供し、その案内役としてキャラクターを登場させます。
商品を直接売り込むのではなく、知識や体験を先に提供することで、ユーザーとの継続的な接点をつくることができます。
事例:有隣堂「R.B.ブッコロー」
有隣堂のYouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」では、ミミズクのキャラクターであるR.B.ブッコローが番組MCを務めています。ブッコローは、書籍や文房具などの話題に対して、率直な質問や鋭いツッコミを交えながら紹介し、そのキャラクター性で人気を集めています。
有隣堂を直接宣伝する動画ではなく、社員や専門家が持つ知識をエンタメに変えている点が特徴です。公式チャンネルは登録者数50万人を超え、一部の動画は100万回以上再生されています。視聴者は広告を見るためではなく、「知らない世界を面白く知る」ためにチャンネルを訪れます。その結果として、有隣堂や社員、商品への親近感が生まれています。
事例:NGK「クロコくん」
NGKの公式キャラクター「クロコくん」は、同社のものづくりを象徴する存在です。舞台を陰から支える「黒衣」というモチーフは、普段は表に見えなくても、技術によって社会を支えているBtoB企業の役割と重なるキャラクターです。
公式Xでは、「夏休みの自由研究におすすめのサイエンス紹介」や、食べ物にまつわる科学を紹介する「おいしいフシギ」など、ユーザーが興味を持ちやすい切り口で技術を紹介しています。キャラクターを単なる装飾として使うのではなく、専門的で伝わりにくい事業内容を親しみやすく翻訳する案内役として活用している点が特徴です。
③キャラクターを通じてユーザーと双方向に交流する
SNSは、一方的に情報を届ける広告媒体ではありません。コメントへの返信、引用リポスト、ライブ配信、質問募集、投票などを通じて、ユーザーと一緒にコンテンツをつくる場です。
キャラクターがユーザーの反応に対して言葉や行動を返すことで、ユーザーは単なる情報の受け手ではなく、キャラクターと交流する参加者になります。また、企業名ではなくキャラクターの人格を通して返答することで、企業アカウント特有の堅さを和らげ、ユーザーが気軽に話しかけやすい関係を築けます。
事例:Duolingo「Duo」
Duolingoの公式キャラクター「Duo」は、企業側から投稿するだけでなく、ユーザーによるDuolingo関連の投稿を見つけ、引用リポストや返信を行っています。
特に日本公式Xでは、DuolingoやDuoについて投稿したユーザーを見つけ、キャラクターらしいコメントを添えて引用する運用が定番となっています。ユーザーが学習をサボっている内容や、Duolingoに関する冗談を投稿すると、Duoがネットミームなどのユーモアを交えながら反応してくれます。
このようなSNS上での顧客との交流は、「自分も Duolingoに関しての投稿を行ったら反応がもらえるかも」と思わせ、UGCを増やす効果もあります。
事例:島根県「しまねっこ」
島根県の観光キャラクター「しまねっこ」は、島根県の観光地やイベント情報の発信に加えて、「しまねっこからの挑戦状」という形で定期的にクイズを出題しています。ファンはリプライで回答し、正解者には「いいね」で反応するなど、キャラクターを通じた交流が生まれています。
こうした取り組みは、ファンとのエンゲージメントを高めながら、島根県の観光情報にも自然に触れてもらえる施策といえます。
事例:サントリー「燦鳥ノム」
サントリーの「燦鳥ノム」は、バーチャルYouTuber形式の企業キャラクターです。商品レビューだけでなく、歌、ゲーム実況、雑談など幅広いコンテンツを発信し、サントリー商品のCMソングを歌唱するなど、キャラクター活動と企業プロモーションを自然に結びつけています。
また、VTuberという形式を活かしライブ配信では視聴者のコメントを読んだり、質問に答えたりすることで、リアルタイムな交流を生み出しています。企業キャラクターを一方的な広告塔ではなく、会話できる存在として活用することで、キャラクターへの愛着や企業への親近感を高めることが期待できます。
④継続しやすい表現形式と制作体制を選ぶ
SNS運用は、一度の話題化で終わらせず、継続的に投稿することが重要です。そのため、キャラクターの魅力だけでなく、日常的にコンテンツを制作できるかという視点も必要になります。
投稿のたびにイラストやアニメーションを新しく制作すると、発注・確認・修正……と、時間や費用がかかります。着ぐるみやぬいぐるみなど、繰り返し撮影に使用できる立体物を用意しておけば、手間をかけずに写真や短い動画を制作することもできます。
事例:矢場とん「ぶーちゃん」
矢場とんは、長年親しまれてきたキャラクター「ぶーちゃん」の着ぐるみを活用し、店舗、イベント、街中などで写真や動画を制作しています。
着ぐるみであれば、スタッフや商品と一緒に撮影する、季節行事に参加する、店舗を訪れる、TikTokなどで流行のダンスを踊るなどといった企画を展開できます。キャラクターの姿に一貫性を持たせながら、制作負担を抑えやすい表現形式です。
事例:わかさ生活「ブルブルくん」
わかさ生活の「ブルブルくん」は、ぬいぐるみを活用した写真や動画によって、キャラクターが現実の世界で生活しているような発信を展開しています。
ぬいぐるみは着ぐるみよりも準備や撮影の負担が小さく、様々な場所に持ち運びやすい点が特徴です。小道具や背景を変えることで、季節行事、社員の日常、商品紹介など、さまざまな投稿に繰り返し使用できます。
さらに、 SNSに登場するぬいぐるみやグッズを販売することで、「投稿を見る」だけでなく、「同じキャラクターを自分も所有する」という体験につなげられます。ファン自身がぬいぐるみを持ち歩いて撮影すれば、ユーザーによる「ぬい撮り」や写真投稿へ発展する可能性もあります。
企業キャラクター制作・活用のポイント
企業キャラクターによるSNS運用を成功させるためには、投稿方法だけを工夫すればよいわけではありません。そもそも企業キャラクターが「何のために存在し、誰に、何を伝えるのか」が明確でなければ、投稿の内容や口調に一貫性がなくなり、企業や商品との関係も伝わりにくくなります。
ここでは、SNSで企業キャラクターを効果的に活用するために、制作段階から意識しておきたいポイントを3つ紹介します。
■キャラクターの目的と役割を明確にする
まず考えたいのは、「そのキャラクターを使って何を実現したいのか」です。
・企業の認知度を高める
・難しい商品や技術をわかりやすく伝える
・若年層との接点を作る
・既存顧客との関係を深める
など、目的によって適切なキャラクター像は変わります。
単なる「企業の顔」ではなく、「専門的な情報を分かりやすく伝える案内役」「ユーザーと同じ目線で疑問を投げかける聞き手」など、具体的な役割を与えることが大切です。役割が明確になれば、SNSや公式サイト、イベントなどでどのような情報を発信させるべきかも判断しやすくなります。
■設定や世界観を具体的に設計する
キャラクターを継続的に活用するには、見た目だけでなく、性格や話し方、背景となる物語を設定します。一人称、口調、好きなもの、苦手なもの、家族や友人設定、住んでいる場所、ユーザーとの距離感などを決めておくと、投稿や企画に一貫性が生まれます。
また、完璧で真面目なだけのキャラクターよりも、少し苦手なことがあるなど共感できる特徴や個性的な設定がある方が、人間らしさや親しみを感じてもらいやすくなります。ただし、個性的にすることだけを目的とせず、その性格が企業の価値観やターゲットの好みと合っているかが最も重要です。
■さまざまな場所で活用し、認知を広げる
企業キャラクターは、作っただけでは生活者に知ってもらえません。まずは広告、商品パッケージ、店頭、公式サイト、SNS、動画、イベントなど、ターゲットと接点を持てるさまざまな場所に登場させ、目にする機会を増やすことが重要です。
同じキャラクターに繰り返し触れることで、生活者は姿や名前を覚え、企業や商品と結びつけて認識するようになります。例えば、広告でキャラクターを知り、SNSで性格や日常に触れることでファン化を促し、商品パッケージで興味を喚起して購買意欲につなげるなど、媒体ごとに役割を持たせると効果的です。

一方、活用する媒体や担当者が増えると、見た目や口調がばらついてしまう危険性があります。デザイン、性格、話し方、禁止表現などの運用ルール(ガイドライン)を整備し、キャラクターらしさを保ちながら幅広く活用することが重要です。
まとめ
企業キャラクターとは、企業や商品、サービスの特徴や価値を、生活者に分かりやすく伝えるためのオリジナルキャラクターです。企業キャラクターは単なるマスコットや広告素材ではなく、企業と生活者をつなぐブランドコミュニケーションの担い手として活用できます。
特にSNSでは、キャラクターが継続的に情報を発信し、ユーザーと交流することで、企業アカウントの堅い印象を和らげ、ブランドへの親近感や愛着を育てることができます。
【企業キャラクター×SNS 成功のポイントのおさらい】
・商品やブランド、ターゲットとの結びつきをつくる
見た目や名前・性格・世界観に、商品や企業の特徴を反映します。また、ターゲットが身近に感じ、共感できるキャラクターとして設計することが大切です。
・宣伝だけでなく、有益な情報やエンタメを提供する
商品の告知だけでは、継続してフォローする理由が生まれません。専門知識やユーモアのある投稿など、商品を購入しなくても楽しめる価値を提供します。
・キャラクターを通じてユーザーと双方向に交流する
コメントへの返信、引用リポスト、質問企画などを通じて、ユーザーがキャラクターと会話できる機会をつくります。交流を積み重ねることで、企業とのエンゲージメントも高くなります。
・継続しやすい表現形式と制作体制を選ぶ
キャラクター活用は、作ったらすぐに成果が出る施策ではありません。認知や愛着は時間をかけて育まれていくため、長期的な視点で運用を続けることが重要です。そのため、着ぐるみやぬいぐるみなど繰り返し活用できる素材を用意しておくと、写真や動画を継続的に制作しやすくなります。また、担当者の異動や変更があっても運用を継続できるよう、制作ルールや運用体制を整備しておくことも重要です。
jekiの「企業キャラクター開発パッケージ」
最後に、ジェイアール東日本企画の「企業キャラクター開発パッケージ」をご紹介します。
当社は総合広告会社として、さまざまな企業の課題解決を支援してきました。その経験を活かし、課題やターゲットを丁寧にヒアリングしたうえで、企業の目的に合わせたキャラクター開発を行います。
キャラクターのデザイン制作だけでなく、性格や世界観の設計、運用ガイドラインの策定まで対応。さらに、開発後の広告・プロモーション施策まで一気通貫でサポートできることが特長です。
キャラクターのお披露目施策やSNS活用、キャラクター紹介サイト制作、広告展開、販促物制作など、広告会社ならではのノウハウを活かし、キャラクターを「作って終わり」にしない活用をご提案します。
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