こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回は、「“効く”販促キャンペーン」について解説します。
販促キャンペーンは、商品・サービスのマーケティング活動における非常に重要なプロモーション手法ですが、役割や手法が多岐にわたります。
・販促キャンペーンを実施したいが、どこから手をつけてよいか分からない
・販促キャンペーンの手法を知りたい
・成功した販促キャンペーンの事例を知りたい
・おすすめの販促キャンペーン施策を知りたい
・ブランディングと認知向上にも課題がある
以上のような課題を持った方におすすめのコラムとなっています。
ぜひ最後までご覧ください。
「販促キャンペーン」とは何か
販促キャンペーンとは文字通り「販売を促進するキャンペーン」です。顧客・ターゲットに対し、何らかのインセンティブを付与することによって商品・サービスの購買・利用意欲を向上させるマーケティング施策を指します。
販促キャンペーンには多種多様な施策があり、更にその他のマーケティング施策とも並行して行われることが多いため、一連のプロモーション実施後の結果はかなり複雑なものになりますが、主な効果は以下の要素に分解できます。
・売り上げ向上
・ブランド認知向上
・新規顧客獲得
・休眠顧客の掘り起こし、再活性化
・リピーター、ロイヤルカスタマー育成
これらの効果がそれぞれどれくらいもたらされるかは、施策の内容によって大きく変わります。
販促キャンペーンの種類
企業の商品・サービスにおいて景品配布を伴う販促キャンペーンを行う際には「景品表示法」にのっとる必要があります。
以下のサイトを参考に、景品表示法に違反しない形でキャンペーンを実施しましょう。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/premium_regulation
景品プレゼントを扱うキャンペーンは大きな区分として、オープンキャンペーンとクローズドキャンペーンに分かれます。
オープンキャンペーンは商品やサービスを購入しなくても参加可能なキャンペーンで、クローズドキャンペーンは商品やサービスの購入など、事業者が定める条件をクリアした顧客だけが参加できるキャンペーンです。
クローズドキャンペーンには、参加者にプレゼントできる金額の単価や総額に条件があります。(オープンキャンペーンには金額上限はありません)
くじやハガキでの応募によって一定の確率で景品が当選するいわゆる「一般懸賞」と、来店や商品の購入で必ず景品や特典がもらえる「総付景品(ベタ付け景品とも呼ばれます)」で、限度額の条件が異なります。
以下を参考にしてください。
◆一般懸賞における景品類の限度額
◆総付景品の限度額
販促キャンペーンの手法
販促キャンペーンには手法が多数存在しますが、代表的なものを紹介します。
1 プライス手法
2 プレミアム手法
3 制度手法
4 試用手法
5 コンテスト・懸賞手法
以下、それぞれ解説していきます。
1. プライス手法(Price Promotion)
プライス手法は、商品の価格を一時的に割引することで顧客の購買意欲を促進する方法です。セールやクーポン、値引きなどが典型的な例です。価格は顧客の購買意思決定において最も重要な要素の一つですので、短期間のうちに購買行動を大いに促す効果があります。ただし長期的に行うと、値引きされている状態が通常であると顧客に認識されてしまい、効果が薄れるとともに、価格によるイメージで担保されていたブランド価値が下がるリスクもあります。
例: 期間限定で20%オフ、クーポンコードで割引、1個買うともう1個無料など。
2. プレミアム手法(Premium Promotion)
プレミアム手法は、商品購入時に付加価値を提供することで顧客を引きつける方法です。プレゼントやボーナスアイテムを追加で提供することが一般的です。この手法は、顧客に特別感や得をした感覚を与え、購入を促進します。
例: 商品購入時に限定アイテムがもらえる、一定額以上の購入でプレゼントがついてくる、抽選で豪華景品が当たるなど。
3. 制度手法(Incentive Program)
制度手法は、特定の行動に対してインセンティブ(特典や報酬)を与えることで顧客の忠誠心や継続購入を促進する方法です。ポイント制度やメンバーシップ制度などが代表的です。長期的に顧客を引きつけ、ブランドロイヤリティを高める効果があります。
例: 購入額に応じたポイント還元、一定期間ごとに割引が適用されるメンバーシップ制度、リピート購入で特典がもらえるなど。
4. 試用手法(Sampling or Trial Promotion)
試用手法は、商品やサービスを無料または低価格で試してもらうことで、顧客に実際の使用感を体験させ、購入を促す方法です。この手法は、まだ人々に性能が知られていない新商品の認知度を高めたりするのに有効ですし、スペックの見るよりも体験することで良さが理解できる商品に効果的です。
例: 無料サンプルの提供、1ヶ月間の無料トライアル、初回購入限定の割引など。
5. コンテスト・懸賞手法(Contest or Sweepstakes Promotion)
コンテスト・懸賞手法は、参加者に対して応募条件を設け、その中から優勝者や当選者を選んで景品を提供する手法です。これにより、消費者のエンゲージメントを高め、ブランドへの興味や関心を促進します。参加者に創造的な行動を求めることが多く、SNSなどを通じたバズ効果も期待できます。ただし、条件によっては参加ハードルが商品購買意欲以上に高くなりがちなので、景品を豪華にするなど、モチベーションを上げる工夫が必要です。
例: 写真コンテスト、アンケートに答えて抽選で賞品が当たる販促キャンペーン。
具体的な販促キャンペーン施策例
ここからは具体的な販促キャンペーン施策例を紹介します。
上記で紹介した手法2の「プレミアム手法」や手法5の「コンテスト・懸賞手法」の例が中心となります。これは、ここに紹介する企業が売り上げ拡大だけではなく認知拡大、理解促進、ブランディングを意図しており、上記の手法がこれに効果的であるためです。
1 現金、金券、宝くじなどが当たる販促キャンペーン
PUBG JAPAN株式会社(現KRAFTON JAPAN株式会社)「PUBG MOBILE年末キャンペーン ~総額1500万円現金プレゼント~」
https://www.4gamer.net/games/402/G040281/20221216115/
モバイルゲーム「PUBG MOBILE」が開催した販促キャンペーンは、現金が当たるキャンペーンです。
現金、金券、宝くじなどが当たる販促キャンペーンは、オープンキャンペーンとクローズドキャンペーンの区別によらず、ほとんどあらゆる顧客にとって魅力的な景品です。キャンペーン参加意欲を呼び起こす「引き」が大変強く、手っ取り早く応募件数を増やすことができる施策です。
ただし、ブランドに対する愛着によって応募するわけでもなく、またプレゼントによってブランドの理解が深まるものでもないため、一般的には応募件数獲得と短期的な売り上げ拡大以外には効果が少なめな施策になります。
しかし、この事例の「PUBG MOBILE」のように、基本プレイが無料のゲームで、ゲームプレイ人口を増やしてそのうち一定の割合の人に課金をしてもらって売り上げを拡大する、というビジネススキームの場合、このような施策でまずブランドの商品やサービスを体験するユーザーを増やす手法は大変有効です。
2 SNSでのオープンキャンペーン
サントリーホールディングス株式会社「#本田とじゃんけん」
「ペプシコーラ」新商品の発売時にTwitter、LINEで開催されたオープンキャンペーンです。
参加者約400万人、という大規模な動員を達成しました。
本田圭佑氏にじゃんけんで勝ったらペプシの新商品がもらえる、という非常にシンプルな販促キャンペーンですが、ネット文脈を理解した工夫が功を奏し、ネットミーム化するほど大きな話題となりました。
キャンペーンの参加ルールはじゃんけんですので、勝敗は普通なら均等な確率で決するはずが、参加者は非常に高い確率で本田氏に敗北します。一見、参加者にはストレスがたまる仕組みですが、じゃんけんの結果発表動画で本田氏が発する「強気な勝利ゼリフ」が氏のキャラクターと相まってチャーミングなものとなり、人々はこぞってこの販促キャンペーンに参加しました。
新商品の認知拡大、トライアル促進という効果に大きく貢献した好事例です。
3 サンプリングキャンペーン
キッコーマンソイフーズ株式会社「キッコーマン豆乳 ソイラテSTAND2023」
こちらは当サイトの運営会社であるジェイアール東日本企画が手掛けた事例となります。
商品の無料配布とイベントを組み合わせた企画で、トライアルとパブリシティ獲得を同時に狙いました。
天気や低気圧による自律神経の乱れなど、体調不良が起こりやすい梅雨の時期に合わせ、ソイラテを無料で楽しめるPOP UPイベント「キッコーマン豆乳 ソイラテSTAND2023」を開催。管理栄養士監修のもと4種類のソイラテを考案、診断テストの結果に応じて、その日の気分に合ったソイラテを配布しました。
イベント会場には、ブランドカラーに塗装されたキッチンカーや、目を引く約3.5メートルの大型モニュメントを設置。会場の写真をSNSに投稿した方を対象に、ユニークなオリジナルノベルティが当たる抽選会を実施するなど、SNS拡散を意識したプロモーション設計を行いました。
“梅雨のダルさ”という生活者インサイトを捉えた企画、計10,200(トウニュウ)杯のソイラテ無料配布といったインパクトあるイベント内容で、豆乳のさまざまな楽しみ方を生活者に提案しました。
このように「試用手法」は、単純に配るだけではなく人目を引くプロモーション・イベントと組み合わせることで、ブランド理解やSNS拡散、更なるトライアル購買意向の向上などの効果が期待できます。
4 キャラクターコラボ商品化キャンペーン
サッポロビール株式会社「サッポロ クラシック×TVアニメ『ゴールデンカムイ』」
こちらも当社の事例です。
北海道を舞台にしたTVアニメ『ゴールデンカムイ』とコラボし、サッポロビール株式会社の「サッポロ クラシック」限定デザイン商品“ゴールデンカムイ缶”を期間限定・数量限定で販売しました。同時期に、専用ハガキで応募すると抽選でオリジナルグッズが当たるプレゼントキャンペーン「ゴールデンカムイと乾杯ッ!!」を併せて実施しました。
人気アニメとのコラボにより、SNSなどで多数の露出を得て話題化し、新規顧客の獲得と売り上げの伸長につながりました。また、「北海道」「食」といった共通点を活かした展開で、『ゴールデンカムイ』ファン、サッポロ クラシックファンの双方から共感を集める企画となりました。
この事例のようなキャラクターコンテンツのパワーを活かした販促キャンペーンは、プレゼントキャンペーンの中でも特に有用です。短期的な売り上げ向上だけではなく、新規顧客の獲得や話題化、ブランディングなどさまざまなメリットがあります。
5 流通タイアップのキャラクタープレゼントキャンペーン
NewDays×TVアニメ『進撃の巨人』プレゼントキャンペーン
こちらも同じく当社の事例です。
「NewDays」 「NewDays KIOSK」において、人気テレビアニメ『進撃の巨人』の新シーズン放映に合わせ、マストバイの販促キャンペーン(※参加にあたって商品・サービスの購入が条件となるキャンペーン)を実施しました。税込600円以上の購入で、オリジナルマスクケースを店頭にてプレゼントする、先着順のベタ付け販促キャンペーンです。
また、抽選でキャストサイン入りポスターや、描き下ろしイラストを使用したタペストリー・モバイルチャージャーをプレゼントする二段構えの販促キャンペーンとし、「進撃の巨人」ファンの更なる購買促進を狙いました。
アニメ放映開始のファンの熱量もあり、一部店舗ではすぐにマスクケースが配布終了となるなど、販売促進施策として効果を発揮しました。アニメファンを中心にTwitterで大きく話題になり、最後まで盛り上がりを見せるキャンペーンとなりました。
この事例のような、流通店舗を限定した販促キャンペーンは販路が限定される代わりに、当該流通店舗では全体の売り上げ向上に貢献します。ここでもキャラクターコンテンツは、単なる売り上げ向上だけではなくコラボ先のブランディングや新規ユーザーの獲得に貢献します。
============================
当社ジェイアール東日本企画が運営するキクコト「キャラ活マーケティング」では、上記でご紹介してきた例のような、キャラクターを起用したキャンペーンやプロモーションを幅広くご提案可能です。
ここで紹介した以外の当社の事例詳細について知りたい方はキクコト「キャラ活マーケティング」の以下の資料をダウンロードしてください。
また、キクコト「キャラ活マーケティング」では販促キャンペーン以外にも、企業やブランドの課題に応じたさまざまな施策を提案・プロデュースしております。
キャラクターマーケティング施策をご検討の方は以下の「キャラ活マーケティング実施プラン集」を参考に、お問い合わせください。
成功する販促キャンペーンとは
これまで説明したような販促キャンペーンには、いずれにも共通する実施時のコツ、注意事項があります。以下で説明していきますので、考慮したうえでキャンペーン企画を検討・実施しましょう。
上記までに見てきた各施策事例は、いずれもこれらのポイントをよく検討して実施された企画となります。
1 目的設定とターゲットの明確化
販促キャンペーンの実施時は、何を目的に行うのか、そしてそれをどれくらい達成するのかを定める必要があります。いわゆるKPIの設定です。
目的がはっきりしていないと、キャンペーンがどの方向に進むべきかが見えなくなります。例えば、新商品の認知度を高めたいのか、既存顧客のロイヤリティを向上させたいのか、または短期間で売り上げを急増させたいのか。これらの目的によって、キャンペーンのデザインやメッセージ、チャネルの選定が大きく変わります。
ターゲット=誰に向けて販促キャンペーンを行うか、を明確にすることも重要です。どんなに秀逸なアイデアの販促キャンペーンでも、適切なターゲットに届かなければ効果は期待できません。デモグラフィック(年齢、性別、地域など)のみならず、サイコグラフィック(興味、価値観、ライフスタイルなど)や行動データ(購入履歴、Webサイトの閲覧履歴など)を活用して、ターゲット層を詳細に分析しましょう。
2 ブランドに合致した企画とクリエイティブ
次に重要なのは、ターゲットに響く企画とクリエイティブの作成です。
企画は目立って面白い施策であるだけではなく、ターゲットにとって親和性があり、更に彼らが感じている課題を解決するものになっている必要があります。加えて、その企画が普段のブランドの活動と一貫していることも大切です。ブランドのトーンや価値観に合わせた一貫した企画は、顧客に安心感を与え、ブランドへの信頼を高めます。
また、クリエイティブ面にも気を配りましょう。販促キャンペーンでは(販促キャンペーンだけではなくあらゆるマーケティング活動に言えることですが)視覚的な要素が重要な役割を果たします。ビジュアルが豊富なコンテンツは、テキストのみのコンテンツに比べて多くのエンゲージメントを獲得します。
画像、動画、デザインはすべて、ターゲットにとって魅力的である必要があります。色やフォント、ビジュアル要素は、ターゲットの感性に合わせたものを選びましょう。
3 適切なチャネル選定とタイミングの重要性
成功する販促キャンペーンでは、チャネルの選定とタイミングも重要な要素です。
どんなに優れた企画やクリエイティブでも、顧客が見ていない場所で発信していては意味がありません。オンラインとオフライン、両方のチャネルをうまく組み合わせて、顧客がいる場所に適切なタイミングでリーチしましょう。
例えば、若者向けのファッションブランドがSNSを中心に販促キャンペーンを展開する場合、告知場所としてInstagramやTikTokやYouTubeなど、ターゲットがよく利用するプラットフォームを選定する必要があります。一般消費財の場合は実店舗での視認も非常に重要ですので、ポップやボードなどの各種の店頭ツールも重要です。
また、タイミングも非常に重要です。季節性のある商品やイベントに合わせた販促キャンペーンの実施や、競合他社の動向を見極めて戦略的なタイミングで販促キャンペーンを開始することで、競争力を高めることができます。例えば、夏休み、新学期、年末年始、ハロウィンなど時節に合わせ、ターゲットが最も活動的になる時期を見極めて販促キャンペーンを実施することで成功につながりやすくなります。
まとめ
以上、販促キャンペーンについて解説しました。
販促キャンペーンは手段が多様で、その効果もまた多様です。
ブランドにとって適切な企画、ターゲットでなければ、望む効果は出ません。
事例として紹介したキャラクターを起用した販促キャンペーンは売り上げに貢献するのみならず、ターゲットとのエンゲージメントを強烈に作り出し、ブランディングに貢献します。
キクコト「キャラ活マーケティング」はそのような施策をはじめとしたキャラクターマーケティング全般を得意としています。
成果が出る販促キャンペーンをご検討中で、キャラクターを中心としたキャンペーン・プロモーションにご興味のある方はぜひお問い合わせください。