BtoB企業にキャラクターが必要な?メリットと5つ事例を紹介

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。

「自社が何をしている会社なのかが伝わらない」という課題は、BtoB企業のマーケティング担当者からよくいただく相談内容の1つです。

・企業の認知度がなかなか上がらない
・展示会で足を止めてもらえない
・採用説明会で学生の反応が薄い
・商談でサービスの価値を理解してもらえない

……など、事業内容の伝わりにくさが原因で起きる課題は多いのではないでしょうか?このような課題への解決策として、いま多くのBtoB企業が取り入れているのがキャラクターの活用です。

この記事では、総合広告会社としてさまざまな企業のキャラクター開発に携わってきた立場から、キャラクターを活用するメリットやBtoB企業での実際の活用事例、そして制作の進め方までわかりやすく解説します。

BtoB企業のキャラクター活用が広がっている背景

BtoBの製品やサービスは、部品・素材・システムといった、生活者の目に触れにくいものが中心です。そのため、「何をしている会社なのかが伝わりにくい」という課題を抱える企業が少なくありません。

特に厄介なのは、SNSやウェブサイトなどで、写真や文章だけで事業内容を説明しても理解されにくい点です。専門性の高い事業を正確に説明しようとするほど、専門用語が増えたり説明が長くなったりして、「難しそう」という印象を与えてしまいます。

そこで有効なのが、「事業内容の翻訳係」となる企業キャラクターです。キャラクターなら、事業の本質を視覚的なデザインに落とし込むことができ、専門知識を「教える」のではなく「案内する」立場から伝えられます。難解な内容でも、キャラクターが語り手になれば、受け手は身構えることなく親しみを持って受け止められるようになります。

実際に、住友電工グループが2026年に公式キャラクター「スミーディ」を発表した際のリリースには、「幅広い事業を展開しており、これまでも刊行物や広告、WEB、SNSで情報を発信してきたものの、よりわかりやすく親しみやすく伝えられるよう、ブランドのイメージや特徴を視覚化した公式キャラクターを制作した」という記載があります。スミーディのキャラクターデザインは、同社の事業の礎である銅線をぐるぐると巻いたような姿をしています。

引用元:住友電工プレスリリース「当社 公式キャラクター「スミーディ」誕生 〜ブランドをもっと身近に、技術をもっとわかりやすく〜」https://sumitomoelectric.com/jp/press/2026/05/prs046

電車の広告、企業のSNS、商品パッケージ、採用サイトなど、企業のマスコットキャラやアニメのキャラとのコラボなどキャラクターを用いた企業コミュニケーションを目にする機会は年々増えているのではないでしょうか?

矢野経済研究所によるキャラクタービジネス市場は、特に2021年のコロナ禍以降からアニメやマスコットキャラクターのヒットが続き、2025年度に2兆8,767億円まで拡大したと推計されています。2026年度も2兆9,635億円とさらに伸びると予測されています。この市場には、キャラクターを広告・販促などに使用するためのライセンスも含まれており、企業のキャラクター活用の広がりを反映した数字でもあります。

引用元:矢野経済研究所 キャラクタービジネスに関する調査を実施(2026年)https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4146

さらに、企業のキャラクター開発も増加傾向にあります。日本経済新聞が行っている「NIKKEI 企業キャラクター総選挙」では、2026年のエントリーが54社(団体・法人含む)に達し、第1回である前年から2倍に増加しています。参加企業には、前述の住友電工「スミーディ」やALSOK「ニャルソック」、中小製造業向け生産管理システムを手がけるテクノア「ノアちゃん」などBtoB企業も名を連ねます。

BtoB企業がキャラクターを活用する5つのメリット

オリジナルの企業キャラクターを制作する5つのメリットを紹介します。

キャラクターは視覚的に記憶に残りやすいことが大きな特徴です。「株式会社○○」という社名だけでは覚えにくくても、そこにキャラクターが結びつくと、思い出してもらうきっかけが増えます。キャラクターの姿や設定に事業の特徴を込めれば、社名と一緒に事業内容も思い出してもらいやすくなります。

BtoB企業が提供する部品・素材・システムなどは、そのままでは価値を説明しにくいものが少なくありません。事業の役割そのものをキャラクターの設定に落とし込めば、長い説明文を読ませずに「この会社は何をする会社か」を伝えられます。

技術や品質を訴求する企業広報は、どうしても堅い印象になりがちです。キャラクターが生まれることで、企業に親しみやすい印象を持たせたり、これまで自社に関心のなかった層にも情報を届けることが可能になります。

BtoB企業の採用課題は、多くの場合「知られていないこと」に起因します。学生がよく知っている企業はBtoC企業に偏りがちですが、キャラクターはこうした状況を変えるきっかけになります。

タレントを起用する場合と異なり、契約期間や肖像権の制約を受けずに、あらゆる媒体で使い続けられます。広告や採用活動だけでなく、インナーブランディングにも活用でき、社内外に向けた広報の顔として機能します。

企業キャラクターのメリットは、以下の記事でも詳しく紹介しています。

自社キャラクターと漫画・アニメIPコラボ、どちらを選ぶべきか

ここまで企業オリジナルキャラクターのメリットを説明してきましたが、「手っ取り早く話題を集めたいので、人気の漫画やアニメのキャラクターとのコラボも考えたい」と思う方もいるのではないでしょうか。

「自社で企業オリジナルキャラクターをつくるか、既存の漫画・アニメキャラクター(他社IP)とコラボするか」は、それぞれ目的が異なるため、同じ土俵で比べると判断を誤りやすくなります。

自社キャラクターは、認知度を獲得するまで時間がかかるものの、表現の自由度が高くブランド資産になります。一方、アニメや漫画のキャラクターは、知名度が高く既にファンがいるので話題化しやすい代わりに、使用料が高く、短期間の活用が一般的です。このようにそれぞれメリットとデメリットがあるため目的に合わせて、選ぶようにしましょう。

比較軸自社オリジナル制作既存の漫画・アニメIPコラボ
立ち上がりの速さ認知形成に時間がかかる初日から知名度を借りられる
費用構造初期制作費+運用費ライセンス料が期間ごとに発生 (人気IPほど高額に)
到達できる層自社の接点の範囲から拡大作品ファン層へ一気に到達
表現の自由度高い(自社で決められる)低い(監修フローと利用条件の制約あり)
資産性使い続けるほど蓄積する契約期間の終了とともに終わる
向いている目的中長期のブランド構築、事業理解の促進短期の話題化、新規層へのリーチ

判断の目安はシンプルで、中長期でブランドを育てたいならオリジナル、短期で一気に話題化したいならIPコラボがおすすめです。IPコラボは採用や周年施策といった単発の施策に向いており、オリジナルキャラクターは長期的に企業の認知度や好感度を上げるのに向いています。両者は排他ではなく、オリジナルキャラクターを持つ企業が期間限定で漫画IPとコラボする併用も成り立ちます。

▽企業キャラクター×他社IPコラボ例

アニメ・漫画などの他社IPとのコラボを検討中の方向けに、キャラクターコラボのメリットやポイントなどをまとめた「キャラクター活用はじめてガイド」を無料で公開しています。

BtoB企業のキャラクター活用事例5選

オフィスソリューションを手がけるACNグループの公式キャラクター「Oppu(オップ)」は、弊社が開発を担当した企業キャラクターです。世の中のオフィス環境を向上させるために誕生したAIロボットで、「オ」フィスをレベルアッ「プ」するから「Oppu」と名付けられました。

耳にはレベルアップをイメージした上向きの矢印マーク、顔の部分はモニターになっており、さまざまな映像や資料を映し出せる設定です。TVCMでは「近未来感」「先進感」をテーマに、エフェクトやCGを活用してキャラクターの誕生を表現。企業が持つ先進的なイメージを印象的に伝えています。

学び:キャラクターの名前やデザインに事業の提供価値を落とし込むことで、企業の強みや役割を直感的に伝えやすくなります。

モチーフは歌舞伎などの舞台で役者を手助けする「黒衣(くろこ)」。見えないところで社会を支える、同社の製品・サービスを象徴する企業キャラクターという位置づけです。表舞台に出る機会が少ないというBtoB企業の特性を、弱みではなく自社らしさとして表現しています。

展開の幅広さも参考になります。9月6日を「クロコくんの日」として2020年に日本記念日協会へ認定・登録し、認知度向上や社内のモチベーション向上につなげています。

また、名古屋市総合体育館の施設愛称として「クロコくんホール」などが採用されたほか、社名変更を告知するテレビCMでは俳優のムロツヨシさんと共演。「日本ガイシ」から「NGK」への社名変更を広く伝えました。

学び:
・事業そのものではなく、事業のイメージや価値観をキャラクターのコンセプトにすることも可能。
・長く育てたキャラクターは、社名変更のような大きなブランド移行の局面で「変わらない目印」として機能します。

デンソーには、クルマの中の世界「DENSOワールド」で活躍するキャラクター「デンまる」が存在します。たくさんのデンまるが力を合わせてクルマを動かしているという設定で、世界には17万人のデンまるがいるとされています。この数字はデンソーのグローバル従業員数とも重なっており、企業の規模感や世界観を自然に表現しています。

また、デンソーが発明したQRコードとデンまるがコラボしたオリジナルQRコードを作れる「デンまるQRコードメーカー」や「デンまるメーカー」を公開しています。

デンまるQRコードメーカー:https://www.denso.com/jp/ja/about-us/densoworld/denmaru-maker/#/

学び:自社の技術資産とキャラクターを掛け合わせて体験型コンテンツにすることで、理解促進と情報拡散の両方につながります。

物流を担う名鉄NX運輸(旧:名鉄運輸)のマスコット「こぐまくん」は、2020年頃までは十分に活用されていませんでした。しかし、若手社員がこぐまくんの人気に着目したことをきっかけに、こぐまくんを活用した商品展開や商標登録を推進。IP事業化がスタートしました。

2024年に将棋の藤井聡太八冠(当時)が対局中に注文する「勝負おやつ」として、名鉄商店が販売している「こぐまくんケーキ」を選んだことで大きな話題になりました。その後も、絵本の販売を行ったり、企業間輸送の商品名を「こぐまアロー便」にしたりと、キャラクター活躍の機会を増やしています。

引用:名鉄NX運輸の人気キャラクター「こぐまくん」が絵本で全国デビュー https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000114315.html

学び:既存キャラクターでも、活躍の場を増やすことで新たなブランド資産として育てることができます。

最後はマンガIPとのコラボ事例です。

丸紅株式会社は2022年、『ONE PIECE』を起用した新企業広告シリーズを展開しました。企業理念である「Global crossvalue platform」を作品の世界観と重ね合わせ、「できないことは、みんなでやろう。」をスローガンにコミュニケーションを展開しています。

原作が持つ「仲間と力を合わせて目標を目指す」というテーマと企業理念が構造的に一致しているため、広告が単なる話題づくりに終わらず、企業理念やブランドイメージを伝える施策として機能しています。

学び:漫画やアニメなどの他社IPコラボでは知名度だけでなく、企業理念やブランドメッセージとの親和性を重視することが重要です。

キャラクター制作の進め方と期間

ここまで紹介した事例に共通しているのは、どのキャラクターにも明確な「役割」や「伝えたいメッセージ」があることです。

企業キャラクターは、ただかわいいデザインを作ればよいものではありません。まずは「キャラクターを通じて何を実現したいのか」を整理し、その目的に沿って設計することが重要です。

①戦略設計②キャラクター設計③コミュニケーション設計④運用設計

まずは企業課題やキャラクターを活用する目的、ターゲット、期待する役割を整理します。

たとえば、「採用応募を増やしたい」「企業認知を高めたい」「親しみやすいブランドイメージを築きたい」など、目指すゴールによってキャラクターの設計は大きく変わります。この段階での設計精度が、キャラクターの一貫性や成果を左右します。

戦略設計で定めた役割に基づき、キャラクターの人格や世界観、ビジュアルを具体化します。

重要なのは、見た目のかわいさだけにこだわるのではなく、自社の強みや価値観が伝わる設計にすることです。企業「らしさ」を反映したキャラクターほど、長く愛される存在になります。

キャラクターは、活用する場所によって担う役割が異なります。

展示会、採用サイト、SNS、営業資料、動画広告、社内報など、どの接点で誰に何を伝えるのかを整理し、コミュニケーション設計を行います。活躍の場を具体的に想定しておくことで、制作後の活用がスムーズになります。

キャラクターは「作って終わり」ではありません。

どれほど魅力的なキャラクターでも、生み出しただけで自然に認知が広がることはほとんどありません。企業CMに登場させる、SNSアカウントを長期間運用するなど、一定の予算と時間をかけて生活者との接点を積み重ねることで、はじめてキャラクターは育っていきます。そのため、制作段階から運用にかかる費用や体制もあわせて計画しておくことが重要です。

長く活用していくためには、話し方や世界観、ビジュアルルールなどをまとめたガイドラインを最初の段階で定めておくことが欠かせません。担当者や制作会社、活用する媒体が変わってもキャラクターの印象がぶれないよう、あらかじめルールを整えておきましょう。一貫した運用と継続的な発信を重ねることで、キャラクターは少しずつ企業の顔として認知され、「ブランド資産」へと成長していきます。

費用の考え方と権利の扱い

「結局いくらかかるのか」は、検討の初期段階で最も気になる点だと思います。キャラクター制作の費用は一律ではなく、対応範囲や利用方法によって大きく変動します。

■対応範囲
・デザイン制作のみか
・戦略設計や設定資料の作成を含むか
・運用設計や広告などの活用まで依頼するか

■デザインのボリューム
・キャラクターの数
・表情やポーズのバリエーション数

■活用範囲
・WebサイトやSNSのみか
・展示会や営業資料にも活用するか
・TVCMや交通広告、グッズ展開まで想定するか

■権利の範囲
・使用できる媒体
・利用期間
・二次利用の可否

提供内容は制作会社によって異なりますが、一般的には、デザイン制作のみを依頼することも、戦略設計から運用支援まで一貫して依頼することもできます。

依頼する前に、次の2点を整理しておくと、必要な依頼範囲が明確になり、費用感も把握しやすくなります。
・キャラクターを何に活用したいのか
・社内でどこまで運用できるのか(SNS運用やコンテンツ制作など)

また、費用を抑えてデザインだけを制作すると、性格や世界観が定まらず活用しづらくなる場合があります。長く運用するためには、デザインとあわせて設定や世界観も設計することがおすすめです。

見落とされがちですが、著作権の扱いも重要なポイントです。キャラクターの著作権は、原則として実際に制作した側(制作会社やデザイナー)に発生し、企業側が保有するには契約で譲渡を受ける必要があります。どこまでの権利をどちらが持つかは、契約の内容によって異なります。

自社で長期的に活用し、商標登録やグッズ展開まで視野に入れる場合は、権利の帰属を事前に確認しておきましょう。将来の活用範囲によっては、権利の取り決め方が事業展開のしやすさを左右することもあります。

また、特定の広告キャンペーンでのみ使う場合は、使用範囲を絞ることで費用を抑えられるケースもあります。いずれの場合も、発注前に権利の扱いを確認しておくことをおすすめします。

まとめ

BtoB企業におけるキャラクター活用は、単なる企業イメージの装飾ではありません。目に見えにくい事業内容や技術、企業の想いをわかりやすく伝え、認知向上や理解促進、採用活動、社内コミュニケーションまで幅広く活躍する重要な「ブランド資産」です。

実際に、この記事で紹介した事例を見ても、どのキャラクターもその企業らしい特色があり、それを伝える役割を担っています。

企業オリジナルキャラクターが活躍するためには、愛されるデザインだけでなく「何を実現したいのか」という戦略設計や、運用ルール・権利設計まで含めて考えることが重要です。制作時の設計次第で、その後の活用のしやすさや将来的な資産価値は大きく変わります。

「自社らしさが伝わるキャラクターを作りたい」
「採用や広報に活用したい」
「長く愛される企業キャラクターを育てたい」とお考えの方は、まずは何を目的にキャラクターを制作するのかを明確にしましょう。

jekiの企業キャラクター開発パッケージ

最後に、ジェイアール東日本企画の「企業キャラクター開発パッケージ」をご紹介します。

当社は総合広告会社として、さまざまな企業の課題解決を支援してきました。その経験を活かし、課題やターゲットを丁寧にヒアリングしたうえで、企業の目的に合わせたキャラクター開発を行います。

キャラクターのデザイン制作だけでなく、性格や世界観の設計、運用ガイドラインの策定まで対応。さらに、開発後の広告・プロモーション施策まで一気通貫でサポートできることが特長です。

キャラクターのお披露目施策やSNS活用、キャラクター紹介サイト制作、広告展開、販促物制作など、広告会社ならではのノウハウを活かし、キャラクターを「作って終わり」にしない活用をご提案します。

企業キャラクターのメリットや活用事例、開発パッケージの内容をまとめた資料を無料で公開しています。自社のキャラクター制作をお考えの方は、ぜひ以下より資料をご覧ください。

よくある質問

Q. 企業キャラクター制作だけを依頼できますか?
可能です。基本パッケージは、キャラクターのデザインと性格や世界観などの設定といったキャラクター制作のプランとなっています。
もちろん、運用設計やプロモーション施策の実施まで、ご要望に応じて追加のご相談も可能です。

Q. 制作期間はどれくらいですか?
標準的な開発パッケージで約3か月が目安です。要件に応じて調整可能です。

Q. 既存キャラクターのリニューアルもできますか?
可能です。これまで蓄積してきたブランド資産を活かしながら、デザインや設定のアップデートをご提案します。

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