【コミュニティマーケティング】新規顧客獲得を加速させる3つのアプローチ

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回のコラムのテーマは「コミュニティマーケティング」です。

「コミュニティマーケティングって最近よく聞くけど何?」
「ファンを増やしたいけど、広告費をかけるだけじゃ限界を感じている…」

そんな疑問や悩みを持つマーケティング担当者に向けて、この記事では以下のことを解説します。

  • ○コミュニティマーケティングが新規顧客獲得に効果的な理由
  • ○実践で使える3つの具体的なアプローチ
  • ○自社に取り入れるための考え方とステップ

広告費を投下するだけでは思うように新規顧客が増えない…そんな状況を打開するヒントがここにあります。ぜひ最後まで読んでみてください。


コミュニティマーケティングとは、既存顧客や見込み顧客が集まる「コミュニティ」を活用して、顧客理解・顧客育成・顧客創出を行うマーケティング手法のことです。

「コミュニティ」というと、SNSのグループやオンラインサロンをイメージする方も多いかもしれません。ただ、コミュニティマーケティングの本質はもう少し広い概念です。ブランドや商品・サービスを軸に、共通の価値観や興味を持つ人々がつながり、互いに情報を共有しながら関係性を深めていく。その流れ全体を設計・運用することが、コミュニティマーケティングの核心です。
たとえば、

  • ○ブランドのSNSでユーザー同士が使い方を教え合う場
  • ○企業が開催するファンイベント
  • ○製品の感想や活用方法を自由に投稿・共有できるコミュニティサイト

なども、ブランドを中心に継続的な交流が生まれていればコミュニティといえます。

一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会が2025年に実施した調査によると、コミュニティマーケティングという言葉の認知はマーケティング業務に関わるビジネスパーソでは7割に達し、必要性を感じる層が過半数に及ぶなど、社会的認知はすでに定着段階にあることも明らかになっています。


マーケターの間ではすでに「知っている」が当たり前になってきている一方で、「実際にどう使う」がまだ完全に浸透しきっていないのが現状です。だからこそ、今のうちに理解を深めておくことが競合との差別化につながります。

出典:「コミュニティマーケティング白書2025-2026」(速報版)
(URL:https://communitymarketing.jp/news/20251119_sokuho

1-2.混同しやすい「ファンマーケティング」との違い

コミュニティマーケティングと似た言葉に、「ファンマーケティング」があります。

どちらもファンとの関係構築を重視する点では共通していますが、アプローチには違いがあります。
ファンマーケティングは、企業やブランドのファンを増やし、その好意や愛着を購買や推奨行動につなげる考え方です。
一方でコミュニティマーケティングは、企業と顧客の関係だけでなく、顧客同士のつながりまで含めて設計する点に特徴があります。

ファンマーケティングについて詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしてください。



1-3. 従来の広告・CRMとの違い

従来のマーケティング施策と比べたとき、コミュニティマーケティングは何が違うのでしょうか。整理すると、大きく3つの点で異なります。

情報の流れが「一方通行」から「双方向」へ
Web広告やテレビCM、交通広告などの広告は、企業から消費者へ一方的に情報を届けるモデルです。一方、コミュニティマーケティングでは、顧客同士・顧客と企業の間で双方向のコミュニケーションが生まれます。

CRMとの違いは「関係の主体」にある
CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は、企業が顧客データを管理・分析して施策に活かすアプローチです。コミュニティマーケティングでは、顧客自身がコミュニティの中で能動的に動き、情報を発信・共有します。企業が管理するのではなく、顧客が動く仕組みを作る、というイメージです。

「獲得」より「育成」と「共創」を重視する
従来の広告は「いかに多くの人にリーチするか」を重視しますが、コミュニティマーケティングは「いかに深いつながりを作るか」が出発点。既存のファンが新しい顧客を連れてくる構造を作ることで、中長期的な顧客獲得コストの削減にもつながります。

また、コミュニティマーケティングを実施する目的として「既存顧客の売上拡大」「既存顧客のロイヤルティ向上」「クチコミ促進」がメインに挙げられており、消費財系製造業やIT・ソフトウェアのセグメントでは「顧客との共創」にも期待が高いという結果も出ています。

出典:「コミュニティマーケティング白書2025-2026」(速報版)
(URL:https://communitymarketing.jp/news/20251119_sokuho

「売ること」から「一緒に作ること」へ。この発想の転換がコミュニティマーケティングの本質です。

1-4. 購買意欲の高いユーザーにリーチできる理由

コミュニティマーケティングが新規顧客獲得に特に効果的な理由の一つは、「すでに興味を持っている層」にピンポイントでリーチできる点にあります。

例えば、アニメや映画などのIPコンテンツのファンコミュニティを考えてみましょう。そのコンテンツが好きで積極的に情報を集めているユーザーは、関連する商品やブランドへの関心も高い傾向があります。コアなファンほど発信力も強く、SNSで話題になりやすいという特性もあります。

一般的な広告施策と比べた場合、コミュニティ経由でリーチできるユーザーは「関心度が高い状態で接触する」ため、購買転換率が高くなる傾向があります。

これを裏付けるデータとして、デロイト トーマツが2025年に実施した「国内Z世代意識・購買行動調査」では、Z世代は「テレビ番組・CM」とともに、「SNS」が主要な情報収集手段となっており、他の世代以上にSNS・口コミ等のオンライン上の他者評価も重要な情報と捉えていることがうかがえます。

参考:2025年度「国内Z世代意識・購買行動調査」
(URL:https://www.deloitte.com/jp/ja/Industries/consumer-products/research/generationz-behavior-survey.html

つまり、企業からの一方的な発信ではなく、コミュニティ内での口コミや共感がIPコンテンツ通じて情報が広がることで、より購買意欲の高いユーザーへ自然にリーチできるのです。



◇◇コミュニティを広める手段としてキャラクター活用!◇◇
コミュニティを広めるうえで、キャラクター・IPコンテンツの活用は有効な手段のひとつです。「どのIPを選べばいいか」「どう施策に組み込むか」といった疑問をお持ちの方は、活用方法や導入の流れをまとめた「キャラ活はじめてガイド」をぜひご覧ください。


コミュニティマーケティングがいかに効果的であるか説明してきました。では、実際にどんな方法で新規顧客獲得につなげればいいのでしょうか。ここでは、現場で活用しやすい3つのアプローチを紹介します。

2-1. アプローチ①|ファンとの共創でブランドへの共感を広げる

最初のアプローチは、既存のファンや顧客を「一緒にブランドを作る仲間」として巻き込む「共創」です。

共創とは、企業が一方的に商品やコンテンツを作って届けるのではなく、顧客の意見やアイデアを反映させながら一緒に作っていくプロセスのことです。顧客が「自分も関わった」という感覚を持つことで、ブランドへの愛着が深まり、自然と周囲に広めてくれるようになります。

具体的な取り組み例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ○新商品の開発段階でファンのアンケートや投票を取り入れる
  • ○SNS上でハッシュタグキャンペーンを展開し、ユーザーが体験を発信する場を作る
  • ○ファン限定のオンラインイベントや座談会を開催し、意見を直接収集する

特にキャラクターやIPコンテンツのファン層は、ブランドへの関与度が高く、積極的に発信してくれる傾向があります。この層をうまく共創に巻き込むことができれば、ブランドへの共感が自然とネットワーク上に広がり、新規顧客の目に触れる機会が増えていきます。

ポイントは、「顧客に何かをしてもらう」という発想ではなく、「一緒に楽しむ場を作る」というスタンスで設計することです。義務感を生まず、ファンが自分から動きたくなる仕掛けを意識しましょう。

2-2. アプローチ②|顧客の声を活かし、口コミやUGCを生み出す

2つ目は、顧客の声=「UGC(User Generated Content:ユーザーが作ったコンテンツ)」を積極的に生み出し、活用するアプローチです。

UGCとは、レビューやSNS投稿、ブログ記事など、一般ユーザーが自発的に作成・発信したコンテンツのこと。企業が作る広告と違い、「リアルな声」として受け取られるため、信頼性が高く、新規顧客の購買意思決定に大きく影響します。

先ほどのデータでも触れましたが、Z世代の多くはSNSで意見や感想、口コミを調べてから購入するという傾向があります。UGCは、特に若年層の新規顧客獲得に直結するものとなっているといえます。

UGCを生み出すための実践的な方法には、以下のようなものがあります。

  • ○購入後のフォローアップ:購入者に感想投稿を促すメールや、投稿しやすいハッシュタグの提供
  • ○キャンペーンの設計:「投稿してプレゼントに応募」といったインセンティブ付きの参加型施策
  • ○コミュニティ内での発信サポート:優れた投稿を企業がリポストすることで、投稿者のモチベーションを高める

重要なのは、UGCは「作らせる」ものではなく「生まれやすい環境を整える」ものだということです。顧客が「シェアしたい」「誰かに伝えたい」と思えるような体験や感動を提供することが、UGC創出の根本にあります。

また、UGCは新規顧客へのリーチという観点でも非常に有効です。SNS上でファンが自発的に投稿することで、そのフォロワー(まだブランドを知らない潜在層)にもコンテンツが届きます。広告費をかけずに、信頼性の高い形で認知を広げられる点が、UGCを活用する最大のメリットです。

2-3. アプローチ③|キャラクターやコンテンツを活用し接点を増やす

3つ目は、アニメ・映画・キャラクターなどのIPコンテンツとのコラボレーションを活用して、ターゲット層との接点を広げるアプローチです。

IPコンテンツ(Intellectual Property=知的財産)とは、人気アニメのキャラクターやゲームなど、ファンベースを持つコンテンツのことです。このIPのファンコミュニティに乗ることで、これまで自社ブランドとの接点がなかった新規層へ一気にリーチできます。

例えば、人気アニメとのコラボ商品を展開した場合、そのアニメのファンは「好きな作品のコラボ」として積極的に情報を拡散してくれます。SNSでの話題量が増え、コアなファンの発信力によって、広告費をかけずとも大きな認知拡大効果が生まれます。

このアプローチの特長は、「ターゲット設定の精度が高い」点にあります。例えば、ファミリー向けキャラクターを活用すれば子育て世代にリーチしやすく、人気マンガとのコラボなら若い層へのアプローチが可能です。IPコンテンツごとのファン層の属性が明確なため、狙ったターゲットに的確にリーチできるのが強みです。

また、IPコンテンツを活用したキャンペーンは、ただ告知するだけでなく、「このコラボ、参加してみたい」という体験型の設計にすることで、コミュニティ内での共有・拡散が生まれやすくなります。プレゼントキャンペーンやオリジナルノベルティの配布など、ファンが動きたくなる施策と組み合わせることがポイントです。

なお、IPコンテンツの活用には著作権者(ライセンサー)との交渉や契約が必要です。自社で進めようとすると手続きが複雑になりがちですが、専門のサポートを活用することでスムーズに進められます。



◇◇実際のコラボ事例や具体的な施策プランをもっと詳しく見たい方へ◇◇

当社ジェイアール東日本企画では、IPコンテンツとのコラボによる商品化や販売促進をはじめ、大型イベント、番組提供、企業広告・ブランディング広告など、総合広告会社としてコンテンツプロモーション実績多数です。
どのIPが自社のターゲットに響くか、どんな施策設計が効果的かを事例ベースで確認できる資料を無料配布中です。

➡キャラクター活用事例&オリジナルコンテンツ紹介

➡キャラ活マーケティング実施プラン集


3つのアプローチを理解したところで、実際に成果を出している企業はどのようにコミュニティを運営しているのでしょうか。国内の成功事例から、共通するポイントを読み解いていきます。

3-1. 「売る」より「聞く」を重視する ―― mineo「マイネ王」

「コミュニティを作ったのに盛り上がらない」という企業に共通するのが、コミュニティを広告チャネルとして使おうとしてしまうことです。新商品の告知やキャンペーン情報の発信が中心になると、メンバーは「企業都合の場」と感じ、次第に離れていきます。

通信サービスmineoが運営するファンコミュニティ「マイネ王」は、2026年1月に11周年を迎え、現在会員数91万人・月間アクティブユーザー約20万人を有するコミュニティサイトへと成長しています。MVNO業界という競合の多い環境のなかで、価格以外の価値で差別化を図るべくコミュニティに活路を見出したのが始まりです。

成功の核心は、ユーザーの声をサービスに反映させる「アイデアファーム」や、パケットをユーザー同士でシェアできる「フリータンク」など、「聞く・応える」の循環を仕組み化してきたことです。その結果、コアユーザー約4,000人の解約率はmineoユーザー全体の約5分の1にとどまり、紹介アンバサダーの適用数もmineoユーザー全体の約1.5倍と、コミュニティへの関与度が高いユーザーほどビジネス貢献度も高いことが数字に表れています。

さらに2026年3月には、ユーザー自身がテーマごとにグループを作れる新機能「サークル」を導入。好きなキャラクターやコンテンツを応援する”推し活”コミュニティとしても活用できる設計で、ユーザー主導の共創文化をさらに発展させようとしています。オンラインでの交流をきっかけにリアルの場(オフ会)へつなげる仕組みも整えており、これまでに延べ約2,600人が参加しています。

出典:会員数91万人のmineoコミュニティサイト「マイネ王」にユーザー主導でコミュニティが形成できる新機能「サークル」を導入
(URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000289.000051725.html

「売る場」ではなく「語り合える場」として設計し、顧客の声を施策に反映させる循環を作ること。マイネ王の進化はその好例であり、コミュニティが長く続く本質を示しています。

3-2. 効果を最大化するターゲット設定の考え方 ―― カインズ「CAINZ DIY Square」

コミュニティマーケティングは「誰に向けたコミュニティなのか」が明確でないと、メンバーが増えても熱量が上がらず形骸化してしまいます。「広く集めようとしない」ことが、実は成功への近道です。

ホームセンターのカインズが運営する「CAINZ DIY Square」は、「DIYをライフスタイル(生活文化)にする」というミッションのもと、「やりたい」「やってみた」「できた」で感じる喜びや発見を仲間とシェアすることをコンセプトに設計されたコミュニティです。

ホームセンターとして幅広い顧客層を持つにもかかわらず、「DIY好き」という共通の価値観を持つ層にあえてターゲットを絞り込んだことが、コミュニティの熱量につながっています。

コミュニティの設計においても、オンラインだけでなくリアルとの融合を重視しています。店舗でのワークショップに参加したメンバー同士がオンラインでも繋がるなど、リアル店舗を持つカインズならではの交流を生み出しています。オンラインとオフラインの接点を掛け合わせることで、「ネット上だけの関係」では生まれにくい深いつながりを実現しています。

さらに2025年10月のリニューアルでは、Q&A機能「みんなに質問」においてベストアンサーに選ばれた回数が多い優良顧客(ファン)を「マイスター」として認定する制度が新たに導入され、ユーザーの貢献意欲を高め、コミュニティ内での活発な情報交換が促進されています。会員数はすでに10万人を突破しており、「DIYer100万人プロジェクト」という大きなビジョンのもと、コミュニティをさらに拡大させていく方針を示しています。

出典:会員数10万人突破!DIY好きがつながるオンラインコミュニティ「CAINZ DIY Square」をリニューアル
(URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000550.000008255.html

ターゲット設定では、年齢・性別などの属性だけでなく「共通の価値観や熱量」で絞ることが重要です。最初は小さくても、同じ興味を持つコアな層から始めることで、コミュニティの熱量が自然と外へ広がっていきます。

3-3. 長期的な成果につなげるための適切な目標設定 ―― スノーピーク「Snow Peak Way」

コミュニティマーケティングで失敗するケースに共通するのが、「短期間で成果を求めすぎる」ことです。コミュニティは広告のように出稿翌日から効果が出るものではなく、メンバーが集まり、信頼関係が育ち、口コミが広がるまでに一定の時間が必要です。

アウトドアブランドのスノーピークが運営する「Snow Peak Way」は、その長期視点の典型例です。スノーピークのスタッフが、ユーザーと一緒にキャンプを楽しみながら、より多くの交流を図ると同時に、ユーザー同士がつながる場として1998年から続けているキャンプイベントで、2026年も全国各地の会場での開催が予定されています。

特筆すべきは、会員ランクに応じてコミュニティへの関わり方を段階的に設計している点です。通常会員向けの「Snow Peak Way」に加え、ブラック以上の会員ランク限定で2017年よりスタートしたSnow Peak Way PREMIUMは、2泊3日のキャンプイベントとして提供されており、コアなファン層に対してより深い体験を届ける仕組みを整えています。

出典:スノーピーク公式 – 2026年のSnow Peak Way開催日程のお知らせ
(URL:https://www.snowpeak.co.jp/news/p20260105-0/

さらにオンラインにも展開を広げており、「Snow Peak コミュニティ」アプリでは、いつでもどこでも同じキャンプの楽しさを知る野遊びの仲間がキャンプ情報を共有し、交流できる設計になっています(出典:スノーピーク公式 – Snow Peak コミュニティアプリ)。リアルのイベントとオンラインのコミュニティを有機的につなぎ、接点を継続的に持ち続ける仕組みが長期的なファン育成を支えています。

約30年にわたって積み上げてきたこの取り組みが示すのは、コミュニティマーケティングは「仕込み」に時間がかかる分、一度根付けば広告費に依存しない強固なファン基盤になるということです。立ち上げ期はコミュニティの登録者数やアクティブ率、育成期は投稿数やイベント参加率、成熟期はLTVやNPSなど、フェーズに応じたKPIを設定しながら、長期の視点でコミュニティを育てていく姿勢が成功への近道です。

ここまで読んで、「コミュニティマーケティングの重要性は理解できたけれど、自社では何から始めればよいのだろう」と感じている方も多いのではないでしょうか。

コミュニティは一朝一夕で作れるものではありません。しかし、顧客理解から始めて少しずつ関係性を育てていくことで、企業と顧客の間に強い信頼関係を築くことができます。

近年は、商品やサービスを購入するだけでなく、「好きなものを応援したい」「同じ価値観を持つ人とつながりたい」という行動も広がっています。こうしたファンの熱量を理解することは、コミュニティマーケティングを考えるうえでも重要な視点です。

ここでは、自社でコミュニティマーケティングを始めるための3つのステップを紹介します。

4-1. 成功の鍵は「顧客理解」と「共感」

コミュニティマーケティングを始めるうえで最初に取り組むべきなのは、顧客を深く理解することです。
どのような価値観に共感し、何に魅力を感じ、どのような体験を求めているのか。これを把握できなければ、顧客が参加したくなるコミュニティは作れません。
近年は、機能や価格だけで商品を選ぶのではなく、「ブランドの考え方が好き」「世界観に共感できる」といった理由で支持する消費者も増えています。
特にファンコミュニティでは、商品そのもの以上に「共感」が参加理由になるケースも少なくありません。

顧客理解を深めるための具体的なアクションとしては、以下が挙げられます。

  • ○既存顧客へのインタビューやアンケート実施:購買動機・利用シーン・ブランドへの感情を深掘りする
  • ○SNSでのエゴサーチ:自社ブランドや商品について、どんな文脈で語られているかを把握する
  • ○購買データの分析:リピート率の高い顧客層の共通点を探る

この顧客理解のプロセスを丁寧に行うことで、「どんなコミュニティテーマが響くか」「どんな接点を作るべきか」が見えてきます。まずは「誰のために、何のためのコミュニティか」を明確にすることが先決です。

4-2. 小さく始めて継続的に育てることが重要

コミュニティマーケティングは、最初から大きなプラットフォームや多大な予算が必要なわけではありません。むしろ「スモールスタート」が成功の近道です。

最初の一歩として有効なのは、すでに自社ブランドに熱量を持っている顧客を少数集めて、小さなクローズドコミュニティを作ることです。SNSのグループ機能やオンラインイベントから始めるだけでも、十分なスタートになります。

重要なのは「継続すること」です。コミュニティは一度作っただけでは育ちません。定期的なコンテンツ発信、メンバーへの声がけ、イベントの開催など、継続的に「場を温め続ける」運用設計が必要です。

一般社団法人コミュニティマーケティング推進協会が2025年に実施した調査(「コミュニティマーケティング白書2025-2026」速報版)によると、55%がコミュニティマーケティングを必要・ある程度必要と前向きな姿勢を示しています。今まさに多くの企業がコミュニティマーケティングに動き出しているこのタイミングは、先行者として取り組みを始める絶好の機会といえるでしょう。


出典:「コミュニティマーケティング白書2025-2026」(速報版)
(URL:https://communitymarketing.jp/news/20251119_sokuho

スモールスタートのポイントをまとめると以下の通りです。

  • ○まずはコアなファン10〜50人程度から始める
  • ○既存のSNSやツールを活用してコストを最小化する
  • ○メンバーの声を聞きながら少しずつ設計を改善していく
  • ○「数を増やすこと」より「質の高い交流を作ること」を優先する

こうして形成されたファンの存在は、近年注目されている「推し活」にも共通しています。
推し活をする人々は、自ら情報を発信し、イベントに参加し、同じ対象を応援する仲間との交流を楽しみます。
企業がコミュニティを育てる際にも、このようなファンの熱量を理解することが重要になっています。

4-3.推し活に学ぶ、これからのコミュニティづくり

近年、「推し活」は一部のファン文化ではなく、多くの生活者に広がる消費行動として注目されています。
推し活をする人々は、好きなアイドルやアニメ、キャラクター、スポーツチームなどを応援するために、自ら情報を集め、発信し、仲間と交流します。
そこには、「応援したい」「語り合いたい」「共感を共有したい」という強いモチベーションがあります。
実はこれが、企業が目指すコミュニティマーケティングの理想形にも近い状態です。

企業が一方的に情報を発信するのではなく、ファン同士がつながり、自発的にブランドについて語り合う。その結果として口コミやUGCが生まれ、新たな顧客との接点が広がっていきます。
コミュニティマーケティングを成功させるためには、施策やツールだけでなく、こうしたファン心理への理解が欠かせません。

推し活の広がりは、これからのコミュニティづくりにおいて大きなヒントになるでしょう。

この記事では、コミュニティマーケティングが新規顧客獲得に効果的な理由と、実践に活用できる3つのアプローチ、そして成功のポイントについて解説しました。
改めてポイントを整理すると、以下の通りです。

  • ○コミュニティマーケティングは、顧客との双方向の関係づくりを軸としたマーケティング手法
  • ○新規顧客獲得には「共創」「UGC活用」「IP・コンテンツ活用」の3つのアプローチが有効
  • ○成功のためには「売るより聞く」姿勢と、明確なターゲット設定、長期的な視点での運営が欠かせない
  • ○ファンの熱量を理解し、自発的な参加や発信を促す仕組みづくりが重要

近年は、商品やサービスの機能だけで選ばれる時代から、共感や応援したい気持ちによって選ばれる時代へと変化しています。

その象徴的な行動のひとつが「推し活」です。推し活をする人々は、自ら情報を発信し、仲間と交流し、好きなものを応援するために積極的に行動します。こうしたファンの熱量や行動原理は、これからのコミュニティマーケティングを考える上で大きなヒントになるでしょう。

コミュニティマーケティングは、単なる顧客獲得施策ではありません。ファンとの関係を資産として積み上げ、長期的なブランド価値の向上につなげる取り組みです。

これからコミュニティづくりに取り組む企業は、ぜひ「推し活」に見られるようなファン心理にも目を向けながら、自社ならではのコミュニティ設計を考えてみてはいかがでしょうか。
「具体的にどう動き出せばいいか」を専門家と一緒に考えたい方は、ぜひキクコトにご相談ください!

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