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【事例で解説】企業ブランディング 成果を出す5つの実践ポイント

吉田 明生

吉田 明生

こんにちは。ジェイアール東日本企画オンライン相談室[キクコト]の吉田と申します。

[キクコト]は、広告課題を無料オンライン相談で解決するサービスです。

(オンライン相談室[キクコト]とはhttps://online-soudan.jeki.co.jp/service/point/


今回は、「事例で解説 企業ブランディング、成果を出す5つの実践ポイント」を取り上げます。


もくじ



まずは、企業ブランディングについて執筆するきっかけになった、あるオンライン相談事例から。

(ご相談内容は秘密保持のため、実話をもとに一部創作しています)






販促の悩みは、実は企業ブランディングの問題


このやり取り、あなたはどのように感じましたか?

相談事例の内容は非常に示唆的で、いくつかの問題が内在します。


◎目先の売上策(プロモーション)が、自社の掲げる企業理念(ブランドアイデンティティ)と一致していない

◎自社の「強み(ブランドアイデンティティ)」が、他社との大きな差別化になっていない

◎企業にとって、価格競争に入ると負のスパイラルに陥りやすい

つまり「価格割引による集客促進策のマンネリ化を何とかしたい」という

「販促の悩みは、実は企業ブランディングの問題」だったりする事例です。


目先の売上を得るための割引キャンペーンが、せっかく積み上げたブランディング活動そのものを損なってしまうのは、残念なことです。




認知の悩みも、実は企業ブランディングの問題


相談事例をもう一つ。


自社商品のブランド認知を上げたいというお悩みを持つ地方食品メーカーさんには、ホームページに企業理念やブランド理念の記載がないという根本的な問題がありました。


「良いものを作っている」という自負があっても、企業の思いを言語化して発信する”ブランディング活動”をしなければ、共感を得ることができません。せっかく良い商品を作っておられるのに、もったいないなと。
こちらは、「認知の悩みも、実は企業ブランディングの問題」という課題事例でした。


類似のケースは他にもあり、「ブランディングは、企業経営に共通する潜在的な課題」と実感し、
今回このテーマを取り上げた次第です。


●良い商品を作っているのに、販売に結びつかない。

●自社や商品を、なかなか知ってもらえない。

●商品作りのこだわりを、顧客に理解してもらえない。

●会社全体の士気が、上がらない。

●優秀な人材が、うまく集まらない。


企業がお持ちのこのような課題は、ブランディングで解決できるかもしれません。


「これから企業ブランディングに取り組みたい」「現在のブランディング施策に不十分さを感じている」あるいは「企業ブランディングに取り組んでいるが、人も予算も足りず中途半端」という方々に、少しでも参考になる内容をお届けできれば幸いです。




そもそも企業ブランディングとは?:定義を再確認

では、繰り返し出てきた「企業ブランディング」とは何を指すのか。なぜ企業ブランディングで、いろいろな課題を解決できるのかについて、ひも解いていきましょう。

企業ブランディングは、

プロセス1 自社の強みや特徴から「理念(存在意義)」「ミッション(果たすべき役

      割)」「ビジョン(めざす未 来などを策定し

プロセス2 商品やサービス、企業メッセージなどの具体的な形や行動に落とし込んで、

      顧客や社会に発信・活動。


プロセス3 顧客がその言動に共感すると「この企業のモノ作りの考え方が好きだから買

      ってみよう」「自分の価値観と近いから継続的に買おう」「自分の購買

      は、社会的にも意義があると思う」という「支持買い」的価値に変換される。

      

プロセス4 さらに顧客がSNSなどで発信・拡散され共感支持者が増える。






企業が顧客や社会との関係性を構築するこのプロセスすべてを指して「企業ブランディング」と呼びます。
企業ブランディングは、イメージ戦略と思われがちですが、打ち出したイメージを行動で示すという意味では、むしろ企業の統一行動戦略という捉え方がしっくりきます。





企業ブランディングが機能したときの6つのメリット


上図のように、企業ブランディングが機能した状態になると、


メリット1  自社の理念やこだわりを顧客に理解してもらい、購買につなげる関係を

       構築し、継続的なロイヤルカスタマーへ育っていく有効な手段になり
 

メリット2  「この会社は信念をもって企業活動をしている」という評価を得ることで、

       取引会社や株主、金融機関と円滑な関係を作る手助けにもなり


メリット3  「この会社は責任感のある会社だ」と、地域や社会から愛されるきっかけに

       なり


メリット4  「我が社の理念や行動は誇れるので、その一員である自覚を持ちたい」と、   

       全社員が同じ理想をめざすモチベーションになり


メリット5  「こういう会社で働きたい」という就職希望者が増えることにもつながる


メリット6  直面するさまざまな課題を効率的に解決でき、結果的にコスト削減になる
       など、多面的なメリットをもたらすようになります。


企業の理念が社内外で関係者全員に共有されることが、ブランディングの多面的な効果を生み出すことに。


その半面、掲げた理念(ブランドプロミス)をしっかりと企業活動に落とし込めなければ、「言葉(約束)」と「行動」が一致しない企業として認識され、成果どころかネガティブな評価につながりかねません。(SNSなどで、だれでも簡単に評価を発信できる時代です)


企業活動の細部にまでブランド理念を浸透させ、あらゆる局面で、顧客との約束を守る姿勢が今、特に求められています。





■企業ブランディングで絶対に失敗しないための、
5つの実践ポイント

企業ブランディングの考え方を確認したところで、ここからはブランディングの実践編。企業ブランディングに取り組む際の、注意すべき5つのポイントを、以下のような流れで紹介します。




① 企業ブランディングを、全社員事化できる体制で進める:公募制も有効


一般的な企業の中でも、特に中小規模の場合、宣伝やマーケティングの専門部署がなく、多くは総務部や商品開発部、営業部のだれかが兼務しているか、社長・役員自ら担当するケースがよく見られます。


また、企業ブランディングについての総合的な知見もお持ちではないので、自社ブランド策定業務は、広告会社やコンサル会社などの外部リソースに頼ることになりがちです。


しかし策定した自社ブラントの実践者は社員であり、彼らがブランドの理念に腹落ちしなければ、自分事化して行動に移す意識が欠けることにもなります。


御社がもし、企業ブランディングのプロジェクトを立ち上げるなら、

社長と専務と担当の社員とコンサル会社や広告会社だけで作るクローズド体制でなく、


メンバーは部門を横断してまんべんなく招集し

●自部門だけでなく、全社的な広い視野や意見を持つ社員や

●指示待ち型でない、自発的な行動ができる社員を選抜することも重要です。





そういう意味では、

●公募制を採用し、ヤル気のある社員を集めるというのも有効な選択肢になります。


また、事前に全社員を対象にした「強み」「改善点」「社風」などの

アンケートを取る

●インタビューをする


とか、企業スローガンなどの候補が3案程度に絞られた段階で

●全社員が投票をする


など、可能な限り社員の意思を反映するスタイルを模索して、「自分たちのブランディング」というオープンな空気を作ることが求められます。


また自社にとどまらず、顧客や得意先企業、取引先など、自社を取り巻くあらゆる関係者の声に耳を傾けるために、定量調査や定性調査を実施することができれば、より客観的かつ一体感のある企業ブランディングワークになります。


トップダウンとボトムアップの両面からアプローチして、パート、アルバイトも含む全社員で同じ価値観を共有。(企業ブランディングの実践者は社員やアルバイトたち)






② 市場・ライバル・自社の現在地を、客観視する:3つの代表的なフレームワーク


企業ブランディングプロジェクトが発足したら、最初に取り組むのが「自社の現在地を知る」ことです。

企業の成長に影響を及ぼすものは、外部要因と内部要因に分けられます。


外部要因は、政治情勢、社会情勢、市場の変化、生活者の意識の変化、競合会社など。

内部要因は、自社の強み・弱み・社風・歴史などを指しますが、大切なのは自社の強みばかり先行して考えないことです。


「自分たちの強みはこれしかない」と近視眼的に決めてしまうと、それを優先するあまり市場の変化やニーズ、競合他社への判断が甘くなるからです。


「自社と似たような強みを打ち出している競合はいないか?」

「自社の強みを発揮できる市場は、変化していないか?この先も有望か?」

「自分たちの強みは、どのような顧客に受け入れられるか?」


など、顧客や競合他社の目線で、「自分たちは今どこに立っているのか?」について

市場や顧客ニーズから客観的に分析してください。


状況判断を誤ると、見当違いのブランディング作戦を立てることになります。


ここでは、よく知られている一般的なフレームワークを3つ紹介します。


3C分析

市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の客観的情報を整理・分析し、それぞれの関係性から進むべき戦略を探し出す。外部環境の現状分析をベースに、顧客のニーズに合致し、競合他社が持っていない、自社の強みを最大化できる切り口を、見つけ出すフレームワーク。





SWOT分析

自社の事業の状況を、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの項目で整理して、課題を分析するフレームワーク。抽出した要素をそれぞれ掛け合わせて、状況に応じた戦略を練っていく。







STP分析

Segmentation(市場ニーズ細分化)、Targeting(攻める市場の決定)、Positioning(自社がめざす領域の明確化)の軸で自社戦略を絞り込んでいくマーケティング手法。 STP分析は、市場が求めているニーズを細分化することで、より詳細に顧客を把握し、その求めている価値に対して、自社がどのような立ち位置で売り出していくか、アピールしていくかを決定する。



たとえば、「健康」という大きなマーケットの場合。年代や性別やモチベーションなどによって、各々存在するニーズを探り出していくと「ダイエット」「ストレス解消」「ボディシェイプ」「成人病予防」「コミュニティ参加」など(実際はもっと無数にあります)、手に入れたい数多くの形が見えてきます。

その中のどのニーズが、自社の強みに適合するか絞り込み、健康市場の中で、めざすべきポジションを定めていきます。

市場は伸びそうか。競合の強みは何か。自分たちは勝てそうか。まずは、周囲に目を向けて、自分たちの現在地をしっかりと把握。でないと、自社に対する評価が甘くなり、作戦ミスを招くことも






③ 自社の強みを絞り込み、めざす理想を決める


市場のニーズや競合の強みなどを客観的に分析し、自社の強みを活かして勝負できるポジションを絞り込めたら、次は自分たちがめざす方向性(顧客に約束すること、期待してもらいたい姿)を明確化するフェイズです。


自社ブランドが進むべき方向性は、


●企業理念 :自社の存在意義やあり方・心構えをまとめたもの

●ミッション:自社が果たすべき役割・使命 (やり続けること)

●ビジョン :自社が描く理想 (こうなりたい)


などで言語化されるのが一般的です。

そして、

●自社のロゴマーク:理念、思いを視覚化したもの

スローガン:自社の理念をフレーズ化したもの


などでシンボライズし、関係者全員が目印として共有します。


記事の冒頭にご紹介した[キクコト]への相談事例。「認知を広げたい地方食品メーカー」さんのケースでは、ホームページに企業理念やブランドミッション、ビジョンなどの記載がありませんでした。


インターネットの普及で購入商品の選択肢が飛躍的に増えた昨今、「いいものを作れば売れた」時代から、「企業がめざす方向性を明確にして発信」しなければ、いい商品であっても、存在そのものが埋没してしまう時代に変化しています。


ぜひ、御社の思いを明文化したり視覚化して、発信してください。



★自社の強みを活かして、顧客へ約束すること、期待してもらいたい姿を明確化した事例研究タニタ

「はかる」を通して、世界の人々の健康づくりに貢献するという企業理念の、株式会社タニタ。(https://www.tanita.co.jp/company/message.html)Healthy Habits for Happiness(健康習慣によって、幸せを享受できる社会を作る)というスローガンを掲げ、「健康測定機器」から、「食堂」「カフェ」「レシピ本」「フィットネスジム」「法人向け健康プログラム」「アプリ」までさまざまな商品やサービスで、具体的な行動を示し続けていることは、周知のことと思います。


その企業姿勢に共感した顧客は、「タニタ」ブランドに対する信頼感や期待感を高め、「健康習慣」=「タニタ」という肯定的なイメージを自らの脳内に作り上げました。タニタ監修商品も他社から数多く発売されており、まさにブランドが資産として認識された、企業ブランディングの成功例です。

企業の思いやこだわりを、「顧客への約束」や「期待してもらいたい姿」「スローガン」などに明確化し、社内外で共有。







④ 自社のめざす理念を伝えたい顧客に発信:顧客接点の最適化


実践ポイント③で策定した理念。ターゲットも強みの打ち出しも間違っていないのに、成果が出ないとしたら、伝え方・広め方(顧客接点の設計)が的外れなのかもしれません。


「それなりに予算を使って発信したけど、成果がはっきりしない」という企業の方は

「成果につながらないメディアにお金を使っている」
「伝えたい顧客に届いていない」ことが考えられます。


顧客接点とはどんなものを指すのか、以下に列挙します。


◆オウンドメディア(自社がコントロールできるメディア)

・ホームページ

・ブランドサイト

・プレスリリース

・公式SNS

・会社案内・カタログ

・店舗デザイン 

・ユニフォーム

・パッケージ

・包装紙

・店員の接客トーク


◆ペイドメディア(有料の広告メディア)

・Web広告(バナー広告、ディスプレイ広告、動画広告、リスティング広告など)

・マス広告(TVCM、ラジオCM、新聞、雑誌、屋外・交通広告など)


◆アーンドメディア(第三者による情報発信メディア)

・記事 (無料)プレスリリースを取り上げて記事執筆、メディア掲載

・PR  (有料)お金を払って、顧客向けの記事を執筆、メディア掲載

     インフルエンサーなどによる記事投稿


◆シェアメディア(SNSの投稿による口コミの共有・拡散)

・Twitter

・Instagram

・Facebook

・LINE

・You Tube

・TikTokなど


◆その他

・コンセプトショップ、旗艦店

・展示会、イベント

・コンテンツSEO/記事制作(顧客ニーズに沿って、自社商品につながる記事を執筆し、

自然検索による興味関心層との接点を作り、サイト流入集客を狙う手法)


この時点で、「そんなにたくさん使う予算なんてない!」と悲観しないでください。


伝えたいターゲットを絞れば、狙うメディアもおのずと絞り込まれ、コストは比較的少なくコミュニケーション施策を実行できます。


「オウンドメディア」と呼ばれる自社発のメディアは最低限必須ですが、

その次の「ペイドメディア」以下のメディアは、自社が想定する顧客ともっとも効率よくつながれるものだけセレクトすればOKです。




顧客への適切な情報発信に有効なフレームワーク「カスタマージャーニー」


その際、有効になるフレームワークが「カスタマージャーニー」です。
カスタマージャーニーとは、「自社が定めた顧客(ペルソナ)が、どのようなきっかけで自社に興味を持ち、情報を入手し、購入に至るか。そして購入後の体験によって、情報拡散あるいはどう次の購入につながるかなどについて想像を巡らせ、理想的な行動形態を時系列でマップ化、描いていく」フレームワークです。

それによって、「各段階における有効な顧客接点」を見つけることが可能になります。





たとえば自社サイトでの販売が中心の企業なら、ホームページや自社公式SNSでの発信に加え、想定する顧客が日常的に使うであろうSNSでの広告やPRから始める手もあります。狙った顧客だけに限定して情報発信すれば、コストもかなり抑えることができます。





★顧客を絞り、戦略的にブランドストーリーを広めた事例①:ブレインスリープの枕


株式会社ブレインスリープ(以下、BS社)https://brain-sleep.com/ の機能性枕「BRAIN SLEEP PILLOW」


この枕は実際に筆者が購入し、使用体験を継続中の商品ですので、実体験に基づいた顧客目線で記します。


寝違いなのか原因ははっきりしないが、朝起きたときに首回りが痛いことが時々あった。

「いい枕ないかな」とカミさんに話していたら、たまたま彼女がフォローしているインスタグラマーが、このBLAIN SLEEPの枕を紹介していたらしく「こんなのあるよ」と。

それがきっかけでブランドサイトを訪問し、いろんな情報を読んだり、他の機能性枕の情報も比較検討した結果、購入してみることに。

購入時「自分に合わなかったらどうしよう」と不安がよぎったが、「30日間交換OK」で自分にフィットする高さにチェンジできるという後押しもあり、意を決して購入した。

しばらく経過して私の満足感をカミさんに伝えると、彼女もお買い上げ。

その後使用体験を重ねた結果、私たちは、枕と同じ素材を使ったマットレスも購入したのだった。


筆者が購入したブレインスリープの枕とマットレス (同し素材であることを説明するためにカバーを外した状態で撮影)




この購入体験を、さきほどのカスタマージャーニーで解説してみたい。




BS社が描くカスタマージャーニー通りの、見事なジャーニーですね。(苦笑)


もうお解りだと思いますが、筆者(顧客)とBS社の接点は、Instagramのインフルエンサー記事と、ブランドサイト、オンラインストアのみ。マットレスに至ってはニュースリリースとブランドサイトのみ。
(もちろんBS社は、それ以外の顧客接点も複数作っていたと思いますが)

しっかりと的を狙って伝えていけば、TVCMをドカンと投下しなくても自社の持ち味は伝わり、顧客となり、使用体験を経て信頼感が醸成され、良好な関係が継続される。

これこそブランディングが機能した状態であり、前述した「コミュニケーションコストが削減される」ことを、筆者が身をもって実証したわけです。

ちなみにBS社は、2019年に会社設立後、クラウドファンディングサイトMakuake(https://www.makuake.com/)で枕の購入支援を募り、1660万円の売上を達成。その後自社ECサイトで本格的に発売開始という経緯のようです。(BS社ホームページより引用https://brain-sleep.zzz-land.com/news/184/

助走期間にクラウドファンディングで認知と資金を獲得する手法も、大変参考になります。




★顧客を絞り、戦略的にブランドストーリーを広めた事例②:マキタのコードレスハンディ掃除機

株式会社マキタ(https://www.makita.co.jp/product/syuuzin_series/cl142fdrfw/cl142fdrfw.html

みなさんもお気づきでしょうが、駅やオフィスビルや商業施設で、プロの清掃者がマキタの掃除機を使って掃除しているシーンをよく見かけることがありますよね。

マキタは、充電式電動工具を強みにプロユースのブランドイメージを掲げているので、掃除機が駅やビルで使われていたとしても、特に不思議ではありません。


ここで取り上げたいのは、もともと業務用だったコードレスハンディ掃除機が、一般家庭用にも広がり、今やロングセラー商品になっているという事実についてです。

そもそもTVCMを観た記憶もないのに、なぜマキタの掃除機が一般家庭に普及したのか?

それは、生活者が駅やオフィスでマキタを使って清掃するシーンを日常的に目撃しているからだと、筆者は断言します。

確かに、新幹線の車内で使われていることが話題になったり、有名な通信販売で特集されていたり、さまざまな要因はあると思います。


しかし一番大きいのは、プロの清掃者による日々のデモンストレーションが、実演CMの役割を果たし、[makita=掃除のプロが使うなら間違いないだろう]が、顧客の脳裏に刷り込まれているからでしょう。

広告コミュニケーション的に言えば、TVCMもやらずにブランドコンセプトが顧客にしっかりと伝わるという、広告会社泣かせの状態です。(苦笑)


この広まり方は、特別なケースだと思いますが、自社ブランドの伝え方、顧客接点の作り方において、非常に参考になる事例です。(何を隠そう、筆者も購入者の一人です)



ここまで、自社のブランド理念を想定する顧客にどう伝えるかについて、2事例を交えながら、紹介しました。

いずれのブランド戦略も「TVCMドカン」に頼らず、よく考え抜いたやり方で自分たちが伝えたい相手だけに、集中投資しています。

予算が限られる中小企業の方にも、ぜひ参考にしていただきたい視点です。

自社のブランド理念を、誰にどう伝えるか。「顧客接点の設計」が、ブランディングの成果に大きく影響することも。







⑤ ブランドの理念は、販促でも実践することが必須:販促事例も紹介


冒頭にご紹介した、コーヒー豆販売会社さんの相談事例でも少し触れましたが、策定したブランド理念とプロモーション施策(実際の行動)に一貫性がないと、ブランディングの取り組み全体のつじつまが合わなくなります。そうなるとブランディング効果はあまり期待できません。


上記の相談企業さまの事例で言うと、


●「自家焙煎」

●「世界の産地から厳選した20種類のコーヒー豆」

という自社の強みを活かして、

「厳選されたコーヒーで、さまざまな味わいと豊かなひとときを」

提供することをミッションにしています。

コーヒー豆の市場は、コロナ過の「リモートワーク」や「おうち時間」の拡大とともに伸張しており、この先も有望なマーケットでしょう。そのぶん参入も多く、競合他社との差別化が難しくなる懸念もあります。

そういった背景を受けて、短期的な売上げを得るために、まとめ買いで割引セールを実施。もちろんこの施策で一定の数字は上がるでしょうが、繰り返すことで徐々に効果は薄れるかもしれません。

しかも「豊かなひととき体験のために購入していた」はずの既存顧客が、値引きキャンペーンを繰り返すサイトを見たり、実店舗で店員に「他店より安くてお買い得ですよ」とアプローチされたら、「ホームページに書いてあるブランドメッセージと違う」「何かがっかり」と離脱していく懸念も否定できません。


はっきりとした差別化が難しくなると、他社との差を「価格」に求めてしまいがちですが、

ブランディングにおいては、もっとも避けたい策です。



ホームページで掲げる自社の理念やスローガンを守りながら、プロモーションを活性化させるために、どんな改善策(販促アイデア)が考えられるでしょう。



◎ブランディング短期改善施策例

のようなブランドのこだわりをお得に体験できるキャンペーンで、短期的な集客や客単価の増加を狙う。これまでと違う満足感が得られれば、リピーターに育つ可能性も。



◎ブランディング中長期改善施策例

のようなキャンペーンを打ち出す。同じ割引でもブランドの世界感は棄損されることなく、むしろ毎月いろいろな焙煎の豆を味わう体験が楽しみになり、味や香りに満足すれば6ヶ月後、顧客にとって価値のあるブランドに育っている可能性が期待できます。


下図は、ブランドが掲げる理念とプロモーションをどう関連づけて運用していくかを整理・体系化したものです。御社の取り組みにもぜひ、当てはめてみてください。




◎コーヒー豆販売会社の、ブランディングとプロモーションの一貫施策例



●課題を短期と長期に分け、それぞれで達成すべき目標を設定。

●設定した目標を達成するための、具体的な戦術を考える。

●個々の戦術や訴求ワードはブランドが約束する世界観に合致しているかチェック。

●伝えたい顧客と、どう効率よく接点を作るか検討、など。


ポイントは「ブランドストーリーの中で、一貫性のあるプロモーションを考える」です。







★ブランド理念を実践したプロモーション事例:ブレインスリープ

https://www.zzz-land.com/shop/default.aspx



以上の事例から強調したいのは、独自の強みをぶれずに追求するブランディングと、集客のためのプロモーションをしっかりと共存させている視点です。

ともすれば、手っ取り早く競合に勝つために価格競争を選択しがちだと思いますが、自分たちで自分たちのブランド価値を落としてしまう危険性もはらんでいますので、訴求方法には細心の注意が必要です。


プロモーションも、接客も、デザインも、ブランドストーリーの中で、一貫性のあるものにしなければ、顧客にとっての価値として定着しない。





■ブランディングを実行するには、プロの伴走が必要:[キクコト]にご相談ください

以上、企業ブランディングの課題や、注意すべき5つの実践ポイントについて解説をしました。ここまで書いて思うのは、ブランディングの目標達成への道のりは長く、クリアすべきハードルも多く存在するということです。

もし、「自社の課題解決や成長のためにブランディングを検討しているが、すべてを自社内で完遂するのは難しい」とお感じなら、私たち[キクコト]に、ご相談ください。


「ブランド策定」や「企業理念の視覚化」などの一部分でも、もちろんすべてのフェイズでも、[キクコト]の持つノウハウでご支援いたします。



[キクコト]を運営するジェイアール東日本企画のブランディング事例はこちら

(株)光未来 https://online-soudan.jeki.co.jp/works/strategy_design/hikarimirai/

(株)菓匠三全 https://online-soudan.jeki.co.jp/works/strategy_design/kashosanzen/

大阪市高速電気軌道(株)(Osaka Metro)https://online-soudan.jeki.co.jp/works/strategy_design/osakametro/



・〇周年を機に、会社のイメージを一新したい

・社員のモチベーションをもっと引き出す策はないか

・主力商品のパッケージデザインやホームページもリニューアルを検討している

・業界では知られているが、消費者にもっと我が社を認知してもらいたい



そんなきっかけで最近、ご自分の会社のことを考えているなら、

それは、ブランディング(あるいはリブランディング)のタイミングかもしれません。

専属の相談パートナーが、御社の課題に耳を傾け、ブランディングを支援いたします。

ご相談はこちらからhttps://online-soudan.jeki.co.jp/contact/reserve/

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