こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回は皆さんに同梱広告についてお話ししたいと思います。
同梱広告は紙媒体の一つで、メニューの豊富さや幅広いターゲティング方法など、さまざまな特徴があります。
同梱広告を有効に活用できるよう、詳しい機能、使い方やコツ、メニューのご紹介をしますので、皆さんの参考になりましたら幸いです。
同梱広告、同封広告とは
同梱広告、あるいは同封広告は、紙媒体の一つで、交通広告や新聞折込チラシと同様の、いわゆるプロモーションメディアの一種に分類されます。
同梱広告と最も似たものとしてDM(ダイレクトメール)がありますが、DMが自社ないし他社が保有する送付先リスト宛てに郵便物として直接封書の広告のみを送るものであるのに対し、同梱広告はユーザーの自宅宛てに送られるなんらかの送付物に封入・添付されるものになります。
同梱広告とよく似た言葉に「同封広告」がありますが、両者に厳密な定義の違いはありません。通販購入時の梱包ケースに商品とともに入っている広告物を同梱広告とし、それ以外の形のメディアで同時に送付される広告物を同封広告とする、といった区別が便宜的にされることがありますが、どちらもなんらかの送付メディアに相乗りして同時送付されるという意味で、同じものと考えていただいて問題ありません。
同梱広告は現在も活発に利用される広告媒体です。
現在、日本の広告はインターネット広告が最も大きな割合を占めており、レスポンス媒体としても認知媒体としても利用されることが多く、マスメディアやプロモーションメディアが全体広告費において占める割合は減少傾向にあります。
しかし、その中でも同梱広告の利用は引き続き活発です。
Amazon、楽天ほかの通販事業が拡大し、リアル店舗ではなくECサイトからの購入が増え、自宅宛てに送付物が送られることが多くなった現在、それを広告として利用できる同梱広告のニーズは高まっています。
また、コロナ禍で店舗訪問や対面営業が難しくなった時期にも、ユーザーに対してコミュニケーションをとれる同梱広告はダイレクトマーケティングの一手段として重宝されました。
同梱広告の種類
同梱広告のメニューは多数存在しますが、種別としてはおおむね「通販カタログ」「会員誌・会報誌」「クレジットカード明細」「通販商品」の4つに大別できます。
以下にその種別ごとに特徴とターゲットをまとめます。
通販カタログには女性の利用者が多く、会員誌・会報誌では富裕層が狙いやすい、などの傾向はこの4種別だけでもありますが、使用する媒体によって特徴は細かく異なりますので、目的にあったものを都度選択する必要があります。
同梱広告のメリット・デメリット
同梱広告にはさまざまなメリットとともにデメリットもあります。これらを把握して特徴を活かすことが、より効果が出る同梱広告の実施につながりますので、ぜひ参考にしてください。
ほかのメディアとも比較したり、組み合わせたりして最適な打ち手を考えましょう。
同梱広告のメリット
・開封率が高い
同梱広告は開封率が高い媒体です。会員誌にしても利用明細にしても商品同梱にしても、ユーザーが自ら注文して届けるよう依頼したものですので、ポスティングや新聞折込チラシなどと比べて広告を目にする可能性が高くなります。
また、同梱広告がユーザーに届く瞬間は、ユーザーが届くのを待っていた送付物の封を開けるのと同時、というユーザーにとってホットな瞬間ですので、注目されやすく、レスポンスが得られやすいです。
・親和性の高いユーザーにターゲティング可能
メニューが多様ですので、その中から自社商品・サービスとイメージがあったものを選ぶことができます。どのようなユーザーが自社商品・サービスを購入しているか分析し、それに当てはまる媒体を選びましょう。
また、年齢、エリア、年収ほか、媒体によって多くの種類のセグメントが可能です。エリアのみが指定可能な、新聞折込チラシやポスティングチラシにはないメリットです。
ダイレクトマーケティングの原則の一つに、「ある商品・サービスを購入したユーザーと類似のユーザーは、同じくその商品・サービスを購入しやすい」というものがありますが、まさにその類似ユーザーに広告を届けることが可能です。
・DMに比べて単価が安い
送付に要する単価が10~25円程度となり、類似の手法であるDMよりも単価が安く抑えられることが多いです。(デザイン制作、印刷費は除きます)
単価が10円以下の新聞折込チラシよりは高くなりますが、レスポンス率は同梱広告の方が高いため、レスポンス媒体として効率が良い紙媒体となります。
・インターネット広告を補完、補強できる
特にシニアなどがターゲットの場合、インターネット広告で接触できない層が存在します。そのような層に対する接触手段としても有効です。
紙の送付物はインターネット広告に比べ、保存性が高いという特長もあります。また、受け手に向けた表現も媒体によっては詳細に凝って特別感を出すことができ、メッセージ性を高めることができます。
同梱広告のデメリット
・審査で利用できない場合がある
同梱広告では、いずれの媒体であっても、同梱する媒体側の審査を受ける必要があります。同梱先の媒体とサービスが競合していないか、サービス内容が同梱にふさわしいか、などの基準を満たしている必要があります。
・発送時期が自由ではない
同梱する媒体がユーザー宛てに発送されるタイミングは月に一度、3ヶ月に一度、など媒体ごとに決まっていますので、こちらで細かくコントロールすることができません。
また、随時発送されている通販商品の同梱の場合でも、一気に大量の広告物を送付できないことがあります。
そのため、短期的なキャンペーン施策としては向かない場合があります。
・インターネット広告に比べて単価が高く、総費用も一定額必要
リスティング広告などと比べるとCPA(Cost per Action)などの費用対効果は非効率になる傾向があります。
費用をかけてでも顧客を獲得するビジネスモデルや、すでにインターネット広告を実施していて更なるユーザー獲得を求めている場合や、インターネット広告でリーチできないターゲットが対象のビジネスなどで利用するべきでしょう。
また、一つの媒体に出稿するためにある程度まとまった費用が必要です。媒体やメニューによりますが、30万円から数百万円が必要になるため、広告予算が少ない場合のテスト媒体としては向いていません。
・リーチ力はマスメディアに比べて弱め
同梱広告には認知を向上させる機能もありますが、テレビや新聞広告などのマスメディア広告やインターネットのディスプレイ広告の方が費用面でリーチ効率は良いです。
認知獲得を目的とした媒体というよりは、ユーザーからのレスポンスを目的にした媒体として使うのがより良いでしょう。
同梱広告を実施するときのポイント
上記のメリットとデメリットを把握した上で、同梱広告を実施する際にあらかじめ考慮しておきたいことがあります。
以下を踏まえて商品・サービスを訴求することで、顧客に行動を促す効果が高まります。
5:2:2:1の法則
これはダイレクトマーケティングの研究が進む中で研究者によって提唱された法則です。「誰に、いつ、何を、どのように届けるか」という広告の基本要素が、ダイレクトマーケティングにおいてはそれぞれ以下のような要素に言い換えられ、またどの順序で重要であるか、その割合を提示したものになります。同梱広告でもそのまま応用が可能です。
最も重要なのは「Who=ターゲット」です。
購入につながりそうな顧客のプロファイリングができているか。そして実施する同梱広告媒体がその顧客につながるものになっているかどうか。これを間違えてしまうとレスポンスは得られません。以後の3要素を検討するときにも「このターゲットに届けるためにどうするか」と考えますので、同梱広告の核になる要素です。
同梱広告の各媒体では、年齢や性別、趣味嗜好、居住地域、世帯年収や職業など、広告の届け先である顧客・会員の属性が情報公開されていることが大半です。
商品のターゲットが、
・「60代以上の通販購入経験があるアクティブシニア」ならシニア層の利用が多い通販カタログ
・「年収1000万円以上の富裕層」ならハイクラスのクレジットカードの利用明細
・「通販で衣服を購入する20代女性」ならファッションECサイトの商品同梱
など、ターゲット層の含有率が高い媒体を選びます。
次に重要なのが「What=オファー」です。
これは、ターゲットに対して提示する条件のすべてを示します。商品そのものがユーザーにとってどのような価値があるか。そして何がユーザーにとって有意な条件や情報となるかを考え、それを提示できているか。競合に勝つためにはとても重要な要素です。
同様に重要なのが「When=タイミング」です。
ターゲットの購買意欲が高まるタイミングはいつかを考え、それに合わせて広告を実施します。
・ファミリーに対して11月にクリスマスケーキの予約案内広告
・花粉の時期に空気清浄機の広告
・卒業式のシーズンに振袖レンタルの広告
など、商品・サービスによって適切な広告実施タイミングは異なります。
最後に「How=クリエイティブ」です。
・目に留まる表現か?
・アクションにつながるコピーか?
・メリットや商品価値が伝わるか?
などを、ターゲットやオファーを踏まえて考えます。
効果検証をしましょう
同梱広告は一度実施して終わりではなく、継続してより良い手法を模索し、ベストプラクティスを見出し続けるプロセスが重要です。実施した同梱広告の効果検証は都度行いましょう。
効果検証は、「売上」、「客単価」、「レスポンス率」など実績数字だけを見るのではなく、費用対効果の面で本当に効率が良かったか、価値があったかを見る必要があります。
CPR(Cost per Response):レスポンス1件あたりの広告コスト
CPO(Cost per Order):注文1件あたりの広告コスト
ROI(Return on Investment):広告費に対して得られた利益
ROAS(Return on Advertising Spend):広告費に対して得られた売上
なども含めて検証し、PDCAサイクルを回しましょう。
同梱可能数と拡張性も重要
同梱広告の同梱可能数(カタログや会員誌であれば発行部数、通販商品であれば発送商品数)は、数万から500万以上まで媒体によってさまざまです。
予算によって方針は変わりますが、上記のような効果検証を行ってPDCAサイクルを回すにあたり、何が正解かわからない状況でいきなり大量の予算を投下するのは難しいです。まずはどのような媒体が自社に合っているのか検証するべく、同梱可能数の大きさよりもレスポンス率が安定している媒体を優先し、得られた情報を基に拡大していくことになります。
しかし、獲得件数を継続して増やしていくためには、同梱可能数が少ない媒体で目標CPRやCPOを下回ってレスポンス・注文が得られても、それを成功パターンとして広告投資を拡大することは難しいです。同梱可能数の多い媒体(できれば100万以上)でも、並行して同梱広告を実施することをお勧めします。
同梱広告のメニュー紹介
同梱広告にはさまざまなメニューがありますが、ここでは若者向けとシニア向けのメニューを一つずつご紹介します。
ZOZOTOWN同梱広告
ファッションECサイトの大手ZOZOTOWNの提供する同梱広告サービスです。
ZOZOTOWNで商品を購入したユーザーに対し、商品送付時のケースに広告を封入することが可能です。
当サービスは幅広い世代で利用されていますが、10代後半~30代がボリュームゾーン。特に20代の若い年代に対して優位な媒体になっています。
セグメントは「性別」、「年齢」、「居住地」、「購入商品カテゴリー」、「購入金額」など多彩です。
チラシのほかにサンプル封入も可能で、広告として自由度の高い媒体となっています。
「大人の休日倶楽部」同梱広告
上述のZOZOTOWNが20代に強いメニューであるのに対し、こちらはシニア・プレシニアに強い同梱広告です。
JR東日本が運営する「大人の休日倶楽部」は、50歳以上の人が入会できる旅行会員組織です。
会員は、JR東日本およびJR北海道の運賃・料金が割引になるほか、会員限定きっぷの販売や各種特典のサービスを受けられます。
累計会員数は約280万人と大規模です。会員は、専用サイトで旅行情報やイベント情報を入手するとともに、月に一回、会員誌「大人の休日倶楽部」を受け取ります。会員の自宅に直接送付され、発行部数は100万部を超えます。
「大人の休日倶楽部」は広告媒体として純広告と同梱広告が利用可能です。「年齢」、「居住地」でのセグメントが可能で、ターゲットがシニア・プレシニアと明確であれば非常に有用な広告媒体となります。
会員誌を毎月閲読する人は80%、広告に対してなんらかのアクションを起こしたことがある人の割合は約50%となっており、高いレスポンス率です。
出典:「大人の休日倶楽部」会員アンケート
当社ジェイアール東日本企画が運営する「キクコト シニアターゲティング」では「大人の休日倶楽部」の同梱広告枠をご案内しています。料金や空き枠などお気軽にお問い合わせください。メルマガ登録していただければ、空き枠が発生時の優先的なご案内も可能です。
【期間限定企画】大人の休日倶楽部×JRE Ads
上記の「大人の休日俱楽部」は、同梱広告に加えて期間限定のパッケージプランを公開中です。同梱広告と紙媒体の会員誌広告に加え、Suicaを始めとするJR東日本グループの利用者データを活用したWeb広告配信(JRE Ads)で、より精緻にターゲティングしたキャンペーンが可能です。
「大人の休日倶楽部」の読者および同梱広告の対象者に、駅利用情報やJREポイント利用履歴などの顧客データをもとにオンライン広告を併せて実施することで、さらなるアプローチをします。
レスポンス広告は、複数のタッチポイントで接触させることで反応率を上げることが可能です。
●シニア層の行動履歴でエリアを限定したい
●シニア層のEC購買履歴でさらに絞り込みたい
などのニーズがありましたら、下記ページからプラン詳細をご確認の上、ぜひご検討ください。
まとめ
以上、同梱広告について、概要、メリット・デメリット、考慮すべきこと、事例についてご紹介しました。
同梱広告はメニューが多様で、どこからどう実施すれば良いか迷われることも多いかと思います。
更に同梱広告だけでなく、インターネット広告や他媒体とも比較して何が最適かを考えるには、ダイレクトマーケティングに関する情報・知識・経験が必要になります。
同梱・同封広告を含むダイレクトレスポンス広告全般の活用ポイントについては以下のコラムでも詳しく解説しておりますので参考にしてください。
当社はこれらダイレクトマーケティング全般に熟達しており、もちろんクリエイティブ制作、印刷業務も承っております。ワンストップでダイレクトマーケティング業務のご提案と遂行が可能ですので、どんなことでもお悩みの際はぜひお気軽にお問い合わせください。