こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回は「不動産業界のWeb広告・マーケティング施策」について解説します。
住まいを探す際、まずインターネットで情報を集めることが一般的になった現在、不動産業界の販売活動においてWeb広告は欠かせないマーケティング施策です。
Web広告は、目的や条件をもとに、十分に戦略を練って実施する必要があります。
不動産は、価格や間取りだけでなく、所在地、沿線、通勤時間、周辺環境など、多くの条件を比較して選ばれる商材です。検討期間も長く、広告を見たユーザーがすぐに資料請求や来場予約へ進むとは限りません。
不動産Web広告・マーケティング施策で成果を上げるには、広告媒体の特徴を理解したうえで、物件に合うターゲットや目的を明確にする必要があります。
このコラムでは
・不動産Web広告の基本施策
・不動産広告の戦略の練り方
・不動産Web広告に必要なエリアマーケティングの発想
・エリアマーケティングにおける効果的な手法
を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
★★不動産Web広告の新手法★★
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1. 不動産Web広告とは?主な種類と特徴
不動産Web広告とは、検索エンジンやWebサイト、SNS、動画配信サービス、アプリなどに掲載する広告です。
新築マンションや戸建住宅なら資料請求や来場予約、賃貸仲介なら物件への問い合わせ、不動産売却なら査定依頼など、事業や物件によって成果は異なります。それぞれの広告の特徴を理解し、顧客の検討段階に合わせて使い分けることが効果を出すうえで重要です。
1-1. 不動産業界で活用される主なWeb広告
不動産業界で活用されるWeb広告には、主に次の6種類があります。
リスティング広告
ディスプレイ広告
SNS広告
動画広告
リターゲティング広告
データを活用したターゲティング広告
それぞれ効果的な、得意とするターゲットや役割が異なります。大切なのは、「最も優れた広告を一つ選ぶ」ことではなく、物件の販売状況や見込み客の検討段階に合わせて使い分けることです。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo! JAPANなどでユーザーが検索したキーワードに応じて、検索結果画面に表示される広告です。「検索連動型広告」とも呼ばれます。
例えば、次のようなキーワードで検索している人へ広告を届けられます。
「横浜 新築マンション」
「○○駅 3LDK」
「東京駅 30分以内 戸建て」
「世田谷区 マンション査定」
「住宅展示場 埼玉」
不動産に関するこうした検索をしているユーザーは、すでに住まいの購入や売却を具体的に検討している可能性があります。そのため、リスティング広告は、比較的検討度の高い顕在層へのアプローチ・集客施策として効果的です。
ただし、「新築マンション」「不動産査定」のような対象範囲の広いキーワードは、競合が多くなりやすいうえ、自社の物件やサービスと合わないユーザーも流入します。
不動産業界のリスティング広告では、単に検索数の多いキーワードへ出稿するのではなく、次のような条件を組み合わせることが重要です。
・エリア名や駅名
・路線名
・物件の種類
・間取り
・価格帯
・通勤時間
・「資料請求」「見学」「来場予約」などの行動
例えば、「新築マンション」よりも「○○駅 新築マンション 3LDK」のほうが検索数は少なくなりますが、不動産物件との条件が合うユーザーには届きやすくなります。
一方、検索されなければ広告を表示できないため、不動産物件名や開発エリアがまだ知られていない段
階では、リスティング広告だけで十分な認知を獲得することは困難です。ほかの広告で物件を知ってもらい、その後の検索をリスティング広告で捉えて集客する設計が効果的です。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやスマートフォンアプリなどの広告枠に表示される、画像や動画を中心とした広告です。一般的に「バナー広告」と呼ばれるものも含まれます。
検索を起点とするリスティング広告に対して、ディスプレイ広告は、まだ具体的に不動産物件を検索していない人にも広告を届けられる効果があります。
例えば、「いつか住宅を購入したい」「子どもの成長に合わせて住み替えたい」と考えていても、まだ希望エリアや不動産物件の種類を決めていない人がいます。ディスプレイ広告は、こうした潜在層や検討初期層に、物件を知ってもらうのに適しています。
画像や動画を使用できるため、次のような不動産ならではの魅力も伝えやすいでしょう。
・建物の外観やエントランス
・リビングやキッチンのイメージ
・窓からの眺望
・共用施設
・周辺の街並み
・駅までのアクセス
・物件で実現できる暮らし
ただし、情報を詰め込みすぎると、かえって訴求内容が伝わりません。広告のサイズにもよりますが、基本的に静止画広告で伝えられるのは上記のうちの一つとなり、キャッチコピーも「駅近」「子育て環境」「都心へのアクセス」など核となるメッセージを絞ることが大切です。
より効果的なビジュアルやメッセージは何なのか、広告の「ABテスト」で、検証しながら実施するのがおすすめです。
ABテストの詳細については以下のコラムを参照してください。
広告を見たユーザーがその場で資料請求するとは限りません。ディスプレイ広告は直接的な反響・集客数だけでなく、不動産物件名の認知や指名検索の増加も含めて評価する必要があります。
SNS広告
SNS広告とは、Instagram、Facebook、LINE、XなどのSNS上に配信する広告です。フィード、ストーリーズ、ショート動画など、各サービスの利用画面になじむ形式で表示されます。
SNS広告の特徴は、ユーザーの属性や興味関心などを基に、配信対象を設計できることです。写真や短い動画との相性もよく、不動産物件の設備を説明するだけでなく、その物件で暮らすイメージを伝えることに向いています。
例えば、ファミリー向け物件なら、間取り図だけを見せるのではなく、周辺の公園や買い物環境、共用施設などを紹介できます。単身者や共働き世帯向けの物件なら、駅からの近さや通勤利便性、帰宅後の過ごし方を訴求できるでしょう。
SNS広告に接触するとき、ユーザーは必ずしも住宅情報を探しているわけではありません。そのため、不動産物件情報を細かく並べるよりも、「この暮らしは自分に合いそうだ」と感じてもらうことが最初の役割になります。
一方で、印象的な写真や動画によってクリックを獲得できても、価格帯や立地がユーザーの希望と合わなければ、資料請求や来場予約・集客にはつながりません。クリエイティブの見栄えだけでなく、配信対象と物件条件の一致を確認する必要があります。
動画広告
動画広告とは、YouTubeやSNS、動画配信サービス、Webサイトなどに掲載する映像形式の広告です。
不動産は、動画と相性のよい商材です。写真では分かりにくい室内の奥行き、玄関からリビングまでの動線、共用施設の広さ、不動産物件周辺の雰囲気などを、連続した映像で伝えられるからです。
不動産Web広告・マーケティング施策で活用できる動画には、次のような内容があります。
・モデルルームのルームツアー
・物件のコンセプト紹介
・物件からの眺望
・周辺の商業施設や公園の紹介
・主要駅までのアクセス
・街の一日を表現したイメージ映像
動画広告は、不動産物件を知らない人への認知拡大から、比較検討中の人への詳しい情報提供まで、幅広く活用できます。
Web上の動画広告は、テレビCMとは少し作り方が異なります。スマートフォンでは短時間で広告を判断されるため、冒頭で物件の魅力や視聴するメリットを伝えることが重要です。音声を出さずに視聴する人も想定し、字幕やテロップを活用するとよいでしょう。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、過去に自社サイトや不動産物件ページを訪問したユーザーへ、別のWebサイトやアプリ上で再び広告を表示する手法です。
不動産・住宅購入は検討期間が長く、物件サイトを一度見ただけで来場予約まで進むユーザーばかりではありません。家族と相談したり、住宅ローンを調べたり、競合不動産物件と比較したりするため、初回訪問から行動まで時間が空くことがあります。
そこで、一度物件に興味を持った人へ改めて広告を届け、サイトへの再訪や資料請求を促します。
サイトを訪れた人を一括りにせず、閲覧内容に応じて分けることができると、効果が上がります。
例えば、物件トップページだけを見た人には街や物件の魅力を伝え、間取りや価格ページまで見た人には来場予約を促すといった使い分けが考えられます。
ただし、同じ広告を何度も表示すると、ユーザーにしつこい印象を与える可能性があります。表示回数や配信期間を調整し、必要に応じて広告の内容を変えることが大切です。
参考:広告への接触頻度のことをフリークエンシーと言います。
フリークエンシーをどのようにコントロールして広告施策を行うかについては、以下のコラムを参考にしてください。
データを活用したターゲティング広告
データを活用したターゲティング広告とは、Web上の閲覧行動や興味関心、位置情報、購買傾向、移動履歴などを基に、配信対象を設計する広告です。
不動産広告では、年齢や性別、居住地域だけでは、不動産物件との相性を十分に判断できない場合があります。同じ地域に住んでいる人でも、利用する駅や勤務先、休日に訪れる場所は異なるためです。
そこで、次のようなデータを活用します。
特定の駅や路線を利用している
物件周辺へ継続的に訪れている
主要な通勤先となる駅を利用している
同一沿線で生活している
住宅や住み替えに関心がある
特定の商業施設やエリアを利用している
例えば、新築マンションの物件周辺に住んでいる人だけでなく、最寄り駅を通勤で利用する人や、同じ沿線を継続的に利用する人にも広告を届けられれば、従来の住所中心のターゲティングでは見つけにくかった見込み客と接点を持てます。
ただし、条件を細かく設定するほど効果的とは限りません。対象を絞り込みすぎると、広告を配信できる人数が少なくなるためです。不動産物件の販売規模や想定商圏を踏まえ、十分な配信量を確保しながら検証する必要があります。

このように、不動産Web広告には、それぞれ異なる役割があります。
検討度の高い人を捉えるならリスティング広告
潜在層へ物件を知ってもらうならディスプレイ広告やSNS広告
物件の空間や街の魅力を伝えるなら動画広告
一度接点を持った人にはリターゲティング広告
物件と生活動線の相性を重視する場合は、データを活用したターゲティング広告
といった選択肢になります。
一つの広告ですべてを完結させるのではなく、認知、興味、比較、資料請求、集客・来場予約という検討段階に応じて、複数の広告を組み合わせることが、不動産Web広告・マーケティング施策の基本です。
2. 不動産Web広告・マーケティング施策の戦略設計
上記で紹介した不動産Web広告の各メニューを実施するときは、事前の準備・マーケティング戦略設計が必要です。
特に重要になるのが、ターゲット設定、KPI設定、広告体験の最適化です。
以下、順番に解説します。
2-1. 不動産物件の特性に合わせてターゲットを明確にする
ターゲットを考える際は、「30代のファミリー層」などの属性だけでなく、その人がどのような生活をしているかまで想像することが重要です。
同じ年代や家族構成でも、住まい選びの条件は異なります。都心への通勤時間を短くしたい人もいれば、実家の近くで子育てをしたい人、在宅勤務のために広さを求める人もいます。
ターゲット設定では、次のような点を整理します。
現在の居住エリア
通勤・通学先
普段利用する駅や路線
現在の住まいに対する不満
住み替えを検討するきっかけ
物件選びで譲れない条件
購入に対して感じている不安
いわゆる「ペルソナ設定」です。
そのうえで、不動産物件の特徴を生活上の価値へ置き換えます。
例えば「駅徒歩5分」は物件の情報ですが、「朝の時間に余裕が生まれる」は顧客にとっての価値です。「複数路線を利用可能」であれば、「夫婦の勤務先が異なっても通勤経路を選びやすい」と表現できます。
設備や立地条件を並べるだけでなく、誰のどのような課題を解決する不動産物件なのかを明確にしましょう。

参考:ペルソナマーケティングは「具体性」が重要! 実践的な作り方・最新活用施策
2-2. 認知・反響・来場など広告の目的とKPIを設定する
不動産業界のWeb広告・マーケティング施策の目的は、販売フェーズによって変わります。
販売開始前なら、不動産物件名や開発計画の認知が重要です。
モデルルームの開設後は、資料請求や来場予約が中心になります。
販売後半では、特定の間取りや価格帯に合う人へ訴求を絞る必要があります。
目的に応じて、見るべきKPIも変わります。
マーケティング上の認知施策では、リーチ数や動画視聴数、不動産物件名の検索数などを確認します。反響獲得では、資料請求数や来場予約数、コンバージョン単価が中心です。
さらに、資料請求から実来場、実来場から商談や申込へ進んだ割合まで確認できると、広告の質をより正確に評価できます。

広告管理画面のコンバージョンだけをゴールにせず、営業活動や成約につながるKPIを設定することが重要です。
2-3. 広告媒体・クリエイティブ・遷移先を最適化する
広告媒体、クリエイティブ、遷移先は、一つの顧客体験(CX)として設計します。
例えば、「都心へのアクセス」を訴求した広告なら、遷移先でも路線図や主要駅までの所要時間をすぐに確認できるようにします。「子育て環境」を訴求するなら、学校、公園、商業施設などの情報を分かりやすく掲載します。
広告の内容と遷移先が一致していなければ、興味を持ってクリックした人も離脱してしまいますし、Google広告などでは広告の「品質スコア」に影響し、クリック単価や上位表示の可否に影響します。
広告配信後は、表示回数やクリック率だけでなく、サイト内の行動、資料請求、実来場などの集客状況までを確認します。
不動産の検討者は、検索広告、SNS広告、ポータルサイト、交通広告など、複数の接点を経て行動することがあります。最後にクリックされた広告だけを評価せず、物件を知ったきっかけや検討を深めた接点も含め、マーケティング施策全体で成果を考えましょう。

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ここまでが、不動産Web広告を始めるうえでの基本です。ただし、不動産は立地と切り離せない商材であり、媒体やクリエイティブを最適化するだけでは十分ではありません。
重要になるのが、どのエリアにいる人を見込み客として捉えるかです。次項では、不動産物件周辺への一律配信にとどまらず、沿線、駅、通勤先、生活動線を踏まえたエリア戦略について解説します。
3. 不動産Web広告・マーケティング施策の成果を左右するエリア戦略
不動産Web広告の媒体やクリエイティブを最適化しても、配信するエリアが実際の見込み客とずれていれば、十分な集客効果は期待できません。
不動産は土地に固定された商材です。物件の立地を変えることはできないため、その場所に魅力を感じる人、その場所での暮らしに現実味を持てる人を、いかに見つけるかが重要になります。
そこで不動産業界に欠かせないのが、エリアマーケティングの考え方です。

3-1. 不動産広告でエリアマーケティングが重要な理由
不動産広告におけるエリアマーケティングとは、不動産物件の商圏を捉え、そのエリアと関係の深い人へ広告を届ける取り組みです。
分譲マンションや戸建住宅では、まずは物件周辺の居住者が有力な集客ターゲットになります。現在の生活圏を大きく変えずに、より広い住宅へ住み替えたい人や、賃貸住宅から購入へ移行したい人がいるためです。
ただし、物件の商圏は所在地を中心とする正円のエリアだけではありません。
人は行政区の境界に沿って生活しているわけではなく、鉄道路線や道路、勤務先、学校、商業施設などを結ぶ動線のなかで暮らしています。物件から直線距離では近くても、交通の便が悪ければ検討されにくい場合があります。反対に、一定の距離があっても、同じ沿線で移動しやすければ有力な商圏になり得ます。
不動産の商圏を考える際は、少なくとも次の要素を確認する必要があります。
現在の居住エリア
物件の最寄り駅と利用可能な路線
主要駅や勤務エリアへのアクセス
近隣エリアからの住み替え傾向
学区や子育て環境
実家など親族との距離
競合不動産物件の所在地と価格帯
再開発や交通インフラの変化
例えば、同じ市内に住んでいても、日常的に別の路線を利用している人にとっては、物件のあるエリアが身近な選択肢ではないかもしれません。一方、別の自治体に住んでいても、物件最寄り駅を通勤や買い物で利用している人なら、その街の利便性や雰囲気をすでに理解している可能性があります。
不動産Web広告では、住所上の近さだけでなく、生活者から見た心理的・時間的な近さを考えることが重要です。
3-2. 物件周辺への配信だけでは見込み客を捉えきれない理由
一般的なWeb広告では、都道府県、市区町村、郵便番号、物件からの半径などを指定して広告を配信できます。物件周辺の住み替え需要を狙ううえでは、効果的な方法です。
しかし、物件周辺だけに配信すると、現在は離れた場所に住んでいる見込み客を取りこぼす可能性があります。
例えば、次のような人です。
物件の沿線を通勤で利用している人
物件最寄り駅の周辺に勤務している人
以前そのエリアに住んでいた人
実家や親族が物件周辺に住んでいる人
転職や異動を機に通勤しやすい場所へ移りたい人
子どもの進学に合わせて転居を考えている人
都心から郊外への住み替えを検討している人
特に新築分譲マンションでは、現在の居住地だけで購入意向を判断するのは困難です。住宅を購入する人は、今の暮らしをそのまま続けるためだけでなく、生活を変えるために物件を探すことも多いからです。
効果的なのは、広告の対象を絞ること自体ではありません。その物件を選ぶ理由がある人を明確にし、理由に対応したエリアを設定することです。
近隣住民、沿線利用者、勤務地周辺の生活者など、性質の異なるターゲットを一つにまとめず、配信グループを分ける方法もあります。それぞれに異なる広告を配信すれば、どの商圏、どの訴求から質の高い反響が得られたのかを比較できます。
3-3. 沿線・駅・通勤先・生活動線を踏まえた商圏設計
不動産Web広告・マーケティング施策の商圏を設計する際は、沿線や駅を基準に考えることが効果的です。
例えば、都心へ通勤する人を対象とする不動産物件なら、最寄り駅だけでなく、乗り換え駅や勤務地の最寄り駅も商圏設計の手掛かりになります。
同じ路線の利用者は、通勤時間や乗り換え方法、沿線の街並みに一定の理解を持っています。そのため、まったくなじみのないエリアに比べ、物件での暮らしを想像しやすい可能性があります。
商圏設計では、次のようにターゲットを整理できます。
近隣居住者
現在の生活圏を維持しながら、賃貸から購入へ移行したい人や、より広い住戸へ住み替えたい人です。街への愛着、学区、買い物環境などを訴求しやすい層です。
同一沿線の利用者
現在の最寄り駅は異なっていても、物件と同じ路線を通勤や通学に利用している人です。沿線の利便性を理解しているため、駅ごとの価格差や通勤時間を示す訴求が考えられます。
物件周辺の勤務者
物件の近くへ通勤している人です。職住近接や通勤時間の短縮、平日に利用する街で暮らす利便性などを提示できます。
主要ターミナル駅の利用者
複数路線が集まる駅や乗り換え駅を利用している人です。物件の沿線をまだ居住候補として認識していない人に、新たな選択肢を提示できる可能性があります。
このように、商圏は居住地だけでなく、移動の起点と目的地を踏まえて設計する必要があります。
そのためには、物件の購入者データや来場者アンケート、既存顧客の居住地に加え、よく利用する駅、勤務先、物件を知った経路などを分析することが効果的です。配信後も、資料請求数だけでなく、実来場率や成約率まで確認しながら商圏を見直しましょう。
4. 移動データで進化する不動産Web広告
沿線や駅、生活動線を踏まえたエリア戦略を立てても、一般的な地域指定だけでは、実際にその駅や路線を利用しているユーザーに正確にリーチすることが難しい場合があります。
そこで注目したいのが、実際の移動履歴を広告配信に活用する方法です。
4-1. 一般的なエリアターゲティングと移動データ活用の違い
一般的なジオターゲティング広告では、スマートフォンのGPSや提携アプリの位置情報などを使い、広告の配信対象を推定します。
例えば、ある駅や商業施設の周辺に一定時間いた端末を抽出し、そのユーザーへ広告を配信する仕組みです。特定エリアへの来訪者に接触できる一方、端末の位置情報は取得環境によって誤差が生じることがあります。
また、その地域にいたことが分かっても、駅を利用したのか、電車で通過しただけなのか、近隣で継続的に生活しているのかまでは判断しにくい場合があります。
これに対して移動履歴に基づくターゲティングでは、駅や路線の実際の利用を基に対象者を捉えます。
住所を基準に「その地域に住んでいると思われる人」を探すのではなく、移動の事実から「その駅を利用している人」「その沿線と継続的な接点がある人」を捉える考え方です。
もちろん、移動データだけで住宅購入の意向が分かるわけではありません。しかし、物件の立地と生活者の行動との関係を、従来より具体的に捉える手掛かりになります。
4-2. 移動実績を基にターゲティングできる「JRE Ads」
移動データを活用したWeb広告・マーケティング施策サービスの一つが、JR東日本グループのデータを活用する「JRE Ads」です。
JRE Adsでは、Suicaの乗降履歴など、実際の移動に基づくデータを活用して広告の配信対象を設定できます。特定の駅を利用した人だけでなく、月間の利用頻度、利用時間帯、平日・休日、通勤定期の利用などによるセグメント設計が可能です。
JRE POINTと連携する「えきねっと」や「JRE MALL」など、JR東日本グループのサービス利用履歴を活用したターゲティングにも対応しています。

例えば、新築マンションの広告では、次のような設計が考えられます。
物件最寄り駅を継続的に利用する人
物件と同じ沿線の駅を利用する人
主要な通勤先となる駅を平日に利用する人
新幹線を利用し、広域移動の機会がある人
不動産業界・都内新築分譲マンションの事例
推定される居住地だけでなく、駅や路線との実際の接点を基に配信できるため、物件の商圏を生活動線から捉えやすい点が特徴です。
当社ジェイアール東日本企画が支援し、実際に新築分譲マンションの広告でJRE Adsを活用したマーケティング施策事例をご紹介します。
・某沿線の1億円程度の分譲マンションにおける集客・リード獲得プロモーション

①Suica通勤定期券×ターゲット駅セグメントの活用
ターゲット層は「渋谷・新宿エリア勤務者」と仮説を設定。
Suica通勤定期券のデータを用いて、当該エリアへ通勤するユーザーをピンポイントで配信。
②ターゲット別の配信分け検証
コアターゲット「渋谷・新宿勤務者」と、サブターゲット「池袋・東京勤務者」で配信を分割。それぞれの反応率を可視化し、駅単位で予算配分や運用の方向性を検討。
③クリエイティブ改善
外観・内観・間取り・料金記載有り無し等、駅別で反応の良いクリエイティブを検証し改善を図った。

※特定の物件と条件における事例であり、すべての広告で同様の成果を保証するものではありません。
不動産業界のWeb広告では、現在地や住所だけで商圏を捉えるのではなく、駅、沿線、通勤先、利用頻度などの移動実績に目を向けることで、これまで見つけにくかった潜在顧客との接点をつくれる可能性があります。
JRE Adsのターゲティング方法や料金、具体的な活用事例について詳しく知りたい方は、サービス資料をご覧ください。
※JRE Adsは広告主様向けのサービスです。広告会社様、制作会社様などには提供されていません。
まとめ
不動産業界のWeb広告で成果を上げるには、広告媒体やクリエイティブを最適化するだけでなく、物件と相性のよい見込み客がどこにいて、どのような生活をしているのかを考えることが重要です。
・どのマーケティング施策を行う場合も、広告の目的やKPIを明確にし、クリエイティブと遷移先を一貫して設計する。
・不動産は立地に強く影響される商材ですが、物件周辺への配信だけで見込み客のすべてを捉えられるわけではないので、見込み顧客を見出すエリア分析と戦略がカギ。
・「JRE Ads」は、JR東日本グループの顧客データを活用した、エリア戦略のためのWeb広告サービスです。Suicaの乗降履歴など、実際の移動実績を基に、駅・鉄道の利用状況や利用頻度、時間帯などを踏まえたターゲティングができます。
現在地や居住地だけではなく、実際の移動から生活圏を捉えることで、従来の地域指定では見つけにくかった潜在顧客へアプローチできる可能性があります。不動産Web広告のエリア戦略を見直したい方は、JRE Adsの詳しいターゲティング方法や活用事例をサービス資料でご確認ください。












