「広告は何回くらい接触すれば効果があるのだろう?」
広告・マーケティングに携わる方であれば、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
広告接触回数(フリークエンシー)は、広告効果を考えるうえで欠かせない指標の一つです。しかし、広告は接触回数を増やせば効果が高まるというものではありません。
例えば、広告の目的やターゲット、媒体によって、適切な広告接触回数は異なります。また、同じ接触回数でも、「いつ」「どこで」「どの媒体を通じて」接触したかによって、広告効果は変わります。つまり、広告効果を高めるためには、広告接触回数だけではなく、生活者との接点全体を考えることが重要です。
本記事では、
・フリークエンシー(広告接触回数)の基本的な考え方
・リーチとの関係
・有効フリークエンシーの考え方
・広告効果を高めるための接触の考え方
について解説します。
■フリークエンシー(広告接触回数)とは
広告は、何回接触してもらえれば効果が出るのでしょうか。
この「一人の生活者が広告に何回接触したか」を表す指標が、フリークエンシー(広告接触回数)です。
テレビCMやインターネット広告、OOHなど、多くの広告媒体では、広告効果を評価する指標の一つとしてフリークエンシーが活用されています。広告は、一度接触しただけでは記憶に残らないことも少なくありません。適切な回数接触することで、広告やブランドが記憶され、認知や理解につながると考えられています。
一方で、広告接触回数が多ければ多いほど広告効果が高まるわけではありません。何度も同じ広告に接触することで印象が強まる場合がある一方、過度な接触は広告への抵抗感や不快感につながることもあります。
そのため、広告施策では「何回広告に接触したか」というフリークエンシーだけではなく、「何人に広告が届いたか」という視点も欠かせません。そこで次に理解しておきたいのが、「リーチ」という指標です。
■フリークエンシーとリーチの違い
広告効果を考えるうえで、フリークエンシーとあわせて理解しておきたい指標がリーチです。
リーチとは、広告に接触した人数(または割合)を表す指標です。一方、フリークエンシーは、一人あたりの平均広告接触回数を表します。
例えば、同じインプレッション(広告表示回数)100回の場合
100人に1回ずつ広告を届けた場合は、リーチは100人、フリークエンシーは1回です。
一方、20人に5回ずつ広告を届けた場合は、リーチは20人ですが、フリークエンシーは5回になります。
このように、
・リーチ:何人に広告が届いたか
・フリークエンシー:一人あたり何回広告に接触したか
という違いがあります。

リーチだけを重視すると、一人ひとりへの印象が薄くなる可能性があります。一方、フリークエンシーだけを重視すると、広告が届く人数が限られてしまいます。
☆広告効果を高めるためには、「より多くの人に届けること」と「適切な回数接触してもらうこと」のバランスを考えることが重要です。
では、実際には何回くらい広告に接触してもらうのが効果的なのでしょうか。
次に、有効フリークエンシーの考え方について解説します。
■広告接触回数は何回が適切?有効フリークエンシーの考え方
フリークエンシー(広告接触回数)を理解すると、次に気になるのが「広告は何回接触してもらうのが効果的なのか」という点です。
この考え方を表す言葉が有効フリークエンシーです。有効フリークエンシーとは、広告の目的を達成するために必要と考えられる広告接触回数を指します。
広告業界では、1972年に米国の研究者ハーバート・クルーグマンが提唱した「3回程度の広告接触が効果的」という考え方(スリーヒット理論)が広く知られています。広告への反応は「何だろう?」「見たことがある」「理解・判断する」という段階を経て深まるという考え方です。
ただし、この「3回接触」は、すべての広告に当てはまる絶対的な基準ではありません。
実際には、広告の目的や商品・サービスの特性、ターゲット、クリエイティブ、媒体特性などによって、適切な広告接触回数は大きく変わります。
例えば、新商品の認知拡大を目的とする広告では、まず幅広い生活者へ広告を届けることが重要になります。一方で、比較検討が必要な高額商品やBtoBサービスでは、一度の接触だけで意思決定されることは多くありません。複数回接触することで理解や信頼を深めることが重要になるケースもあります。
つまり、「広告は何回見せれば効果があるのか」という問いに、一律の正解はありません。
広告効果を高めるためには、広告接触回数だけを見るのではなく、「広告の目的に対して適切な接触になっているか」という視点で考えることが重要です。
さらに、その考え方は媒体によっても変わります。次に、広告媒体ごとの接触の特徴について見ていきましょう。
■広告効果を高めるには「接触」を設計する視点が重要
ここまで見てきたように、広告接触回数は広告効果を考えるうえで重要な指標です。しかし、本当に重要なのは「何回広告に接触したか」だけではありません。
同じ3回の広告接触でも、
・誰に接触したのか
・いつ接触したのか
・どこで接触したのか
・どの媒体を通じて接触したのか
によって、広告効果は大きく変わります。
媒体によって広告との接触の仕方は異なる
広告媒体には、それぞれ異なる役割と接触の特徴があります。
例えばインターネット広告は、検索履歴や興味・関心に応じて広告を配信しやすく、比較検討のタイミングで生活者と接点を持ちやすいメディアです。
テレビCMは、短期間で幅広い生活者へ一斉に情報を届けられるため、新商品やブランドの認知拡大に強みがあります。
一方、OOH(交通広告・屋外広告)は、駅や街、電車内など生活動線上で生活者と自然に接点を持てることが特長です。通勤・通学など日常生活の中で繰り返し接触しやすく、継続的な認知形成にも適しています。
つまり、媒体ごとに「広告との出会い方」が異なるため、同じフリークエンシーであっても広告効果の現れ方は変わります。

接触回数だけでなく「接触の質」も広告効果を左右する
広告効果を高めるためには、広告接触回数だけを管理するのではなく、生活者がどのような体験として広告に触れるかまで考えることが重要です。
例えば、新商品の発売を告知するケースを考えてみましょう。
朝の通勤時に駅でOOHを見かけ→昼休みにSNS広告で商品情報に触れ→帰宅後に動画広告を見る。
このように複数の媒体を通じて接触することで、広告は記憶に残り、行動につながりやすくなります。
つまり、広告効果を高めるためには、広告接触回数だけではなく、「いつ」「どこで」「どの媒体を通じて」接触するかまで考えることが重要なのです。

異なる媒体での重複接触も広告効果を高める
広告効果を高めるうえで重要なのは、同じ媒体で接触回数を増やすことだけではありません。近年は、異なる媒体を組み合わせることで広告効果を高める「メディアミックス」の考え方が重視されています。
当社ジェイアール東日本企画と野村総合研究所が共同で実施した調査では、テレビCMとWeb広告を組み合わせた施策に対し、さらにOOH(交通広告・屋外広告)を加えた施策の方が、広告効果が高まる傾向が確認されました。これは、それぞれの媒体が異なる接触機会を持ち、生活者との接点を補完し合うためです。
例えば、
・テレビCMは短期間で幅広い認知を獲得しやすい
・Web広告は興味関心の高い層へ継続的に接触しやすい
・OOHは生活動線上で自然な接触機会を生み出しやすい
といった特徴があります。
つまり、広告効果を高めるためには、単純にフリークエンシー(広告接触回数)を増やすだけでなく、「どの媒体を組み合わせ、どのように接触を設計するか」という視点も重要なのです。
OOHは生活動線上で自然な接点をつくりやすい
OOHの大きな特長は、生活者が日常的に利用する駅や街、交通機関など、生活動線上で広告と接点を持てることです。スマートフォンやパソコンのように自ら情報を探しにいくメディアとは異なり、生活の中で自然に広告と出会えるため、認知形成や想起のきっかけをつくりやすい媒体といえます。
また、テレビCMやWeb広告と組み合わせることで、生活者との接点を広げ、広告メッセージをより印象的に届ける役割も期待できます。
近年では、時間帯やエリア、ターゲットに応じて配信を最適化できるDOOH(デジタルOOH)も普及し、OOHは単なる認知媒体ではなく、広告施策全体の接触設計を担うメディアとして活用の幅を広げています。
関連記事では、ダイナミックDOOHの仕組みや活用方法について詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
■接触を設計したら、広告効果を検証する
広告効果を高めるためには、「どのように接触するか」を設計するだけでは十分ではありません。実際に広告を配信した後、「想定したターゲットに届いたのか」「認知や行動につながったのか」を振り返り、次の施策へ活かすことが重要です。
広告施策は、一度実施して終わりではなく、
・接触を設計する
・広告を実施する
・効果を検証する
・改善する
というサイクルを繰り返すことで、より高い広告効果が期待できます。
特に近年は、デジタル広告だけでなく、テレビやOOHでも効果検証の重要性が高まっています。媒体ごとの役割や特性を理解しながら、複数の媒体を組み合わせた広告施策全体を評価・改善していくことが求められています。
例えば、OOHでは次のような視点で広告効果を検証できます。
・想定したターゲットへ広告を届けられたか
・Webサイトへの流入や検索行動に変化はあったか
・来店や問い合わせなどの行動につながったか
・他媒体と組み合わせることで相乗効果が生まれたか
このように、広告接触回数だけでは見えない広告効果まで把握することで、次回以降の施策改善につなげることができます。
当社ジェイアール東日本企画では、OOH施策の効果を可視化し、改善につなげるソリューション「効果が見えるOOH」を提供しています。
「OOHの効果をどのように測定すればよいかわからない」「広告施策全体の効果をもっと高めたい」とお考えの方は、ぜひ以下の無料資料をご覧ください。
■まとめ
フリークエンシー(広告接触回数)は、広告効果を考えるうえで欠かせない指標の一つです。しかし、広告効果は単純に接触回数を増やせば高まるものではありません。
重要なのは、「何回接触したか」だけではなく、「誰に」「いつ」「どこで」「どの媒体を通じて」広告に接触してもらうかまで考えることです。生活者との接点全体を意識することで、一つひとつの広告接触の価値を高めることができます。さらに、広告施策は実施して終わりではありません。接触のあり方を設計し、その結果を検証して改善を重ねることで、広告効果はさらに高められます。
OOHは生活動線上で自然な接点を生み出しやすく、テレビやインターネット広告とも組み合わせやすいメディアです。媒体ごとの特性を活かしながら生活者との接点を設計し、効果検証まで行うことが、これからの広告運用ではますます重要になるでしょう。
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