【OOH広告の効果測定】データで評価する手法を解説

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「効果が見えるOOH」編集部です。

広告・マーケティングに”効く”コラム、今回のテーマは「OOH広告の効果測定」についてです。(OOH広告=Out Of Homeの略、駅や電車の交通広告、看板やビジョンなどの屋外広告の総称)


OOH・交通広告は、他にはない独自の強みがあり、そのメリットを最大限に活かせば非常に効果を発揮するメディアです。近年はSNSによる二次拡散効果も手伝い、広告の表現次第で話題化を図ることもできます。


一方で(他のオフラインメディア同様)定量的な効果測定が難しいという課題もありましたが、OOH・交通広告業界関係各社の取り組みにより、効果を可視化する手法が開発されています。


当コラムでは、アンケートなどの一般的な調査から最新の技術を使った手法まで、さまざまな効果測定の方法について解説します。

「OOH・交通広告の効果検証」に関する課題感を当コラムで解消し、ぜひ次の広告施策にお役立てください。




当社が開発した、OOH・交通メディアの効果計測ソリューション
「効果が見えるOOH」の詳細資料を、以下からダウンロードしていただけます。






■OOH・交通広告を使うメリット

・目立つ!認知度向上に寄与 (リーチ効果)
・SNSでシェアされやすい (話題拡散効果)
・くり返し見る(フリークエンシー効果)
・顧客を絞り込める(ターゲティング効果)
・顧客と接点を創出できる(プロモーション効果)


以上のようなOOH・交通広告のメリットを理解した上で広告展開をすると、そのロケーションでしか生まれない絶大なパワーを発揮し、広告効果を最大化することができます。


OOH・交通広告の強み・メリットについて詳しく解説したコラム「交通広告 成功例」は、こちら






OOH・交通広告の効果測定の種類

◎広告掲出前のシミュレーション(効果予測)


鉄道会社は、

・路線別

・駅別

・改札口別

の利用者数など、さまざまなデータを保有しています。

それらのデータと広告商材を照らし合わせて、掲出メディアをプランニング。メディア毎の接触率を計算して、広告の「延べ接触者数(リーチ数)」をシミュレーションすることができます。



1 路線、駅、改札口の利用者データ

例えば

ターゲット:「東京駅」の丸の内に勤務する会社員

広告:丸の内出口の自動改札ステッカー

の場合


東京駅の1日の平均乗降車人員が約70万人で、約50%が丸の内改札(北口、中央等の合算)を利用しているデータがあります。(jekiメディアガイドより)自動改札は出勤退勤時に最低2回は通過することから、

700.000×0.5×2=700.000回の広告接触チャンスと推計できます。

Suicaをタッチする場所の真横に貼られているステッカーは視認性が非常に高いので、視認率を50%とすると(通常の視認率は30%台、同当社調査)、1日で約350.000人にリーチできると試算。



2 駅利用者プロファイリング

鉄道は、駅や路線によって利用者の属性が明確であり、広告の目的やターゲットに合わせて掲出場所を選定することができます。

例えばJR恵比寿駅とJR秋葉原駅では、下記のように利用男女比・年齢構成比、また利用目的も大きく異なります。広告商材と駅のプロフィールを重ね合わせて掲出箇所をプランニングすることで、事前にある程度の広告効果を予測できます。





3 シミュレーションツールで効果を予測

広告出稿を効率的にプランニングするツールを独自に備えている広告会社も存在します。当社ジェイアール東日本企画(jeki)には、J-plannerというシミュレーションツールがあり、一定の予算で交通広告のリーチ(総到達数)を最大化するメディアプランニングやそれらの効果を予測する機能などを備えています。(下図参照)



また、当社による移動者調査により蓄積したデータから、

・年収1.000万円以上の利用者ランキング

・男性40~50代の利用者ランキング

など、ターゲットに合わせて駅や路線を抽出することもできます。(下表)




通常わたしたち広告会社は、これらのツールを使って事前に広告の効果を予測し、最適なメディアプランをクライアントに提案しています。



◎広告掲出中・掲出後の効果測定

シミュレーションによる効果予測後、広告を掲出したら実際にどのような反応が得られたかを調査・測定します。広告掲出中に測定できるもの、掲出後にまとめて調査するものがあります。



1 QRコードによるLPやサイト流入数

OOH・交通広告にQRコードを設置し、LPや自社サイトに遷移した数を測定することができます。ただQRコードは立ち止まってスマホのカメラで読み取る必要があるので、どの媒体でも効果があるとは言えません。(QRコード掲載可能のポスターをネットワークしているセットがあるので、そちらを検討するのも一つの手です)。またQRコードは盗撮の問題などもあり、設置可能媒体、設置の際の場所、大きさなど、電鉄・媒体によってさまざまなルールが設定されていますので注意が必要です。



2 クーポンコード

チラシやフリーペーパーに紙のクーポンを付け、販売促進に結びつける手法は昔からありましたが、OOH・交通広告でもデジタルクーポンを添付することができます。QRコードを介して入手したクーポンをお店で読み取ることで、成果をカウントします。



3 アンケート調査(広告認知率、態度変容率など)

かつては、駅頭での調査が行われていましたが、現在はWebアンケートが主流です。一般的には下記のような質問の回答を集計し、数値化します。


広告接触率:調査対象者のうち、調査対象広告を「見た」「見たような気がする」と回答した人の割合。

商品興味関心度:広告到達者のうち、調査対象広告の商品やサービスに「非常に興味を感じた」「やや興味を感じた」と回答した人の割合。

商品購入喚起度:広告到達者のうち、調査対象広告の商品やサービスを

「とても買ってみたい(利用したい)」「やや買ってみたい(利用したい)」と回答した人の割合。



4 Googleトレンドで指名検索数、SNSでリツイート数などを確認・分析

広告掲出中に、Googleトレンドを使って商品名やキャンペーン名の指名検索数の推移を確認。またSNSでのリツイート数などをチェックします。

OOHに期待される効果として「シェア効果」があります。気になるOOHをスマホで撮影しSNSで共有する生活者がここ3年間で2倍増という調査データもあります(当社調査の下記グラフ参照)。


データ引用:恵比寿発コラムより https://ebisu-hatsu.com/10287/


またリツイート数などの定量分析だけでなく、広告に対するポジ・ネガ反応をチェック。定性的な調査も重要で、ネガティブなコメントが多ければ、広告クリエイティブの変更も視野に入れます。



GoogleトレンドやSNS調査により、効果を測定した広告事例


・JR東日本 「カニを食べに北陸へ キャンペーン」



Googleトレンドによる評価指標とは

特定の期間中に、ある単語(キーワード)がGoogleでどれだけ検索されているかというユーザーのトレンドをグラフで見ることができるツールです。

グラフにある0〜100の数値は、検索総数ではなく、検索キーワードやトピックの人気度を0〜100の範囲で相対的に数値化したデータです。検索インタレスト(興味・関心)の人気度を最大100として、100に近づくほど、より検索需要が高いキーワードと判断することができます。

上の表にある通り、2020年10月4日~10日に「北陸カニ」の検索インタレストが100を記録しています。
10月3日の広告掲出開始日とほぼ重なる上昇トレンドは、広告が興味関心の獲得に大きく寄与したことを示しています。

また、関連キーワードとして「北陸の旅館」を調べるニーズが上昇しており、ユーザーの態度変容にも
貢献していることが読み取れます。(下図)




JR東日本 「カニを食べに北陸へ キャンペーン」について、以下のコラムで詳しく解説しています。




■位置情報によるリアルタイム接触者数を計測(jeki独自ソリューション 効果が見えるOOH)

数百サンプルのアンケートによる推計データ(アスキングデータ)ではなく、生活者の位置情報データなどによる実際の行動履歴(アクチュアルデータ)から、広告の総接触者数を算出する効果測定方法を、当社ジェイアール東日本企画(jeki)が開発。それが「効果が見えるOOH」です。


「効果が見えるOOH」の主な特徴は

・延べ接触者数をインプレッション(imp)で数値化

・曜日別の広告接触者数の推移を可視化

・広告接触者の属性(性・年代)を可視化

・これらをリアルタイムでの実数把握

が、できる点にあります。


これにより、正確に広告効果を反映できると同時に、Web広告と同じ「インプレッション(表示回数≒接触可能数)」で数値を比較することも可能になりました。



レポーティング(イメージ)


◎imp単価、CPM別に媒体の比較検討が可能

メディアプランニングにおいては、

imp数

imp単価

CPM

ごとに比較表示が可能。

インプレッションおよびインプレッション単価を基準にしながら、広告主のリクエストに応じて柔軟で明快なメディアプランニングができます。


◎性・年代別によるターゲティング

性・年代別のコミュニケーションターゲットの単価も算出可能。

掲出後にレポートを作成、アクチュアルの広告効果可視化。未出稿の他媒体や、コロナ前データと比較することで、場所/時間軸別でキャンペーンの評価ができます。



「効果が見えるOOH」を使って、以下の効果測定も可能です。


★ブランドリフト調査

OOH・交通広告接触者と非接触者別に、サービスの認知、理解、サーチ、行動意向そして広告認知を調査。広告への接触が、ブランドに対してどのような態度変容につながったのか、その広告効果を数値で評価します。

★来店計測

OOH・交通広告接触者と非接触者別に、リアル店舗などへの訪問数・訪問率を計測。広告への接触が、どのような行動変容につながったのか、その広告効果を数値で評価します。




認知と話題を得るために、OOH・交通広告を実施する企業が増えています。だからこそ広告効果を測定して、PDCAを回しましょう!

オンラインの時代にもかかわらず、大型ボード広告や駅のユニークなポスター、トレインジャックなど、リアル(オフライン)のOOH・交通広告を使った広告キャンペーンにユーザーの注目が集まっています。生活者はあちこちで出会った広告を撮影し、SNSに載せて発信します。「推し活」がどの世代にも浸透し、「推し」が登場する大型の広告ボードを撮影する人々を頻繁に目にするようにもなりました。


この現象を敏感に察知した企業は、OOH・交通広告にこれまで以上の予算を割いて、より注目度の高い広告キャンペーンを展開しています。


だからこそ今、そのキャンペーンがどのような効果を生み出したのか数値で示し、次の改善策に活かしていくことが求められています。


当社では、効果計測ソリューション「効果が見えるOOH」の対象メディアを現在進行形で拡充させています。またさまざまなデータ保有企業との連携により、新たな可視化ソリューションも開発中です。

TVCMやインターネット広告と同じ指標を採用し、クロスメディアでの効果検証が可能になったことで、OOH・交通広告は、TVCM・インターネット広告に次ぐ効果可視化メディアとして今後ますます活用しやすくなるでしょう。



※「効果が見えるOOH」の詳細資料をご希望の方は、こちらからダウンロードしてください。




効果的なOOH広告の出稿~効果測定~改善施策は、専門性が高い広告会社の伴走が不可欠です

OOH・交通広告にはさまざまなメディアがあり、それぞれに特徴があります。自社の商材や広告の目的に合わせて適切にプランニングするには、専門性の高い知見が必要です。

メディアプランニング、クリエイティブ制作、広告出稿後の効果測定~改善策の提案まで、OOH・交通広告のリーディングカンパニーであるジェイアール東日本企画がトータルでサポートいたします。お気軽にご相談ください。





交通広告(OOH)の効果的な使い方について、さらに詳しい解説書「OOHメディアはじめてガイド」(全56ページ)をご用意しています。興味がある方は、以下からダウンロードしてください。













icon この記事を書いた人

関連おすすめ記事

人気記事

事例に学ぶ、認知度向上施策4つの勘どころ
採用広告はこれが必須! 効果が出る手法を解説
【交通広告の成功事例】目的別の活用法10選
【ビジョン広告】特徴と活用のコツ、話題のビジョンもご紹介