交通広告の効果とは?広告会社社員がメリット・デメリットを解説

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。当サイトでは交通広告を中心に、広告に関するお役立ち情報を発信しています。

今回のテーマは「交通広告の効果」です。通勤・通学やお出かけの際に、駅や電車、屋外でもさまざまな企業が交通広告を掲出しているのを目にすると思います。そんな身近な広告媒体である交通広告の効果や特徴、また、そのメリットやデメリットについても解説いたします。

・現在、交通広告の実施を検討している方
・広告プロモーションの媒体選びをしている方
・交通広告の基礎について知りたい方

このような方々の課題解決のヒントになれば幸いです。 
 

交通広告とは

「交通広告」とは、公共交通機関や交通関連施設などのスペースを利用して掲出される広告媒体の総称です。例えば、電車やバスの車内に掲出される広告や、駅やバスターミナルなどの施設内の広告などがこれに該当します。
看板やポスターのような静止画の広告以外にも、動画や音声を用いた広告表現が可能な媒体も増えてきています。
 
 

交通広告の効果・特徴「4R+S」

ここからは、交通広告の主な5つの効果・特徴「4R+S(Reach、Repeat、Reality、Recency、Share)」について、解説していきます。
 

 

Reach (広く届く)

 
皆さんもお出かけする際、公共交通機関を使うと何かしら広告が目に入るのではないでしょうか。交通広告は身近にあるため接触率が高く、大きなリーチが期待できます。
 

当社が首都圏、関西圏を中心に行った調査によると、「1週間に1回以上、外出する人」は全体の95%強。「1週間に1回以上電車に乗る人」は首都圏で約60%、関西圏では約52%となっています。

調査結果からもわかるように、多くの人が生活するうえで「移動」しており、移動すれば交通広告に接触する可能性も高くなります。ターゲットによってはテレビなどのマスメディアに匹敵するリーチ力があります。
 
 

Repeat(繰り返し届く)

通勤・通学などで交通機関を使う場合、毎日同じ駅、路線を使用します。そして、その動線上に交通広告を掲出すれば、ほぼ毎日、同じ広告に接触させることができます。

行き帰りで、1日に最低2回接触することを考えると、交通広告への接触頻度(フリークエンシー)も非常に高いと言えます。このように交通広告は反復訴求効果が高く、接触する移動者に対して広告メッセージを刷り込むことができる広告媒体です。
 

Reality(真に迫って届く)

人は移動中、場所・時間・状況によって、行動原理や心理状態が変わります。交通広告は、その動線の中で、生活者の<状況そのもの>に語りかけることができるため、メッセージが自分ゴト化されやすく、共感が生まれやすい広告媒体です。

例えば、朝の通勤・通学時間、まだ目が覚めていない乗客には缶コーヒーの広告、お出かけの帰り道、疲れている乗客には入浴剤の広告など、心理状態に合った広告を掲出することで、より強い印象を与えることが出来ます。
 

Recency(売り場近くで届く)

 
何かものを買う時、直前に接触した広告がその購買行動に与える影響を「リーセンシ―効果」と言います。
最近、駅周辺はコンビニやデパートなど商業施設が充実していますが、交通広告は、そういった購買地点に近いところで掲出されているため、広告接触者が直後にアクションを起こしやすく、高いリーセンシー効果が期待できます。
例えば、自宅でTVCMを見ていて「この商品が欲しい」と思っても、わざわざ買いに出かけるのは面倒ですし、翌朝になればその商品のことを忘れてしまっているかもしれません。他広告媒体と違い、広告接触の場所と売り場の距離が近いことが、交通広告のひとつの特徴です。
 

Share(さらに届く)

 
SNSで、駅や電車内の交通広告を撮影した投稿が拡散されているのを見ることがあります。交通広告は、広告面積の大きい媒体や、広告面が多くジャック展開できる媒体など、ユニークでインパクトのある媒体が多いので、実際に広告を見た人だけでなくSNSでシェアされるなどの二次接触者の増加も期待できます。
 
一方、最近ではスマホ利用者が増加したことで「駅や電車ではみんなスマホを触っているから、広告なんて見ないんじゃないか」という声を聞くことがあります。確かに、交通広告とスマホは相性のよくないメディアに見えます。

しかし、当社が行った「jeki首都圏移動者調査2019」によると、電車内のすごし方は「スマートフォンを使う(69.4%)」「電車内の広告を見る(44.9%)」「車両ビジョンを見る(43.3%)」、駅構内のすごし方は「スマートフォンを使う(55.5%)」「駅のポスター・看板を見る(28.4%)」「屋外看板や街頭ビジョンを見る(19.3%)」「デジタルサイネージを見る(16.9%)」となっており、スマホを見る人、交通広告を見る人、両方とも割合が高くなっています。
つまり、スマホか交通広告のどちらかを見ているのではなく、同時に接触していると考えることができます。
 

改めてまとめると、交通広告は移動中のスマホ利用とも親和性があり、SNS投稿等をはじめとするインターネット上への拡散を狙うことのできる広告媒体と言えます。
交通広告の効果・特徴が理解できたところで、ここからは交通広告のメリット、デメリットについて解説していきます。
 
 

交通広告のメリット

掲出する場所によってターゲティングが可能

 
駅や電車は、エリアや路線によって利用者の属性が異なるため、ターゲティングがしやすい広告媒体です。性別、年齢だけでなく、趣味嗜好などにも傾向があるため、掲出する商材・サービスに合ったエリアを選定することが可能です。

(例) 若年層を狙うなら原宿駅、高齢者層を狙うなら巣鴨駅、ゲーム好きを狙うなら秋葉原駅、ビジネスマンを狙うなら品川駅 等

 
また広告の内容も、そのエリアに合ったメッセージにすることで、より強く広告を訴求できます。実際に、ある自動車メーカーがエンジニア募集の広告を掲出する際、競合企業のエンジニアが通勤に使用する路線に絞って広告掲出して、話題化したこともありました。
 

公共交通機関に掲出されるため信頼性が高い


 交通広告は、駅や電車といった公共交通機関に掲出されていることから情報に対する信頼性が高い広告媒体です。そのため、広告主企業に対する信頼感や安心感を醸成することができます。
特に、まだ認知度が高くない企業、海外から日本に進出する企業などにとっては大きなメリットになります。​(信頼性を担保するため、鉄道独自の基準に基づいて、掲出広告の事前審査を行っています)​
 

他広告媒体に比べて嫌悪感が抱かれづらい

 
交通広告は、ユーザーが視聴しているコンテンツを分断するインターネット動画広告や、限られた画面の面積を奪って表示されるバナー広告と異なり、広告を見るかどうかは生活者の自主性に委ねられています。
 
野村総合研究所が提供する広告効果測定サービス「NRIインサイトシグナル」の調査では、交通広告は「好きな広告」でトップ、また、生活者からのネガティブなイメージが最も低い媒体であることがわかっています。
 

 
まとめると、交通メディアは生活者によって能動的に見られる「自主視認」メディアと言うことができ、そのため生活者に最も好かれ、最も嫌われない広告媒体です。広告がスキップされブロックされる時代に、「生活者に嫌われない」ことは大きなメリットになります。
 



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交通広告のデメリット

広告掲出までに時間がかかる

 
交通広告はデザインの作成以外に、媒体によってはポスターの印刷や看板の製作など、掲出物を製作する工程が必要になります。また、その掲出物を掲出開始の1週間以上前に納品しなくてはいけないなど、他広告媒体に比べて準備にかかる期間が長い傾向にあります。

最近はデジタルサイネージ媒体も増えてきたため、掲出物の製作が必要ないこともありますが、それでも、Web広告等に比べると、広告開始までのスピード感では劣っていると言えます。
 
 

「効果が見えづらい」は昔の話?交通広告効果可視化サービス

交通広告のメリット、デメリットを説明してきましたが、交通広告のデメリットとしてよく挙がるのが「効果測定がしづらい」という点です。

事実、これまでの交通広告はどれくらいの人が接触したかなど、広告効果の数値化が難しいことが課題となっていました。しかし近年、広告費用対効果の分析や広告効果測定のニーズが高まっており、それに伴い、広告業界では交通広告の効果を可視化しようとする動きが活発になっています。

その中で、実際に提供されている交通広告効果可視化サービスのひとつが、当社が提供する「効果が見えるOOH」です。
「効果が見えるOOH」では、当社が定期的に実施する「jeki 移動者調査」を中心とした調査データと、提携企業が持つ位置情報・リアルタイム人流データを掛け合わせて交通広告のインプレッション数を算出します。

交通広告掲出期間中の総インプレッション数はもちろん、曜日別の推移や、広告接触者の性別、年齢といった内訳も算出することが可能です。

・交通広告の掲出を検討されている方
・効果が見えづらいことを懸念点として持たれている方

ぜひ、こういったサービスをご活用ください。

 

 
 

広告で効果を出すためには、媒体の特徴を理解することが大切 

本記事では、「交通広告の効果」をテーマとして、交通広告の効果や特徴、また、そのメリットやデメリットについて解説してきました。

交通広告に限らず、広告プロモーションの効果を高めるためには、自社商材・サービスのターゲットや広告の目的を明確にした上で、それを達成するにはどんな広告メッセージが良いか、どの広告媒体が良いのかを考える必要があります。
そして、適切な広告媒体を選択するためには、各媒体の効果、特徴などをしっかりと理解しておくことが大切です。

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