
こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
通勤・通学など、日々の生活動線の中でユーザーに繰り返し接触できるのが、交通広告・OOHの大きな強みです。
一方で、生活に自然になじんでいるからこそ、
「見られてはいても、しっかり記憶に残っているのか?」
「詳細な情報まで伝わっているのか?」 …などが気になることはありませんか?
OOHの特性を活かしながら、さらに一歩踏み込んだコミュニケーションを可能にするのが、「ピールオフ広告」などの特殊展開(体験型プロモーション)です。
ピールオフ広告は、参加型で記憶に残りやすいだけでなく、商品やステッカーなどを持ち帰られるため、詳細な情報まで伝えやすい広告手法です。
本記事では、以下の内容について詳しく紹介します。
・ピールオフ広告の基本的な紹介
・実際の成功事例
・実施にかかる費用感や注意点
・ピールオフ広告以外のOOHの体験型プロモーション
OOHの強みを生かし、さらに話題になる施策を行いたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

ピールオフ広告とは?
ピールオフ広告とは、大型ボードやポスターなどの広告面に「剥がせる仕掛け」が施したOOH(屋外広告)の体験型プロモーションです。

広告に貼り付けられたクーポンやサンプル、メッセージカード、ステッカーなどを生活者が実際に剥がして持ち帰ることができる点が大きな特徴です。
一般的には人が集まりやすい駅構内などで実施されることが多く、通勤・通学といった日常動線の中で自然と目に触れやすい環境で展開されます。近年では、商業施設が保有する媒体で実施されるケースもあります。
従来の交通広告は、視認して記憶してもらうことが主な目的でしたが、ピールオフ広告では、そこに「剥がす」というアクションが加わります。この行動によって、広告は見るだけの存在から「参加するもの」へと変わり、体験として記憶に残りやすくなります。
また、持ち帰ったクーポンやカードが、後日あらためてブランドを想起するきっかけになる点も、ピールオフ広告ならではの特長です。その場限りで終わりがちなOOH広告の接触を、来店誘導や商品購入といった次の行動につなげられることから、ピールオフ広告は認知獲得にとどまらないコミュニケーションを実現できる広告手法として注目されています。
ピールオフ広告のメリット
ピールオフ広告が注目されている理由は、単に参加型で面白いからだけではありません。
生活者の行動を引き出し、広告接触後まで体験を広げられる点に、マーケティング施策としての大きなメリットがあります。ここでは、ピールオフ広告ならではの主なメリットを3つ紹介します。
①高いエンゲージメントを生みやすい
ピールオフ広告では、駅や街中といった日常動線上で立ち止まり、手を伸ばして剥がすという能動的なアクションが生まれます。このひと手間が加わることで、広告は一方通行の情報発信から、生活者が参加する双方向のコミュニケーションへと変化します。
心理学的にも、自ら手を動かした体験は記憶に残りやすく、視認のみの広告と比べてブランド名やメッセージの想起率が高まりやすい傾向があります。日常の中で自然に接触するOOHだからこそ、参加型の仕掛けによって体験価値を高めることで、エンゲージメントを大きく引き上げられます。
② 広告接触後も情報が手元に残る
剥がして持ち帰られたカードやサンプルは、自宅などでも引き続き目に触れます。OOHは「その場限りの接触」で終わりやすい媒体ですが、ピールオフ広告は接触後もブランドとの関係を継続できる点が大きなメリットです。
たとえば、後日使える割引クーポンを付けることで、来店や購買のきっかけになります。シャンプーなどの試供品を持ち帰ってもらい、新商品のトライアルを促し、購入につなげることも可能です。
サンプリングだけでなく、ステッカーやストラップなど日常で使いたくなる形にすれば、生活の中で繰り返し目に入り、自然とブランド想起が促されます。
認知獲得にとどまらず、検討や行動フェーズまで導ける点が、ピールオフ広告ならではの価値といえるでしょう。
③ SNSとの相性が良く、拡散されやすい
ピールオフ広告は、SNSとの相性が非常に良いOOH施策です。
剥がす前後で広告の見た目が変化するため、「少しずつなくなっていく」「すべて剥がされて別のビジュアルが現れる」といった状態変化そのものがコンテンツになります。
実際に、「無事にゲットできた!」「全部なくなったらデザインが変わっていた」など、写真付きでSNSに投稿されやすく、掲出場所を超えて情報が拡散されていきます。こうした生活者の自発的な投稿は広告色が薄く、共感を得やすいため、自然な形で広がります。
OOHによるリアルな接触にSNS上でのオンライン拡散が重なることで、掲出場所を超えた話題化が期待できます。結果として、1か所だけの掲出でも高い費用対効果が見込めるプロモーションにつながりやすい点も、ピールオフ広告ならではのメリットです。
ピールオフ広告の成功事例5選
①株式会社 矢場とん|クーポン付きカードで来店誘導

写真引用/参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000153345.html
名古屋名物みそかつの専門店・株式会社矢場とんは、公式キャラクター「ぶーちゃん」を起用したピールオフ広告を大阪で実施しました。
大阪各地で撮影したぶーちゃんのオリジナルカードには、大阪らしいひと言コメントと来店時に使えるクーポンを付け、通行人が思わず手に取りたくなる仕掛けを施しています。
本施策は、大阪市内の店舗最寄り駅であるOsaka Metro梅田駅・心斎橋駅・なんば駅に掲出しました。広告面には「〇〇店まで、すぐ!」といったコピーを掲出し、広告接触から来店までの導線を設計しています。
②エスエス製薬株式会社|お守り配布でブランディング

写真引用/参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000097089.html
エスエス製薬は、解熱鎮痛薬「EVE」の広告として、新生活が始まる4月にピールオフ広告を新宿駅で実施しました。
広告から剥がして持ち帰れるのは、お守り型のミニポーチ。EVEを入れて持ち歩ける設計とすることで、商品を“生活の一部”として自然に取り入れてもらうきっかけを生み出しています。
さらにピールオフ後の広告面には、事前に募集して集まった応援メッセージを掲出しました。リアルなメッセージが並ぶことで、広告でありながら共感を呼ぶ施策になっています。
新生活の不安に寄り添い、「EVEが日常のお守りになってくれる存在」であることを情緒的に伝えた点が、ブランドイメージの強化につながった好事例です。
③白泉社|見せない設計で参加を促進

ピールオフ後

写真引用・参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001415.000046848.html
株式会社白泉社は、『花とゆめ』創刊50周年キャンペーンの一環として、特設WEBサイト「少女まんがってなんだ?」と連動したピールオフ広告を新宿駅で実施しました。
掲出時はキャラクターのビジュアルをあえて見せず、漫画のセリフのみを配置することで、「何の広告なんだろう?」と通行人が思わず足を止めてしまうデザインとしています。すべてのカードを剥がすと『花とゆめ』の漫画キャラクターのビジュアルが現れる仕掛けとなっており、生活者の参加体験そのものをコンテンツとして成立させました。
さらに、カード裏のQRコードからは漫画の無料試し読みが可能で、OOH接触からその場でデジタル体験へとつなげている点も成功のポイントです。
④KADOKAWA|ピールオフで投票結果を体験化
KADOKAWAは、絵本『パンどろぼう』のキャラクター人気投票企画「パンどろぼうそうせんきょ」の結果発表として、ピールオフ広告を渋谷駅で実施しました。広告面に貼られたステッカーを剥がすことで投票結果が明らかになる仕組みとし、「結果を知りたい」というファンの期待感を、そのまま参加行動へとつなげています。
ステッカーは、「ごじゆうにどうぞ」と書かれた段ボールの中にパンどろぼうが入った、思わず手に取りたくなる可愛らしいデザインを採用。
情報を“見せる”だけでなく、グッズとして持ち帰れる体験を組み合わせることで、ファンの参加意欲と満足度を高めた好事例です。
参考:https://ehon.kadokawa.co.jp/pandorobo/news/ct_other/entry-12338.html
⑤ミシャジャパン|アイドル起用でファンを動かす

ピールオフ後

写真引用・参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000023609.html
株式会社ミシャジャパンは、「ミシャ ビタシープラス シリーズ」の化粧水・美容液・クリーム3製品のサンプルがもらえるピールオフ広告を実施しました。生活動線上で実際に商品を手に取ることができるサンプリング施策として、ピールオフ広告の特性を効果的に活用しています。
ピールオフ後の広告面には、ミシャのミューズであるTWICE・SANAさんの特大ビジュアルが登場し、配布終了後も高いアイキャッチ効果があるデザインとなっています。推し活を行うファンは、「推し」が起用された企業広告に対して好意的な傾向があり、広告を目的に現地を訪れるファンも少なくありません。そのため、アイドルやキャラクターを起用した施策において、ピールオフ広告は特に高い効果が期待できます。
このようなアイドルやキャラクターのファンを巻き込み、話題化を図る施策に関心のある方向けに、「推し活マーケティングはじめてガイド」を公開しています。推し活を行うファンの心理や行動特性、企業プロモーションへの取り入れ方について知りたい方は、ぜひご覧ください。
ピールオフ広告にかかる費用と実施時の注意点
ピールオフ広告は、参加型で高い話題性を生みやすい一方、通常のOOHよりも準備が多く、一定の予算が必要になります。使用するメディア(媒体)や実施日数、配布物の内容にもよりますが、全体で数百万円規模になるケースが一般的です。
ピールオフ広告の主な費用内訳
・媒体費用
ピールオフは、通行人が立ち止まれる十分なスペースがある媒体でのみ実施が可能です。そのため、駅構内の大型ボードが使用されることが多く、媒体費は比較的高額になります。掲出期間は1週間が基本で、少なくとも100万円前後の費用が掛かります。
【都内でピールオフによく使用されるメディア】
東京メトロ 新宿駅 スーパープレミアムセット 1,400,000円~/1週間
東急 渋谷駅 道玄坂ハッピーボードA・B 1,450,000円~/1週間
※税別 ※2026年3月時点 ※特殊展開を行う場合は、追加費用が必要な場合がございます。
・ピールオフシートの印刷費/作業費
通常のポスターやボードとは異なり、剥がせる仕様の特殊印刷が必要です。耐久性や安全性を考慮した素材を使うため、印刷費は通常より高くなります。
・配布するカード・クーポン・サンプルの費用
持ち帰り用のカードやステッカー、サンプルなどの制作費も発生します。配布枚数が多いほど費用は増えるため、想定参加人数の設計が重要です。
・警備・運営費用
混雑が予想される駅や時間帯では、警備員の配置が必須となる場合があります。安全確保の観点からも、運営費用は最低でも1日あたり10〜15万円ほど見込んでおく必要があります。
実施時に押さえておきたい注意点
ピールオフ広告は参加型施策であるからこそ、安全面・運営面を含めた事前設計が非常に重要です。実施にあたっては、特に以下のポイントを事前に検討しておく必要があります。
・ピールオフ広告の実施情報をどのように発信するか
・一度に人が集まりすぎないための導線設計
・配布終了後も広告として成立するビジュアル設計
これらは、トラブルを防ぐだけでなく、施策全体の満足度を左右する重要な要素です。
加えて見落としがちなのが、配布終了後の生活者の反応への対応です。人気施策ほど、「欲しかったのにもう無かった」「気づいた時には終わっていた」といった声がSNSに投稿される可能性があります。
こうした反応に備え、ピールオフ広告単体で完結させないプロモーション設計が欠かせません。
たとえば、
・ピールオフで配布したクーポンや情報へのリンクを、公式SNSでも共有する
・ピールオフで配布したノベルティのプレゼントキャンペーンを公式SNSでも行う
・すべて剥がされたタイミングで、追加情報や次の施策を発表する
といった工夫を行うことで、参加できなかった人にも体験の機会を提供できます。
ピールオフ広告はあくまでプロモーションの“入口”です。オンライン施策と連動させることで、より多くの生活者にブランド体験を届け、施策全体の価値を最大化していきましょう。
新たな体験型OOHプロモーション「付箋広告」とは?
OOHの体験型プロモーションを検討する際には、「新規獲得」と「ファンとの関係性構築」のどちらを重視するかによって、最適な手法は変わります。
ピールオフ広告とあわせて知っておきたい選択肢として、ここでは参加者の声を可視化できる新しいOOHの手法「付箋広告」を紹介します。
ピールオフ広告とは逆に、広告面に付箋を貼っていくことでビジュアルが変化していく手法が「付箋広告」です。参加者は用意された付箋にメッセージを書いて広告に貼って、プロモーションに参加します。

付箋広告は、もともと韓国の応援広告(センイル広告)文化から生まれたファンと一緒に作るOOH展開です。
ファンが自らの言葉でメッセージを書き、公共空間に集めていく手法は、「応援の可視化」や「ファン同士の一体感」を生む仕組みとして韓国で定着しています。日本ではまだ導入事例が少なく、施策そのものが話題化しやすいという強みがあります。
付箋広告の一番のメリットは、生活者の“リアルな声”が可視化される点にあります。
企業が用意したコピーではなく、実際に集まったメッセージが広告面に並ぶことで、「このブランドはこんなふうに愛されている」「この商品にはこんなイメージがある」といったエンゲージメント度が、直感的に伝わります。
こうした第三者視点の声は、共感や信頼を生みやすく、ブランドイメージの醸成にも効果的です。
そのため付箋広告は、ファンとの関係性を可視化・強化しやすく、以下のようなプロモーションにおすすめです。
・周年キャンペーンなど、ブランドやサービスの節目となる記念施策
・ブランドの世界観や価値観を伝えることを目的としたブランディング施策
・映画やアニメなど、ファンの応援や感想が盛り上がりやすいコンテンツプロモーション
【付箋広告事例①】日本農産工業株式会社「ヨード卵・光」

引用・参考:https://space-media.jp/news/detail/6701/
日本農産工業株式会社「ヨード卵・光」のプロモーションとして、「ちょっと頑張れた一年の自分」をテーマに、自分を褒める言葉を付箋に書いて貼る参加型の付箋広告連動イベントを新宿駅で実施しました。メッセージを書いた参加者に実際のヨード卵を配布し、体験と商品接触を自然につなげています。
前向きな言葉が広告面に集まることで温かい空気感が生まれ、「自分へのご褒美にヨード卵」というブランディングにつながる施策です。
【付箋広告事例②】映画「今夜、世界からこの恋が消えても」

引用・参考:https://www.sogohodo.co.jp/ooh/14733/
東宝株式会社は、映画『今夜、世界からこの恋が消えても』のプロモーションとして、作中のキーアイテムである「ノート」をモチーフにした付箋広告を池袋駅で実施しました。参加者がメッセージを書いた付箋を貼ることで広告が完成していく仕組みで、付箋は1日ごとにリセットされる設計とし、映画のストーリーと連動させています。公開記念に加え、主演・道枝駿佑さんの誕生日と重なったこともあり、ファンからの応援や感想が多数集まりました。
広告がファン同士の感情を共有する場としても機能し、作品への熱量を“見える化”した好事例です。
付箋広告については、おすすめの活用シーンや企画設計のポイント、実施時の費用感などをまとめた資料を公開しています。
「自社のプロモーションに合うか知りたい」「具体的な進め方や予算感を把握したい」という方は、ぜひこちらから資料をダウンロードしてご覧ください。

ピールオフ広告と付箋広告どちらを選ぶべき?
話題性のあるOOHの参加型プロモーションとして、ピールオフ広告と付箋広告をご紹介しましたが、OOH施策を検討する際に重要なのは「誰に、何を届けたいのか」という視点です。目的やターゲットによって、適した手法は異なります。
■新規層へのアプローチを重視する場合
ピールオフ広告を活用し、クーポンやサンプルを配布することで、新商品・ブランドとの初接点を創出できます。実際に手に取る体験を通じて、認知だけでなく興味・関心を喚起しやすい点が特長です。
■既存ファンとの関係性強化を目的とする場合
付箋広告でメッセージを集め、ファンの声を可視化することで、共感や愛着を高めるブランディング施策として展開できます。ブランドが愛されていることを第三者視点で伝えられる点も、大きな魅力です。
このように、目的やターゲットに応じてピールオフ広告と付箋広告を使い分けることで、OOH施策の効果をより高めることが可能になります。
まとめ
ピールオフ広告は、OOHの強みである高い接触頻度に「参加体験」を掛け合わせることで、認知だけでなく行動喚起までを狙える広告手法です。
生活者が広告に能動的に関わり、持ち帰ったクーポンやサンプルなどをきっかけに、広告接触後もブランドとの関係が続いていきます。
成功事例からも分かる通り、ピールオフ広告はクーポン配布やサンプリングに限らず、話題化を目的とした認知施策や、ファン向けのコミュニケーション施策など、目的に応じて柔軟な設計が可能です。一方で、費用や運営体制、安全面への配慮など、事前に検討すべきポイントも多く、オンライン施策との連動を含めた全体設計が重要になります。
また、既存ファンとの関係性を深めたい場合には、付箋広告のように生活者の声を可視化し、共感を生む手法も有効です。目的やターゲットに応じて広告手法を適切に選択し、ファンを巻き込んだ体験設計を行うことで、OOH施策の効果はさらに高まります。
当社、ジェイアール東日本企画は、ピールオフ広告や付箋広告だけでなくOOHを中心としたプロモーションを得意としています。参加型で話題になるOOHの企画から実施、運営まで一貫したご提案が可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。














