【映画タイアップ】はどうやって実施する? 人気コンテンツ活用ノウハウ

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。

今回のテーマは「映画タイアップ」です。

映画タイアップは、企業が映画の映像やグラフィックやキャラクターなどの素材を基にした広告を実施することで、商品の認知度やブランド価値、ひいては売上を向上させるマーケティング手法です。

映画の人気を利用して自社のブランド価値を高めることができ、ユーザーに大きなインパクトを与えうる手法ですが、実際に取り組むにはいくつかのポイントをクリアする必要があります。

このコラムでは映画タイアップをどう実施するか、メリット・デメリット、具体的な施策、事例など、映画タイアップの基本を一通り解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。



企業と映画会社が手を組み、企業が映画に関する各種素材を利用して広告を実施するのが映画タイアップです。

この施策には、大まかに分けて2種類がありますので、その違いについて説明します。



「映画タイアップ」とは、今後公開予定の映画素材を、企業とそのブランドの広告プロモーションに利用するものですが、この際、企業は映画の権利元に対し、使用料や契約料を支払う必要がないケースがあります。

企業は無償で借り受けた映画素材をもとに広告プロモーションを行います。(ケースバイケースではあり、新規で素材を制作する場合は制作費が発生しますが、基本的な契約料は発生しません)

そして、日本における「映画タイアップ」はこのケースのほうが多数を占めています。

通常、広告主にコンテンツ・キャラクター使用料やロイヤリティを課して成果とするのがコンテンツビジネスです。にもかかわらずこの場合の映画タイアップではなぜ基本使用が無償となるのでしょうか。

これは、企業側に広告を行ってもらうことが映画側にとって大きなメリットになるからです。

映画は、限られた劇場公開期間中にできるだけ集客をするため、公開時に映画権利元でも広告を実施します。しかしその広告予算は限られているケースが多く、広告費に何億円も投資する映画はめったにありません。

そのため、映画素材を利用して企業が広告を行ってくれることは、映画側にとって大きなメリットとなり、コンテンツ使用料や契約料で得られる収益以上に優先されます。

通常の企業とコンテンツのコラボでは、企業側が自社商品・ブランドのプロモーションのためにコンテンツの権利元に利用許可を依頼しますが、この映画タイアップの場合は映画会社側から企業側に積極的に利用を求める形になり、より両社が対等な関係となります。

まとめると、このような形の映画タイアップは広告主と映画会社(権利元)の双方に、以下のような相互メリットがあることになります。





前項とは異なり、企業側が権利元にコンテンツ利用料や契約料を支払ってプロモーションを行うケースもあります。

しかし、これは日本においては比較的稀なケースです。

様々な理由がありますが、たとえば映画の公開期間がある程度決まっていることが理由です。映画タイアップによる広告露出が可能なのは映画の公開の前後数週間であり、企業側はその期間に合わせて施策の準備をする必要があります。その期間は必ずしも企業側が最も望むスケジュールではなく、映画権利元の都合となります。その他、映画権利元が企業側に求める条件が多くなるため、無償での素材提供を前提にタイアップが成立するケースが一般的です。

したがって、企業が映画会社に使用料を払う形でのタイアップは、

・企業側から映画とのタイアップを強く希望する場合

・映画が公開前から非常に著名な作品である場合

・劇場公開がすでに終了している作品を活用する場合

などに限定されます。これは、映画タイアップというより通常のコンテンツを利用したマーケティング施策における、コンテンツコラボレーションと同じ形です。


以降、本コラムでは、主に前述の「使用料や契約料が不要な」映画タイアップについて解説していきます。



前述のとおり、日本では、コンテンツ使用料や契約料の支払いではなく、企業が映画素材を活用した広告を展開することが映画制作側にとってメリットとなる映画タイアップが主流です。

そのような形での映画タイアップには、さまざまな手法があります。以下に代表的なものをいくつか紹介します。


映画内素材を何らかの形で使用した商品を店頭で販売する施策です。

映画のグラフィックやキャラクターを商品パッケージにプリントする、というやり方がよく取られる手法です。普段の商品をグラフィカルに彩ることができ、映画ファンの購買意欲を刺激し、店頭でのインパクトが期待できます。

通常、商品にコンテンツやキャラクターのグラフィックを使用して商品を売る場合、売り上げに応じてロイヤルティの支払いが必要になりますが、このケースでは発生しません。

なぜなら、映画側にとって、流通店舗に多数の商品が配架されることが映画の宣伝メリットとなるからです。

逆に言えば、多くの商品が店頭に並ばない場合、映画権利元にメリットがないため、タイアップが成立しないこともあります。



映画の中で商品やブランドが自然に登場して映されるのがプロダクトプレイスメントです。

・登場人物が特定のブランドの飲み物を飲む

・登場人物が特定のメーカーの筆記具を使う

・登場人物が乗る車が特定のメーカーのものである

といった形で、ブランドが映画に登場します。

これはメーカー側が映画側に当該商品の現物を提供する形で成立することが多いです。

ただし、映画(実写・アニメ問わず)に登場させるためには、撮影・制作期間中に物品を提供する必要があるため、準備時間が不足している場合は実施が難しい施策です。



映画の公開に合わせて、企業が特別なキャンペーンやイベントを実施する形式です。例えば、映画の鑑賞チケットを購入すると特定の商品が割引になるキャンペーンや、逆に特定の商品を購入すると映画の鑑賞チケットが当たるキャンペーンなどがあります。

ただしこのような、映画の公開期間中しか成立しないキャンペーンの場合、ユーザーを混乱させないために映画の公開終了時点ですべての告知を取り下げる必要があります。このコントロールができない場合は実施ができません。



映画素材を使用したTVCMです。

この場合も映画の映像素材を映画権利元から提供してもらい、企業側でCMを制作・編集して実施します。

これは映画権利元にとって最もメリットのあるタイアップの一つです。なぜなら、テレビCMは全国規模で幅広い告知効果があり、実施には数千万円単位の費用がかかるため、企業がその負担を引き受けることで映画側に大きなメリットをもたらすからです。

そのため、「テレビCMを実施すること」がタイアップの条件になっている映画もあります。

企業側にとってもインパクトのある施策です。特に、単に既存の映像素材を借りるだけでなく、その企業専用のオリジナル映像素材を提供された場合は、その特別感によりイメージ向上とインパクト、話題化などの効果が期待できます。

オリジナル映像制作は映画制作側にとっても時間と費用双方で負担を強いるため、企業側からの制作費提供により成り立つ場合が多いです。



映画タイアップには多くのメリットがあります。以下に主なものを挙げます。

ターゲットに対する認知度の向上:

大規模なプロモーション活動により、ブランドの認知度が向上します。特に、話題性の高い映画とタイアップすることで、短期間で多くの人々にブランドを知ってもらうことができます。

映画の観客層と自社のターゲットオーディエンスが一致する場合、効果的にリーチすることができます。例えば、若年層向けの映画とタイアップすれば、そのまま若年層にブランドをアピールすることが可能です。


新規ユーザー獲得:

映画タイアップによって映画とブランドの結びつきをアピールすることで、映画ファンを新規ユーザーとして取り込むこともできます。映画のイメージと商品・ブランドのイメージが合致していれば、トライアル利用を促すことができるでしょう。


ブランドイメージの強化:

映画のストーリーやキャラクターと関連付けることで、ブランドイメージを強化することができます。評価が高く、ポジティブなイメージの映画とタイアップすることで、ブランドの好感度を高めることができるでしょう。



一方で、映画タイアップにはデメリットも存在します。以下に主なものを挙げます。

契約料がかからない場合でも、決してタダではない:

映画タイアップが成立するのは、映画権利元が企業に宣伝をしてもらうことにメリットを見出した場合だけです。

よって、相応の広告量や店頭訴求がない場合、タイアップが成立しません。ある程度の規模の広告出稿の約束を求められるため、むしろコストとしては大きくなることが多いです。


企業側から映画を選べない場合がある:

通常の広告プロモーションにおいては、企業が自社にとって最もふさわしい特定のコンテンツを選んで施策を実施しますが、映画タイアップではどちらかというと映画権利元側が企業を選定して相談を持ち掛けます。

映画権利元にとっては自作品への認知や関心を向上させて劇場集客に成功することが最優先ですので、映画権利元がそれに寄与すると考えた場合のみ、タイアップは成立します。よって映画のイメージに合う企業・ブランドを映画権利元の方が検討することが多くなります。

また、映画作品の情報・内容は、企業の新製品がそうであるように、制作途中はコンフィデンシャルです。制作していることすら公開間際までオープンにならないことがありますので、そのような場合は企業側が映画権利元にアプローチすること自体が不可能になります。


スケジュールがコントロールできない:

これまでの解説で述べてきたとおり、映画タイアップは映画の劇場公開期間中ないし劇場集客に資する事前期間に実施する必要があります。その時期は企業側がコントロールできませんので、企業にとっての商戦期とずれる場合はタイアップのメリットが薄れることになります。



映画に限らず、コンテンツとのコラボレーションによるプロモーションでは、企業と権利元双方の協力が必要になります。

企業は映画のストーリーやイメージを大切にし、映画側も企業のブランドイメージを理解して、互いに歩み寄って企画を練ることで、ブランドのユーザーにも映画の観客にも納得感とインパクトのある施策が実施できます。どちらか一方だけではなく、両者が協力する姿勢が欠かせません。

この関係構築については、映画に限らずアニメやゲーム、漫画などとコラボレーションする「キャラクターマーケティング」の考え方を踏まえておくといいでしょう。

キャラクターマーケティングについては以下のコラムで解説していますので、ぜひご覧ください。




これまで解説した種々の事情により、企業が映画権利元に対しタイアップ依頼のアプローチを行うのは難しいです。狙った映画数件であればダイレクトにアプローチすることもできますが、その権利元がタイアップを受けてくれるかどうかは交渉してみないと分かりません。

コンテンツ関連情報に常にアンテナを張る必要があり、多くの映画権利元とのコネクションが必要になりますが、それが可能な企業は多くありません。

当社ジェイアール東日本企画はそのような、多くのコンテンツ権利元との協力関係・連携機能がありますので、映画タイアップに興味をお持ちの方は是非お問い合わせください。

映画タイアップをはじめとしたコンテンツ利用プロモーションの詳細や、当社のコンテンツプロモーション事例については以下の資料をご覧ください。







当社ジェイアール東日本企画が関わった映画タイアップ施策について一部ご紹介します。

・映画『天気の子』×ディップ株式会社「バイトル」



ディップ株式会社が運営するアルバイト・パート求人情報アプリ「バイトル」の認知拡大とダウンロードの促進を目的とした映画タイアップです。

2019年公開の新海誠監督映画作品「天気の子」とタイアップし複数のプロモーションを実施。本編から切り出した映像に、CM のためだけに用意されたシーンを加えたオリジナル TVCM を制作しました。また映画本編中、主人公・帆高がアルバイトを探すシーンで実際に 『 バイトル 』 を利用するなど、アプリのプロダクトプレイスメントを実現。

また、全国主要都市での交通広告の展開やアルバイト体験キャンペーンの実施によりアプリダウンロードの促進にも成功しました。

他にも「天気の子 バイトル部」と称して声優にインタビューを行うアルバイト体験キャンペーンなど、アルバイトを通して成長する主人公と自社のサービスを重ね合わせた施策で大きな話題となりました。

映画権利元にとっても、大規模な広告で映画が宣伝されたことはもちろん、現実に存在するサービスをそのまま本編中に使用・表現できたことで、作品のリアリティを向上させることができ、双方にとって大きなメリットがあるタイアップとなりました。


・映画『HELLO WORLD』×ナカバヤシ株式会社「ロジカル・エアーノート」


映画『HELLO WORLD』の、物語の重要アイテムとして「ロジカル・エアーノート」のプロダクトプレイスメントを行い、様々なタイアップを実施しました。

映画のメインビジュアル内にも商品を掲載し、その他、ターゲットと商品の接点拡大を目的に「地上波のTV特別番組放映」「交通広告掲出」「Web メディア出稿」「 SNS キャンペーン」「オリジナル AR スタンプの配布」「店頭販促コラボ」など、多方面で施策を展開し、立体的にキャンペーンを構築。多くのターゲット接点を創出しました。

ターゲットに商品を強く印象付けることに拘り、認知獲得・ブランド価値向上を図ったタイアップです。

特にプロダクトプレイスメントの影響は大きく、課題としていた「商品を強く印象付けること」に成功。また SNS キャンペーン、体験型キャンペーンでユーザーを巻き込んだことにより、 SNS を中心に多くの好意的な反響が見られました。


・映画『すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』×山崎製パン株式会社「ちょこもっち」



『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』とのタイアップ企画です。作品ファンの女児や女性をターゲットに、オリジナル商品を開発しました。

オリジナル商品のパッケージには仕掛けを施し、「パッケージを撮影するとARフォトフレームをプレゼント」⇒「二つのパッケージでARフォトフレームをダウンロードすると、描き下ろしの限定壁紙をプレゼント」という構成のスタンプラリー型AR企画で、ファン間での情報拡散を加速させました。

  



映画のヒットが相乗効果となり、多くのファンに購入され、SNSには商品パッケージやフォトフレームを用いた撮影写真が多くアップされるなどの反響がありました。


映画タイアップは、ブランド認知度の向上やターゲットオーディエンスへの効果的なリーチを実現するための強力な手法です。

しかし、これを実行し成功に導くには、多くのポイントをクリアする必要があります。

・企業だけでなく、映画権利元のタイアップ実施意向が重要。

・タイアップの実施可否は企業側の宣伝量にも左右される。

・映画の公開時期に合わせたプロモーションと、十分な準備期間が必要。

上記をはじめとした、本記事で紹介したポイントを参考に、効果的な映画タイアップを実現し、ブランド価値を向上させましょう。

企業と映画権利元、双方の利害がうまく一致する必要があり、一筋縄ではいかないマーケティング施策ですが、成功した時のベネフィットは非常に大きなものになります。

当社ジェイアール東日本企画は映画タイアップのプロフェッショナルです。自らも製作委員会に名を連ね劇場映画制作に携わっており、映画権利元とのコネクションや実際のプロモーション実績は多数です。


本記事に興味を持っていただけましたら、当社運営の映画・キャラクタープロモーション施策ご提案サービス キクコト「キャラ活マーケティング」へ、ぜひ一度お問い合わせください!
(実写・アニメは問いません!)

 

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