こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
広告・マーケティングに“効く”コラム、今回のテーマは「企業キャラクター」についてです。
多くの企業や自治体がオリジナルのマスコットキャラクターを開発し、広告・マーケティング活動や顧客とのコミュニケーションに活用しています。この傾向は、SNSによる企業の情報発信が活発になった2010年頃から強まり、顧客とのオンラインコミュニケーションに自社のキャラクターを起用する企業が増えたことに起因していると思われます。
時代の流れに乗って各社(自治体、地域や団体も)こぞってキャラクターを開発しましたが、実際のところ、マーケティング活動に上手く運用し続けて今日に至るキャラクターはそう多くないのではないでしょうか。
今回の内容はタイトルの通り、「企業キャラクターは作ってからが本当の始まりで、どう運用するかに成否がかかっている」という論旨です。
このような方におススメ
・自社キャラクターを作るために情報収集中
・作ったはいいけど効果的な活用法がわからない
・他社の成功事例を参考にしたい
・キャラクターマーケティングが得意な広告会社を探している
調査データや成功事例を交えながら、企業がキャラクターを作る意義について考察します。
企業キャラクターをはじめとした
キャラクター活用マーケティングの教科書
「キャラクター活用マーケティングはじめてガイド」(全31ページ)
以下から無料でダウンロードしていただけます。
■企業キャラクターとは?
企業キャラクターとは、企業や団体、地域などが独自に作り出したキャラクターの総称です。自分たちの強みや特徴を反映したマスコットキャラクターを作り、広報活動や広告・販促その他に活用することで、認知度を上げたり他社との差別化を図ったりします。
株式会社 日本リサーチセンターが実施した、企業キャラクターについての調査によると
認知度、好感度の上位キャラクターは以下の図の通りです。
出典:日本リサーチセンター ニュースリリース https://www.nrc.co.jp/report/220203.html
かなりのベテランからニューカマーまで、代表的な企業キャラクターがズラリと並びました。
1位 ペコちゃん、ポコちゃん
2位 ガチャピン&ムック
3位 チコちゃん
4位 ヤン坊、マー坊
5位 (白い)お父さん犬
中でもTOP5は、昭和から続く息の長いキャラクターが多い印象なので、「そもそも企業キャラクターの歴史は?」からひも解いてみます。
■企業キャラクターの歴史 時代とともに変わる役割
企業キャラクターの歴史は、戦前はおろか明治時代までさかのぼります。
●明治~戦前
他ブランドとの差別化を目的として、キャラクターを取り入れた商標を、商品や看板などに使用していました。
参考事例
・キリンビール 聖獣麒麟のラベル(1888年)https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2019/0516_04.html
・エビスビール 七福神の一つ「恵比寿天」のラベル(1890年)https://www.sapporobeer.jp/company/history/1890.html
「キリンビール」と「エビスビール」、ほぼ同時代のラベルですが、他社ブランドと区別するための目印としてキャラクターを使っていたと思われます。当時はテレビCMもない時代ですから、商品の認知・差別化策は販売の現場がとても重要だったということでしょうか(現在もこのキャラクターマークはラベルデザインに使われています)。
また、森下仁丹の「大礼服の男性」が描かれた看板は、大正時代(1900年代初頭)に全国の薬店の店頭に掲げられ、薬店の目印にもなるほどの認知を得た企業キャラクターとなったそうです。戦後、街の薬局でよく見かけた佐藤製薬のサトちゃん人形や興和のケロちゃん人形なども、この流れを受けて誕生・認知された「目印としての企業キャラクター」です。
森下仁丹ホームページ広告ギャラリーhttps://www.jintan.co.jp/special/museum/ads/
このような企業キャラクターの役割は、現在も受け継がれており、例えば
・JR東日本の「Suica」が使える店舗にはペンギンのステッカー
・「Ponta」のポイントがたまる・つかえる店舗にはタヌキのステッカー
などを、見ることができます。
つまり、直感的に認識できる記号(マーク)としての役割が、
企業キャラクターの始まりであり、基本的な活用法となります。
●1950~60年代
(当時のニューメディアであった)テレビの普及に伴い、企業がキャラクターを起用したアニメーションのテレビCMをこぞって制作し、第一隆盛期を迎えます。その中でも有名なキャラクターが以下の2つ。
・寿屋(現サントリー)アンクルトリス
https://www.suntory.co.jp/whisky/torys/uncle/index.html
・桃屋 のり平
https://www.momoya.co.jp/gallery/norihei/cm/
「アンクルトリス」や「のり平」には、それぞれキャラクター設定があり、CMでは主人公のキャラクターを軸に、さまざまなストーリーが描かれました。CMで展開される世界観は、企業の枠を超えた普遍的なコンテンツとして生活者の共感を生み、結果的にファンを獲得し顧客化につなげるというマーケティングのシナリオが読み取れます。
(この当時、マーケティングという言葉はまだなかった時代かもしれませんが)
企業キャラクターがメッセージを発信することで、単なる目印から企業の独自性や
競合他社に対する優位性を訴求するシンボルとしての役割を担うようになりました。
また一方で、同じ高度経済成長期に金融機関各社が個人預金の獲得を目的に、マスコットキャラクターを競うように制作。ポスター、チラシ、店頭ディスプレイなどに起用した時期がありました。特にキャラクターの貯金箱は人気の景品アイテムで、キャラクターグッズによるストレートな販売促進効果は絶大だったようです。
参考例:信用金庫の「信ちゃん」https://www.shinkin.co.jp/niikawa/about/shinchan.php
当初、商標(ロゴ)としての意味合いが強かった企業キャラクターは、デザインに企業の独自性や商品の強みを反映させたり、消費者に語りかけたり、販売を後押ししたりと、時代とともに役割の幅を広げ、商品を顧客に強く訴求するために24時間365日働くセールスパーソンとなったわけです。
広告だけでなく、企業のオウンドメディア(ホームページや公式SNS)を使ってユーザーとコミュニケーションを図ることが当たり前になった現在、企業キャラクターはますます活動範囲を広げており、今後の活用法にも注目したいところです。
企業キャラクターを活用したファンコミュニティサイト事例
近年、顧客のロイヤリティ向上を目的に、公式ファンコミュニティサイトを開設する企業が増えています。その際、自社のキャラクターを活用し、独自の世界観やエンタメ性を高めて熱量の高い顧客をひきつけています。長く愛される企業キャラクターにはファンがついており、彼らをロイヤルカスタマーとして育成する意味合いもあります。
例:
・佐藤製薬 サトちゃんファンクラブ サトちゃんシティ https://www.satochan-studio.jp/
・興和 コーワのケロコロランド https://kr2.kowa.co.jp/
■企業キャラクター 活用のメリット
●広告認知を高める効果がある
株式会社クオン(現:株式会社Minto)の企業キャラクターに関する意識調査の結果
によれば、
・キャラクターを活用したバナー
・人を活用したバナー
・文字だけのバナー
の中で、一番印象に残った広告は?の問いに対して
・キャラクターのバナーが61.2%
・人物広告素材のバナーが22.5%、
・コピー強調素材のバナーが16. 3%
となりました。
キャラクターがいるだけで、つい目に留めてしまう。そんな経験はどなたにもあるでしょう。
●表現の面白さ親しみやすさから、記憶に残りやすい
上記3つのキャラクターを活用したバナー広告から感じる印象についての質問は、以下のような結果となり、キャラクター広告素材は記憶に残りやすく、想起に寄与するプロモーションを作るには、キャラクターが有効と言える結果となりました。
●企業に興味を持つきっかけになる
また同社の、「企業のSNSにおけるキャラクター活用に関するアンケート」調査結果によると、「キャラクターが商品・サービスを伝えると興味や理解が深まりますか?」という質問に対し、約46%の方が「当てはまる」「やや当てはまる」と回答。企業に興味を持つきっかけになっていることがわかります。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000029274.html
●マーケティングへの活用自由度が高い
アニメの人気キャラクターや有名タレントを起用する場合、露出範囲や表現方法などについて、その都度版権サイドの監修が必要になるケースが多いですが、自社が開発したオリジナルのキャラクターであれば、マス広告からWebサイト、販売の現場まで、企業が思い描く通りのコミュニケーションに活用できる自由さがあります。オンラインとオフラインが交錯しメディアが複雑多様化する今の時代にこそ、一貫したシンボルとして企業キャラクターの活躍の場が広がっています。
●顧客とのエンゲージメント向上につながる
企業の公式SNSなどで、顧客に対して日々情報発信することが当たり前になっていますが、自社のキャラクターを通して顧客とコミュニケーションを取る手法は、企業としての顔つきや語り口が統一でき、エンゲージメント向上にも寄与します。
また近年、各企業が取り組んでいる顧客(ファン)のコミュニティ化施策においても、非常に大きな役割を果たしています。
■企業キャラクター 活用のデメリット
●知名度ゼロからのスタートになる
タレントやアニメキャラなど、既存の人気コンテンツキャラクターを起用すれば、(お金はたくさん必要ですが)スタートからファンの愛着や信頼が得られます。対して企業が独自に作り出したキャラクターは、当然ながら知名度ゼロからのデビューになります。
「自社のキャラクターを作ったはいいが、いっこうに知名度が上がらない」といったケースもたくさんあり、効果的な認知施策ができなければ、やがて消えていくかもしれません。
●時間とお金とアイデアが要る
冒頭にご紹介した有名な企業キャラクターも、その認知を獲得するまでに多くのマーケティング予算を使い、中長期で育成していったものばかりです。さらに露出方法も戦略とアイデアを持って実行しています。
企業キャラクターを作るのはある意味簡単ですが、知らしめるのは何倍も大変です。単純にかわいいとか、広告やパッケージが賑やかになるというのもキャラクターの存在価値ではありますが、企業がキャラクターによってコミュニケーションをする場合には、課題設定からデザイン開発、育成やメディアプランニングまで含めて長い目で考えていく必要があるでしょう。
■企業キャラクター 活用のポイント
①なぜキャラクターを作るのか?(目的、ゴール設定)
企業(地域・自治体も含む)キャラクターは、なんとなく作るものではなく、確固とした理由(達成したい目標)があって作るものです。
・流行っているから、うちもやってみよう
・ライバルがやっているから、うちも
・うちは、よそよりかわいいのを作ろう
ではなく、企業キャラクターを使うことで、
・どのようなマーケティング課題を解決したいのか?
・何を達成したいのか?
を、最初に明確にします。
「企業キャラクター=企業の課題を解決するためのソリューション」という認識で臨まないと、この先どこかで「何のためにキャラクターを作ったんだっけ?」となるでしょう。
優先すべきは「かわいさ」ではなく、「なぜ必要か」に対する答えです。
ゴール設定例(単体あるいは組み合わせ)
・顧客への認知度を向上させたい
・自社の独自性、強みを顧客に認知させたい
・売り場への導線を強化したい
・販売を促進したい
・顧客とのコミュニケーションを活発にしたい
・顧客とのエンゲージメントを向上させたい
②どんなキャラがターゲットに届くか?(キャラクター設定)
企業キャラクターを作る目的やゴール設定に沿って、どのようなキャラクターを生み出すのか、そのキャラクターにどんな役割を与えるのか、細かくペルソナを設定します。
●ローソンのあきこちゃんの事例
10年以上前の事例ですが、現在もSNSを中心に活躍を続けているキャラクター。
ローソンが初めて公式Twitter(現X)を開設した時に誕生したSNSキャラクターが「あきこちゃん」です。
あきこちゃんのキャラクター設定
・大学2年生のローソンクルー
・ユニフォームがかわいいのでアルバイトを始めた
・お団子の髪型
・特技は将棋
・実家は滋賀県
・お母さんとお兄ちゃんがいる
https://www.lawson.co.jp/lab/akiko/art/1458707_5114.html(ローソン ホームページより)
さらにキャラクター設定の最重要要素である「表情を一般公募」、「声をオーディション」というユニークな方法で決定しました。これは、ローソンファンが「みんなで作っていく」「育てていく」過程に関わることで、キャラクターを自分事化してもらう狙いでしょう。
・キャラクターの顔を後ろ姿で募集 ・キャラクターの顔、発表
・キャラクターの声をオーディションで決定
2010年4月 : ローソン公式Twitterアカウント開設 (あきこちゃんは後姿で登場)
5月 : 30,000フォロワー達成
6月 : 40,000フォロワー達成
7月 : あきこちゃん正面姿公開
50,000フォロワー達成
8月 : あきこちゃん声決定
引用:株式会社ローソン2010年8月23日ニュースリリースよりhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000002380.html
キャラクター設定と認知獲得を同時にキャンペーン仕立てで展開する作戦で、なんとデビューからわずか5か月で、SNS上の超有名人になりました。
もちろん知名度が上がっただけでなく、本来の目的である公式SNSでの顧客とのコミュニケーションにより、エンゲージメント強化や販売促進にも大きく貢献したようです。
2024年9月現在、Xのフォロワーは約860万人です!
さらに、ナチュラルローソン、ローソンストア100、沖縄のローソンなど店舗ごとに仲間のキャラクターが増えたり、日本・中国・タイ・インドネシア・フィリピン・ハワイの出店に合わせて、各国にあきこちゃんのような現地キャラクターをデビューさせ、SNSで最新情報を投稿するなど、オリジナルキャラクターを使ったコミュニケーション戦略は、大きな広がりを見せています。https://www.lawson.co.jp/lab/akiko/art/1458707_5114.html
普段は、SNSでマイペースに情報発信する役目。
施策のポイント
・あえて後ろ向きでティザーぽく登場させ、興味関心をひきつける
・表情や声を一般公募で決定し、ファン巻き込み型のキャンペーンを構築
・ほぼ毎日SNSで情報発信する役割を与え、顧客とのエンゲージメント強化に寄与
・姉妹店、地方店、海外店と多角的な展開にも対応できるキャラクター設定
公式SNSで情報発信する際、「キャラクターが発言するスタイル」は親近感があって、伝わりやすいのでは?
という仮説に基づいて、すべてのコミュニケーション戦略を設計した点が素晴らしいです。活用のポイント①で書いた「なぜキャラクターを作るのか?」という問いに対して、明確な目的設定がなされています。
3,どうやって広めるか?(認知施策)
デメリットのパートでも触れましたが、作ったキャラクターをどうやって認知獲得に結びつけ、マーケティング課題を達成するのか?ここが、企業キャラクターを活用する上で最も難易度の高いポイントで、いわゆる「認知の壁」となります。
まずは「世の中に露出させる」という点において、テレビ(CM)が最も効果的なメディアです。キャラクターを起用したテレビCMによって、企業とキャラクターのリンク感は強まり、メッセージも伝わりやすくなります。
だからといってテレビCMをどんどん流せばよいということではなく、予算と認知率のシミュレーションをしっかりやった上で、出稿プランを作成します。
さらにマスを中心としたペイドメディアだけでなく、ホームページや公式SNSなど企業のオウンドメディアもどう併用していくのか、あるいはターゲットを考慮してあえてSNSだけに絞る、など露出戦略を練っていきます。
「お金がないからまずはSNSで」は、戦略ではなく自社都合なので、望む成果は得られないでしょう。
●ヤンマーグループ「ヤン坊マー坊」の事例
ヤンマーグループの企業マスコットキャラクター「ヤン坊マー坊」は、顧客である農業や漁業関係者に役立つ情報を届ける目的で1959年にスタートした「ヤン坊マー坊天気予報」をきっかけに誕生。時代に合わせてキャラクターデザインを変えつつも、長く愛されてきた人気キャラとして有名です(提供番組は2014年に終了)。
そして今回2024年のキャラクターリニューアルは、新デザイン3案からグローバル規模で一般投票を募る形で実施されました。
「新ヤン坊マー坊」キャラクターデザインの一般投票開始のニュースリリースhttps://www.yanmar.com/jp/news/2023/11/16/130099.html
投票を呼びかけるYouTube動画を公開
キャラクターデザインは、これまでとは異なり3案とも近未来志向です。これは、ヤンマーグループの“A SUSTAINABLE FUTURE”のパーパスと関連しており、グループが目指すべき未来を、キャラクターにも託したいとの思いが反映されたものと推察できます。
投票結果発表ニュースリリースhttps://www.yanmar.com/jp/news/2024/01/30/133033.html
結果発表のYouTube動画
ヤンマーの企業マスコットキャラクター「ヤン坊マー坊」紹介ページhttps://www.yanmar.com/jp/about/brand/yanboh_marboh/
デザインリニューアル後、初めての誕生日を記念した各種イベントやXでのハッシュタグキャンペーンを実施。プレゼントキャンペーンなどで盛り上げの山を作っています。
6月1日のヤン坊マー坊誕生日イベントのニュースリリースhttps://www.yanmar.com/jp/news/2024/05/31/138436.html
誕生日キャンペーンhttps://x.com/Yanmarofficial/status/1796376051360129437
さらに、発表された新デザインのヤン坊マー坊は、同社が制作・プロデュースを手がける初のオリジナル商業アニメ「未ル」にも登場する予定とのこと。
施策のポイント
・65年の歴史を持つ企業キャラクターをリニューアルすることで、新ヤン坊マー坊を自社の未来を担わせる役割にシフトさせる
・ヤンマーブランドのグローバル戦略において、言語の壁を超えてスムーズにコミュニケーションできる新キャラクターの存在が重要だった。それが新ヤン坊マー坊。
・リニューアル自体をファン参加型のキャンペーンとして組み立て、話題化を図る
この広め方も、先ほどのローソンの事例同様、ファン参加型のキャンペーン仕立てにしている点は見逃せないポイントです。
●参加企業みんなで育てるキャラクター「ポンタ」の事例
「Ponta(ポンタ)」は、全国のPonta提携店舗やオンラインサービスで、利用金額に応じて、たまる・つかえる共通ポイントサービスです。(株式会社 ロイヤリティ マーケティングが運営)2010年の誕生から現在1億人を超える会員数、約30万の提携店を誇ります
https://www.loyalty.co.jp/business
このポイントシステムのキャラクターが、たぬきのポンタです(ポイントがポンポンたまるイメージということでしょうか)。提携先が多いほど魅力を発揮する共通ポイントシステムのキャラクターらしく、提携先に合わせてホテルマンのユニフォームを着たり、コンビニや居酒屋の店員になったりと、とても働き者に?見えてほほえましいですね。どんどん変身(コスプレ)していくのもタヌキっぽいですし(笑)。
あたかも「参加企業みんなでポンタを大きく育てる」というニュアンスさえ感じる、横断的な愛されキャラクターと言えるでしょう。
URのTVCMでタレントさんが着ているコスチュームのポンタ
https://www.loyalty.co.jp/news/2023113001
出光のロゴマークの髪型に変身したポンタ
https://www.loyalty.co.jp/news/2021032901
メインの仕事場は、Ponta公式のX。日々お得情報やエンタメコンテンツを配信する役目。
●Ponta♡スポーツhttps://www.loyalty.co.jp/ponta_sports
2016年からは、スポーツ界に進出、オリックス・バファローズ とのスポンサー契約を締結しました。ユニフォームへのロゴ掲出にとどまらず、バファローズ☆Pontaの公式Xを開設し、自主的に熱い応援投稿を繰り返すことで、野球ファンとのコミュニケーションも促進。30万人を超すフォロアーを生み、コラボグッズも完売するなど大きな反響となりました。
たぬきダンスまで!
2022年からは、名古屋グランパスとのスポンサー契約締結を発表。グランパスポンタとして公式Xを中心に活躍しています。
2020年には、誕生10周年を記念して大物キャラクターともコラボ。原宿に期間限定カフェをオープンし、コラボメニューやコラボグッズの販売をしました。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000403.000004376.html
現在は、ハワイ、台湾、ベトナムに進出しており、活躍の場は海外にも広がっています。https://www.ponta.jp/c/overseas/
●ファンサイト「Ponta World」https://www.ponta.jp/c/world/
「ポンタ」の世界観の中で、より「ポンタ」に親しめるコンテンツを格納したサイト。
・ポンタとなかまたち(ポンタや仲間たちのプロフィール紹介)
・ポンタ劇場(動画)
・ポンタのおはなし(ポンタの日常を描く物語)
・ポンタグッズ(ポイントで購入できるグッズなどの紹介)
●ゲーム&コンテンツサイト「Ponta PLAY」https://play.ponta.jp/
Ponta PLAYは、ポンタのゲームやコンテンツに参加しながら、楽しくPontaポイントをためられるポータルサイト。
●SDGsの取り組み「Green Ponta」プロジェクトhttps://www.ponta.jp/c/greenponta/
「Green Ponta」プロジェクトは、環境や社会にやさしい活動を応援するアプリ「Green Ponta Action」で、日常生活のアクションに応じてPontaポイントをもらうことができ、同時に広告収益の一部が環境保全団体などに寄付される仕組み。 2023年には100万ダウンロードを達成しています。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000684.000004376.html
なんとも幅広い活躍です。2010年の立ち上げ時、ここまでの広範囲な活動は想像できなかったかもしれませんが、どんどん変身していく「たぬきキャラ」らしく、時代の変遷に合わせて成長している様が伺えます。ここからさらに、どんな役割が与えられるのか注目です。
施策のポイント
・提携先を巻き込む柔軟なキャラクター運用
・キャラクターとしてのポンタのファン化、エンタメ化
・社会活動までポイント活用で参加を促す戦略
一見、人気キャラクターを作るための施策の数々にも見えますが、実はすべて、顧客が「Pontaポイントをためる・つかう」アクションに結びつけているマーケティング戦略の緻密さも見逃せません。
共通ポイントシステムは、どんどん使われて広がっていくことに価値があるビジネスです。そのための目印として、ベネフィットが伝わりやすく、みんなに愛されるキャラクターの起用が必要だった。この事例も「なぜ、キャラクターを作るのか?」の答えが明確です。
●BtoB企業のキャラクター 日本ガイシの事例
これまで取り上げた企業キャラクターは、一般ユーザーを対象にしたマスコットとしての位置づけでしたが、BtoB企業においてはキャラクターの役割が少し異なります。
BtoB企業の課題例
・新規取引先獲得のための、企業認知・理解促進
・新卒採用活動における、学生への認知度向上・理解促進
・インナーブランディング(社内の意識統一やモチベーション向上)
・地域・社会貢献活動の認知促進
このようなBtoB企業の課題を解決する目的で、キャラクターを採用する企業が増えています。
日本碍子(通称:日本ガイシ)株式会社は、独自のセラミック技術で、自動車排ガス浄化用をはじめとする各種産業用セラミック製品、電子電気機器用セラミック製品、特殊金属製品、蓄電システム、がいし・電力関連装置などを製造販売する企業です。業界では世界的な知名度を誇る企業でありながら、BtoBの企業で一般の人が目にする機会が少なく、愛知県が本社ということもあり(?)、決して知名度が高いとは言えません(筆者個人の感想です)。
・専門性が高い企業がゆえに、一般の人には馴染みがない
・社名から、業態が連想できない
これらの企業課題を解決する目的で、同社は2016年に企業キャラクターを開発。
それが「社会を支えるクロコ的な存在である自社のポジション」をキャラクター化した「クロコくん」です。https://www.ngk.co.jp/kuroko/about/
「クロコくん」は、TVCMではタレントと共演したり、オウンドサイトでは科学の難解な話や不思議な現象などについて、コミカルにわかりやすく教えてくれる役目を果たしています。
・サイエンスサイトhttps://site.ngk.co.jp/index.html
・おしえてクロコくん!https://www.ngk.co.jp/kuroko/
TVCM
同社は、「クロコくん」のキャラクターを活用することで、日本ガイシ=「黒子として社会を支える企業」という存在意義や企業としての認知を獲得することができました。
施策のポイント
・難しい科学技術の話をキャラクターにより、わかりやすく翻訳
・知的好奇心を刺激するコンテンツをさまざま開発しキャラクター活用
・TVCMにも起用し認知施策もカバー、オウンドサイトへ誘導(新卒採用対策)
専門性の高い技術力を売る企業には、誰にでもわかりやすく伝えることができる広報担当としてのキャラクターが必要だった。「なぜキャラクターを作るのか?」への答えが明確です。
■まとめ:企業キャラクターは、中長期的な視点で
以上事例を交えながら、企業キャラクターのさまざまな活用法について考察しました。
いずれの事例も、
・キャラクター活用の目的が明確
・企業のめざすゴールを反映したキャラクター設定
・認知獲得、広め方のアイデアがユニーク
において、参考にすべき点が多々あります。
ただ繰り返しになりますが、認知度を上げるためには相応の時間とお金と戦略が求められます。ある程度長い目で、計画的にキャラクターを育成する心構えで臨みましょう。
ここまで、企業キャラクターを中心に解説してきましたが、キャラクター活用マーケティング全般についての入門書「はじめてガイド(全31ページ)」を無料でご提供しています。興味がある方は、以下からダウンロードしてください。
キャラクター活用マーケティングの入門書
■企業キャラクターを活用した広告マーケティング施策は「jekiキャラ活マーケティング」へ
当コラムを執筆するジェイアール東日本企画(jeki)は、さまざまなジャンルのキャラクターマーケティングにおいて数多くの実績を残している広告会社です。
・映画出資
・TVアニメ出資
・自社コンテンツ制作保有
・映画タイアップ
・プロダクトプレイスメント
・コンテンツコラボ
・オリジナルキャラクター
キャラクター活用マーケティングについての当社実績資料、以下からご覧いただけます。
企業がキャラクターによってコミュニケーションをする場合、課題設定からデザイン開発はもちろん、育成の方法やメディアプランニングまで含めてシナリオ設計が必要です。これはまさに、広告会社としての戦略立案能力が問われる局面であり、キャラクターマーケティングを得意とする当社の腕の見せ所でもあります。
「jekiキャラ活マーケティング」とは?
当サイトを運営する「jekiキャラ活マーケティング」は、映画・アニメ・IPなどキャラクターを活用したマーケティングで、企業のさまざまなコミュニケーション課題を解決するサービスです。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。
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