こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
広告・マーケティングに“効く”コラム、
今回のテーマは「【必読】失敗しないデジタルサイネージ導入(事例付き)」です。
集客においてますます重要度が高くなっているデジタルサイネージ。しかし導入の目的や設置場所、機能面、コスト面、保守運用面など、検討しておかなければならないポイントがいくつもあり、それぞれの仕様をしっかりと精査しているかどうかで、1 年後 2 年度の成果に大きな差が生まれます。
当コラムでは
デジタルサイネージについての基礎知識
デジタルサイネージの導入事例
デジタルサイネージのメリット・デメリット
デジタルサイネージ導入の流れ
について、JR 東日本企画が 約47000 面の導入経験に基づいて解説します。
●デジタルサイネージを新規に設置したい。リニューアルしたい
●デジタルサイネージ設置の具体的な企画・アイデアが欲しい
●導入から運用まで、トータルの費用感を知りたい
●デジタルサイネージのさまざまな導入事例を知りたい
●多店舗にデジタルサイネージを導入しているので、効率的な運用を模索している
●自社のデジタルサイネージで広告販売を検討している
●デジタルサイネージの運用代行をお願いしたい
●導入、運用、コンテンツ制作配信、管理までトータルに相談できるパートナーを
探している
上記のような課題をお持ちの、店舗・ホテル・大型マンション・商業施設・公共施設などを運営する事業社の方々に、プロの視点で“効く”情報をお伝えします。
■デジタルサイネージとは:基礎知識を再確認
「デジタルサイネージ」とは、ディスプレイやプロジェクターなどの映像表示装置を使って情報や自社コンテンツを発信するシステムのことで、「デジタル看板」「電子看板」とも呼ばれます。
当初は、公共交通事業社が駅や車内で運行情報や広告メディアとして導入・普及しましたが、近年は店舗の販売促進、大型商業施設の空間演出、病院や企業内でのコンテンツ情報発信など、幅広い場所でデジタルサイネージが導入・運用されています。
デジタルサイネージには、「スタンドアロン型」と「ネットワーク型」の2つのシステムがあります。
■「スタンドアロン型デジタルサイネージ」システム
独立型のデジタルサイネージで、インターネット通信費用も必要なく手軽に導入できるメリットがあります。
ただ、配信コンテンツを更新したいときはその都度、ディスプレイ画面を手動で差し替えなければいけないというデメリットも。
たとえば複数拠点にコンテンツや情報を配信する際には、ディスプレイ一台一台、その導入場所に出向いてUSBメモリーを差し替えるなどの対応が必要になります。
つまり一見、費用負担が少ないようで、実はあまり効率的なシステムとは言えません。
しかも、デジタルサイネージの多機能性や今後の可能性を、活かし切れていないという点がもったいないです。
■「ネットワーク型デジタルサイネージ」システム
一方、ネットワーク型のデジタルサイネージは、情報コンテンツをインターネット回線経由で配信するシステムで、ディスプレイの設置場所に赴く必要が無く、
◎複数の場所に導入したデジタルサイネージ画面を一元で管理できる
◎導入した複数の場所に、同時配信することができる
◎導入場所別に、複数の情報・コンテンツを出し分けることができる
◎リアルタイムに配信できるので、時間帯別の情報・コンテンツの差し替えや更新も可能
など、デジタルサイネージの特徴を最大限活かせるというメリットがあります。
■デジタルサイネージを導入する店舗・商業施設が急増中!
デジタルサイネージの活用シーンが広がったことで市場規模は当然右肩上がりですが、注目点は下図の棒グラフ、水色部分です。これは「店舗・商業施設」でのデジタルサイネージ導入が、他の利用シーンの伸びを圧倒していることを示しています。(3 年後には 2022 年の倍以上に!?)今後、ディスプレイや配信面での機能が向上すれば、導入の流れはますます加速するとの予測もあります。
■当社施工・運用管理の導入事例:さまざまな場所に設置可能
導入事例①
JR 東日本「トレインチャンネル」
山手線を始めとした主要各線の電車内デジタルサイネージ。ドア上にモニター画面を表示するシステムの構築から、広告やニュース天気予報などのコンテンツ配信・運用まで当社が手がけています。(2002 年導入)
導入事例②
●JR 東日本 「J-AD ビジョン」
JR 東日本の主要駅を中心に約 640 面設置されているタテ型デジタルサイネージ。(2022 年4 月現在)複数画面の連続設置で、高いアイキャッチ効果を発揮します。(2008 年導入)
導入事例③
●NewDays ビジョン
JR 東日本の駅構内をはじめ、さまざまなロケーションで営業するコンビニエンスストア「NewDays」「NewDays KIOSK」の店舗に設置されたヨコ型デジタルサイネージです。売り場と連動した販促・広告素材を放映。2022 年より、NewDays 専用の番組編成システムを導入して、より円滑なコンテンツ配信を実現しています。(2015 年導入)
導入事例④
●JR 新宿駅 新宿ウォール 456
「新宿ウォール 456」(ヨンゴーロク)は、JR 新宿駅構内に展開するデジタルサイネージ。その規模は、JR 東日本エリアの駅だけでなく日本の駅構内の中でも最大クラスです
使用する大型 LED ビジョンは、縦 1.7m に名前の由来でもある横幅 45.6m もの有効面積を誇り、まさしく圧巻のスケールでデジタルサイネージ体験を提供します。(2021年導入)
■デジタルサイネージ導入のメリット・デメリット
メリット① 目的に合わせて、きめ細かい情報コンテンツをリアルタイム発信できる
ネットワーク型のデジタルサイネージは、これまでのポスターのように貼りっ放しではなく、目的別にターゲットを絞ったきめ細かい情報コンテンツを、リアルタイムに発信できます。
導入後の具体的な活用事例として、
◎朝昼夜の利用者に合わせて、モーニング、ランチ、ディナーなど商品情報の出し分け
◎タイムセールなどの時間限定情報発信
◎接触者属性に応じて、学生向けコンテンツ、主婦向けコンテンツを導入場所別に出し分け
◎導入場所の気温に合わせて、商品情報を変更する
など、ビジネスに合わせて応用できるシステムであることも大きなメリットです。
メリット② 動画のデジタルサイネージなら、視認性も高く、誘客に差がつく
デジタルサイネージは鮮明で明るい画面なので、視認性が高く注目度も上がりますが、動画ならさらにお客様の目を引きやすく、誘客効果が期待できます。(動いているものに目が行くのは、人間の習性です)
デジタルサイネージの導入場所の環境次第で、音も付けることができれば、さらに効果的な動画となるでしょう。
メリット③ デジタルサイネージは、ポスターや看板よりも、更新の工数が少ない
これまでのポスターや看板では作り変えるたびに、デザイン費、印刷費、貼り替えや廃棄を担当する人件費などが必要でした。しかしネットワーク型のデジタルサイネージなら、一ヶ所ですべての更新作業が完結するので、情報更新の費用を安価に抑えることができます。ディスプレイの導入箇所が複数あるチェーン店などには、大変効率のいい手法といえます。
メリット④ 通行の多い場所にデジタルサイネージを導入すれば、広告媒体としての可能性も
デジタルサイネージが屋外などの多くの目に触れる場所に導入されれば、広告メディアとしても成立する可能性があります。たとえば、大型のショッピングセンターや美術館などの文化施設、大学など、比較的属性のはっきりした人が集まる場所なら、配信する広告もターゲティングできるかもしれません。
筆者が通っている歯医者さんの治療台にも小さなデジタルサイネージ画面があって、歯磨きメーカーの広告が表示されています。
デメリット① 初期費用が高くつく
デジタルサイネージを設置するには、まずロケーションに応じたデザイン費・施工費が必要になります。そしてモニターや STB(Set Top Box)と呼ばれるコンテンツプレイヤーを購入し、電気工事費、通信工事費なども掛かります。トータルするとかなりの出費になるでしょう。
デメリット② 通信費・ランニングコストがかかる 屋外の電子機器には故障のリスクも考慮
初期費用以外にも、デジタルサイネージは導入してから使い続けるぶんだけ、さまざまなコストが掛かります。さらに精密電子機器にもかかわらず屋外に設置されることが多いので、故障のリスクが伴います。
■デジタルサイネージ導入・運用の流れ
イニシャルコスト
設置にあたっては、おおよそ以下の項目で費用が掛かります。
・ディスプレイとコンテンツプレイヤーとしての STB(Set Top Box)
・筐体製作費
・設置工事費
・電気工事費
・通信工事費
また、一般的にディスプレイなど表示機器製品の法定耐用年数は 5 年ですので、イニシャルコストとして計上した費用がその後の減価償却費としてランニングコストになります。
つまり、初期投資の費用(イニシャルコスト)を抑えることが、運用時の減価償却費の抑制にもつながります。
設置において重要なポイントは、デジタルサイネージのロケーションや目的を事前にしっかりと整理しておくことです。
・集客・販売促進が主目的
・インフォメーション(情報提供)が主目的
・エンターテインメント(場の装飾)が主目的
・広告メディアにすることが主目的
目的が明確になれば、それに必要なディスプレイの形、サイズ、面数、各製品、デジタルサイネージの施工方法やデザインが決まります。限りある予算の範囲でオーバースペックにならないよう仕様を検討します。
現時点で使いそうにない機能はあえて搭載せず、目的を最適化できる機能のみで構成することが肝心です。
電子機器製品の進化が早いので、将来のリプレイス(交換)や機能強化も含めて、単年度だけではなく中長期的な視点でイニシャルコストを想定しましょう
ランニングコスト
デジタルサイネージ設置・導入時はあまりイメージできないかもしれませんが、運用がスタートすると以下のようなランニングコストが必要になります。
・配信運用費(表示するコンテンツの量や更新頻度により変動)
・コンテンツの制作費
・ロケーションフィー(ロケーションオーナーとメディアオーナーが異なる場合)
・保守費(点検・清掃費、故障による修理費など)
・電気料金
・通信費
通常ではイニシャルコストで述べた減価償却費がいちばん大きなコストになりますが、それ以外にも上記のような費用が掛かります。特に計画時点で見落とされるのが、保守費です。
点検・清掃費以外にも、故障する前提で一定額の修理費も見込んでおく必要があります。もちろん電気料金や通信費もかかりますので、これらのコストを見積もった上で予算を確保すべきです。
■失敗しない導入計画には、プロの伴走が必須
前項のデメリットを最小限に抑え、メリットを最大化するためには、導入・運用の各フェイズで豊富な経験を持つ、デジタルサイネージのプロのアドバイスが必須です。
デジタルサイネージの設置業務には、必要な資格や免許の取得が不可欠です。さらに、屋外にデジタルサイネージを設置する場合、屋外広告物条例や景観条例、道路法や光害対策ガイドライン等、設置地域ごとにある独自ルールなどの法規制に対する知見も必要になります。
これらをすべて自社で解決するのは、かなり高いハードルと言えるでしょう。
■導入・運用支援は、47000 面の実績がある JR 東日本企画(jeki)へ
当社は JR 東日本全域の駅施設やエキナカのショッピングセンターのデジタルサイネージメディア約 47000 面の企画・設計・施工に携わってきました。
近年ではそのノウハウを活かし、さまざまなデジタルサイネージ開発のコンサルティングから設計及び施工業務の受託をしています。
社内には一級建築士社員が多数在籍し、かつデジタルサイネージ設置業務に必要な電気通信工事業許可をはじめとした各種建設業許可(※)を取得していることはもちろん、機器調達~現場施工管理まで一気通貫でお客さまのあらゆるご相談に伴走することが可能です。
※建設業の許可全 29 業種中、7 業種の許可取得済み(2023.1 現在)
電気通信工事業、建築工事業、とび・土工工事業、鋼構造物工事業、内装仕上工事業、解体工
事業(以上特定建設業許可)、電気工事業(一般建設業許可)
配信・運用面においても、JR 東日本のトレインチャンネルや J・AD ビジョン、NewDays ビジョンなど、日本最大規模の配信運用を日々行っていますので、どのようなご要望にも柔軟に対応できます。
また以下のような課題に対して、部分的なサポートも可能です。
・デジタルサイネージの通信費用を抑えたい
↳デジタルサイネージ専用の通信回線「デサモ」をローコストでご提供
・デジタルサイネージによる広告事業を検討したい
↳ロケーションや画面サイズ、ターゲットに合わせた商品設計を行い、当社独自の媒体販売管理システムを使って 140 社以上の契約広告会社への情報発信を行い、自社・契約広告会社を通じて広告販売をサポートします。
運営会社:株式会社ジェイアール東日本企画 届出電気通信事業者(届出番号 A-03-19039)
■御社が導入された「デジタルサイネージ健康診断」も、実施中!
事業者さまとお打ち合わせをする中で気付いたのは、「デジタルサイネージが流行っているから」とか「競合他社がデジタルサイネージを導入しているから」「売上アップにつながるらしい」など、目的や狙いを明確にされないまま導入しておられる方が多いということです。
当社では、事業目的に最適なプランをご提案する前に、御社のデジタルサイネージ施策の現状をお聴きし、課題点を洗い出す簡単な「デジタルサイネージ健康診断」も実施中です。
「目的に対して最適な仕様か?」「無駄はないか?」「足りない点は?」「改善点は?」この機会に、ぜひ御社が導入された「デジタルサイネージ施策の見直し」をおすすめします。
■まとめ:デジタルサイネージ導入の成否は、「最適を知る」こと
ここまでデジタルサイネージの導入・運用について解説してきましたが、最重要ポイントは「最適を知る」ことです。「目的」「場所」「予算」「スペック」のバランスを考慮して、最適な仕様のデジタルサイネージをプランニングしましょう。
またデジタルサイネージを介したコミュニケーションを考えた場合、注意したいのが「万能ではない」ということです。例えばデジタルサイネージは同時に複数の視聴者に伝えやすく、情報内容を容易に更新できますが、一度に大量の情報伝達は不向きでもあります。さまざまなコミュニケーション施策の中で、最もデジタルサイネージの優位性が活きる場面で使うことが大切です。(紙のリーフレットの方が伝わりやすい場面やコルトン看板でも対応できるケースも、まだまだあります)
当社は、さまざまな視点でデジタルサイネージの「最適」を知る専門集団です。
導入、運用、コンテンツ制作配信、管理までトータルに相談できるパートナーをお探しの事業者さまは、当サイトを運営するジェイアール東日本企画「キクコト プレゼン」へお気軽にご相談ください。