
こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回のテーマは「プログラマティックDOOH」です。
DOOHとは「Digital Out Of Home=デジタル屋外広告」の略称ですが、このDOOHの配信方法・配信形態の一つである「プログラマティックDOOH」について解説します。
・プログラマティックDOOHの基本的な解説
・プログラマティックDOOHのメリット、事例
・実際に施行できる プラットフォームの紹介
これらについて解説しますので、プログラマティックDOOHについて興味がある方は是非参考にしてください。
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DOOHの解説はこちらのガイドブックにまとまっております

1. プログラマティックDOOHとは? 基本の考え方をわかりやすく解説
1-1.まず、 「DOOH(デジタルOOH)」とは
「プログラマティックDOOH」の解説に入る前に、そもそも「DOOH」とはどういうものかを確認しておきましょう。
DOOH(Digital Out of Home)は、駅・電車内・商業施設・街頭ビジョンなどに設置されたデジタルサイネージ(電子看板)を活用した屋外広告のことです。静止画や動画を配信し、通行人にブランドや商品の魅力を伝えるメディアとして注目されています。
従来のOOH(紙・インクによる屋外広告)に比べて、以下のメリットがあります。
① リアルタイムに情報を提供できる
天候や時間帯、周辺のイベント情報などに応じて広告を切り替え、タイムリーで効果的な情報発信が可能です。
状況に応じた情報を提供することで、ブランドの親近感を高める効果が期待できます。
② 印象に残りやすい
デジタルサイネージでは高解像度のディスプレイや動画、アニメーションを活用できるため、視覚的なインパクトが大きいです。
音声や動きを取り入れることで、記憶に残る広告体験を提供できる点も大きな魅力です。
③ ターゲットを絞れる
DOOHは、時間帯や曜日による絞り込みに加え、メディアが保持するデータによっては、性別や趣味嗜好でのターゲティングも可能です。
広告接触結果のレポーティングにより、広告効果の検証ができるというメリットもあります。

1-2.「プログラマティックDOOH」とは
そして、「プログラマティックDOOH」は、上述のメリットである「①リアルタイム情報提供」と「③ターゲティング」を十分に具現化するための仕組みです。
以下、詳しく説明します。
プログラマティックDOOHは、DOOHとデジタル広告の自動取引システムを連携させたものです。オンライン広告と同じように、広告枠をリアルタイムに買い付け・配信・最適化できるのが最大の特徴です。
特定の時間帯や場所、ターゲットオーディエンスの属性に合わせて、リアルタイムで自動的に広告枠を購入・配信することができるので、広告キャンペーンの効率性と効果測定の精度が向上します。
つまり、プログラマティックDOOHは「デジタルOOH × プログラマティック広告」の融合で、屋外広告のDX(デジタルトランスフォーメーション)が形になったものと言えます。
1-3. プログラマティック広告の仕組みをおさらい
「プログラマティック」という言葉は、広告配信の自動化・データ活用を意味します。
オンライン広告では、DSP (Demand Side Platform=広告を発注するプラットフォーム)とSSP(Supply Side Platform=広告を受注するプラットフォーム)というシステムを通じて、広告主が指定した条件に合うユーザーにリアルタイムで広告を配信しています。
この「RTB(リアルタイム入札)」の仕組みを屋外広告に応用したのが、プログラマティックDOOHです。
広告主はDSPを通じて希望する条件(エリア・時間帯・ターゲット属性など)を設定し、SSPが保有する屋外ビジョン枠とマッチングします。すると条件に合致した広告が自動的に配信されます。
DOOHのデジタルサイネージをオンラインの広告枠と同じように扱い、天気・時間帯・エリア・人流データなどに応じて広告を自動的に切り替えることができるわけです。
DOOHにおけるSSP、DSP、RTBの関係性概念図

これにより、
・これまでは「放映期間中ずっと同じ映像」だったOOHが、状況に合わせて柔軟に訴求を変えることができる。
・広告主は必要なタイミングで必要な量(インプレッション)のみ広告を表示でき、無駄なコストを削減できる。
といったメリットがあります。
2. プログラマティックDOOHが実装されたプラットフォーム
「天気・時間・エリア・人流データなどに応じて広告を自動的に切り替える」という、プログラマティックDOOHの本領を発揮するには、それらのデータがDSP・SSPと連携している必要があります。
そのようなDSP・SSPを備えていて、かつ対応メディアの多いDOOHのプラットフォームは、日本ではまだまだ限られています。
当社ジェイアール東日本企画が提供する「ターゲティングDOOH powered by jeki market place MASTRUM」では、そのようなプログラマティックDOOHが実装されたプランをご紹介しています 。
ターゲティングDOOH Powered by MASTRUMとは
当社ジェイアール東日本企画が運営するOOHのマーケットプレイス「MASTRUM」は、本コラムで紹介したようなプログラマティック配信に必要なSSPとDSPを構築しており、豊富な広告在庫によって、ふさわしい場所で、ふさわしい人に、ふさわしい広告を届けるDOOHを実現しています。

また、DOOHの特徴の一つであるデータに基づくオーディエンス測定や効果検証ももちろん可能です。
駅・電車のDOOHを取り扱うプラットフォームとしては国内最大 となります。(2025年11月現在139,100screen)



代表プランの一つを以下にご紹介します 。
◆ターゲティング配信 powered by KDDI
MASTRUMの配信面とKDDIの保有するユーザーデータを掛け合わせ、狙ったターゲットに向けてDOOHを掲出できるプランです。

KDDIの保有する3500万超の会員データや700万か所超のポイント・決済加盟店におけるスマホ決済情報などを活用し、ターゲティング配信を行います。
以下のターゲットセグメントが可能です。
◆性、年代
男性/女性
10代刻み
◆ライフスタイル
オフィスワーカー
在宅者
ファミリー
単身
◆趣味趣向
旅行好き
アニメ好き
ゲーム好き
美容好き
(※今後もターゲティングできるセグメントは拡張予定)

配信面は、JR 東日本の上野駅、品川駅、東京駅、新宿駅、秋葉原駅など、都心を中心としたJ R東日本主要駅の多数の駅縦型デジタルサイネージとなります。

KDDIターゲティングDOOHを含めた、具体的なDOOHの広告プランが知りたい方は以下からダウンロードしてください。
おすすめのDOOHメニューをご紹介しています。

また、DOOHの実施にご興味のある方、もしくはMASTRUMの詳細について知りたい方は、資料をダウンロードするか、以下からお問い合わせください。

3. プログラマティックDOOHの活用事例
当社ジェイアール東日本企画で実施したプログラマティックDOOHによる施策を一部ご紹介します 。
CASE1:
性別でターゲティングDOOH

金融系クライアントの会員獲得施策。会員属性 に特定の性別で偏りがあったため、性別ターゲティングでDOOH施策を実施しました。
CASE2:
趣味趣向でターゲティングDOOH

動画サービス系クライアントの認知及び会員獲得施策。それまでのWeb広告中心施策に加えて、オフラインの施策として趣味趣向ターゲティングでDOOH施策を実施し、リーチを増やしました。
このようなDOOHの活用方法は、既存のメディア施策だけのリーチに加えて、別のメディアでユニークなオーディエンスを増やす試みです。いわゆるインクリメンタルリーチ(=既存の広告接触層に加えて、新たに広告に接触したユニークなオーディエンスの純増分を指す指標)の上乗せに寄与するものと言えます。
インクリメンタルリーチについては下記のコラムでも解説していますので、参考にしてください。
CASE3:
就業状況でターゲティング

ビジネスマン向け電子書籍の認知施策として、上記でご紹介した KDDIターゲティング配信を実施しました。
当該書籍の読者層が男性ビジネスマンに偏っていたため、KDDIターゲティング配信で「ビジネスマン×男性」のセグメントによるDOOH配信を行いました。
4. これからのプログラマティックDOOH:実施のポイントと今後の展望
4-1. 企業が実施時に押さえるべきチェックポイント
DOOHの実施 検討企業は、以下の3点を確認しておくと良いでしょう。
◆目的の明確化(認知向上/来店促進など)
DOOHは認知向上施策に向いていますので、この評価点を軸に目的を設定するのが良いでしょう。また、エリアを絞って実施できますので、リアル店舗が広告掲出媒体の近隣にある場合は来店促進の効果が期待できるでしょう。
◆配信可能エリア・媒体の確認
DOOHの強みは時間帯やターゲットを指定できることですが、対応している媒体がマーケティング対象エリアにあるかどうかは確認する必要があります。キャンペーン・プロモーション内容に合わせて媒体を選びましょう。
◆データ連携・測定手法の設計
実施メディアによりますが、DOOHではこれまでのOOHでは計測できなかった広告効果が測定できます。Web広告と同様の指標で測定できるDOOHの場合、Web広告と同時に広告を実施した際に、どちらがより目標に対し効果的だったか確認できます。これにより、オンライン広告同様に「PDCAサイクルを回す運用型OOH」が実現します。
たとえば当社の「ターゲティングDOOH powered by jeki market place MASTRUM」では、
リーチ
フリークエンシー
曜日別・時間帯別のインプレッション
性・年代の割合
ライフスタイル
趣味趣向
などによる詳細なレポーティングが可能です。
4-2. 今後の進化予測と業界トレンド(AI・5G・データ統合など)
今後はAIによる自動最適化、5G通信などによる高速データ通信、広告効果指標の業界的な統一などによって、さらにオンライン広告データとの統合が進む見込みです。
将来的には、「屋外×モバイル×オンライン」を横断した統合マーケティングが主流になると考えられます。
以下は当社が考える、「過去、現在、未来のOOH・DOOHのかたち」をイラストで簡易に表現したものです。

これまでのOOH・DOOHは、駅や屋外看板に期間内広告を露出し続ける、とにかく通りかかった人に広告を観てもらうというシンプルな広告配信コミュニケーションでした。
現在は、これまで説明してきたようなプログラマティックな配信やデータを利用したDOOHで、人の属性や時間帯に応じて広告を配信する、 生活者とのインタラクティブなコミュニケーションが始まっていると言えます。
将来は、この動きがさらに強まり、AIや予測を用いて、生活者一人一人の行動を意識したコミュニケーションになると考えられます。
まとめ
プログラマティックDOOHは、データとテクノロジーによってOOHの可能性を広げる新たな広告手法です。
概念的なものではなく既に実装されており、たとえば当社の「ターゲティングDOOH powered by jeki market place MASTRUM」を活用することで、インプレッション単位での配信やターゲティングが可能です。
従来の「一斉配信型」から、「状況に応じて最適化される屋外広告」へと進化した今、企業のマーケティング活動におけるDOOHの重要性はますます高まっています。
Web広告が広告コミュニケーションの主流となった今、リアル空間での広告接触は、重複接触の観点でも、Webでリーチできないターゲットと接触するという観点でも重要です。
プログラマティックDOOHについてご興味 がありましたら、是非ジェイアール東日本企画までお問い合わせください。全般的なDOOHやOOHのご相談も歓迎しております。











