【事例で解説】PRを目的としたBtoCイベントの作り方とは?

キクコト 編集部



こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。

本日は、PRを目的としたBtoC(Business to Customer)イベントの作り方について、
事例を紹介しながらわかりやすく解説していきます。

企業にとってBtoC向けのイベントは、サンプリングやタッチ&トライなど、
“体験”を通して深くエンドユーザーに商品やサービスを訴求できることから、
認知させるだけではなく態度変容を促すことができる施策として、定番の手法となっています。

一方で、TVCMやOOHといった広告施策に比べると、どうしてもリーチ数
(接触人数)が少なくなってしまう点が弱みでもあります。

この解決策の一つが「PRを目的としたBtoCイベント」です。

“体験を通して深く訴求できる”というメリットはそのままに、
このイベント自体をメディアやSNSで拡散するような仕掛けを施すことで、
リーチ数という弱点をカバーしたPRイベントに仕立てるのです。

百聞は一見にしかず…ということで、当社のPRイベント事例をもとにご説明いたします。

ご紹介するのは、2022年6月に実施したキッコーマンソイフーズ株式会社様のイベント
「豆乳アイスSTAND2022」の事例で、実施したPR施策も紐解きながらご説明します。



●自社のプロモーションをPRしたい
●PRイベントの成功事例からヒントを得たい
●効果的なPR手法が知りたい

このような課題をお持ちのPR担当者の方は、ぜひご一読ください。




【Introduction】「豆乳アイス」という消費者発のモーメント

当社はキッコーマンソイフーズ株式会社様の豆乳飲料について、
「豆乳を国民的飲料にする」というゴールを目指して、長期的にブランドと伴走する
パートナー企業の立場で、さまざまなプロモーションをご支援しています。
キッコーマン豆乳」ブランドサイトはこちら➡(https://www.k-tounyu.jp/


2018年頃より豆乳のパックを冷凍庫に入れてそのまま凍らせる「豆乳アイス」が
SNS発で話題になり、特設サイトを制作して公認レシピ化。

2019年には表参道で初となる「豆乳アイス」のPRイベントを実施しました。
レシピ自体がSNSで話題になっていたことに加えて、街中に巨大豆乳が出現したような
見た目のインパクトもあり、メディア・SNSともに大きなPR効果を生むことに成功しました。


2019年の実施当時、話題を呼んだ豆乳アイスのラッピングショップ


この2019年のイベントについては、キクコト事例集の中に【PRイベント事例】として
掲載もしておりますので、興味がある方はぜひそちらの事例もご覧ください。
https://online-soudan.jeki.co.jp/works/event_planning/kikkoman-sfs/




【Outline】コロナ禍を経て3年ぶりの「豆乳アイスSTAND」

コロナ禍で一時休止となってしまった「豆乳アイスSTAND」でしたが、
2022年になりようやく実施できる環境が整ってきました。
「豆乳を国民的飲料にする」という目的を踏まえて改めて検討を行った結果、
3年ぶりの実施が決定しました。


   クライアントと共有したプロモーションの戦略ポイント(企画書より抜粋)


しかし、PRという観点では2019年とは大きく状況が異なります。
2019年時は「豆乳アイス」というコンテンツ自体が、いわゆる“バズった”状態でしたが、
2022年においては定番の食べ方として浸透しており、かつ2回目のイベントとなることから、
メディアやSNSでの注目度が下がっており、PRにおいては苦戦が予想されました。




【Strategy】PRの仕掛け

こうしたPR課題に対して、メディアリレーションに頼ったりインフルエンサーを呼ぶ、
といったPRの戦術論で対応するのではなく、
イベントの中にPRの仕掛けを実装することで解決を目指しました。

メディアとSNS(=生活者)では、情報を拡散させるためのポイントが異なるため、
それぞれのインサイトを踏まえてPRの仕掛けを検討しました。



〇メディアへの仕掛け

①“猛暑”という、メディアにHOTな話題の活用
今年は早くから猛暑が予想されておりましたが、GWを過ぎたあたりから、
「かき氷」「日傘」など、メディアが猛暑関連の情報を多数募集している
という状況が、事前のメディアヒアリングから見えていました。

そのため、企業側から「猛暑」をPRのキーワードにしたプレスリリースを作成し、
猛暑の切り口で各メディアに企画提案を行いました。


        メディアのニーズを意識して作成されたプレスリリース


実際に、イベントが始まる直前の5月29日に2022年初めての猛暑日を記録。
一気に猛暑関連の報道が増加し、PR獲得の追い風となりました。



②企業として、環境に配慮した取り組みをPR活用
キッコーマン豆乳はエコフレンドリーなブランドであることから、
今回のイベントでは、豆乳アイスの試食用スプーンに使い捨てのプラスチック製ではなく
洗浄して再利用できるステンレス製スプーンを採用することが当初から計画されていました。

当社は、この環境に配慮した取り組み事例を、PRにも積極活用することをご提案。
というのも、2022年4月に「プラスチック資源循環促進法」が施行されたため、
「プラスチックごみの削減」について、具体的に企業がどのように対応をしているか、
メディアの興味が高いと判断したためです。(PR視点で、取り上げられやすい)


試食イベントには環境に配慮したステンレススプーンを採用したことも、
PR効果につながった


〇SNSへの仕掛け

①参加者が投稿したくなる世界観の創出
「キッコーマン豆乳」のアイコニックな色を起点に、巨大なパッケージやキッチンカー、
待機列に沿うように設置したフォトスポット、会場に既設のステップビジョンの活用、
フラッグなどを設置。
SNSへの投稿時、写真に撮りたくなるようなさまざまなアイテムをレイアウトして
イベントの空間作りを行いました。

SNSでの投稿促進は、フォトスポットなどの単体アイテムを設置することも重要ですが、
「特別なイベントに参加した」という体験価値を上げることが重要なポイントです。


会場内にパッケージを模した巨大バルーンを設置
ブランドカラーに塗装されたキッチンカー
階段ラッピングで、パッケージのビッグビジュアルを展開

東京会場では約1万個の豆乳アイスを配布

②オリジナルノベルティがもらえるSNSキャンペーン
ブランドの公式SNSアカウントをフォローした上で、「#豆乳アイススタンド」の
ハッシュタグを入れて、イベントの様子をSNS投稿いただいた方に
各日先着120名様と、アンケートに回答いただいた方各日先着100名様に、
オリジナルノベルティをプレゼントするSNSキャンペーンを実施しました。

毎日一定の投稿数を生み出すことで、キャンペーンに参加しない方々でも
豆乳アイスに関するSNS投稿をしやすくする効果も見込めるため、
オーソドックスですが、SNS上での情報拡散には有効な手法です。





【Result】TV/新聞/Webメディア合わせて300件超のPR露出を獲得

豆乳アイス配布数:約13,000個
メディア露出数 :300件超


今回の事例において、メディアではプレスリリースによる事前告知、イベント初日の取材も含めて、
合計300件を超えるPR露出を獲得することができました。

とあるWebメディアでは、該当記事をSNSに投稿した結果、8,000件以上のエンゲージメントが
ついた事例もあり、PR記事だけでもSNS上で大きな拡散を生みました。

また、生活者のSNSでもTwitterを中心に投稿が拡散。(生活者によるPR効果)
結果、当初の想定数を大幅に超える約13,000個の豆乳アイス配布数となりました。

今回のイベント事例で得られたPR的な成果は2つ。
1つは、イベント告知としてのPRが機能した結果、想定を超える来場人数と配布数を達成できたこと。
2つ目は、イベント会場に来られなかった方々にも、メディアやSNSを通じて「豆乳アイス」という
新しい食べ方と「キッコーマン豆乳」ブランドを、広くPRできたことです。


2つ目の成果は定量的に計測できてはいませんが、Googleトレンドで「豆乳アイス」の検索需要推移を
確認すると、本イベントのプレスリリースを配信した2022年5月20日以降で検索ボリュームが急上昇。
夏本番に向けた「豆乳アイス」盛り上げのきっかけとして今回のPRが機能した事例と言えます。


「豆乳アイス」の検索ボリュームの推移 Googleトレンド調査より抜粋
(グラフデザイン一部加工しています)

SNSでは、豆乳アイスの商品画像が投稿の大半を占めたことから、「家で試してみよう」と
思っていただけた方も一定数いたのではないでしょうか?




【Conclusion】PRを目的としたBtoCイベントの作り方

以上、当社で実施したPRイベント事例をご紹介しました。
この事例から読み取れるポイントは3つ。PRを目的としたBtoCイベントを作るには

・メディアとSNS(=生活者)インサイトの把握(PR視点からの分析)
・インサイトに基づく企画/演出をイベント内に複数実装(PR視点での企画立案)
・実装した企画/演出をベースにPR活動を展開
 が必要になります。

この他にも、長期間のイベントの方がPR獲得に有利など、細かなポイントがいくつもあるため、
イベントを企画するタイミングから、広告代理店のPRスタッフ、あるいは
PR会社のスタッフを入れて、PR視点で企画を作っていく必要があります。

得られるPR成果としては、
・イベント自体の告知
・イベントへ参加しなかった方への訴求
という2点です。

商品やサービス内容によっては「イベントへ参加しなかった方への訴求」が難しい場合も
ございますので、商材に応じてイベントの目的を明確にすることが、求められます




■ジェイアール東日本企画が、PR✕〇〇な企画をご提案します!

PRは「企業、あるいは商品が社会にとってどのような価値があるのか」を起点に考えて、
社会と企業・商材を接着させながら生活者(ターゲット)に情報を届ける手法です。

当社はこうした考え方に基づいて、パブリシティを獲得するための狭義のPRにとらわれず、
PR×イベントをはじめとして、さまざまなマーケティング課題をPR×〇〇の掛け合わせ
プロモーションで解決いたします。

また、さまざまな業種のPR成功事例も保有しています。


・BtoC向けイベントのリーチ数を、PRで拡大させたい
・SNSで話題になる(PRされる)クリエイティブを作りたい
・TVCMを放映するだけでなく、PRとしてもパブリシティを獲得したい


 上記のようなPR施策を検討中の方は、当社運営の広告施策ご提案サービス 
 キクコト プレゼン」にお問い合わせください。
   専門スタッフとともに知恵を絞り,「効果が出るPR」をご提案いたします!

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