ジェイアール東日本企画 オンライン相談室 キクコト

シニアマーケティング成功の3つのポイント

脇谷 将史

脇谷 将史

こんにちは、ジェイアール東日本企画オンライン相談室「キクコト」相談パートナーの脇谷です。
「キクコト」は、お客さまの広告課題に対して無料でご相談に乗り、提案・実行までをサポートするオンライン相談サービスです。
 

今回のテーマは、超高齢化社会が進む日本において、その重要性が日に日に増している「シニアマーケティング」です。私はJR東日本のシニア向け会員組織「大人の休日倶楽部」の広告担当を5年間務め、その難しさを身をもって感じています。そんなシニア向け商材を実際にサポートしてきた私の視点で、シニアマーケティング実践のポイントをお話しします。
 
シニア向け商材を扱う企業の方、今後自社のサービスをシニア向けに拡大しようと考えている方にとって、押さえておきたいポイントをお伝えします。
 
 

もくじ

 
 

シニアって誰を指すの?

シニアマーケティングを説明するために、まず「シニア」とは何かを整理しましょう。
 
「シニア」の定義は非常に曖昧で、法的に明確な基準は存在しません。
そのせいか70歳になる私の父は「俺はまだまだシニアじゃない」と言い張っていますし、 きっと10年後も同じことを言っている気がします。
 
世界保健機関(WHO)が65歳以上を「高齢者」と定義していることから、最近ではこの65歳以上の人をシニアと呼ぶのが最も一般的です。厚生労働省も65歳以上を「高齢者」としていますので、本記事では65歳以上の人をシニアと呼ぶことにします。
 


 

3人に1人がシニアになる時代はすぐそこ

2019年時点で日本の65歳以上の人口は約3,588万人
総人口1億2,617万人に対して占める割合は28.5%で、国民の4人に1人以上がシニアという状況です。
そして2040年には65歳以上の人口が約3,920万人、総人口に占める割合は35.4%に達すると予測されています。つまり約20年後には国民の3人に1人がシニアということです。
 

          ■人口ピラミッドの推移

出典:厚生労働省 令和2年版厚生労働白書
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/19/dl/1-01.pdf


今後日本全体の人口は減少し、多くのマーケットが縮小していくことが確実です。そんな中、人数も割合も増加し続けるシニアマーケットは、数少ない成長市場であり、多くの業界が注目しています。
 
それでは、シニアへのアプローチを考える上で重要なポイントはなんでしょうか?
JR東日本のシニア向け会員組織「大人の休日倶楽部」の担当を務めてきた経験から、私が考えるポイントをご紹介します。
 
 
 

シニアマーケティング成功のポイント3つ

 ①シニアを一括りにしない
 ➁メディア接触の既成概念を捨てる
 ③お年寄り向けの表現を使わない

以下、それぞれのポイントについて詳しくご説明します。
 
 

シニアを一括りにしない

 
みなさんは「シニア」と聞いてどんな人を思い浮かべるでしょうか?
家でテレビを見て、時々お散歩して、のんびりと老後生活をおくっている人でしょうか?
それとも夫婦で頻繁に旅行したり、登山をすることが趣味のアクティブな人でしょうか?
きっとこれ以外のシニア像をイメージした人も沢山いらっしゃることでしょう。
現代においてシニアを一つのステレオタイプで表現するのは不可能と言えます。
  

65歳以上の人を「シニア」と定義しましたが、その数は3,500万人以上。
その中には、男性もいれば女性もいます。
年齢が60代の人もいれば、90代の人もいます。
現役で仕事をしている人もいれば、介護を必要とする人だっています。
それを一つに括ろうとすることに無理があるのは明白ですよね。
 
「シニア」という言葉でターゲットを絞り込んだつもりになってしまうこと
=シニアを一つの属性と考えてしまう行為こそがシニアマーケティング失敗の一番の要因と言っても過言ではありません。
 
 
またシニアを年齢やライフスタイルの掛け合わせで、いくつかに分類することがあります。
代表的なのが「アクティブシニア」です。
アクティブシニアとは、身体的に健康で行動的でいきいきしている、趣味や仕事などさまざまなことに意欲的といった傾向の、主に65〜75歳くらいの前期高齢者を指すことが多い言葉です。活動的で、消費意欲も高い層であることから、このアクティブシニアはシニアマーケットの中でも特に注目されています。
 
「アクティブシニア」に対して、なんらかの介護が必要な高齢者を「パッシブシニア」と呼び、アクティブシニアとパッシブシニアの間に位置する人たちを「ノンアクティブシニア」と呼びます。 

※この分類方法はあくまで一例で、さまざまな研究機関が独自の分類を提唱しています。

 
そしてシニアマーケティングにおいて重要なのは、こういった属性も参考にしながら、自社のターゲット像をより具体的に設定することです。
シニア全員に受け入れられようとするのではなく、その商品・サービスを誰に届けたいのかを明確にし、ペルソナ(※)をしっかり描くことが重要です。
 

※ペルソナ
商品・サービスのユーザー像のことで、自社のサービスを訴求しやすいターゲットは誰かを明確にするマーケティングの概念です。年齢、性別、職業、年収、居住地、家族構成、趣味、ライフスタイルなど、架空の人物像を細かく設定します。

 
このペルソナを設定することで、的確にそのターゲットに対してアプローチできるようになります。
 

⇒つまりシニアマーケティング成功のポイントの1つ目は
 「自社のターゲット・ペルソナを明確にする!」
 
 
 

メディア接触の既成概念を捨てる

 
「お年寄りはインターネットなんてほとんど使わない」
「シニアにはオフラインのコミュニケーションだけで大丈夫」
こういったターゲットへの先入観みたいなものを持っている方に時々出会うことがあります。
 
しかしデータを見るとそれがただの思い込みであることがわかります。
総務省情報通信政策研究所の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、60代のインターネット行為者率と行為時間は共に年々伸びていることがわかります。
 
          ■「インターネット利用」の平均利用時間・行為者率

 
 
また60代の70%以上がインターネットを利用しており、他のメディアとの比較でもテレビに次いで2番目に多くなっています。
 
          ■[平日] 主なメディアの行為者率・行為者平均時間(全年代・年代別)

 
 
さらに「趣味・娯楽に関する情報を得る」メディアという問いでは、60代でもインターネットがトップとなり、日々の情報収集に欠かせないメディアになっていることが以下のデータからわかります。
 
          ■「趣味・娯楽に関する情報を得る」(最も利用するメディア)

(上記グラフ3点)
出典:総務省情報通信政策研究所 令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査
https://www.soumu.go.jp/main_content/000765258.pdf

 
 
「だからオンライン広告を使いましょう!」と言いたいわけではありません。
 
【主なメディアの行為者率・行為者平均時間】の図をよく見ると、60代ではテレビの視聴が圧倒的なパワーを持ち、新聞の行為者率が唯一50%を超えるなど、他の年代とは全く違うメディア接触傾向があることがわかります。
シニアにおいては依然マスメディア(オフライン広告)が大きな効果を持っていることを念頭に、リーチの効率を上げるためにはオンライン広告も必要になってきていると捉えましょう。
 

※お話ししたのはあくまでも60代についてですので、70代・80代では当然また違う傾向があること、そして①で説明した属性・ペルソナによってもそれぞれにメディア接触傾向に特徴が出ることは十分に考慮する必要があります。

 
⇒つまりシニアマーケティング成功のポイントの2つ目は
「オンライン・オフラインを組み合わせて柔軟なメディア戦略を立てる!」
 
 
 

お年寄り向けの表現を使わない

 
シニア向け広告を制作する際に、ついついお年寄り向けの表現を選びがちですが、これは逆効果だと私は考えています。
 
株式会社ハルメクが実施した「孫と敬老の日に関する意識調査」の結果を見ると、50~84歳女性の40%が「敬老の日にお祝いされたくない」と回答、「お祝いされたい」(18.3%)の2倍以上となっています。
お祝いされたいと思わない理由は「祝われる年齢ではないと思うから」「老人扱いされているように感じるから」が多く、60代・70代でもまだまだ現役意識がみられる結果となっています。
 

(上記グラフ2点)出典:ハルメク 生きかた上手研究所調べ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000043.000034765.html

 
 
このように高齢者扱いされることへの抵抗感を持っていたり、そもそも自分をシニアだと思っていないシニアが多く存在します。そんな人たちに「お年寄りの方へ~」「高齢者向け~」と表現することは得策とは言えません。
 
例えば、JR東日本の「大人の休日倶楽部」では、シニアを「大人」と表現しています。

 
キャッチコピーは「大人になったら、したいこと。」
 

本来の意味は「リタイアしたら、したいこと。」「年をとったら、したいこと。」なんですが、誰も不快にならないワードを使ってコミュニケーションしていることが大きなポイントです。
 

 
◎JR東日本 大人の休日倶楽部の事例はこちら↓



 
ここで「高齢者向け」を表現する際のテクニックを一つご紹介しましょう。
 
それは「年齢=事実」をキーワードにすることです。
老人扱いをされるのは嫌でも、年齢という数字(事実)なら受け入れてしまう傾向があるのです。
 
例えば「お年寄り向け」ではなく「70歳以上の方向け」「65歳からの~」のように年齢で括れば、それは「事実」なので、自分事として捉えることが出来るということです。
 
 
 
もう一つ、表現上とても大事なことがあります。
それは高齢者であることを意識して配慮することです。
 
具体的には
わかりやすい言葉を使う(IT用語などの難しい単語を使わない)
読みやすくする(文字を大きく、行間を取る、シンプルな書体)
判別しやすい色を使う(文字と背景のコントラスト、配色)
などの工夫です。
 
先ほどと反対のことを言っているように聞こえるかもしれませんが、「高齢者扱い」と「高齢者への配慮」は全く別物だと認識しましょう。
 
 
⇒つまりシニアマーケティング成功のポイントの3つ目は
 「高齢者扱いをしない一方で、高齢者向けの配慮を怠らない!」
 
 
 

まとめ:自社のターゲットを具体化して、シニアに合わせた戦略設計を

超高齢化社会が進む日本において、今後もシニアマーケティングの重要性は増していくことが予想されます。他社に後れを取らないためには、思い込みではなくデータとノウハウに基づいてきちんとマーケティング戦略を立てることが重要です。
 
本日お話ししたシニアマーケティングの3つのポイントはそのほんの一部ですが、まずは第一歩としてこれを意識して取り組んでみてください。
 
シニアを一括りにしない
  ⇒自社のターゲット・ペルソナを明確にする!
 
メディア接触の既成概念を捨てる
  ⇒オンライン・オフラインを組み合わせて柔軟なメディア戦略を立てる!
 
お年寄り向けの表現を使わない
  ⇒高齢者扱いをしない一方で、高齢者向けの配慮を怠らない!
 
 
そして次のステップに悩んだら、ジェイアール東日本企画オンライン相談室「キクコト」、そしてこの脇谷にお気軽にご相談ください。
大人の休日倶楽部他多くの案件を担当して、数々の施策のトライ&エラーを繰り返してきた私なら、シニアを細かく分けて考えて、おすすめの打ち手もご提案可能です。
 
 
*オンライン相談サービスの概要はこちら

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