こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回のコラムのテーマは「理系学生採用」です。
早速ですが「毎年、理系学生の採用に苦労している」「就職サイトに掲載しても、なかなか応募が来ない」
採用担当者のみなさんから、こうした声をよく耳にします。
この悩みはみなさんの会社だけではなく、理系学生特有の就職活動の特徴や、市場構造そのものの変化に関係しています。
本コラムでは、
◇理系学生の採用市場の最新動向
◇なぜ採用が難しいのかという構造的な理由
◇文系学生との違い
を整理しながら、採用成功に向けたヒントをわかりやすく解説します。
1.理系学生の採用市場はいま、どうなっているのか
1-1 採用競争が激化している背景とデータで見る現状
理系学生の採用市場は、ここ数年で急激に競争が激化しています。
その最大の理由は、企業側の需要増加に対して供給が追いついていないことです。
この背景には、
・少子高齢化による労働人口の減少
・DX(デジタルトランスフォーメーション)の加速
・IT・AI分野の急速な需要拡大
といった構造的な要因があります。
つまり、1人の理系学生に対して複数企業が争う「売り手市場」がすでに常態化しています。
さらに近年は、スタートアップ企業の台頭や外資系企業による早期囲い込みなどにより、従来の新卒採用スキームでは勝てない企業が増えているのが現状です。
1-2 理系学生の母数が少ない「供給不足」という構造問題
採用競争が激しいのは、需要が増えているからだけではありません。そもそも「理系学生の絶対数が少ない」という根本的な問題があります。
大学全体の進学者数は増えていても、理系の学生数はそれに見合って増えていないのです。需要は右肩上がりなのに、供給は伸び悩む。この構造的な需給ギャップこそが、採用難の本質です。
また、理工系の学部・学科は実験やレポート、研究室活動など、文系と比べて学業の負担が非常に重いのも特徴です。そのため、理系学部を選ぼうとする高校生が敬遠してしまうケースも少なくなく、結果として進学者の絶対数が増えにくい状況が続いています。
中小企業や知名度の低い企業にとっては、特に厳しい現実があります。優秀な理系人材は大手志望の傾向があるため、特に中小企業の採用活動は難化しがちです。
1-3 大学院進学・研究職志向が採用難に拍車をかけている
もうひとつ見落とせない要因が、大学院進学率の高さです。理系学生の多くは、学部を卒業してすぐに就職するのではなく、大学院(修士課程)に進んでから就職活動を行う学生が多い傾向にあります。
令和7年度学校基本調査をもとに算出した区分別の大学院への進学率を見ると、理学部47.55%、工学部40.36%に対して文系の人文科学4.59%、社会科学2.85%と、理系のほうが文系よりも大学院に進学する傾向にあることが分かります。
つまり、理学部では約2人に1人、工学部では約3人に1人が大学院に進学するということです。これはつまり、採用のターゲットとなる学部卒の理系学生の数がさらに減るということを意味しています。
加えて、大学院在籍中の理系学生は研究活動に多くの時間を割いており、就職活動に使えるリソースが限られています。文系学生と比較して多忙である理系学生は、限られた時間の中で就職活動を行っており、早期に就職活動を終了させたいと考える理系学生も多くいます。
そのため、早期に就職活動を行い、インターンシップを通じて自身の就職先を見つけたいと考える学生も多くいます。
2.理系学生と文系学生、採用における5つの違い
2-1 就活の開始時期とスケジュール感の違い
理系学生の採用を文系学生と同じ感覚で進めてしまうと、タイミングを大きく外してしまいます。理系と文系では、就活のスケジュール感がかなり異なるからです。
まず押さえておきたいのが、本選考エントリーの開始時期の文理差です。
就活サイト「ONE CAREER」を運営するワンキャリアが2025年卒学生を対象に行った調査によると、本選考のエントリー開始時期のピークは、理系が「大学3年の11月」(17.7%)であるのに対し、文系は「大学3年の2月・3月」(24.2%)で、理系の方が約3ヶ月早い結果となっています。

出典:ワンキャリア調べ
また志望業界の決め方にも大きな違いがあります。志望業界を決めた時期について、理系学生は「就職活動を始める前から」が32.5%で最多となり、文系学生と比べて12.5ポイントも高い結果でした。一方、文系は「選考を受ける中で徐々に」(26.3%)が最多で、理系学生の方が就活開始前から業界・企業を絞り込んでいる傾向が鮮明です。

出典:ワンキャリア調べ
さらに内定取得のタイミングにも顕著な差があります。内定時期について、理系は「大学3年の12月」が最多(18.5%)で、大学3年の12月から3月までに内定を得た割合は理系が60.4%、文系が47.0%と、内定獲得のタイミングに約1.5倍の差がありました。

出典:ワンキャリア調べ
この背景について、理系学生は学業・研究との兼ね合いから就活が前倒しになる傾向があり、研究の合間に早めに内定を獲得したいという意識が働いていると分析されています。
つまり理系学生は、研究との両立という制約を抱えながらも、できる限り早く就活を終わらせようと前倒しで動いているのです。「採用広報解禁の3月まで待てばいい」という感覚では、すでに手遅れになっているケースが多いと考えておく必要があります。
このことが示す採用戦略への示唆はシンプルです。「理系採用は、早く動いた企業が勝つ」。インターンシップの企画・募集を大学3年の春頃から始められるよう、採用計画を前倒しにすることが求められます。
2-2 情報収集の方法と「刺さる」媒体が異なる
理系学生に響くアプローチは、文系学生とは異なります。メディアの使い方や情報収集のスタイルが違うからです。
まず、理系学生が就活情報を集める際に使うチャネルは、一般的な就職サイトだけではありません。研究室の先輩・教授からの紹介や、専門分野に特化した就職サイト、さらには企業の研究発表・論文など、専門性に直結した情報源を重視する傾向があります。
理系学生は、大学や研究室の教授からの推薦により企業に応募することができる場合があります。この推薦による応募では、通常の文系学生のような就職活動を行わずに内定を獲得できることもあり、理系学生は文系学生に比べて就職活動に消極的な傾向があります。
大学や研究室と直接つながりがない企業は、理系学生にアプローチする機会が少なくなってしまいます。
教授推薦という制度は、理系学生の就活において今も根強い文化として残っています。採用に力を入れたい大学・学部・研究室と積極的に関係を構築することは、理系採用において非常に重要な要素になっています。
さらに企業の絞り込み方にも差が出ています。ワンキャリアの26卒調査でも同様の傾向が確認されており、志望企業を2〜7社に絞り込んでいる理系学生は47.6%と、文系の38.7%を約9ポイント上回っています。

出典:ワンキャリア調べ
つまり理系学生は「多くの企業に広く当たる」のではなく、「少数の企業を深く調べてから動く」スタイルなのです。「とにかく母集団を集める」という戦略より、ターゲット学生に確実に届ける設計の方が、理系採用においては費用対効果が高いといえます。
▶ 「新卒採用向けJRE Ads」 理系学生に“確実に届く”アプローチを実現したい方へ
ここまで読んで、「就職サイトだけでは理系学生に届かない」「ターゲットを絞ったアプローチが必要」と感じた方も多いのではないでしょうか。
こうした課題を解決する手段として注目されているのが、「新卒採用向けJREAds」です。

Suicaの乗降データや定期券データといった”ファクトデータ”を活用することで、特定の大学に通学している学生を狙ってWeb広告を配信することが可能です。就職サイトへの掲載では接点を持てなかった理系学生に、通学の動線上でダイレクトにアプローチできます。

まずは資料で詳細を確認してみてください。
3.理系学生の採用に失敗する企業がやりがちな3つのミス
理系学生の採用が難しい、という現状はここまで見てきた通りです。でも、実はその難しさに拍車をかけているのは市場環境だけではなく、企業側のアプローチに問題があるケースも少なくありません。現場でよく見られる「失敗パターン」を3つ整理しました。自社に当てはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。
3-1 就職サイト一本頼みで母集団形成できていない
採用担当者にとって最も”当たり前”の施策といえば、リクナビやマイナビなどの大手就職サイトへの掲載です。もちろん就職サイトは有効な手段のひとつです。ただ、理系学生の採用においてはこれ一択では限界があるということを、多くの企業がまだ気づいていません。
理系学生が就活情報を集める際のチャネルは、一般的な就職サイトだけにとどまりません。企業の公式サイト、研究室の先輩・教授からのネットワーク、専門分野に特化した就職サービスなど、複数のルートを使い分けながら情報収集するのが理系学生の特徴です。
前述の通り、理系学生は「多くの企業に広く当たる」のではなく、「少数の企業を深く調べてから動く」スタイルです。就職サイトへの掲載だけに依存していると、そもそも検討対象の土俵に上がれない可能性が高くなります。
理系学生の採用実態を調査した株式会社LabBaseの調査(企業349社対象)によると、以前は大学推薦で理系学生を採用できていた企業も、現在は企業自らが積極的に学生との接点を持つ必要があると認識が広がっています。
参考:PR TIMES 株式会社LabBase「理系学生インターン採用実態調査(2025年)」プレスリリース
これが意味することは「大量に求人を出して広くリーチする」という戦略より、「ターゲットとなる学生に確実に届ける」という戦略の方がはるかに有効だということです。就職サイトだけへの依存を続ける企業は、ターゲット層の理系学生に「存在を知られていない」状態になってしまっている可能性があります。
受け身の採用から、積極的に学生を「見つけに行く」採用へ。この発想の転換が、理系採用を成功させる第一歩です。
3-2 ターゲット学生に「届いていない」広告・情報発信
求人を出している、採用ページも作っている。でも応募が来ない——そんな声をよく聞きます。その原因のひとつが、「情報は出しているけれど、ターゲットの理系学生に届いていない」という問題です。
採用広報において、「誰に届けたいのか」を明確にしないまま発信している企業は、コストをかけても効果が出にくいのが現実です。たとえば、機械・電気系の学生を採りたいのに、文理混合の汎用的なコンテンツしか出していないというケースは珍しくありません。
採用広告の届け方についても、理系学生の行動特性を踏まえた工夫が必要です。たとえば、理系学生が多く通学している特定の大学周辺や路線へのアプローチ、あるいはオンライン上でも理系学生に特化した配信ターゲティングを活用するなど、「ターゲットの学生が実際にいる場所」に届ける発想が重要です。
広く薄く認知を広げるよりも、志望度の高い学生層に深く刺さるアプローチの方が、採用コストの面でも効率的です。
3-3 選考スピードが遅く、他社にリードを奪われている
「うちは丁寧に選考したい」という気持ちはよくわかります。ただ、理系学生の採用においては選考スピードの遅さが致命傷になるケースが多々あります。
これは文理を問わず発生する課題ですが、株式会社リクルートの調査によると、2025年6月1日時点での26卒学生の内定辞退率は53.9%でした。また、同時点での内定取得企業数の平均は2.45社でした。
参考:株式会社リクルート『就職プロセス調査(2026年卒)「2025年6月1日時点 内定状況」』
学生の約半数以上がすでに内定を辞退している——つまり、学生は複数の企業からの内定を手にしながら、最終的に一社を選ぶというプロセスを踏んでいます。このとき、選考の連絡が遅い企業は「候補から外れる」リスクが非常に高くなります。
こうした状況の中で生き残るには、「応募から内定まで、できるだけ短く・丁寧に」というスタンスが求められます。面接の日程調整、合否連絡、内定提示——このそれぞれのフェーズでのスピード感が、優秀な学生を獲得できるかどうかの分かれ目になります。
内定を出して終わりではなく、内定から入社までの間も継続的に関係を深めていくことが、辞退リスクを下げる上で欠かせない取り組みです。
4.今すぐできる!理系学生採用を改善する具体的な対策
ここまで「なぜ難しいのか」「どんな失敗をしがちか」をお伝えしてきました。最後に、今日から実際に動き始められる対策を3つご紹介します。難しく考えすぎず、まずはできるところから始めてみてください。
4-1 狙った大学・学部の学生にピンポイントでアプローチする方法
「理系学生に届かない」という課題を解決するための最も効果的な方向性は、母集団を広く集めることももちろん重要ですが、ターゲットを絞って深くアプローチすることがより重要です。
具体的には以下のような方法が有効です。
まず、大学・研究室との関係構築です。特定の大学や学部との連携を深め、教授や就職支援センターへの積極的なアプローチを行うことで、推薦ルートや情報提供の機会を増やすことができます。
OB・OGの活用も非常に効果的で、同じ大学・学部出身の若手社員が母校の後輩に企業の魅力を伝えることは、学生の心に刺さりやすいアプローチです。
次に、ダイレクトリクルーティングの活用です。
理系学生に特化したスカウト型のサービスを使えば、専攻分野や研究内容などの属性で学生を絞り込んでオファーを送ることができます。スカウト型の就活サイトでは、採用担当者が一人ひとりの就活生のプロフィール情報を見た上で、自社の採用基準を満たす学生のみへ個別でスカウトを送るため、書類選考や一次選考の合格率が高くなります。
そのため、公募型のナビサイトと比較すると効率的に就活を進めることができます。
そして今、採用の最前線として急速に注目されているのが、移動データやファクトデータを活用したデジタル広告によるアプローチです。たとえば、Suicaの定期券データや乗降情報を活用することで、特定の大学に通学している学生だけに絞ってWeb広告を配信するといったターゲティングが可能になっています。
「あの大学の工学部の学生にだけ届けたい」「就活イベントに参加したことのある学生にアプローチしたい」——そんな細かいニーズに応えられる手法が、採用の現場に登場してきています。ブランド力や知名度では大手に届かない企業でも、「届ける相手を絞る」ことでコスト効率よく優秀な理系学生と接点を持てる時代になっています。
JRE Adsを利用した採用活動に興味のある方はぜひ資料をダウンロードしてみてください。
4-2 Web広告×交通広告の組み合わせで認知と応募を同時に獲得する
採用活動における広告戦略を考えるとき、「Web広告だけ」あるいは「交通広告だけ」という一本頼みの施策になっていませんか?実は、この2つを組み合わせることで、相乗効果が生まれます。
Web広告(特にターゲティング精度の高いデジタル広告)は、狙った学生層にピンポイントでアプローチできる強みがあります。一方で、交通広告(電車内のポスター、駅構内のデジタルサイネージなど)は、日常の通学・通勤シーンで学生の目に触れ続けることで、認知と企業ブランドを醸成する役割を担います。
理系学生が多く利用する路線や駅への交通広告は、「こんな会社があるんだ」という認知形成に非常に有効です。そして、その後にWeb広告で「もっと詳しく知りたい」学生をキャッチして応募へと誘導する——このファネル設計が、採用広告の費用対効果を高めます。
どの路線・エリアを狙うか、どのタイミングでWeb広告を配信するか——この設計を精緻に行うことで、採用広告の費用対効果は大きく変わります。特に交通インフラのデータを活用した広告配信は、「どの路線を使っている学生か」「どの駅周辺の大学に通っているか」といったリアルな行動データと組み合わせることで、より高精度なアプローチが実現します。
4-3 採用ブランディングで「選ばれる企業」に変わるための第一歩
最終的に、理系学生の採用を安定して成功させるために欠かせないのが採用ブランディングの考え方です。
採用ブランディングとは、簡単に言うと「就職先としての自社の魅力を、ターゲット学生に正しく・魅力的に伝え続けること」です。単なる求人掲載ではなく、「この会社で働くとはどういうことか」「どんな技術に触れられるか」「入社後のキャリアはどう描けるか」を、継続的に発信していく取り組みです。
理系学生は前述の通り、情報収集に時間をかけ、絞り込んでから応募する傾向があります。つまり、応募する前にすでに企業研究がかなり進んでいます。そのため、採用広報コンテンツの質と量が、応募の有無に直結するのです。
特に優秀な学生ほど多くの選択肢を持つため、接点を増やし、自社の魅力を継続的にアピールし続ける必要があります。
これが採用ブランディングの本質です。一朝一夕に成果が出るものではありませんが、積み上げた資産は採用力として長期的に機能し続けます。
採用ブランディングをどう設計し、どんな媒体・手法で理系学生に届けるか。「何から始めればいいかわからない」という方は、まず基礎を体系的に学ぶことが近道です。
◇採用担当者の方へ|今すぐ使える資料を無料公開中◇
ここまで読んでいただきありがとうございます。「理系学生の採用、もっと具体的に何をすればいいの?」という方に向けて、2つの資料を無料でご用意しています。
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採用ブランディングの基礎から、理系学生に「選ばれる企業」になるための考え方まで、初めての方にもわかりやすくまとめた入門資料です。
資料を見た上でさらに詳しく話を聞いてみたい方は、ご相談も受け付けています。
まとめ
この記事では、理系学生の採用が難しい理由とその対策について、以下の流れでお伝えしてきました。
理系学生の採用市場はすでに「超売り手市場」であり、IT人材需要の爆発・学生数の供給不足・内定の早期化という三重苦の状態にあります。また、理系学生は文系学生とはスケジュール感・情報収集の仕方・企業選びの軸が大きく異なるため、文系採用と同じアプローチでは太刀打ちできません。
よくある失敗パターンは「就職サイト一本頼み」「ターゲットに届いていない情報発信」「選考スピードの遅さ」の3つ。
そして今すぐ取り組める対策は「ターゲットを絞ったピンポイントアプローチ」「Web広告×交通広告の組み合わせ」「採用ブランディングの継続的な発信」の3点です。
採用の課題は一度で解決できるものではありませんが、「なぜ届かないのか」を理解した上で戦略を組み直すことで、確実に改善への一歩が踏み出せます。まずは無料の資料から、自社の採用戦略を見直すヒントを見つけてみてください。













