こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
このマーケティングコラムは、現在当社が提供している「JR東日本グループの顧客データを活用したWeb広告配信サービスJRE Ads」のCDPデータ構築・運用経験で得た知見をベースに解説する連載記事です。
今回は「行動データを活用したWeb広告のターゲティング」について掘り下げます。
このような方におすすめ
・行動データを活用したWeb広告配信について詳しく知りたい
・ポストCookie対策で、新しいターゲティング広告手法を探している
・自社の顧客データだけでは情報量が少なく、他社のデータも活用したい
・オンラインの行動データだけでなく、リアルの行動データも活用したい
JRE Adsの実例を取り上げながら具体的に解説しますので、Web広告・マーケティング担当の方はぜひ次策の参考にしてください。
JRE Adsの資料はこちら
■行動データとは?
行動データとは、マーケティングにおける顧客のさまざまなアクションを数値で表したもので、インターネット上のオンライン行動データと、リアルでのオフライン行動データに大別されます。これらのデータを基に顧客をセグメントし、効率的な広告配信につなげます。
◎オンラインの行動データ
・検索キーワードを入力
例:直近1ヶ月以内に「ダイエット」関連のキーワードを検索したユーザーデータ
・広告をクリック
・サイト訪問
・サイト滞在時間(エンゲージメント時間)
・ページ閲覧
・ECサイトの商品購入
・アプリ起動
・ヒートマップ(ユーザーがWebページ上でとった行動や反応を、色で表示し可視化するツール。ペー
ジのスクロール状況、クリック状況、離脱ポイントがわかる)
・SNS上の発言・行動(著名人・友人・企業など特定のアカウントの活動をフォローしたり、いいね!
をつけたりする行動)
・GPSなどの位置情報から特定の場所に「いた人」または「これから行く可能性の高い人」
このようなWeb上の行動履歴(データ)から顧客の興味関心事や嗜好性・地域性を推測し、
そのテーマに合わせて広告を配信します。
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しかし現在インターネットのCookie規制により、オンライン上の行動データ(サードパーティーデータ)を横断的に取得することが困難になっています。また、位置情報をオフにするユーザーも多く存在します。そこで、企業が保有する「顧客(行動)データ(ファーストパーティーデータ)」を活用した広告配信に注目が集まっています。
冒頭の自己紹介でも触れた「JR東日本グループの顧客データを活用したWeb広告配信サービスJRE Ads」も、いわゆるCDPデータ(企業が保有する顧客データ“ファーストパーティーデータ”)の一つで、もともとはJR東日本グループのマーケティングデータベースとして使われていましたが、これを一般の企業も活用できる仕組みにしたものです。
※ユーザー個人が識別されないよう、プライバシーに十分配慮したかたちで連携しています。
※JRE POINT会員を軸とし、利用規約上もデータ利用が可能な情報を活用しています。
JRE Adsで解説
JRE (JR東日本グループ)が保有するオンラインの顧客行動データ例
〇オウンドメディア内行動
★JRE MALL(JR東日本グループのECサイト)利用データ
・購入商品
・購入金額
・購入日時
など、EC サイトでの直近1 年間の購買行動に関するデータ
★えきねっと(インターネット列車予約サービス)利用データ
・購入日時(平日・土休日別利用)
・購入枚数(単独購入、複数購入、子ども購入の有無)
・購入金額
・利用路線
・降車駅
・グリーン車、グランクラス利用
など、乗車券予約に付随する詳細な購買行動データ
★大人の休日俱楽部(50歳以上の旅行会員組織)会員サイト閲覧データ
上記のようなJR東日本グループのオンラインサービス内の行動データから顧客をセグメントして、Googleをはじめとした外部連携メディアに広告を配信する仕組みです。
◎オフラインのリアル行動データ
ユーザーがどのサイトの、どのページを見て、その後どのサイトに移動したのか。オンラインでは当たり前となったWeb行動データですが、それだけでユーザーの特徴を100%把握できるわけではありません。
その人が日常的にはどの場所にいるのか、そこからどこに立ち寄ることが多いのかなど「オフラインの行動データ」を掛け合わせれば、ユーザー像はより鮮明になり、広告配信やマーケティング施策の精度向上につながります。
オンラインとリアルの垣根を越えた消費行動パターンが一般的になっているOMO(Online Merges with Offline)の時代なら、なおさらです。
オフラインの行動データは、
・日常的に利用する交通手段
・定期的に訪れる場所
・実店舗での購買行動
・イベント参加履歴
などが該当します。
これらのオフライン行動履歴を基にWeb広告を配信するサービスも、各種開発されています。
JRE Adsで解説
JR東日本グループが保有する顧客データの中で、質量ともに圧倒的なものがSuicaによる行動データです。
★Suicaによる駅乗降データ
・時間帯
・曜日別
・改札口別
・頻度
・通勤定期
・通学定期
A地点からB地点への移動を細かく分析し、より詳細なオフライン行動データを抽出。商品・サービスに合わせてセグメントし、広告配信に活用する仕組みです。
★JR東日本グループ商業施設利用オフラインデータ(利用諸条件あり)
・ルミネ
・アトレ
・エキュート
・グランスタ
・セレオ
・ベックスコーヒーショップ
など多数
■行動データ活用のメリット
①ターゲットを正確に把握できる
性・年代などの属性データに基づいたマーケティングの時代は、認知~商品購買に至るまでの行動プロセスが可視化されていませんでした。しかし行動データの活用によって、顧客がどのような経路で情報を収集し、購買に至るのか明らかになりました。さらにオフラインの行動データも加わり、ターゲットをより深く正確に理解できるようになったのです。
②コミュニケーションの最適化が見込める
ユーザーのオンライン上の情報収集行動やオフラインでの行動パターンを分析することで、顧客をより深く理解できます。その結果、広告キャンペーンのメッセージをターゲットに合わせてカスタマイズし、より関連性の高いコンテンツを提供できるようになります。ユーザーとのコミュニケーションが最適化されると、マーケティング活動の効率が向上し、広告費の無駄遣いを防ぎつつ、高いROI(投資収益率)の実現にもつながります。
③蓄積されたデータを次のマーケティング施策に活かせる
行動データを基にした広告配信の成果は、数値で客観的に評価できます。そしてその傾向や原因を分析することで、仮説の精度を向上させ、次回のキャンペーンやプロモーション施策を効果的に計画できるようになります。また仮説に基づいたセグメントにより、自社商品の新たな顧客を発掘するきっかけにもなるかもしれません。
■行動データ活用のWeb広告配信事例①
“行動データをどのようにWeb広告配信に活かすのか”について、「JRE Ads」の事例で解説します。
●東京駅の利用実態を細かく細分化(セグメント)した広告配信例
例えば東京駅の利用者は、どのような人たちで構成されているでしょう?
・東京駅付近の企業勤務者(月~金Suica通勤定期利用&丸の内口改札通過データ)
・東京駅周辺でショッピングや食事をする人(週末のSuica利用データ)
・東京から地方への出張族(えきねっと予約1人&新幹線改札通過データ)
・東京から地方への旅行者(えきねっと予約2人以上&新幹線改札通過データ)
・地方から東京への旅行者(えきねっと予約2人以上&新幹線改札通過データ)
上記のようにさまざまな理由で東京駅を訪れる人が浮かび上がります。
その中の一つ、
丸の内口改札を平日使う企業勤務者向け
に広告配信をする場合に想定できる商材切り口として
・労務・人事系ソリューションの広告
・マーケティングセミナーの広告
・住宅の広告
・住宅ローンの広告
・資産運用の広告
・ゴルフ用具の広告
などが考えられます。
そしてそれぞれの商材に合わせた興味関心セグメント(連携配信メディア保有)
「ビジネス関連」
「住宅関連」
「資産活用関連」
「ゴルフ関連」
を掛け合わせて広告を配信します。
東京駅にいたという位置情報だけでは何をしに来ているのかはわからず、「行動データ」としてのマーケティング価値はさほど高くありません。しかし、時間帯や曜日あるいは滞在時間の長さといった行動履歴を見ていけば、よりセグメントされたデータとして磨かれ、具体的なユーザーの顔が見えてきます。
同じ「東京駅利用者」でもユーザー別の目的がわかれば、それぞれに合った最適な広告配信ができるのです。
このアプローチは「オフラインの(事実)行動データ」×「オンラインの行動(興味関心)データ」を活用したWeb広告配信の典型例と言えます。
■行動データ活用のWeb広告配信事例②
●オフライン行動データを活用した、広告配信~来店計測例
実店舗がある駅(街)で勤務する女性へ、オフライン行動データを基にクーポン広告を配信し、来店を促進。広告配信が来店に寄与した成果を数値で計測します。
また、来店率を最適化するためのメディア選定やクリエイティブテストを実施したりと「来店を意識した広告運用」も可能になります。
■頼れるオフライン行動データ、それがSuicaデータです。
前述した通り、Suicaの行動データはさまざまな切り口でユーザーをセグメントし、商品やサービスに合わせて顧客を絞り込むことができます。
また位置情報による「いるかもしれない」という推測ロジックではなく、改札を通過した事実の行動データをベースにターゲティングできる点において、他の追随を許しません。
さらにユーザーを「個」で特定するだけでなく、ユーザーが多く存在する「圏」を統計的に特定することもできるなど、Suicaデータは、エリアマーケティングを多面的に活性化させる「万能な行動データ」と言えるでしょう。
「なんだSuicaデータの広告か」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、選択肢の一つとして覚えておいて損はない情報です。
■オンオフの行動データを活用した Web 広告で、新しい顧客開拓を!
くり返しになりますが、オンラインだけに頼った「行動ターゲティング」では、ユーザーの消費行動をすべてカバーできません。オフラインのリアル行動データとの併用で、ターゲットはより明確になり、広告配信を無駄なく運用できるようになります。
また、違う視点で顧客をセグメントすることで、新しい顧客を発掘するチャンスも生まれるでしょう。これまでと異なる顧客にアプローチすれば、自社商材の新しいマーケティング価値を創造できるかもしれません。
■「JRE Ads」のトライアルは、JR東日本企画が運用をサポート
ここまでお読みいただき「ぜひ、一度JRE Adsを試してみたい」という方には、JR東日本グループの広告会社である当社ジェイアール東日本企画が運用を担当いたします。
また当社には、Suicaデータなどを使ってターゲットを特定し、最も広告効果が期待できる駅や路線に予算を最適配分する交通・OOH広告プランニングノウハウがあります。
JRE Adsを活用したWeb広告を配信すると同時に、駅前や駅構内・電車内にも広告を掲出し生活動線をカバーする、クロスメディアの広告展開も得意とするところです。ぜひ、お問い合わせください。
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