こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回のコラムのテーマは「DOOHとOOH」です。
「DOOHって最近よく聞くけど、一体何なんだろう?」
マーケティング担当者の皆さんなら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。渋谷のスクランブル交差点で流れる巨大ビジョンの広告、駅のホームで見かけるデジタルサイネージ。
これらは全て「DOOH広告」の一種です。
でも、従来の看板やポスターといった「OOH」とは何が違うのでしょうか?
なぜ今、多くの企業がDOOHに注目しているのでしょうか?
このコラムでは、DOOHの基本から、従来のOOHとの違い、そして広告主が感じる具体的なメリットまで、初めての方にもわかりやすく解説していきます。

1.OOHとは?まず押さえておきたい基本概念
DOOHを理解する前に、まずは「OOH」について押さえておきましょう。
OOHは「DOOH」の土台となる概念であり、私たちの日常生活に深く根ざした広告手法です。
1-1. OOH(Out of Home)の定義
「OOH(Out of Home)」という言葉は知っているけれど、実は詳しく説明できない——
そんな声をよく聞きます。
OOHとは「Out of Home」の略で、文字通り「家の外」で接触する広告メディアの総称です。
代表的な例としては、
・ビルの壁面看板・大型ボード
・駅構内ポスター、電車内広告、バスラッピング
・商業施設内のポスターやバナー
・街頭に並ぶフラッグ広告
・スタジアムの看板やイベントスペースの広告
これらの広告は、生活者が意図的に情報を取りにいかなくても自然と目に入るという特徴があります。
つまり、オンライン広告のように“検索意図”や“行動履歴”に依存せずリーチを広げられるため、ブランド認知施策にとても向いています。
また、OOHのもう一つの特徴は、生活動線に密接に紐づいていることです。
「通勤中に毎日目にする」「買い物に行くたび目に入る」という、接触の蓄積がブランドの“刷り込み効果”を生みます。
1-2. OOH広告の主な種類
OOHは非常に幅広いカテゴリーを持っています。
マーケティング戦略に応じて、媒体選定を変えることで効果が大きく変わるため、それぞれの特徴を知っておくことが重要です。
① 交通広告
駅・電車・バス・タクシーなど、移動中に触れる広告です。
代表的な交通広告の種類:
・駅構内広告:改札付近の柱巻きポスター、ホームの看板、コンコースの大型ビジョン
・車両内広告:電車の中吊りポスター、ドア横ポスター、窓上ポスター
・バス広告:バス車内のポスター、車体ラッピング広告
・タクシー広告:車内広告、車体広告
交通広告の最大の強みは、「反復接触」です。
通勤・通学で毎日同じ路線を使う人は、同じ広告を何度も目にすることになります。
この繰り返し効果により、潜在的な知名度を獲得しやすく、人の記憶に残りやすいというメリットがあります。
混雑時でも視線を奪いやすい媒体が多く、日本では特に都市部で強力な媒体で、交通広告はOOHの中心的存在です。
② 屋外広告
屋外広告は、街中のビル壁面、ロードサイド、商業施設など、交通機関以外の屋外空間に設置される広告です。
代表的な屋外広告の種類:
・ビルボード(看板):ビルの壁面や屋上に設置される大型看板
・街頭ビジョン:繁華街の交差点などに設置される大型デジタルビジョン(例:渋谷スクランブル交差点の6面ビジョン)
・アドトラック:広告を掲載した車両が街中を走行
「圧倒的な視認性」と「インパクト」のある広告が多く、認知獲得に非常に強いのが特徴です。
また長期間掲出されるケースが多く、ブランディングへの貢献も大きいメリットがあります。
③ 店頭・施設内広告
ショッピングモール、コンビニ、飲食店、スポーツジム、病院など、施設の中に設置された広告です。
代表的な店頭・施設内広告の種類:
・ショッピングモール内のデジタルサイネージ
・店舗入口のポスター
・商業施設のエレベーター広告
購買行動に近いタイミングでアプローチできるため店舗販促と相性がいいというメリットがあります。
2.DOOHとは?デジタル化で進化した新しい屋外広告
ここからが本題です。OOHの基本を理解したところで、いよいよ「DOOH」について深掘りしていきましょう。
OOHの中でも、とくに急成長しているのが DOOH(Digital Out of Home) です。
DOOHとは「デジタル技術を使った屋外広告」のことで、静止画ではなくデジタルサイネージを用いて動画や動的なクリエイティブを配信できる広告媒体を指します。
スマートフォンやPCなどのWeb広告ともスマートテレビのCM広告とも違う、いわば“第三のデジタル広告”として存在感を増しています。
まずはDOOHの定義からご説明します。
2-1. DOOH(Digital Out of Home)の定義
DOOHは、以下2つの要素を兼ね備えたOOHを指します。
・デジタルサイネージなどの電子ディスプレイで配信される広告
・ネットワーク経由で配信・差し替え・管理が可能
従来のOOHが「固定された内容」なのに対し、DOOHは「リアルタイム性の高い広告配信」であるという大きな違いがあります。
マーケティング担当者にとっては、
・キャンペーン期間に合わせた時間帯配信
・天気・エリア・人流データに応じたクリエイティブ切り替え
・複数媒体の一括管理
といった“デジタル広告のように運用”ができる点が最大の魅力です。
2-2. DOOHが広がってきた背景と市場の動き
OOHは古くからある広告媒体ですが、近年さらに存在感が増しています。その理由は主に3つあります。
①オンライン広告の“飽和感”
Web広告やSNS広告は、ターゲティング精度が高い一方で、広告ブロッカーの普及や、ユーザーの広告疲れという課題に直面しています。
「また広告か」とスキップされてしまうことも少なくありません。
一方、生活動線上で自然にリーチできるOOHは、ブランドに対する好意的な接触手段として見直されています。
②都市部での人流回復
都市部でのデジタルサイネージの普及と、広告のターゲティング精度の向上により、駅や空港、商業施設などの高い集客力を持つエリアでの設置が増えています。
特に東京、大阪、名古屋などの大都市では、DOOHに対応したデジタルサイネージの導入が急速に進んでいます。
これらの都市は人口密度が高く、人の往来が多いことが特徴で、広告効果を高めています。
③デジタルサイネージ広告市場規模の拡大
日本でも駅、商業施設、街中にデジタルサイネージが増え、「動くOOH」が生活動線に浸透しました。
それに連動し、2025年のデジタルサイネージ広告市場規模は、1,110億円(前年比116%)と推計され、2030年には1,647億円(2025年比148%)に達すると予測されています。

出典:デジタルサイネージ広告、2030年には1,600億円超規模へ。屋外ビジョンが牽引か【デジタルインファクト/LIVE BOARD調べ】
URL:https://webtan.impress.co.jp/n/2025/11/06/50349https://webtan.impress.co.jp/n/2025/11/06/50349
④ 効果測定環境の進化
従来のOOHは“効果が測りにくい”と言われてきましたが、近年はGPSデータ・モバイルデータ・交通動線データの利用が進み、視認可能人数(インプレッション)や来店計測が可能になりました。
これにより、DOOHはデジタル広告のようにデータを使った戦略立案がしやすくなりました。
2-3. デジタルサイネージとの関係と特徴
DOOHと混同されやすいのが「デジタルサイネージ」です。
違いは次の通りです。
デジタルサイネージ:ディスプレイやプロジェクターなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するシステムの総称(ハード)
DOOH:デジタルサイネージを使って配信する広告(メディア)
つまり、デジタルサイネージの画面上で運用される広告がDOOHです。
そのためDOOHには以下のような特徴があります。
①動画やアニメーションで表現力が高い
従来のOOHに比べて目を引きやすく、伝えられる情報量を増やすことができます。
②配信スケジュールを柔軟にコントロールできる
時間帯・曜日・天候など、条件に応じてクリエイティブを切り替えることが可能です。
例:
天気が晴れの時だけアイスの広告を流す
朝はカフェの広告、夜はアルコールの広告に切り替える
イベント開催日だけセール情報を配信する
③ 複数拠点への一括配信が可能
全国のサイネージをオンライン管理することで、運用コストを大幅に下げられます。
こうした表現力や柔軟性が、DOOHが企業から支持される理由のひとつです。
2-4. DOOHはどこで配信されている?
DOOHは街の至るところに広がっています。
マーケティング施策を考える上では、「どの生活動線に配置されているか」が非常に重要です。
代表的な設置場所と特徴を解説します。
①駅・交通機関
通勤・通学者へのリーチに強く、高頻度接触が期待できます。
②屋外大型ビジョン
超大型で視認性が非常に高く、話題化を狙うブランド施策と相性もよくSNSでの二次拡散効果も期待できます。
③商業施設・店舗
購買行動に近いため、販促施策に直結しやすいジャンルです。
④その他
・オフィスビル:エレベーター内、エントランスロビー
・医療機関:待合室、受付エリア
・ホテル:ロビー、エレベーターホール
・ジム・スポーツ施設:エントランス、トレーニングエリア
・自動販売機:自販機本体に設置されたディスプレイ
年齢・属性が明確な場合に、特定のターゲットへ配信できる強みがあります。
2-5.実際にDOOHを実施するには
実際にDOOHでの配信を効果的に進めたい場合、広告配信プラットフォームを活用する方法が有効です。
なかでも注目されているのが、ジェイアール東日本企画が運営するOOHのマーケットプレイス「MASTRUM(マストラム)」 です。

当社が運営するOOHのマーケットプレイス「MASTRUM(マストラム)」は、本コラムで紹介したような、ふさわしい場所で、ふさわしい人に、ふさわしい広告を届けるDOOHを実現しています。
駅・電車のDOOHを取り扱うプラットフォームとしては国内最大 となります。(2025年11月現在139,100screen)



代表プランをご紹介します 。
◆ターゲティング配信 powered by KDDI
MASTRUMの配信面とKDDIの保有するユーザーデータを掛け合わせ、狙ったターゲットに向けてDOOHを配信できるプランです。
KDDIの保有する3500万超の会員データや700万か所超のポイント・決済加盟店におけるスマホ決済情報などを活用し、ターゲティング配信を行います。

こちらのメニューでは様々なライフスタイルや趣味趣向、属性といったセグメントを掛け合わせたターゲティングが可能です。
また配信面は、JR 東日本の上野駅、品川駅、東京駅、新宿駅、秋葉原駅など、都心を中心としたJR東日本主要駅の多数の駅縦型デジタルサイネージとなります。
これらの詳細な情報については、無料でダウンロード可能な以下の資料に詳しく記載しております!
3.OOHとDOOHのマーケティング戦略における違い
DOOHは「OOHのデジタル版」という理解でほぼ正しいものの、実際にはマーケティング戦略における“使い方”が大きく異なります。
ここでは、マーケターが押さえておきたい 表現の違い、配信方法の違い、効果測定の違い という3つの軸から整理していきます。
3-1. 表現・クリエイティブの違い
まず、OOHとDOOHの最も大きな違いは“表現力”です。
OOH:ポスター・看板など静止したクリエイティブ
DOOH:動画、アニメーション、動きのあるグラフィック
静止したクリエイティブでもインパクトは出せますが、やはり 動画のほうが注意喚起の効果が高いです。
また、DOOHの場合は “動きによって視線が誘導される”ため、情報密度の高い訴求や、複数メッセージの切り替えが容易にできます。
ターゲットの心理状況に合わせた訴求を出し分けられるのはOOHにはない強みです。
3-2. 配信方法・更新性の違い
OOHとDOOHの違いを、広告運用面で比較するとさらに鮮明になります。
OOH:掲出したら固定
DOOH:オンラインで即配信・即変更が可能(一部のDOOHでは対応できないものもあります。)
OOHはポスターを貼り替えたり、巨大看板のシートを差し替えたりと、物理作業が必要となり、変更には日数も費用もかかります。
それに対して、DOOHはインターネット経由でクリエイティブを差し替えできるため、
・急なキャンペーン開始
・在庫状況に応じたメッセージ変更
・天候に合わせたクリエイティブ切り替え
・エリア別に異なる広告を配信
といった柔軟性を持ちます。
OOHは“広告枠の買い切り型”であるのに対し、
DOOHは“広告配信の運用型”に近い形式となってきています。
3-3. 効果測定・データ活用の違い
従来、OOH最大の弱点とされていたのが「効果測定が難しい」ことでした。
▼ OOHの場合
・効果はアンケートなど“間接的なデータ”に頼りがち
・掲出場所の交通量から想定リーチを推定することが中心
・施策後の分析が曖昧になりやすい
一方、DOOHはデジタルの強みを活かした分析が可能です。
▼ DOOHの場合
・人流データやモバイルデータと連携し、実際の視認可能人数を推定
・エリア内の属性データ(年代・性別など)を元にターゲット分析
・来店計測やサイト流入の因果関係も検証しやすい
・オンライン広告とのクロスチャネル分析ができる
例えば、
DOOH掲出エリアの生活動線データ × 広告接触者の位置情報
を掛け合わせることで、「広告を見た層が、どの店舗へどれくらい来店したのか」までを可視化できるケースが増えています。
これにより、DOOHは「成果を可視化できるOOH」として企業からの評価を高めています。
| 測定項目 | OOH | DOOH |
| リーチ数 | △ 完全推定値 | 〇 データと連携した推定値 |
| 視認時間 | × 測定不可 | 〇 計測可能 |
| 視認者の属性 | △ エリア特性から推測 | ◎ 性別・年齢層を推定 |
| 時間帯別効果 | × 測定不可 | ◎ 詳細に分析可能 |
| クリエイティブ別効果 | △ 期間を分けてテスト | ◎ 同時並行でA/Bテスト可能 |
| 購買行動との紐付け | × 困難 | ◎ 位置情報データなどで追跡可能 |
4.DOOHはどんな企業・商材に向いているのか?
ここまでで、OOHとDOOHの違いや、DOOHが持つ特性について整理してきました。
ただ、マーケティング担当者や決裁者の立場からすると、
「で、うちの会社にDOOHは本当に向いているのか?」
という点を疑問に持たれる方もいらっしゃるかと思います。
もちろんDOOHは万能な広告手法ではありません。
一方で、非常に強力な武器になるのも事実です。
この章では、DOOHが特に力を発揮しやすいケースを3つの視点から整理します。
自社の状況と照らし合わせながら読み進めてみてください。
4-1. 実店舗・エリアビジネスとの相性
DOOHは実店舗を持つビジネス、もしくはエリア単位で成果を出したいビジネスとの相性がいいです。
なぜ実店舗ビジネスと相性がいいのかというと理由はシンプルで、DOOHは
・人が実際にその場所にいるタイミング
・移動~来店~購買といった行動の直前・直後
に接触できる広告だからです。
Web広告は「検索」や「SNS閲覧」という能動行動が前提ですが、
DOOHは生活動線に自然に入り込むため、行動喚起との距離が近いのが特徴です。
相性が良い代表的な業種:
・小売(スーパー、コンビニ、アパレル、ドラッグストア)
・飲食チェーン・カフェ
・商業施設・ショッピングモール
・フィットネスジム、美容サロン、クリニック
・不動産(エリア訴求・モデルルーム集客)
・学習塾・スクール系
これらの業種では、「広告接触から行動までが短い設計」が可能です。
4-2. 新商品・リブランディングでの活用
DOOHは、新商品ローンチやブランド刷新といった「認知の立ち上げフェーズ」とも非常に相性が良い媒体です。
新商品ローンチやリブランディング後は、そもそも
・検索されにくい
・比較対象に入りづらい
・Web広告だけでは記憶に残りにくい
という課題を抱えがちです。
DOOHは、そうした“ゼロ認知状態”を一気に引き上げる役割を担えます。
・動画による世界観訴求
・大型ビジョンによる話題化
・繰り返し接触による刷り込み
これにより、「見たことがある」「聞いたことがある」状態を意図的に作れるのが強みです。
4-3. Web広告だけでは限界を感じている企業へ
DOOHが最も力を発揮しやすいのが、現状のWeb広告に限界を感じている場合です。
近年、多くの企業が共通して以下のような課題を感じています。
・Web広告のCPAが年々上がっている
・配信しても“見られていない”感覚がある
・新しい打ち手がなく、施策がマンネリ化している
こうした状況にある企業にとって、DOOHはWeb広告の代替ではなく“補完”として非常に有効です。
重要なポイントは、DOOHはWeb広告と競合する存在ではないということです。
DOOH:認知・記憶・態度形成
Web広告:刈り取り・比較・CV
というように、役割が異なります。
実際、DOOHを実施した後に、指名検索数の増加やSNS広告のCTR改善、Web広告のCPA安定といった“間接的な効果”が出るケースは少なくありません。
このようにWeb広告の効率を上げるための補完チャネルとしてDOOHを使うことができます。
まとめ:DOOHは「運用型OOH」として、これからのマーケティング戦略の中心へ
ここまで、OOHとDOOHの違い、そしてDOOHが選ばれるメリット、選ばれる特性を紹介してきました。
OOHは街に自然と溶け込み、生活動線に強い広告。
DOOHはそのOOHの強さを活かしつつ、デジタルの柔軟性と効果測定を手に入れた広告。
つまりDOOHは、
「OOH × データ × 動的表現」
を組み合わせた、新時代のマーケティング手法だと言えます。
特に昨今は、Web広告の費用上昇・CV低下が課題となっており、その補完チャネルとしてDOOHへの注目はますます高まっています。
DOOHにご興味がありましたら、是非ジェイアール東日本企画までお問い合わせください。全般的なDOOHやOOHのご相談も歓迎しております。













