こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部 です。
今回のテーマは「バス停広告」です。
バス停広告といえば、一昔前まではバス停標識の下部の小さな枠に近所の病院や商店の広告が掲出されているものが主流でした。しかし最近ではシェルター型のバス停が増え、整った環境下で大型面に広告が出せるようになったことで、メディア価値がUP。グローバルブランドや大手メーカーが出稿するようになり、注目のOOH(屋外広告)の一つに浮上してきました。
そんなバス停広告について
✓ どんな特徴があるのか
✓ 活用のメリット・デメリット
✓ 種類や料金
などを交通広告のプロフェッショナルであるジェイアール東日本企画の社員がわかりやすく解説していきます。
バス停広告とは
バス停広告とは、公共交通機関である路線バスの停留所スペースに設けられた広告のことです。電車広告やビルボードなどと同じ「交通広告」や「OOH(屋外広告)」に分類されるオフラインの広告メディアです。
バスの車内・車外に掲出される広告と一くくりにして「バス広告」と呼ばれることもあります。
バス停広告の4つの特徴(メリット)
バス停広告は他のメディアと比較してとても特色のあるメディアです。
ここではその特徴/メリットを4つご紹介します。
➀反復性が高い
一つ目は、反復して同じターゲットに何度も接触できる点です。
公共交通機関を利用して移動する場合、往復に同じバス停を利用するケースが多く、一度のバス利用で2回は広告に接触する機会があります。
さらに1ヶ所だけでなく、エリア内の複数のバス停に広告を掲出した場合、乗車したバス停と降車したバス停の2ヶ所で×2回ずつ=4回のフリークエンシーの可能性が生まれます。
また通勤・通学の場合には、1週間に数回利用する人が大半のため、それだけ反復して同じターゲットに接触することが可能です。
フリークエンシー回数が多いほど認知度は高まる傾向にありますので、認知の獲得&認知の定着に繋がります。
➁エリアターゲティングできる
バス停利用者を中心に、バス停周辺の居住者、近隣の職場や学校に通う人を狙って効率的にアプローチすることが可能です。市区町村単位よりも狭いエリア設定が可能なため、特定の店舗への誘客などにも有効です。
また複数のバス停に広告掲出する場合にも、エリアや路線を限定できるので、自社のターゲットとなる特定の地域を狙って広告展開しやすいのが特徴です。
つまりバス停広告は【エリアターゲティングに大変適した広告メディア】といえます。
単に近隣の居住者や通勤者を狙うだけではなく、来街者に特徴のある街に広告を出すことでターゲットをセグメントすることも可能です。
例えば、シニア層を狙って巣鴨エリアのバス停に広告を出すといった方法です。
③バス利用者以外にもリーチ
バス停広告の広告面は、サイズが大きいものや歩道に正対して配置されているものが増えています。そのため、バス停付近を通る歩行者や車道を走行中のドライバーなど、バス利用者以外に周辺を通る多くの生活者の目に入ります。
単純に多くのリーチを狙うのであればマスメディアの方が適していますが、エリアを絞りながらも、周辺が生活動線となっているターゲットへの広告効果が広く期待できる点はバス停広告ならではの特徴です。
エムシードゥコー株式会社の調査によると、バス停広告(シティスケープⓇ)を見たシチュエーションは「歩行中」が群を抜いて多い結果となっています(これは東京エリアの結果であり、エリアごとに特色があるようです)。
バス利用者よりも歩行者の方が多いという結果から、歩行者をメインターゲットと捉えることもできます。
④ブランドイメージの向上につながる
昨今バス停の整備が進んでおり、特に都心部において美観に配慮し、かつユニバーサルデザインによるゆったりとした空間設計で快適なバス停が増えています。屋根や側面パネルがついた雨や風を避けられるシェルター型と呼ばれるバス停が増えているのが特徴です。
広告周りの環境が整ったことでメディア価値が高まり、シャネルやディオールといったラグジュアリーブランドの広告掲出が都心部の富裕層が多い居住エリアを中心に頻繁に見られるようになりました。(この背景には、海外でのバス停広告のポジションやグローバルで共通の規格を取り入れていることなども要因としてあります)
こういったラグジュアリーブランド/グローバルブランドが活用するメディアということで掲出によるブランドイメージの向上も期待できるメディアに成長しています。
バス停広告の種類・料金
バス停広告の種類についても見ていきましょう。ここでは代表的なものを3つご紹介します。
◎バス停ポール
バス停標識の役割をしているポールの一部を使用する広告です。
バス会社や設置場所によってバス停ポールにはさまざまな形状があり、広告枠のサイズもさまざまです。よく見られるのは行燈型といわれる四面内照式の柱型のもので、時刻表の下のスペースに広告枠が設けられています。
小さなスペースを使った広告枠のため、比較的安価に広告掲出が可能です。
期間:1ヶ月~
広告料金:5,000円~
◎看板ボード
バス停に設置されている看板型の広告枠です。ターミナルボードなどと呼ばれることもあります。
バス停によってサイズはさまざまですが、バス停ポールに比べて大きな面での訴求が可能です。屋根の側面に設置されているものもあれば、自立式の看板もあります。
長期掲出を前提とした枠が多いのが特徴です。
期間:6ヶ月~1年程度
料金:15万円~
◎シックスシート
タテ1755mm ×ヨコ1185mmサイズの広告をシックスシートと呼びます。
バス停広告における主流のサイズで、このサイズの広告枠がシェルター型のバス停に数多く設けられています。サイズが大きく、歩行者の目にも留まりやすいのが特徴です。
このサイズは世界統一規格となっているため、広告素材を流用しやすいという理由からグローバルブランドの人気が高いメディアになっています。
期間:2週間~
料金:15万円程度(1面あたり)
シックスシートに関しては、ネットワークされた複数面での契約が基本となっているため、都市単位・ネットワーク単位で大規模に展開にすることが可能です(1面単位での契約が可能なケースもあります)。
バス停広告のデメリット
ここまで特徴や種類について解説してきましたが、バス停広告を有効に活用するためには課題についてもしっかり理解しておく必要があります。
◎リーチが限定されるケースがある
前述の通り、バス停広告にはいくつかのサイズ・種類が存在します。例えばバス停ポールのような小さな広告面に掲載した場合、バス利用者以外の目に留まりづらく、リーチが限定されてしまうことがあります。
特徴の一つとして説明したように、バス停広告はバス利用者以外にもリーチできることが大きなメリットの一つです。そのメリットを最大限に享受するためには、シックスシートのようなサイズの大きな広告面を活用することをおすすめします。
◎効果の可視化が難しい
➀リーチ/インプレッションを把握できない
何人が広告に接触したのか、何回広告に接触したのか、カウントするのが難しく、バス停横の通行量(広告掲出期間中ではなく媒体社側で事前にカウントしたもの)で大体の接触者数を推計するという方法が主流です。この方法では実際に広告掲載期間の流動がどれだけあったのかまでは加味されません。
➁コンバージョンを追えない
広告接触者を特定することが難しいため、Web広告のように広告がどの程度コンバージョンに寄与したのかを計測することが困難です。
広告が認知につながったのか、来店につながったのかなどを把握するためには、広告接触者に直接アンケートを実施するなどの対応が必要となります。
しかし最近ではバス停広告にも効果測定を可能にするメニューが登場しています。
エムシードゥコー社のシティスケープⓇというメディアでは、効果測定メニューをオプションで提供しています。これはスマートフォンユーザーの位置情報を活用し、掲出期間中の実施ロケーション周辺の接触人数や来店促進への貢献度などを可視化するものです。
位置情報を使うことによって、リーチ、フリークエンシー、インプレッション、コスト効率などを把握できるようになり、施策の振り返りや次回施策の見直しなど(PDCA)が容易になります。
効果的にバス停広告を活用するためのポイント
◎他のOOHと組み合わせて効果アップ
バス停広告を効果的に活用するためには、その他のOOH(屋外広告)を合わせて検討することが重要です。
バス停広告には「反復性が高く、繰り返し同じターゲットにリーチできる」「エリアを絞ってターゲティングできる」などのメリットがある一方「リーチが限定される」というデメリットがあります。
それを補いさらに効果をアップするためには、クロスメディアの考え方で電車広告や駅広告、バス広告などを組み合わせることをおすすめします。
例えば、
・バスの車内広告や車体ラッピングをセットで実施する
・バスから電車に乗り継ぐ人を狙って、駅や電車の広告を一緒に組み合わせる
という方法です。
つまりターゲットの生活動線に沿って、点のアプローチから線のアプローチに進化させる戦略です。複数のメディアで繰り返し接触することで、認知や好意度をより高めることが期待できます。
参考までに国勢調査の「通勤・通学で利用する交通手段」を見てみると、バスだけを利用する人(2.3%)よりも、電車とバスを組み合わせて利用している人(8.0%)の方が多いことがわかります。
このデータからも、バスと電車をかけ合わせた広告展開が有効であるといえるでしょう。
なお、商材によってはバス停広告を使わずに、電車広告だけを実施した方が効率よくリーチできるケースもあるので柔軟なメディアプランニングを心がけましょう。
◎電車広告も効果可視化が可能
一般的にOOHは広告効果の可視化が難しいといわれていますが、バス停広告同様、電車広告でも効果可視化が可能になっています。
当社ジェイアール東日本企画が提供する「効果が見えるOOH」は、電車内や駅の広告のリーチ数をリアルタイムで計測可能なサービスです。Web広告ではビューアブルインプレッション(Viewable imp)※という考え方でリーチを測るのが一般的ですが、同様の指標をOOHで実現しています。
※ビューアブルインプレッション
実際にユーザーが視認できる範囲で広告が表示された回数のこと。ユーザーの目に触れた可能性の高いインプレッションのみがカウントされる。
また「効果が見えるOOH」では、ビューアブルインプレッションの計測に加え、広告接触後の認知状況や行動を可視化する「ブランド調査」や「来店計測」もオプションメニューとして用意しています。
詳しい効果測定方法や活用ケース、オプションメニューについて知りたい方は、是非こちらの資料をご覧ください。
まとめ
バス停広告の特徴や活用のポイントは理解いただけたでしょうか。
反復性が高く、エリアを絞ってアプローチできるバス停広告は大変有用なメディアです。その効果を最大限に生かすためには、他のメディアを含めた的確なメディアプランニングが必要です。またメディアの特徴を踏まえた企画・クリエイティブも重要なポイントです。
当社ジェイアール東日本企画は交通広告業界のリーディングカンパニーとして、バス停広告を含めた複合的な交通メディアのご提案が可能です。
交通広告・OOHを活用したプロモーションをご検討の際は是非お気軽にお問い合わせください。
またOOHの効果測定について、より詳しく知りたい方は是非こちらのコラムもご覧ください。
さらに交通広告(OOH)の効果的な使い方について、詳しい解説書「OOHメディアはじめてガイド」(全56ページ)もご用意しています。興味がある方は、以下からダウンロードしてください。