『企業の広告・マーケティング課題に“効くコト”を』
こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回のコラムテーマは、「ラッピング広告」についてです。
公共の広いスペースを一つのデザインで覆いつくし、特別なプロモーション感を作り出す「ラッピング広告」。近年ではブランド広告だけでなくエンタメ作品の公開告知にも使われるなど、さまざまな活用法が広がっています。
・新商品の発売に合わせて、インパクトのある告知方法を企画したい
・自社ブランドの世界観をユーザーに刷り込むような広告を展開したい
・SNSで拡散される、ユニークな広告事例を知りたい
当コラムでは、このようなマーケティング課題を解決する手法の一つとして「ラッピング広告」を取り上げます。
当コラムの参考資料
■ラッピング広告とは?
ラッピング広告は交通・OOH(屋外)広告の一種で、電車・バス・タクシーや駅・空港などの公共交通機関、ショッピングセンターやビルといった大型施設のスペースを、特定のテーマデザインで覆いつくす広告手法です。圧倒的な視覚的インパクトで高い注目を集める施策で、新商品発売や映画公開の告知などさまざまな目的で活用されています。近年はラッピング広告の現場を撮影しSNSでシェアする行為が普及し二次拡散する事例も増え、トレンドの広告施策となっています。

画像は、2026年7月にオープンした「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」の空港施設内ラッピング(イメージ)
出典:PR TIMES|石川県『のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港』7月7日(火)OPEN!! https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000127255.html
■ラッピング広告のメリット
●高い視認性とインパクト
公共空間を特定の広告ビジュアルでジャックする「ラッピング広告」は、圧倒的なインパクトを生み、利用客の視線はいやでも惹きつけられます。特にターミナル駅など多くの利用客が行き交う場所でのラッピング広告は、大きな注目を集めるでしょう。
●没入感
特定の広告デザインでラッピングされた空間演出は、商品やブランドが伝えたいイメージをリッチに表現することを可能にします。単なる情報の発信ではなく「体験」として記憶に残るため、ブランドへの興味・関心を喚起し好意形成につながります。
●表現の自在性
ラッピング広告はパブリックスペースを1社で独占できることが大きなメリットです。ブランドが伝えたい世界観を大胆なデザインで訴求したり、単発の広告では難しいユニークな仕掛けを施したりと、アイデア次第で自由に表現できる可能性を秘めています(ただし交通機関や公共施設のラッピング広告は、自治体の屋外広告条例による制限が設けられているケースがあるので、実施の際は各メディアへの確認や審査が必要となります)。
●話題拡散性
近年、気になる交通・OOH広告をスマートフォンで撮影し、SNSでシェアする生活者が増えており、若い年代ほどその傾向が顕著です。当社ジェイアール東日本企画の調査によると、過去3年間でその割合は約2倍に増加。インパクトの強い広告が話題化される下地が整ってきています(下記グラフ)。たとえばエンタメ作品の公開時に展開されるラッピング広告は、インパクトの強さに加えファンが現地を訪れる目的にもなり、SNS等による話題の拡散が期待できます。

出典・引用:当社オウンドサイト「恵比寿発」コラムよりhttps://ebisu-hatsu.com/articles/?p=10287
■ラッピング広告の種類と特徴
●車両ラッピング広告(電車・バス・タクシー)
車両ラッピング広告は、電車、バス、タクシーなどの車体に意匠を貼り付ける「動くOOH広告」です。視認性に優れた広告ビジュアルは、駅のホームやバス停にいる利用客や歩行者・ドライバーなどに対し広くリーチします。電車・バスは、車内の広告もすべて1社で独占する「車内ジャック広告」とセットで実施されるケースもあります。
合わせて読みたい!関連コラム
・車両ラッピング広告事例:ヘラルボニー×東急電鉄
知的障害のある作家が描くアート作品のライセンス管理や商品化を行う株式会社ヘラルボニーは、東急電鉄との共創プロジェクト第1弾として同社契約アーティスト・中島敏也氏が描いた作品をデザインしたアートラッピング電車『「人へ、街へ、未来へ。」彩りを描く特別な電車』を運行しました。このラッピング電車は車内にも中島氏の作品が掲出されており、「動く作品展」としても注目されました。

出典:PR TIMES|ヘラルボニー 「ヘラルボニー、東急電鉄と協業しアートラッピング電車をデザイン」2025年11月5日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000488.000039365.html
・車両ラッピング広告事例:JKK東京(東京都住宅供給公社)
JKK東京(東京都住宅供給公社)は、小田急電鉄のベビーカー・車椅子スペースにおいて床面及び壁面、各座席の袖仕切り、つり革を使ってラッピング広告を掲出。自社のターゲットである子育て世帯に向けて、「子育て中のパパ・ママを応援するJKK」という明確なメッセージを届けました。車両ラッピングは一般的に車両の外側を使いますが、当事例は電車内で展開されたユニークな施策です。

出典:PR TIMES|JKK東京(2025年6月13日)「LOVE for BABY」第4弾!子育て中のパパ・ママを応援するプロジェクトに協賛 JKK東京×小田急エージェンシー×小田急電鉄 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000209.000057497.html
・車両ラッピング広告事例:明治
明治は「明治 エッセル スーパーカップ 抹茶」の無料サンプリングイベントを京都の寺院で実施。またタクシー車内で抹茶アイスが食べられるラッピングタクシーも運行する斬新なプロモーションを展開しました。

出典:PR TIMES|株式会社明治 金箔をかけた「明治 エッセル スーパーカップ 抹茶」を京都・圓徳院で無料提供!お茶を愛した“ねね”ゆかりの圓徳院で特別体験。車内で抹茶アイスが食べられるラッピングタクシーも運行!(2025年10月3日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000017745.html
●駅ラッピング広告
「駅ラッピング広告」は、鉄道駅や空港の壁面・床面・改札・柱・エスカレーター・階段などの構内施設を特定のデザインで装飾し、空間全体を一つの世界観に染め上げる広告手法です。利用客の視界を大きく占有する広告は、非常に高い訴求力と話題性があり、新商品の発売やエンタメ作品の公開時などにしばしば活用されます。コンテンツファンが広告の掲出現場を訪れるケースが多いのも、駅ラッピング広告です。
・駅ラッピング広告事例:集英社「ハイキュー‼」
集英社は8月19日( #ハイキュー の日)に、JR原宿駅でラッピング広告を実施。これは「ハイキュー!! magazine 2025 AUGUST」の発売に合わせて展開されたもので、天井、階段などの駅空間を表紙イラストなどで包みこみ、「ハイキュー‼」の世界観を体感できる空間を作り上げました。多くのファンが撮影に訪れたのは言うまでもありません。
・駅ラッピング広告事例:のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港
石川県は、能登半島地震で被災した地域の復興を目的に、現「のと里山空港」を「のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港」として、2026年7月7日(火)から約3年間の期間限定でリニューアルオープンすることを発表。これは石川県とポケモン・ウィズ・ユー財団の連携協定に基づく活動の一環として実現したもので、空港のラッピング装飾だけでなくレストランメニューやオリジナルグッズの販売など多岐にわたる取り組みとして注目されています。

出典:PR TIMES|石川県『のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港』7月7日(火)OPEN!!能登空港が、ポケモンの名を冠した世界初の空港『のと里山ポケモン・ウィズ・ユー空港』に期間限定でリニューアル(2026年5月14日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000093.000127255.html
ラッピング広告をはじめ、キャラクターを使った広告プロモーションのノウハウブック
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●店舗ラッピング広告
店舗ラッピング広告は、店舗の壁面、ガラス窓、シャッターなどに専用の特殊シートを貼り付けて、店舗全体を立体的な広告として活用する手法です。視覚的なインパクトが強いので店舗誘客策としても有効で、「思わず、寄ってしまう」ことにもつながります。
・店舗ラッピング広告事例:キリン生茶
キリンビバレッジは、JR舞浜駅のNewDaysにおいてディズニー仕様の生茶ラッピング広告を実施。この施策は、アーティスト長場雄氏による生茶ディズニーボトルの発売と連動し、同じデザインで装飾されています。
・店舗ラッピング広告事例:ユニクロ
ユニクロはJR池袋中央1改札内店や京都駅八条口店など、国内外の多くの人が集まる駅構内の7店で、太陽の日射しをイメージしたラッピング店舗「黄色いユニクロ」を展開。遠目からでも目を引くラッピング外装には、その日の紫外線の強さがわかるUV指数計を設置するなどUV関連商品の販売促進にもつなげています。

出典:PR TIMES|株式会社ユニクロ「UVカットは、ユニクロで。ユニクロの駅ナカ店舗が今年も黄色に変身!店舗内にUV指数計を設置新商品やアップデートした商品が続々登場します」(2026年3月16日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000108.000076227.html
●建物・施設ラッピング広告
建物・施設ラッピング広告は、大型商業施設・ビルの壁面やガラス面、エスカレーター・階段などに特定の広告シートを貼りつける手法です。巨大な広告ビジュアルによる視覚的インパクトは絶大で、ブランドの認知度向上などに高い効果を発揮します。
・施設ラッピング広告事例:宇都宮ブレックス×宇都宮パセオ
B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「宇都宮ブレックス」は、地元の駅ビルショッピングセンター「宇都宮パセオ」施設内でラッピング装飾などのプロモーションを実施。選手による館内放送やコラボ店舗のスタッフがチームTシャツを着用したりと、期間中の館内はブレックス一色に染まりました。
●自販機ラッピング広告
自販機ラッピング広告は、自動販売機本体をオリジナルデザインのシートで覆うプロモーション施策です。ブランディングや地域PR、アニメやアイドルのコラボ広告として活用されています。
・自販機ラッピング事例:ダイドードリンコ株式会社
ダイドードリンコは、アニメ「響け!ユーフォニアム」のキャラクターをデザインし、キャラクターを演じる声優陣のボイスが楽しめる「京阪電車×響け!ユーフォニアム2026 春ラッピング自動販売機」を、京阪電車 宇治駅など宇治線内の計4カ所に設置。アニメの舞台である京都府宇治市限定の当キャンペーンは、聖地ラッピングとも言える取り組みです。

出典:PR TIMES|ダイドードリンコ株式会社「京阪電車×響け!ユーフォニアム2026 春ラッピング自動販売機」を設置 キャラクターデザインのラッピングで声優陣のボイスも楽しめます!(2026年3月13日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000341.000021555.html
■集客装置としてのラッピング広告
ラッピング広告に限らず、広告は本来たまたま目にするものでした。しかし近年、能動的にラッピング広告の現場を見に行くという現象が起きています。
これは、
・広告主が公式SNSで自社のラッピング広告の実施を発表(見に行くことを呼びかける)
・SNSキャンペーンとの連動による、ユーザー参加型のOOH広告が一般化
・推し活(推しが起用されたOOH広告を見に行く)の広がり
など、OOH広告自体がイベントや推し活の一部になっていることが要因として挙げられます。特に話題性の高いラッピング広告は、単なる「掲出」から、推し活ファンを中心とした「集客装置」としての価値を持つようになりました。
●聖地ラッピング広告
アニメや映画などの作品舞台(聖地)で展開される「聖地ラッピング広告」は、電車やバスなどの交通機関や店舗外装に登場キャラクターのビジュアルを施す手法です。作品の世界観を現実空間とリンクさせることで、ファンにとっての没入感を高め、訪れるべき場所として高い経済効果を生み出します。
・聖地ラッピング広告事例:×九州産交グループ×アニメ映画「蛍火の杜へ」
九州産交グループは、地元の阿蘇・高森を舞台にしたアニメ映画「蛍火の杜へ」とのコラボによるラッピングバスの運行を発表。同グループは作品のモデル地や、美しい景勝地を巡る本企画限定の「聖地巡礼バスツアー」も実施する予定です。

出典:PR TIMES|九州産交グループ 阿蘇・高森を舞台にした名作の世界を巡る!【追加情報】九州産交グループ×アニメ映画「蛍火の杜へ」ラッピングバス&ツアーノベルティを初公開!(2026年6月3日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000116908.html
・聖地ラッピング広告事例:ファミリーマート
ファミリーマートは、小売・流通業として初めてアニメツーリズム協会に加盟。今後、アニメツーリズム協会が選定する「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」と連携し、作中にファミリーマートが登場するアニメ作品の舞台(聖地)を中心に、店舗全体を作品の世界観で装飾するラッピング店舗を順次展開し、聖地巡礼の拠点化を推進すると発表しました。第1弾として、豊島区池袋が舞台のアニメ『デュラララ!!』ラッピングを、ファミリーマートサンシャイン西店で展開しています(店舗閉店に伴い5月27日で終了)。

出典:PR TIMES|株式会社ファミリーマート コンビニ初!一般社団法人アニメツーリズム協会に加盟 「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」と連携し、全国各地の店舗を“聖地巡礼”の拠点へ(2026年3月16日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002230.000046210.html
「推し活」ファンをマーケティング活動に取り込むポイントを
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●ご当地ラッピング広告
ご当地ラッピング広告は、主に地方自治体や観光地が当該エリアの電車・バス・公共施設を使って、地域の名産品や観光資源・ご当地キャラクターなどをデザインし、集客を図る取り組みです。乗り物以外にも、マンホール・郵便ポストのラッピングなど、アイデア次第で様々な展開が可能です。近年は作品の舞台となった地域が、コンテンツとコラボする形も行われています。
・ご当地ラッピング広告事例:前橋市×TVアニメ「前橋ウィッチーズ」
前橋市は、アニメ作品「前橋ウィッチーズ」とのコラボにより、さまざまな体験型プロモーションを実施。駅や電車・バスのラッピングをはじめ、作品中に登場する場所での体験イベントなどで、ファンの誘客と地域の活性化に取り組みました。

出典:PR TIMES|前橋市役所 前橋市、TVアニメ「前橋ウィッチーズ」と連携したまちづくり施策を展開(2026年2月24日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000166260.html
■まとめ:ラッピング広告は、ストーリーのある広告体験
以上、さまざまな種類のラッピング広告について事例を交えながらご紹介しました。話題化させるためのチェックポイントは、次の3つに集約されます。
✅インパクトがあるか
ラッピング広告をやれば、なんでも話題になるとは限りません。通行人が「はっとする」ような「クリエイティブの驚き」があってはじめて、インパクトが生まれます。
✅世界観や没入感があるか
ラッピング広告は、ブランドやコンテンツの世界に包まれたような非日常感が表現されるほど、その効果が増幅されます。
✅ストーリー性があるか
なぜラッピング広告なのか?なぜその場所でやるのか?なぜその時期にやるのか?に対する答えが明確であるほど、ユーザーの共感を呼び、話題性は拡散するでしょう。
これらが嚙み合って、ラッピング広告は特別な広告体験として機能します。
■ラッピング広告は、ジェイアール東日本企画がご提案します
当コラムを執筆するジェイアール東日本企画は、ラッピング広告をはじめ交通広告やOOH広告のリーディングカンパニーとして、これまでさまざまな案件をサポートしてきました。「ユニークなラッピング広告を仕掛けたい」という宣伝担当の方は、ぜひ当社にご提案の機会をお作りください。当社実績集などのご検討資料は、こちらからダウンロードいただけます。













