こんにちは。ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
長きにわたり議論となっている「日本の少子化」問題は、昨年政府が“異次元の少子化対策”を打ち出したことで、にわかに注目を集めています。そのような中、子供を持つ家庭では共働きの夫婦が年々増えており、時代の変化や経済情勢に伴い、子育て層の形も変化してきています。
子育て層、特にママ・パパ向けに自社の商品・サービスを拡大したいと考えるとき、どういった広告メディアを活用すれば良いのか、悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、そんな子育て層向けメディアの種類や具体的なメディアをご紹介します。
子育て層向けメディアの主な種類
子育て層向けの広告施策を実施するには、まずメディアの選定が重要です。
ここでいう子育て層向けメディアとは、妊娠・出産・育児など子育てに関する幅広い情報やトレンド、お役立ち情報などを網羅したメディアを指します。
雑誌、Webメディアやスマートフォンのアプリ、SNS専門メディアまで幅広く、子育て層向けメディアの数も年々増加しています。
具体的な子育て層向けメディアを紹介する前に、そもそもどういったメディアの種類があるかを簡単に説明します。
■雑誌
近年、デジタル化が進み紙媒体の需要は減少していますが、いまだ、子育て層向けの雑誌は多く存在しており、特にママ向けの雑誌に関しては種類も豊富です。
また、雑誌から派生してWebメディア化して情報提供しているものも多数見受けられます。雑誌は、美容室や病院などに設置されていることも多く、子育てや仕事で忙しいママ・パパにとって、すきま時間で情報収集できるメディアとして依然需要が高いのです。
子育て層向けの雑誌といっても、子育ての情報に特化したものやファッション誌など、いくつかのカテゴリーに分かれています。そのため、自社の商品・サービスがどの雑誌と親和性が高いのか、きちんと見極めることが重要です。
■Webメディア
上述のとおり、雑誌から派生してWebメディア化したものもあれば、子育て層向けのWebメディアとして新たに立ち上がったものも多くあります。
Webメディアは、スマートフォンやPCがあれば場所を選ばずどこでも閲覧でき、また、すきま時間に手軽に見ることができるため、忙しいママ・パパが効率的に情報収集できるメディアといえます。
■SNS
いまや、スマートフォンでの情報収集は当たり前となりましたが、ママ・パパにとっても重要な情報収集ツールの一つです。その中でも、Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、LINEといったSNSを情報収集メディアとして使う方が増えています。
■フリーペーパー
フリーペーパーは無料メディアのため、より多くの方に気軽に手に取ってもらいやすいというメリットがあります。配布方法はさまざまで、駅や商業施設のラックに設置、オフィスや幼稚園・保育園を通じて配布、直接ポスティングなどの方法があります。
また、フリーペーパーでは地域に根差した情報を提供することも多いため、特定地域のママ・パパ向けに訴求したい場合にも効果的です。
ただフリーペーパーの特徴として、詳細なセグメントやターゲティングをしづらい傾向があるため、自社の商品・サービスにはどのフリーペーパーが効果的か、しっかり検討して選定する必要があります。
子育て層向けメディア活用のポイント
次に、これらのメディアを活用して広告施策を実施する際のポイントを整理しておきましょう。
■すきま時間にアプローチする
厚生労働省の「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-」によると、共働き世帯数は年々増加しています。2021年のデータでは、夫が働き、妻が専業主婦という世帯は566万世帯なのに対して、共働き世帯は1247万世帯と2倍以上の世帯数となっています。
このことから、子育て以外でも忙しいママ・パパに効率的にアプローチするには、すきま時間で閲覧できるような広告メディアを選定する必要があるといえます。
例えば、PCではなくスマートフォンへの広告配信を選ぶ、配信する時間帯を工夫する、クリエイティブはわかりやすく情報量を限定するなど、ママ・パパの生活をイメージしながら広告施策を考えることが重要です。
■子どもの年齢まで考慮してターゲティングする
一口に子育て層といっても、子どもの年齢によって悩みやニーズは大きく異なります。
例えば、産後間もないママであれば、興味・関心事は産後の体型ケアや離乳食・オムツなどになりますし、子どもが就学する年齢のママ・パパであれば、習い事や大型連休の旅行情報などになっていきます。
そのため、子育て層をターゲットとする際は、子どもの年齢まで想定した詳細なターゲット像を設定し、そのターゲットに合うメディアを吟味する必要があります。
子育て層向けメディア10選
子育て層向けメディアの種類、活用のポイントを説明しましたが、ここからは具体的にどのようなメディアがあるのか、代表的な子育て層向けメディアを10個ご紹介します。
①たまひよ 【雑誌】【Web】
②HugMug 【雑誌】【Web】
③KIDSNA STYLE 【Web】
④cozreマガジン 【Web】
⑤Conobie 【Web】
⑥HugKum 【Web】
⑦ママスタセレクト 【Web】
⑧ママリ 【Web】
⑨mamatas 【Web】【SNS】
⑩あんふぁん、ぎゅって 【Web】【フリーペーパー】
※先ほどご紹介したメディアの種類にもとづき、各メディア名の後ろに種類を記載しています。
なお、公式SNSを保有するメディアが大半を占めるため、SNSメインで展開しているメディアのみ【SNS】と記載しています。
①たまひよ
◎読者層:20~30代の女性が約8割、第一子妊娠中を含めると、全体の98%は子持ち。
参考:https://jpm.sendenkaigi.com/a_detail/data/DFIL04-20230111094051.221027_Benesse_InternetAD_TMH.pdf
たまひよは、株式会社ベネッセコーポレーションが運営する子育て系メディアです。
1993年に創刊した雑誌『たまごクラブ』『ひよこクラブ』は今年で創刊30周年を迎え、いまやWebメディアからアプリまで、幅広いメディアで情報を提供しています。
「Enjoy1000days 生まれ、成長するあなたに『おめでとう』」をブランドメッセージに据え、妊活・妊娠・出産から子育て中のママ・パパを応援する情報メディアとして、妊娠の不安や悩み、出産準備、赤ちゃんのお世話、保活、仕事、お金のことなども取り扱っています。医師や専門家による監修も多く、信頼性の高いメディアです。
広告メニューは、長期タイアップ連載や特集記事タイアップ、オリジナルショートムービー制作、たまひよライブ(インスタライブ)など、多様なメニューを提供しています。
②HugMug
◎読者層:未就学児の子供を持つ情報感度の高いママ。25歳~30代が全体の85%を占める。
HugMug(ハグマグ)は、株式会社CCG TO運営の、雑誌・Webで情報を発信するママ・パパに向けたライフスタイルマガジンです。
トレンドのファッションやビューティ、センスのいい家など日々のライフスタイルを楽しくおしゃれに彩る今どきファミリーに向けた記事をお届けしています。
高感度なママ・パパ読者モデル「HugMugフレンズ」を起用した共感性の高いコンテンツや、若年層のママ・パパに刺さる切り口、クリエイティブが特徴です。
人気コンテンツNo.1のFAMILY SNAPでは、おしゃれなファミリーのファッションSNAPが日々更新されており、今どき親子のリンクコーデ術、話題のアイテムなど、リアルなトレンドをチェックできるのもポイントです。
広告メニューとしては、編集タイアップ以外にも、HugMugフレンズやインフルエンサー起用企画、インスタグラム連動企画やフォトコンテストなど、HugMugならではのメニューが多数あります。
③KIDSNA STYLE
◎読者層:未就学児の子供を持つママが全体の87%。子育てへの支出に積極的な層が多数。
参考:https://style-cp.kidsna.com/advertisement
KIDSNA STYLEは、子育て中のママ・パパに向けて、「育児や仕事」「子どもの遊びや教育」「健康」などの情報を届ける、株式会社ネクストビート運営の子育て情報メディアです。
専門家の意見や世界の事例なども紹介しながら、子育て世帯に新たな気づきや価値を提供します。
「妊娠」「出産」「教育」「健康」など子育てに関わる有益な情報から、「エンタメ」といった子育ての合間に楽しめるコンテンツまで幅広く取り上げています。
また、同社が運営する「KIDSNA園ナビ」とも連携しており、掲載する約2万7000件の全国の保育園・幼稚園を検索することが可能です。
広告メニューは、通常のタイアップ記事広告に加えて、保育園をキャスティングして記事制作する「保育園タイアップ記事広告」や、現役保育士が商品・サービスを客観的に評価し、その結果をさまざまなプロモーションや販促活動に活用できる「保育士認定サービス」など、KIDSNA STYLEならではのメニューも豊富です。
④cozreマガジン
◎読者層:妊娠中~未就学児の子供を持つママ・パパ(20~30代の若年層)がメイン。
cozreマガジンは、株式会社コズレが運営する子育ての喜びをもっと大きくする「子育てナレッジシェアメディア」です。全国のナビゲーター(ライター)が投稿・配信する子育てのノウハウやまとめ情報、ニュースは、親が抱える子育ての疑問・悩みを解決し、楽しく子育てをするための新たな発見につながります。
口コミやプレゼントキャンペーンなども充実しており、他社とタイアップしたオリジナルの子育てグッズの販売や、会員からのおすすめレシピ情報など、cozreならではのさまざまなオトク情報を得ることが可能です。
また、子育て関連商品・サービスの口コミや評判をまとめたページもあり、口コミ総数は20万件を突破しています。カテゴリーやランキングから選んで検索できるため、必要な口コミを探しやすいのも良いですね。
広告メニューは、記事タイアップのほか、メディア内のページ上部に固定表示される動画広告なども提供しています。
⑤Conobie
◎読者層:20~40代の子育て中のママがメイン。0~2歳の子供を持つママが60%を占める。
参考:https://business.conobie.jp/news_mediaguide
Conobieは、株式会社NTTドコモが運営する子育て系Webメディアです。
「子育てに、笑いと発見を」をコンセプトに、子育てのお悩みからほのぼの系まで、幅広いジャンルの連載漫画が用意されています。子育て中のママ・パパが、子育ての合間にほっと一息つけるようなメディアです。
連載コーナーでは、育児ブロガーやライターの方がつづる育児日記や漫画を多数読むことができ、子育て中のママ・パパの共感を得やすいコンテンツが豊富に用意されています。
広告メニューには、Conobie読者代表のコノビーアンバサダーを活用して記事制作できるプランもあるので、読者が自分ゴト化しやすいタイアップ記事の制作も可能です。
⑥HugKum
◎読者層:0~12歳の子供を持つママ・パパ。女性が約7割、年齢は25~44歳が約6割を占める。
参考:https://adpocket.shogakukan.co.jp/media/hugkum/
HugKum(はぐくむ)は、小学館が運営する乳幼児~小学生の子供を持つママ・パパのための育児情報メディアです。
幼児誌・学年誌『ベビーブック』『めばえ』『幼稚園』『小学一年生』や単行本に掲載された情報などをもとに、子育て層に役立つ情報をさまざまな角度から提供しています。
教育的な視点から、子どもと一緒に遊べるネタや子どもの夢を応援できるような一歩先をいく知育や科学、アート、スポーツ、フード、エンターテインメントなどの情報を網羅的に紹介しています。
監修者・専門家による記事が充実しており、専門的な情報を得られやすいのも特徴です。
広告メニューは、タイアップ広告に加えて、SNSブーストやサンプリングのご相談も可能です。
⑦ママスタセレクト
◎読者層:全体の98%が女性。子供の年齢は未就学児から高校生以上まで幅広い。
参考:https://select.mamastar.jp/ads
ママスタセレクトは、株式会社インタースペースが運営する、子育て系Webメディアです。
子育て・生活関連ニュース、コミュニティ、保育園検索、習い事や塾探しなど、ママ友・旦那・義母の話、教育コラム、行政の育児支援など、ママにとって役立つ情報を提供しています。
ママスタは日本最大級のママ向け情報プラットフォームで、「ママスタセレクト」以外にも、全国のママたちが交流できる掲示板「ママスタコミュニティ」や、有名人が子育て体験や家族を語るロングインタビュー「ママスタコラム」などのコンテンツも充実しています。
広告メニューの特徴としては、現役ママ編集部員によるママ目線の記事制作が可能で、かつ、コミュニティ・漫画/イラスト・インタビュー・動画など、幅広い企画を実施することができます。
⑧ママリ
◎読者層:20代後半~30代前半が中心で、25~34歳が全体の63%。子供の年齢は0~5歳以上と幅広い。
参考:https://sales.mamari.jp/contact/
ママリは、コネヒト株式会社が運営する妊娠・出産・子育ての疑問を解決する女性のためのニュースサイトです。
妊活から妊娠、出産に至るまでの子育てママの状況に応じて、必要な情報が体系的にまとめられているため、自身の状況をふまえ情報を見つけやすい構成になっています。また、同じ状況にあるママ・パパの抱える悩みを知ることができるため、自分では気づかない情報も得やすく、今後の育児に活かすことができます。
トップページでは、妊活~妊娠初期・中期・後期~出産…というように細かくカテゴリー分類されているため、自分が必要な情報を探しやすいです。
また、ママリの監修には多数の医師、専門家が入っており、掲載情報の信頼度が高いのも特徴です。
広告メニューには、Webタイアップ記事やInstagramを活用したユーザー参加型キャンペーン、Q&Aアプリ内でのプレゼントキャンペーンなど多様なメニューがあり、広告主のニーズに合わせて使い分けたり、組み合わせたりすることができます。
⑨mamatas
◎読者層:家事や育児、仕事に忙しい若いママ。25~34歳が50.2%で過半数を占める。
参考:https://www.biz.mamatas.net/
mamatas(ママタス)は、C Channel株式会社が運営する、ママライフや育児を応援するママ向け動画マガジンです。育児に関する情報、家事の時短や節約術、毎日がさらに楽しくなる動画を紹介しています。
動画マガジンのため、主にInstagramで情報を提供しており、公式Instagramのフォロワー数は約76万人(2023年10月時点)と国内最大規模を誇ります。
広告メニューには、「ネイティブアド」というオーガニックコンテンツに近い形式で商品・サービスを紹介するものから、インフルエンサー施策と連動した展開、LIVE配信、モニター調査やサンプリングなどがあり、さまざまな広告展開が可能です。
⑩あんふぁん、ぎゅって
◎読者層:あんふぁん…高感度な専業主婦の幼稚園ママとその子供たち(3~6歳)
ぎゅって…仕事・家事・子育てを楽しむ共働き家庭(0~6歳)
参考:https://kodomoliving.co.jp/media/enfant/・https://kodomoliving.co.jp/media/gyutte/
小学館グループの株式会社こどもりびんぐが発行するフリーマガジンで、幼稚園で配布される「あんふぁん」と保育園で配布される「ぎゅって」の2つがあります。
あんふぁんは、ママたちの実体験や口コミをもとにした、ママたち自身が主役の共感メディアです。子育てはもちろん、行事の過ごし方、パパと共に築く家庭のありようなど、生活を豊かにする工夫を大切にする高感度の幼稚園ママをターゲットとしています。
ぎゅっては、毎日が時間と勝負の共働き家庭にぎゅっと寄り添い、応援するメディアです。働くママとその家族をターゲットとして、時短の工夫や家事のやりくり、夫婦の役割分担、働き方など、共働きならではのワーク&ライフスタイルに寄り添う企画が支持されています。
あんふぁん、ぎゅってともにWebメディアも展開しており、子育て層に幅広く支持されています。
広告メニューは、一般的な雑誌広告同様に、タイアップ広告か純広告を選ぶことが可能です。
まとめ:メディア選定の前に、広告コミュニケーション戦略が重要
本コラムでは、代表的な子育て層向けメディアを10個ご紹介しました。
今回ご紹介したメディアを見て分かるように、同じ子育て層向けメディアでも特徴や提供する情報がそれぞれ異なります。
広告施策を実施する際には、子育て層の中でも誰をターゲットにしたいかを明確にして、自社の商品・サービスとの親和性が高いメディアをしっかり吟味し選定することが重要です。
当社には、イマドキの子育て家族のインサイトを捉え、企業と家族の最適なコミュニケーションを発見・創造することをミッションとした、子育て家族専門のプランニングチーム「イマドキファミリー研究所」があります。
所属するメンバー全員が戦略プランナーであり、共働き育児経験者のため、プランナーとしての視点だけでなく、子育てをする当事者としての視点でコミュニケーションを設計することが可能です。
そんなイマドキファミリー研究所では、コミュニケーション戦略立案からメディアプランニング・選定、施策実施後の効果検証までトータルサポートする「広告コミュニケーションパッケージ」を提供しています。
・子育て層向けにメディアを活用して広告を実施したいが、ターゲットをどう絞り込むか悩んでいる
・子育て層向けメディアの種類が多く、どのメディアが良いのかわからない
・複数メディアで広告展開したいが、どうメディアを組み合わせるのが効果的か知りたい
このようなお悩みを持つ方は、ぜひ「広告コミュニケーションパッケージ」を活用してみてください。
イマドキファミリー研究所「広告コミュニケーションパッケージ」
また、具体的な広告施策を実施する前に、子育て層のインサイトやニーズについて詳しく知りたいというマーケティング・宣伝担当の方には、イマドキファミリー研究所のメンバーが講義形式でご説明する企業向け「子育てファミリーマーケティング勉強会」もおすすめです。
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子育て層に関する広告・マーケティングにお悩みの方は、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください!