【デジタルサイネージ広告】種類と活用ポイントを解説

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回のテーマは「【デジタルサイネージ広告】種類と活用のポイント」です。

近年、デジタルサイネージ広告が急速に普及しています。駅や商業施設、街中のビルの壁面など、さまざまな場所でデジタルサイネージを目にする機会が増えているのではないでしょうか?特にOOH(Out of Home)広告市場では、デジタルサイネージの導入が進み、従来の紙媒体や静止画広告とは異なる価値を提供しています。

本記事でわかること
・デジタルサイネージ広告の活用メリット
・デジタルサイネージ広告で成果を出すポイント
・デジタルサイネージ広告の種類と料金
・代表的なデジタルサイネージ広告メディア

デジタルサイネージ広告の出稿を検討しているマーケティング担当の方に役立つ内容です。


 

 

デジタルサイネージ広告市場の成長

OOH広告全体(屋外広告・交通広告)の市場規模は、2024年に約4,487億円(前年比103.4%) と予測されています。市場全体としては横ばいから緩やかな成長を続けている状況です。

出典:電通「2024年 日本の広告費」

 
その中でもデジタルサイネージ広告市場は年々大きく成長しています。CARTA HOLDINGSの調査によると、2023年の市場規模は 801億円(前年比119%)の見通しであり、2027年には1,396億円(2023年比174%)に達すると予測されています。
 

 
この成長からも、デジタルサイネージ広告が企業のマーケティング施策の重要な手法となっていることがわかります。
 
 
 

デジタルサイネージ活用によるメリット

デジタルサイネージ広告が成長を続けるのは、多くメリットが背景にあるからです 。ここでは 4つの主要なメリットを解説します。 
 

表現の幅が広い

 
デジタルサイネージ広告は静止画だけでなく、動画やアニメーションも活用でき、ダイナミックな表現が可能です。これによりブランドの世界観をより魅力的に伝えられるのが特徴です。
また、音声の使用が可能なメディアでは音楽やナレーションを加えることで、視覚だけでなく聴覚にも訴求できます。
 
 

アイキャッチ効果が高い

 
人は動きのあるものに目を引かれる傾向があります。デジタルサイネージ広告は動的なコンテンツを表示できるため、自然と視線を集めやすいのが特徴です。
例えば、駅構内のデジタルサイネージでは、通勤・通学中の人々が無意識に目を向けることが多く、従来の静止画広告よりも高い注目度を得られると言われています。
 
 

ターゲットに応じた柔軟な広告配信

 
デジタルサイネージ広告は 時間帯・曜日・天候等に応じてコンテンツを切り替えることが可能です。これにより、より精度の高いターゲティングが実現できます。
例えば、
・朝の通勤時間にはオフィスワーカー向けの広告
・昼間は主婦向けの広告
・夕方には帰宅する女性向けの広告
といったように、同じ場所でも時間帯によって異なるターゲットに向けた訴求が可能です。
 
 

コスト削減&環境配慮が可能

 
デジタルサイネージ広告は、紙のポスター広告と比べて印刷や張り替えのコストが不要なため、運用の柔軟性が高く、結果的にコスト削減につながります。
さらに、紙の消費を抑えることで環境負荷の低減にも貢献できるため、SDGs(持続可能な開発目標)に取り組む企業にとっても有効な広告手法です。多くの企業が環境への配慮を重要視する中、エコフレンドリーな広告としても注目されています。
 

 

デジタルサイネージ広告で成果をあげるポイント

デジタルサイネージ広告を効果的に活用するためには、ターゲットやロケーションの選定、クリエイティブの工夫、効果測定の仕組みをしっかりと考える必要があります。ここでは成果をあげるための3つのポイントを解説します。
 
 

①ターゲットとロケーションの選定

 
デジタルサイネージ広告の成功のカギは、ターゲットに適切にリーチできるかどうかにかかっています。そのため、広告を表示するロケーションやメディア選びは非常に重要です。
OOH広告の特性として「多くの人に一斉にリーチできる」という強みがある一方で、「特定のターゲットに限定して届けるのが難しい」という課題もあります。しかし、ビジョンが設置されているエリアの特性を活かせば、より効率的にターゲットに訴求できます。

例えば
・オフィス街 → ビジネスマンが多い
・大学周辺 → 学生層が多い
・イベント会場近く → 特定の興味・関心を持つ層にリーチしやすい

このようにロケーションの特性を踏まえて適切なメディアを選定することで、広告の効果を最大化できます。
 
 

②目を引くクリエイティブ

 
デジタルサイネージ広告は、静止画だけでなく動画やアニメーションを活用した表現が可能なため、視聴者の目を引くクリエイティブが重要です。

TVCMやYouTube広告の流用は非推奨
TVCMやYouTube広告で使用している動画をそのまま流用しているケースを見かけますが、これは非常にもったいないことです。
なぜなら、デジタルサイネージ広告の多くはテレビなどじっくり観る視聴環境と違い、歩行中や電車移動中に観られるため、短時間で直感的に伝わるクリエイティブ訴求が求められるからです。

デジタルサイネージの形状を活かす
デジタルサイネージには、例えば新宿ウォール456のような超横長のものなど、特殊な形状のものもあります。 こうした特徴的なサイネージは、専用の広告素材を作る手間がかかるため敬遠されがちですが、逆に考えれば印象に残るクリエイティブを生み出す大きなチャンスでもあります。
 

出典:PR TIMES「新宿駅に『MLB® The ShowTM 22』(英語版)の大谷翔平が登場!大谷が記録した約164キロのストレートを疑似体験」

 
 

③効果測定

 
デジタルサイネージ広告は、実施して終わりではなく、効果測定を行うことが重要です。
しかし、OOH広告全般に共通する課題として、広告効果の数値化が難しいという点があります。
従来の効果測定手法:
・周辺の通行量データをもとに、接触率・接触数を試算
・広告実施後に、「広告を見た記憶があるか」をモニターアンケートで調査

従来効果測定手法の課題
この手法では、接触率の推計はできるものの、実数での把握はできません。そのため、リアル広告・Web広告を含めた共通指標がなく、クロスメディア全体での評価が困難という問題があります。
さらに、コロナ禍により人流が大きく変化したことで、実際にどれくらいの人が広告を視認可能だったのか(アクチュアルデータ)が不透明になるという外的要因も生じています。

広告接触後の行動変容の測定も課題
広告接触後にどれだけの人が行動を起こしたかを把握するのも簡単ではありません。
・特定の検索キーワードやハッシュタグを訴求 → 検索数の変化を測定
・QRコードを掲載 → 読み取り数を分析
といった方法が試されるケースもありますが、パブリックスペースの広告を見て、その場で検索やQRコードを読み取る人は限られるため、正確な効果測定には向かないのが現状です。
 
 
 

デジタルサイネージ広告の効果測定手法「効果が見えるOOH」

デジタルサイネージ広告は「広告効果の数値化が難しい」という課題がありますが、一部のビジョンでは効果測定が可能になっています。
本サイトの運営会社ジェイアール東日本企画が開発した「効果が見えるOOH」は、デジタルサイネージ広告のリーチ数をリアルタイムで計測できるサービスです。

Web広告では、広告が実際にユーザーの視界に入った回数を測る指標としてビューアブルインプレッション(Viewable imp)があります。
「効果が見えるOOH」は、この概念をOOH広告に適用し、オンライン広告と同じ指標で効果を測定できる仕組みを実現しています。
 

※ビューアブルインプレッション:実際にユーザーが視認できる範囲で広告が表示された回数のこと。ユーザーの目に触れた可能性の高い回数のみがカウントされる。

 
ビューアブルインプレッションがわかることで
・オンライン広告とオフライン広告の効果を並べて比較できる
・費用対効果を測定しやすい
といったメリットがあります。

また「効果が見えるOOH」ではビューアブルインプレッションの計測に加え、態度変容や行動の可視化も可能です。
 

●態度変容の可視化(ブランドリフト調査)
広告接触者と非接触者別に、サービスの認知、理解、サーチ、行動意向そして広告認知をアスキング調査。広告への接触が、ブランドに対してどのような態度変容につながったのか、その広告効果を数値で評価します。

 

 
●行動の可視化(来店計測)
広告接触者と非接触者別に、リアル店舗などへの訪問数・訪問率を計測。広告への接触が、どのような行動変容につながったのか、その広告効果を数値で評価します。

 
「効果が見えるOOH」の具体的な測定方法、活用事例、オプションメニューについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の資料をご覧ください。 
 

 
 
 

サイネージ広告の種類と料金

デジタルサイネージ広告にはさまざまな種類があり、それぞれ設置場所やターゲットが異なります。また、料金は設置場所・期間・サイズ・放映方法によって大きく異なるため、一概に相場を示すのは難しいですが、今回は代表的なメディアとその料金をご紹介します。
 
 

1.駅サイネージ

 
駅の改札周辺やホームなどに設置されている広告サイネージです。通勤・通学の人々に向けた広告として非常に効果的で、特に大都市圏のターミナル駅では1日数百万人が利用するため、高いリーチが期待できます。
サイズはB1ポスターよりも大きな60~70インチの “縦型”が主流ですが、最近は大きなサイズのサイネージも続々と登場しています。
 

 

 
■新宿ウォール456

 

――――――――――
国内最大級の超横長LEDビジョンを活用し、大画面ならではのインパクトある広告展開が可能。
 
 

■AKIBA WARP 

 

―――――――――――――
秋葉原駅のコンコース内に展開するデジタルサイネージ。柱を囲む形で設置され、没入感のある広告表現が可能。
 
 

■JR東日本 J・ADビジョン ステーションネットワーク 

――――――――――――――
首都圏主要駅の縦型サイネージをネットワークで展開し、効率的に広範囲のターゲットへリーチ可能。
 
 

2.電車内サイネージ 

 
電車内のドア上部などに設置されている広告サイネージで、JR東日本では「トレインチャンネル」、東急電鉄では「TOQビジョン」などと呼ばれています。
ニュースや天気予報といった情報番組も一緒に放映されているため、高い接触率が期待できます。但し音声が出ないため、テロップや吹き出しを加えるなど、環境に合わせた表現が必要です。
 
 

■JR東日本 トレインチャンネル 

 

―――――――
JR東日本の首都圏全線をカバーする車内ビジョン。2024年から「TRAIN TV」がスタートし、広告媒体としての注目度が上昇。
 
 

■東京メトロ Tokyo Metro Vision

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地下鉄利用者に向けて、高い視認性で情報を届けられる車内サイネージ。
 
 

■首都圏9社局車内ビジョン ネットワークセット 

――――――――――――
首都圏主要9社局の鉄道会社をカバーした、車内ビジョン1週間のネットワーク商品。首都圏の鉄道利用者を網羅する圧倒的なリーチ力です。
 
 

3.屋外サイネージ

 
人の往来が多い街中のビル壁面などに設置されている広告サイネージです。サイズが大きく視認性・注目率が高いのが特徴です。渋谷駅前スクランブル交差点を囲む大型ビジョン群が特に有名です。
 

 
 
■クロス新宿ビジョン 

―――――――
「3D巨大猫」で有名な曲面ビジョン。3Dコンテンツの放映も可能で、話題性の高い広告展開が可能。
 
 

■Q’S EYE

――――――――――
渋谷スクランブル交差点を囲む複数の大型ビジョンと連動し、大規模な広告展開が可能。
 
 
★屋外サイネージについては、こちらのコラムでさらに詳しく解説しています 

  
 

4.タクシーサイネージ

 
タクシーの運転席・助手席の背面に設置されている広告サイネージです。
乗客が後部座席に座ると目の前に表示されるため、視認性が高いのが特徴です。インタラクティブな操作に対応したサイネージもあり、気になった広告があれば乗客自らが操作して、より詳細な情報を得ることも可能です。ビジネスパーソンや富裕層などのターゲティングに向いています。
 

 
■TOKYO PRIME Collaboration Video Ads【FULL】

―――――――――――
全国規模で展開可能なタクシーサイネージメディア。Collaboration Video Adは発車後のタイミングで視認される可能性が高い広告枠。 
 
 

■GROWTH BUSINESS VIEW

―――――――――――
都内最大規模のタクシーサイネージメディア。ビジネスパーソンへのリーチに特化。
 
 
 

効果を可視化して、費用対効果の高いデジタルサイネージ広告展開を!

デジタルサイネージ広告は、ターゲットに応じた柔軟な配信が可能であり、高い視認性と話題性を兼ね備えた広告媒体です。
しかし、最大限の効果を得るためには
✔ 適切なロケーションの選定
✔ 設置環境に応じたクリエイティブ表現
✔ データに基づく効果測定
が欠かせません。

「効果が見えるOOH」は、OOH広告の効果を可視化できるソリューションですので、デジタルサイネージ広告を活用する際にはぜひご検討ください!

詳しい情報やお問い合わせはこちらから。
 

 
 

 
 
交通広告(OOH)の効果的な使い方について、さらに詳しい解説書「OOHメディアはじめてガイド」(全56ページ)をご用意しています。興味がある方は、以下からダウンロードしてください。
 

 
 
 

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