【シニア トレンド】雑誌の特集から読み解く4つのキーワード

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト シニアターゲティング」編集部です。

シニアライターが書くシニアマーケティングに“効く”コラム、今回のテーマは「【シニア トレンド】雑誌の特集から読み解く4つのキーワード」です。


シニアに限らずマーケティングのポイントは、「ターゲットと想定される生活者のインサイトから潜在的なニーズを探り、自社のプロダクトやサービスにどう結び付けるかの仮説を立てる」プロセスにあります。

そのためにはまず、ターゲットが何を考え、どのように行動しているかについてのトレンドを把握することが出発点となります。


当コラムでは、

・「シニア世代」とグルーピングされる人々の意識・行動についてのトレンドを分析し

そこから、

・「シニア世代」向けのビジネストレンドを探ってみます。

シニア世代向けマーケティング施策を模索中の方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。







トレンドの源、シニア世代の興味関心事とは?

2016年のソニー生命「シニアの興味関心事」調査結果です。下表からもわかるように「健康」「旅行」「お金・財産」「グルメ」(女性だけ「美容」「ファッション」)が興味関心の上位となりました。



出典:ソニー生命シニアの生活意識調査2016https://www.sonylife.co.jp/company/news/28/nr_161220.html


次の表は、同社の調査の2022年版で「シニアのスマホ活用状況」についてです。今や若い世代と大きく変わらず、デジタルデバイスを使いこなしている様子もうかがえます。



内閣府の高齢社会白書によると、喜びや楽しみ(生きがい)を感じる時は、「家族団らん」「グルメ」「趣味・スポーツ」「友人との会食・会話」などが上位。家族と会話し、美味しいものを食べ、好きなことに熱中するーーーつまり特別なことではなく、当たり前の日常生活こそがかけがえのない時間だというシニアの気持ちの表れではないでしょうか(筆者も激しく同意です)。



出典:内閣府高齢社会白書「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果」https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r03/zentai/pdf/2_8.pdf




⇩このコラムをお読みの方に、おすすめしたい資料がこちら‼





シニア向け雑誌の特集テーマから、シニアトレンドのヒントを探る

一般的な基礎データとして、「シニアの興味関心事」を簡単に振り返りましたが、ここからはシニアの本音やインサイトを探るために、もう少し具体的に踏み込んでみます。

「キクコト シニアターゲティング」編集部では、シニア世代に強い影響力を持つであろう“雑誌”にフォーカスし、各誌の特集記事から独自のトレンド分析を試みました。

雑誌の特集は読者のニーズに応えようとするものであり、シニア層の意識を反映しているケースが多いことが理由です。


具体的には、

●シニア向け雑誌などの過去1年間程度の特集記事を洗い出す

●シニア向け雑誌がその特集を組んだ理由・背景

●シニア読者が、その特集を読んで得たものやヒント

について想像を巡らせ仮説を立て、そこからおおまかな傾向や潮流をトレンドとしてキーワード化します。


雑誌の選定基準

◎ファッション誌の特集は、具体的なアイテム提案がほとんどなので除外

◎健康がテーマの専門誌は、毎号の特集が健康ネタなので除外

◎釣り、将棋、ダンスなど特定の趣味誌も、専門的特集なので除外

◎男性誌は、総合生活情報誌というジャンルがなく、特定の趣味誌やファッション誌がほとんどなので除外

◎上記以外で特定の分野に偏りすぎない、総合生活情報誌(月刊誌が基本)

を、編集部の主観で選定します。



★ハルメク(50代からの生き方・暮らし方マガジン)

シニア女性向け生活情報誌の代表格とも言える「ハルメク」。「ハルトモ」と呼ぶモニター会員を組織化し、彼女らの声を特集や誌面作りに活かしたり、ライターとして参加させるなど、シニア世代のリアルなニーズが誌面に反映されていることが、支持を集めている理由と推察できます。(ハルメク365 https://halmek.co.jp/haltomo/)雑誌と連動した通販サイトも展開中。


・うまいことラクに老いる知恵(2023年7月号)
・代謝をアップしてぽっこりお腹を解消!(2023年6月号)
・がんばらない、疲れない片づけ(2023年5月号)
・“なんだか品よく”おしゃれに!(2023年4月号)
・値上げに負けない年金生活(2023年3月号)
・一生、自分で歩く(2023年2月号)
・60代70代でしておくべき入院・介護の賢い備え これだけは!(2023年1月号)


年齢を重ねることに悲観的にも楽観的にも偏らず、自然体のメッセージを発信する特集が多い印象です。



★ゆうゆう(50代からの女性向け生活情報誌)

シニア向けに幅広くかつ具体的な生活情報を網羅しながら、表紙を飾る50代60代70代の著名女性が自身の想いを語る記事が特徴。


・人生を豊かにする住み替え、暮らし替え(2023年9月号)
・ひとり上手でもっと輝く(2023年8月増刊号)
・疲れ知らずで夏を乗り切る(2023年8月号)
・節約上手は暮らし上手(2023年7月号)
・見逃してはいけない体の不調(2023年6月号)
・老けない私の元気習慣(2023年5月増刊号)
・すぐに散らかる人のすっきり生活(2023年5月号)
・ひとりでも大丈夫!上機嫌で生きるヒント(2023年4月号)
・自分磨き、はじめの一歩(2023年3月号)
・今日から始める「ボケない暮らし」(2023年2月号)
・生き方上手になるヒント(2023年2月増刊号)
・「お金」と正しくつき合う!(2023年1月号)


「ひとり上手」「生き方上手」というキーワードが目を引きます。ライフステージの変化に対する特集で読者に寄り添うイメージでしょうか。



★大人のおしゃれ手帖(50代からの グッドエイジングを応援するライフスタイル誌)

40代~60代の女性向けで、50代女性がメイン読者のライフスタイル誌。ラグジュアリー誌やコンサバ誌、実用系主婦誌とは違い、生活全般をどのようにおしゃれで心地よく快適にす

ることができるか、という読者ニーズに応えています。(ニュースリリースより引用)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001530.000005069.html


・内側から輝く!新・ヘルスケア習慣(2023年8月号)
・おいしさと作りやすさを叶える食卓のアイデア(2023年7月号)
・家や暮らしをチューンナップ“暮らしの見直し”大作戦(2023年6月号)
・おしゃれの春がやってきた!(2023年5月号)
・必見!5年先もきれいでいるための「50代、今から美容」(2023年4月号)
・50代からの心地よく暮らす家の作り方・使い方(2023年3月号)
・50代、今が輝くヘルスケア大全(2023年2月号)
・心とからだをデトックス!ごきげんな私の作り方(2023年1月号)


比較的ファッション寄りの編集色なので、「シニアだって輝きましょう!」系の特集が多い。



★毎日が発見(健やかに楽しく暮らすをテーマにした50代からの女性向け生活総合誌)

「50代から始まる新しい人生!」が雑誌のキャッチフレーズ。とはいえ平均読者年齢が67.9歳なので、読者の興味・関心の1位は健康・美容。必然的に特集のテーマも、「健康・美容」が多い印象です。

雑誌と連動して、通販カタログ「毎日が発見ショッピング」などによるシニア向け通販事業も展開しています。(参照:「毎日が発見」メディアガイド)https://mediaguide.kadokawa.co.jp/media/life/mh/


・背中ほぐし体操(2023年9月号)
・血管、骨、筋肉と脳が元気になる!鎌田實式 ズボラ体操(2023年8月号)
・健康寿命をのばす名医7人の朝の習慣(2023年7月号)
・しまい方でスッキリ「捨てない」片付け(2023年6月号)
・血管がやわらかくなる脚ストレッチと食事術(2023年5月号)
・自分の足で一生歩く(2023年4月号)
・60代から、やめる家事(2023年3月号)
・入浴・呼吸・睡眠で血管が若返る!(2023年2月号)
・脳と体が若返る食事術(2023年1月号)


雑誌名は「毎日が発見」ですが、シニア世代にマインドセットを促すような特集はほぼありません。特集を見る限り「健やかに暮らすための健康習慣」に重きを置いているようです。



★クウネル(50代からの大人の女性のライフスタイル誌)

対象読者を、マチュア(成熟した、大人の)世代と呼び、日々生き生きと輝いて生活する人たちを紹介する新しいライフスタイル誌。「プレミアムメンバー」という選抜された読者たちが、身近な興味関心事やトレンド情報を自身のSNSからも発信するなど、感度高めなシニア女性向け雑誌と推察。

https://kunel-salon.com/premiummember/


・快適な暮らしは、心地よい住まいから。やっぱり、家が好き!(2023年9月号)
・料理好きな人のいつものごはん(2023年7月号)
・センスのいいあの人の愛用品(2023年5月号)
・パリ・東京おしゃれスナップ138(2023年3月号)
・私の人生を変えた本(2023年1月号)
・あの人が心がけている60歳からの幸せルール(2022年11月号)


「おしゃれなシニア著名人」をお手本にした快適な暮らし紹介の特集が基本的な編集スタンスのようです。やや背伸びしている感は否めません。



★婦人公論(美しく年を重ねる女性に、豊かな人生のヒントを届ける雑誌)

平塚雷鳥や与謝野晶子も執筆した創刊100年を超える草分け的女性誌。読者年齢層の公表はありませんが、特集タイトルを見るとシニア女性向けであることは明白です。実用的な生活情報だけでなく、夫婦、仕事、子育て、人づきあい、恋愛、性、健康など女性にとって身近で切実なテーマを独自の切り口で取り上げています。


・〈無理なく悔いなく自分らしく〉理想の「人生の終い方」(2023年9月号)
・〈笑顔が増えて、脳も活性化〉小さな「初めて」が毎日を楽しく変える(2023年8月号)
・〈介護、相続、生活格差でトラブル勃発!?〉きょうだいの壁(2023年7月号)
・脳と体を整えて、100歳時代を健康に(2023年6月号)
・物価高騰に負けない!豊かな暮らしは上手に使い切るから(2023年5月号)
・しんどい付き合い、家事、お金……やめてスッキリ、幸せになる(2023年4月号)
・達人たちに学ぶ ひとり暮らしの楽しみ(2023年3月号)
・運と縁に恵まれる人になる(2023年2月号)


「終い方」「トラブル」「負けない」「しんどい」などのネガティブワードと「笑顔」「楽しく」「豊かな」などのポジティブワードをバランスよく特集化。他誌よりも、生き方そのものに踏み込んでいる印象です。



続いて取り上げる2誌は、本来シニア向けに特定した雑誌ではありませんが、創刊から40年以上が経過し読者層が高齢化したことで、特集テーマも読者年齢を考慮した内容のものが増えています。またプレシニア世代(40代後半から50代後半)に向けて、これからの暮らし方を提案する特集も散見されますので、分析対象とします。


★クロワッサン(30代~60代まで幅広い読者を持つ主婦向け生活情報誌)

1977年創刊、主婦向け生活情報誌のスタイルを作った定番的存在。「素敵な大人の年齢の重ね方。」の特集に登場する著名人は、由紀さおりさんや林真理子さんなど。50代以上の読者も十分意識した編集方針と読み取ることができます。


・素敵な大人の年齢の重ね方。(2023年8月号)
・カラダを整える、夏の腸活。(2023年7月号)
・お酒を楽しむ、夏の絶品おつまみ。(2023年7月号)
・賢く、無理ない、節約術。(2023年6月号)
・最新版!冷凍・冷蔵の新常識。(2023年6月号)
・何歳でも変われるから、今日から始めよう!骨活、脳活、筋活。(2023年5月号)
・ストレッチで、体が変わる。(2023年5月号)
・花と緑のある暮らし。(2023年4月号)
・伝えたい味、残したいレシピ。(2023年4月号)
・収納、修繕、模様替え…で叶う。住まいの見直し術。(2023年3月号)
・大人の新しい楽しみ方保存版 春の京都案内。(2023年3月号)
・何歳からでも、極上肌は作れる。(2023年2月号)
・おうちで楽しむ、パン案内。(2023年2月号)
・コリ、痛み解消BOOK。(2023年1月号)
・痩せる腸活レシピ。(2023年1月号)


※クロワッサンは月2回発行


生活情報系の雑誌らしく、「日常を楽しむ」ことに比重を置いた特集が目立つ一方、「変われる」「始めよう」「見直し」「新しい楽しみ」など、読者に変化を呼び掛けるようなタイトルを多用しています。



★エッセ(30代~50代の女性向け生活情報誌)

1981年創刊。エッセはクロワッサンの競合誌ですが、どちらかと言えば実用寄りの情報がメインの印象。読者年齢はシニアより若めに設定されつつも、近年は50代以上のプレシニア読者を意識した特集テーマも増えつつあります。また関連誌の「これからの暮らしbyESSE」は、50代からの女性向きと明記されています。


・やっぱり朝が大切でした!「暮らしが回るみんなの時間割」(2023年9月号)
・モヤモヤ・ムダ・ごちゃつきを手放そう!「すっきり暮らしの人が夏に捨てて幸せになったもの」(2023年8月号)
・今すぐできる光熱費対策から、涼しい暮らし方まで「電気・ガス代の値上げに負けない『家計の新常識』」(2023年7月号)
・プロとマニアがコスパ&タイパで選びました!「6大ショップの最強フード154」(2023年6月号)
・家事・もの・疲れ・ストレスはため込まない!「暮らしと体を整えて身軽に行こう」(2023年5月号)
・新生活をアップデート大人が買っても失敗しないものだけ集めました!「100円ショップの本当にいいもの179」(2023年4月号)
・暮らし上手が40代・50代で“やめて”幸せになったこと(2023年3月号)
・値上げも収入も関係なし!「あたらしい食費の減らし方。」(2023年2月号)
・老後資金と教育費の正解を教えます!「30代・40代・50代・60代の世代別マネープランで貯まる一年に!」(2023年1月号)


★これからの暮らし by ESSE (50代からの大人の女性の暮らしを応援する生活情報誌)

・50代、60代、70代のやめてラクになったこと(2023年夏号)


「暮らしを楽しむ」というメンタルよりも、快適な日常のためのより具体的なヒントを提供する特集が多い。「捨てよう」「ため込まない」「身軽に」「やめる」などのワードが目を引きます。





シニア(女性)の意識・行動トレンドを分類・分析してみる

次に前項で挙げた各誌の特集タイトルを、4つのカテゴリーに分類し直しました。


トレンド① 楽しく生きる 

「普段の暮らしを楽しむヒントが欲しい」「なんでも楽しもうとする姿勢でいたい」「日々の喜びを増やしたい」マインドにフォーカスした特集(暮らし、食事、インテリア、ファッションなど)


・“なんだか品よく”おしゃれに!(ハルメク)
・おいしさと作りやすさを叶える食卓のアイデア(大人のおしゃれ手帖)
・おしゃれの春がやってきた!(大人のおしゃれ手帖)
・快適な暮らしは、心地よい住まいから。やっぱり、家が好き!(クウネル)
・料理好きな人のいつものごはん(クウネル)
・センスのいいあの人の愛用品(クウネル)
・パリ・東京おしゃれスナップ138(クウネル)
・〈笑顔が増えて、脳も活性化〉小さな初めてが毎日を楽しく変える(婦人公論)
・お酒を楽しむ、夏の絶品おつまみ。(クロワッサン)
・花と緑のある暮らし。(クロワッサン)
・大人の新しい楽しみ方保存版 春の京都案内。(クロワッサン)
・おうちで楽しむ、パン案内。(クロワッサン)
・やっぱり朝が大切でした!「暮らしが回るみんなの時間割」(エッセ)
・プロとマニアがコスパ&タイパで選びました!「6大ショップの最強フード154」(エッセ)
・新生活をアップデート大人が買っても失敗しないものだけ集めました!「100円ショップの本当にいいもの179」(エッセ)


若いころには気づかなかった「日々の暮らしの大切さ」を見つめ直して、毎日前向きに楽しく生きる」のは、トレンドを超えて普遍的とも言えるテーマです。またコロナ禍という外的要因が、このジャンルの進化や充実を加速させました。レッドオーシャンかもしれませんが、無くなることは絶対にないジャンルです。



トレンド② 軽やかに生きる 

「これまで縛られてきた常識や環境、人間関係を一度リセットして自然体で身軽になってみる」「捨てる、減らす、シンプルに軽やかに生きる」をテーマにした特集(脱・物欲、所有欲、節約、マイペース、終活など)


・うまいことラクに老いる知恵(ハルメク)
・がんばらない、疲れない片づけ(ハルメク)
・値上げに負けない年金生活(ハルメク)
・ひとり上手でもっと輝く(ゆうゆう)
・節約上手は暮らし上手(ゆうゆう)
・すぐに散らかる人のすっきり生活(ゆうゆう)
・ひとりでも大丈夫上機嫌で生きるヒント(ゆうゆう)
・「お金」と正しくつき合う(ゆうゆう)
・家や暮らしをチューンナップ“暮らしの見直し”大作戦(大人のおしゃれ手帖)
・心とからだをデトックス!ごきげんな私の作り方(大人のおしゃれ手帖)
・しまい方でスッキリ「捨てない」片付け(毎日が発見)
・60代から、やめる家事(毎日が発見)
・〈無理なく悔いなく自分らしく〉理想の「人生の終い方」(婦人公論)
・〈介護、相続、生活格差でトラブル勃発!?〉きょうだいの壁(婦人公論)
・物価高騰に負けない!豊かな暮らしは上手に使い切るから(婦人公論)
・しんどい付き合い、家事、お金……やめてスッキリ、幸せになる(婦人公論)
・達人たちに学ぶ ひとり暮らしの楽しみ(婦人公論)
・賢く、無理ない、節約術。(クロワッサン)
・モヤモヤ・ムダ・ごちゃつきを手放そう!「すっきり暮らしの人が夏に捨てて幸せになったもの」(エッセ)
・今すぐできる光熱費対策から、涼しい暮らし方まで「電気・ガス代の値上げに負けない『家計の新常識』」(エッセ)
・家事・もの・疲れ・ストレスはため込まない!「暮らしと体を整えて身軽に行こう」(エッセ)
・暮らし上手が40代・50代で“やめて”幸せになったこと(エッセ)
・値上げも収入も関係なし!「あたらしい食費の減らし方。」(エッセ)
・老後資金と教育費の正解を教えます!「30代・40代・50代・60代の世代別マネープランで貯まる一年に!」(エッセ)
・50代、60代、70代のやめてラクになったこと(これからの暮らしbyエッセ)


意外にも?この「軽くする、捨てる」「マインドセットを変える」ジャンルの特集が最も多いという結果になりました。物理的な軽やかさも見逃せませんが、どちらかと言うと難しく考えず、楽にシンプルに生きるという「ストレスフリー」志向の推奨かもしれません。

「コロナ禍」「値上がり」「資源不足」「紛争」「疫病」「温暖化」などVUCAと呼ばれる時代で、先行きが見えにくい今、「シンプルに生きる」「ダウンサイジングして生きる」「身軽でいる」トレンドはさら浸透しそう。また「SDGs」や「エシカル」「社会のために貢献したい」というシニアの価値観にも関連するものです。かつて「断捨離」などのワードが流行しましたが、このジャンルは今後まだまだ注目されるのではないでしょうか?

参考:

音声入力=手先の機能からの解放

自動運転=運動能力からの解放

パワーアシストスーツ=力仕事からの解放

アバター=外見(老化)からの解放



トレンド③ 変化を恐れずに生きる 

年齢や変化を恐れず自分の望みに沿って新しく生き直そうとするニーズに応える特集(住み替え、移住、学び直し、婚活など)


・人生を豊かにする住み替え、暮らし替え(ゆうゆう)
・自分磨きはじめの一歩(ゆうゆう)
・生き方上手になるヒント(ゆうゆう)
・50代からの心地よく暮らす家の作り方・使い方(大人のおしゃれ手帖)
・私の人生を変えた本(クウネル)
・あの人が心がけている60歳からの幸せルール(クウネル)
・収納、修繕、模様替え…で叶う。住まいの見直し術。(クロワッサン)
・素敵な大人の年齢の重ね方。(クロワッサン)


筆者も60歳の定年を機に、(なぜか?)デジタルマーケティングの世界に身を置くことになり、Web解析なるものを学び、それまでの広告の制作現場から職場環境が激変しました。長年デジタルの真逆にいた自分が、20代30代の若者たちに迷惑をかけながらも、なんとか取り組めているのも、「変化を恐れず」に飛び込んだからこそのように思います。

実はこのような「変わりたい」欲求を、シニアの人たちは潜在的に持っているのではないでしょうか?ここにもビジネスチャンスありだと思います。

「70歳からでも80歳からでも新しい人生は始まる」と言われると、ちょっとドキドキします。

参考:

移住や二拠点生活=シニアだからこそ、新しい人生を始めるわくわく感

学び直し=それまで知らなかった、違うジャンルの知識を知る驚きや得るよろこびなど



トレンド④ 健やかに生きる 

「楽しむ」「身軽になる」「始める」意欲も、気力体力があればこそ。健康的に若々しくアクティブに生きたいという根源的なニーズに迫る特集。


・代謝をアップしてぽっこりお腹を解消!(ハルメク)
・一生、自分で歩く(ハルメク)
・疲れ知らずで夏を乗り切る(ゆうゆう)
・見逃してはいけない体の不調(ゆうゆう)
・老けない私の元気習慣(ゆうゆう)
・今日から始める「ボケない暮らし」(ゆうゆう)
・内側から輝く!新・ヘルスケア習慣(大人のおしゃれ手帖)
・必見!5年先もきれいでいるための「50代、今から美容」(大人のおしゃれ手帖)
・50代、今が輝くヘルスケア大全(大人のおしゃれ手帖)
・背中ほぐし体操(毎日が発見)
・血管、骨、筋肉と脳が元気になる!鎌田實式 ズボラ体操(毎日が発見)
・健康寿命をのばす名医7人の朝の習慣(毎日が発見)
・血管がやわらかくなる脚ストレッチと食事術(毎日が発見)
・自分の足で一生歩く(毎日が発見)
・入浴・呼吸・睡眠で血管が若返る!(毎日が発見)
・脳と体が若返る食事術(毎日が発見)
・脳と体を整えて、100歳時代を健康に(婦人公論)
・カラダを整える、夏の腸活。(クロワッサン)
・何歳でも変われるから、今日から始めよう!骨活、脳活、筋活。(クロワッサン)
・ストレッチで、体が変わる。(クロワッサン)
・何歳からでも、極上肌は作れる。(クロワッサン)
・コリ、痛み解消BOOK。(クロワッサン)
・痩せる腸活レシピ。(クロワッサン)



このジャンルは、シニア世代が一番コンプレックスを感じるテーマ。

「何をやるにも健康が資本」ということですね。すでにさまざま企業が参入していますが、

人が存在する限り、無くなることはありません。


※各雑誌に対する論評は筆者の個人的な見解や推測であり、雑誌社の編集方針とは異なる場合がありますので、ご注意ください。




まとめ:ポジティブエイジングという考え方が3分の2以上

ここまで、筆者なりに雑誌の特集からシニア世代のトレンドを読み解いてみました。独断と偏見の箇所も多々ありますし、異論のある方もいらっしゃると思いますが、ご容赦願います。


ただ全雑誌を通して一つ明確なのが、「あまり頑張りすぎず、自分のペースで楽に生きる」前向きに老いを受け入れようとするポジティブエイジングの考え方が、3分の2以上を占めるということです。これは、アンチエイジング(老いに抵抗する)の真逆の考え方です。


10年以上前なら「若く見られたい」「かっこいいをキープしたい」「健康でいたい」という特集が多かったと思いますが、今は「楽に」「自分らしく」「心地よく」今と向き合いましょうというトレンドが主流です。同じような意味で使われる「グッドエイジング」「ウェルエイジング」などの言葉もたびたび目にするようになりました。これはシニアビジネスを考える上での、重要な「気づき」ではないでしょうか。


最後にホーユーの白髪染めブランドCMをご紹介します。これまでの白髪染めCMは、黒色や栗色に染まった髪をきれいに見せるものが主流でしたが、このCMのメインカットでは、白髪(グレイヘア)を楽しむ女性が、5人の女性たちのセンターに!
シニア意識のトレンドをしっかりと反映した、多様性の時代にふさわしいCMです。以前なら考えられなかった広告ビジュアルで、ポジティブエイジングへの強いメッセージを感じます。





シニアのトレンドを把握する「キクコト シニアターゲティング

当サイトを運営するジェイアール東日本企画は、JR東日本のシニア・プレシニア向け旅行会員組織「大人の休日俱楽部」のブランド広告および加入促進広告を、立ち上がり期から担当。累計280万人を超える会員規模(2023年11月時点)に成長した一助を担ってきたと自負しています。


また、「大人の休日俱楽部」会員誌の企画・編集業務にも20年以上携わり、アクティブシニアと呼ばれる活動的なシニア層の興味関心事やトレンドの変化にも長年向き合ってきました。(アクティブシニアとは、年齢を重ねることを前向きに受け入れ、日々を楽しく生きようとするシニア世代の人たちを指します)


シニアのインサイト分析、コミュニケーション立案、クリエイティブワーク、集客についてのノウハウを蓄積しています。シニアマーケティングについてのご相談があれば、お気軽にお問い合わせください。






アクティブシニアの集客は、「大人の休日俱楽部」会員誌広告

「大人の休日俱楽部」では、会員への情報提供や会員同士をつなぐメディアとして会員誌を発行し、郵送で会員の手元に届けています。(2024年1月時点、約110万部/月)

一方、

■大人の休日俱楽部会員誌は、旅好きのアクティブシニアをターゲットにした商品・事業に

強い広告媒体でもあります。ターゲット(=アクティブシニア)が明確なため、商品との相性をイメージしやすく、

「50代以上」

「旅好き・お出かけ好き」

「多趣味・社交的」」

という明確なペルソナにマッチした商材なら、ターゲティング効率が上がります。

■「大人の休日倶楽部」会員の2人に1人が会員誌の広告を見て実際に行動に移しています。

(読者アンケートより)

■会員限定価格を設定して訴求した場合、会員と相性がいい商品は売上に直結する、

「レスポンス媒体」としても効果的です。

■広告においてコスト効率を重要視する企業に、継続して出稿いただいた事例があります。

■「大人の休日俱楽部」を運営する JR 東日本は公共性の高い企業であり、広告主のブラン

ドイメージを毀損しない信頼性・安全性の観点からも有効な広告媒体です



会員誌への広告掲載の他、各種プロモーションメニューもあります。

会員誌への同梱広告

会員誌を各会員宅に郵送する際に、広告チラシなどを同梱できる場合があります。

●「趣味の会」でのサンプリング広告

「大人の休日俱楽部」会員を対象としたカルチャースクール「趣味の会」の教室で、商品をサンプリングできるプロモーションメニュー。



「旅好き・外出好きのアクティブシニア」と親和性の高い商材をお持ちの企業なら、ぜひ一度広告出稿やプロモーションを検討されてはいかがでしょうか。実施料金など詳細を知りたい方はこちらから⇩






「アクティブシニア」に、オンラインとオフライン両面からアプローチする「大人の休日俱楽部」会員誌広告JREAds(期間限定


前項でご紹介した「大人の休日俱楽部」会員誌広告に加え、Suicaを始めとするJR東日本グループの移動&購買データを活用したWeb広告配信(JRE Ads)で、アクティブシニアをより精緻にターゲティングするパッケージプランも期間限定で公開中です。


シニア向け商材の認知やレスポンスの課題をお持ちで、

●シニア層の行動履歴でエリアを限定したい

●シニア層のEC購買履歴でさらに絞り込みたい

など具体的な施策をお探しの方は、下記ページからプラン詳細をご確認の上、ぜひご検討ください。


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