サンプリング広告とは? 成果につながる4つのポイント!

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。

今回はマーケティング・セールスプロモーション施策の「サンプリング」について解説します。

街を歩いていると、駅前でティッシュやチラシを渡されたり、イベント会場で無償で飲料をもらえたりすることがあります。これがサンプリングですが、この広告・販促手法には他にもさまざまなメニューがあります。

サンプリングのやり方、準備すべきこと、効果的な手法を詳しく紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

「サンプル」とは、標本・見本の意味ですが、ビジネスにおける「サンプリング」には2種類あります。一つは「統計調査」の手法で、もう一つが「マーケティング・セールスプロモーション」の手法です。

本コラムでは後者の、広告・宣伝目的での「サンプリング」について詳しく説明します。

サンプリングは、一定の条件の下、ユーザーに無償で商品サンプル・チラシ・ノベルティを配布することで以下のようなさまざまな効果を狙う広告宣伝・販促手法です。

【サンプリングの効果・目的】

◆認知拡大・ブランディング:新商品や既存商品の認知を拡大させる

◆トライアル:サンプル品で商品の良さを体感してもらって、今後の実購買につなげる

◆口コミ拡散:サンプル品を試した人にSNSなどで友人知人に情報を拡散してもらう

◆商品評価ヒアリング:使用にあたってアンケート回答を条件にすることで、商品の感想を収集


サンプリングは無償で商品を配布するプロモーション施策です。したがって、手渡しや郵送などが容易なサイズであり、使ったら無くなり、何度も繰り返し購入してもらうことが望まれる商品が向いています。

たとえば、以下のような商品です。

【サンプリングが向いている商品】

・食品、健康食品

・飲料

・化粧品

・日用品、生活雑貨


あるいは上記以外の、手渡しや無償での提供が難しい商品やサービスの場合は、「割引クーポン券」などの形で実施することもできます。

サンプリングは無償で商品を配る行為ですので、それだけでは企業にとってただのコストになってしまいます。目的をはっきりさせておかない限り利益向上・売り上げ向上には寄与しませんし、また無制限に配布することもできません。

いつ、どこで、なぜ、何のために、誰に、どれくらい、どのようにサンプリングを行うのかを事前に定めて実施する必要があります。

サンプリングを実施する前に検討するべき代表的な決定事項は以下の4点です。

・目的


当然のことではありますが、まず何のためにサンプリングを実施するのかはっきりさせることが最も重要です。前項でも記載したとおり、サンプリングにはいくつもの効果がありますが、すべてを同時に満たすことはできず、特に何を狙うのかを定めることで効果があがります。

その商品が日本全国に発売される新商品だったとして、「全体的な認知向上」をめざすのであれば日本中で配布する必要がありますが、当然大変な費用が掛かります。サンプル品の製作費や配布にかかる人件費によっては、他に効率の良い施策があるかもしれません。

あるいは特定のターゲットに利用してもらうことが目的なのか、ユーザーの商品評価を知る調査目的が主眼なのか。もしそうであれば配る相手もエリアも限定的でよいかもしれませんし、アンケートに回答してもらえる仕組みづくりが大切になります。


・ターゲット


誰に向けてサンプリングをするのか、ターゲットを検討します。

もちろん、サンプリング施策を検討する前に、商品戦略や全体の広告戦略を組み立てていく段階で商品自体のターゲットはすでに明らかになっていることが大半でしょう。しかし、サンプリングで商品を届けられる人の数には限りがあり、商品戦略設計時よりもさらに絞り込む必要があることが多いです。

商品のターゲットの中でも、特に誰に向けてサンプリング施策を行うのが効果的か、上記の「目的」と照らし合わせて検討します。

たとえば若者向けの商品があって、その中でも特にスポーツに興味がある学生を対象にするときは、スタジアムでサンプリングを行うなど。

ターゲットマーケティングについては以下のコラムで詳しく解説しています。効果的なターゲットの設定の仕方について詳しく知りたい方はご覧ください。



・エリア(オフライン/オンライン)


ターゲットが定まったら配布エリアを検討します。

この後の項で具体的なサンプリング施策を紹介しますので、ターゲットを多く含有するエリアでサンプリングが行えるプランを検討しましょう。

オフライン(リアル空間)で手渡しサンプリングをする場合は、ターゲットが多くいる地域、場所がどこかを検討します。

オンライン施策でサンプリングを実施する(WebサイトやSNSで応募を受け付けて配布する)場合は、その施策が、ターゲットが多く利用しており商品が訴求できるオンラインサービスかどうかを検討します。

(オフライン施策の詳細については、この後の項でも詳しく説明します)


・アイテム


サンプリングする商品の形状を検討します。

広告ツールとしてチラシや小冊子などを配布するか、商品そのものを配布するか。

商品現物そのままだとサイズが大きすぎたり費用がかさみすぎる、という場合は、小袋サイズに封入したり携帯可能なサイズのものを用意する必要があります。ミニサイズの商品がラインナップにあればそれをアイテムとして利用することになりますが、そうでない場合は新たに用意する必要があるので、かなりコストがかかる部分です。

サンプリングに費用をかけすぎると他の広告宣伝活動はできなくなりますので、プロモーション活動全体の費用対効果を検討して、サンプリングアイテム製作と、配布活動にどれくらい費用をかけられるか計算します。

以上4点が定まっていれば、実際にどのようなサンプリングを行うべきか、具体的な手法を検討することができます。


サンプリングにはさまざまな手法があります。代表的なものを紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

主なサンプリングの手法

・街頭サンプリング         
  駅前や人通りの多い路上でサンプル品を配る手法

・ルートサンプリング     
 店舗や施設、会場、サービスの利用者・会員組織を活用してサンプル品を配る手法

・Webサンプリング     
    WebサイトやSNSのDMを通してサンプリングを行う手法

・イベントサンプリング 
 特定のイベント会場の来場者に向けてサンプル品を配布する手法

・インフルエンサーサンプリング 
 インフルエンサーにサンプルを提供し、SNSなどで紹介してもらう手法

・同梱、同封サンプリング            
 商品を購入してくれた顧客に対してサンプル品を同梱する手法


以下、一つずつ詳しく紹介します。

・街頭サンプリング


駅前や繁華街近辺など、人々が多く集まる場所で行うサンプリングです。警察署に事前に道路使用許可申請を行うことで実施できます。

商品のターゲットと合致する人々が多く集まる場所であれば、短時間で効率よく商品のPRをすることが可能です。商品やサービスの商圏が特定のエリアに絞られるときに最も効果的です。

あらかじめ配布スタッフに指示をしておけば、目視で配る対象を選べるというメリットもあります。筆者は男性で眼鏡をかけているのですが、道を歩いていると、コンタクトレンズ広告のティッシュペーパーはもらえますが、女性向けの化粧品の広告物は渡してもらえなかったりします。


・ルートサンプリング


他社が保有する店舗や施設やサービスの利用者・会員組織を活用し、サンプリングを行うことです。サンプリング施策の中では最も利用されている手法です。

この手法の最大の利点は、サンプリングの対象者が絞りやすいことです。各店舗・サービスの利用者は共通の属性を持つ人であることが多いので、その属性がサンプリングしたい商品のターゲットと合致すれば、効率よくサンプル品を配布することができます。

-美容室

-スポーツジム

-オフィス

-サウナ

-幼稚園

-病院

など、使用できるルートは多種多様なので、商品に合ったものを選択できます。


・Webサンプリング


Webサイトで応募を募り、サンプル品を配布する手法です。

例えば以下のようなサイトに登録して申し込みます。

モラタメ



楽天スーパーポイントギャラリー



応募時にアンケートを記入してもらう仕組みが付与されていることも多く、商品を利用するユーザーの調査にも利用できます。ユーザーは自ら能動的にサンプル品を申し込むので、アンケートの回答率も高めになります。

全国から申し込みがありますので、地理的なエリアを絞らずにサンプリングをする施策としても効果的です。

反面、掲載するWebサイトによってはターゲットの属性を絞りにくいというデメリットもあります。


・イベントサンプリング


街頭サンプリングに類する手法ですが、特定のイベント会場の来場者に向けてサンプル品を配布する手法です。

スポーツ、音楽、各種の趣味の即売会など、特定の趣味趣向やニーズを持った人々が一堂に会するので、参加者がターゲットの属性と合致すれば大変効果的な手法です。

また、商品がイベントに関連していればより商品への興味喚起を促せるでしょう。たとえば真夏の音楽フェス会場でスポーツ飲料の配布を行う、などが考えられます。


・インフルエンサーサンプリング


ブロガー、YouTuber、芸能人など、インターネット上で影響力を持つインフルエンサーにサンプル品を提供し、SNSなどで紹介してもらう手法です。

インフルエンサーの支持層がそのまま商品訴求対象になりますので、その人々が商品ターゲットと合致すればするほど効果的です。影響力・波及力・キャラクターに合わせて依頼するインフルエンサーを選定します。

用意するサンプル品は少なくて済みますが、インフルエンサーへの紹介依頼の費用が別途必要になります。

なお、2023年10月1日からステルスマーケティング(広告であるにもかかわらず、広告であることを隠すこと)は景品表示法違反となりましたので、インフルエンサーに紹介してもらう際には「PR」や「広告」の告知を入れてもらうように注意しましょう。


・同梱、同封サンプリング


通販で購入された商品や、会員誌などを発送する際に、サンプル品を同梱、同封して配布する手法です。他社が保有する特定のサービスに便乗してサンプル品を配布するという仕組みですので、上記で説明したルートサンプリングの一種となります。

同梱広告のメニューは多数存在しますが、種別としてはおおむね「通販カタログ」「会員誌・会報誌」「クレジットカード明細」「通販商品」の4つに大別できます。

現在は、Amazon、楽天などの通販事業が拡大し、リアル店舗ではなくECサイトからの購入が増え、自宅宛てに送付物が送られることが多くなりましたので、これらを広告として利用できる同梱広告のニーズは高まっています。

同梱、同封サンプリングについては、詳細と具体的な手法を以下のコラムで解説・紹介していますので是非ご覧ください。



「大人の休日倶楽部」サンプリング


当社ジェイアール東日本企画が企画・運営を支援する「大人の休日倶楽部」でも、多数の会員に向けてサンプリングが可能です。

「大人の休日倶楽部」は、50歳以上の人が入会できる旅行会員組織です。

会員は、JR東日本およびJR北海道の運賃・料金が割引になるほか、会員限定きっぷの販売や各種特典のサービスを受けられます。

会員数は累計約280万人と大規模です。会員は、専用サイトで旅行情報やイベント情報を入手するとともに、月に一回、会員誌「大人の休日倶楽部」を受け取ります。会員の自宅に直接送付され、発行部数は100万部を超えます。

「大人の休日倶楽部」は広告媒体として純広告と同梱広告(紙媒体に限ります)が利用可能です。【年齢】、【居住地】でのセグメントが可能で、ターゲットがシニア・プレシニアと明確であれば非常に効果的な広告媒体となります。

会員誌を毎月閲読する人は約80%、広告に対してなんらかのアクションを起こしたことがある人の割合は約50%となっており、高いレスポンス率です。

出典:「大人の休日倶楽部」会員アンケート

また、大人の休日倶楽部は会員が参加するカルチャースクール「趣味の会」を運営しており、その参加者を対象としたサンプリングが可能です。こちらは、サンプル品・商品現物を配布することができます。

参加者は、語学、ダンス、音楽、ヨガ、囲碁、歴史講座、パソコン講座、創作講座など、特定の趣味嗜好を持ったシニア層で、属性が大変明確なメニューです。


趣味の会サンプリング広告


当社ジェイアール東日本企画が運営する「キクコト シニアターゲティング」では、上記の「大人の休日倶楽部」の同梱広告とサンプリングをご案内しています。詳しい資料は是非下記をダウンロードしてください。また料金や空き枠など不明点があればお気軽にお問い合わせください。



以上、マーケティング・セールスプロモーション施策の「サンプリング」について解説しました。

サンプリングは最も商品理解を促進する施策ですが、実施範囲や量によってはコストもかさみます。

目的やターゲットに応じて適切な手法を選びましょう。

当社ジェイアール東日本企画では、ご紹介した「大人の休日倶楽部」会員誌の同梱広告、趣味の会サンプリングをはじめ、その他の広告メディア全般のご提案と実施が可能です。貴社の課題に応じて最適化した広告プロモーションのご提案をいたしますので、是非お問い合わせください。

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