【IPコンテンツ】基礎知識からプロモーション活用のコツまで解説!

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
今回のテーマは「IPコンテンツ」です。

「IP」や「IPコンテンツ」がマーケティング領域において具体的に何を指すのか、自社のマーケティング活動にはどう活かせるのか、なかなかイメージしづらい方が多いのではないでしょうか。

本コラムでは
・IPとは
・IPコンテンツの種類
・IPコンテンツ活用のメリット・デメリット

などの基本情報を解説するとともに、実践フェーズに役立つ
・IPコンテンツを活用したプロモーション成功のポイント
までご紹介します。

IPコンテンツのプロモーション活用を検討されている方に向けて、マーケティング実践のヒントになるコラムです。
 
 

 

IPコンテンツとは

IPとは=知的財産

 

IPはIntellectual Property(インテレクチュアル プロパティ)の略で、「知的財産」のことです。人間の知的な活動によって創造された財産的価値のある情報すべてを指します。

知的財産基本法では次の通り定義されています↓

この法律で「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む。)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいう。

知的財産の種類は、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、回路配置利用権、著作権、著作隣接権、育成者権、営業秘密などがあり、これらを総称して「知的財産権」と呼びます。
 
 

IPコンテンツとは


IPコンテンツとは、上記の知的財産権により保護されるコンテンツ全般のことです。
以下がわかりやすい例です。

・アニメ
・漫画
・映画
・キャラクター
・ゲーム
・小説  …などなど

これらのIPコンテンツは知的財産基本法に基づき、知的財産権により保護されているため、他人が創作したIPコンテンツを無断で使用することは違法です。使用するためには権利保有者の許可や使用料(ライセンス料)の支払いが必要となります。IPコンテンツが許可なく使用された場合は、使用の差し止めや損害賠償の請求が可能です。これは有名な作品・キャラクターに限ったことではなく、知名度に関係なくどのコンテンツにも知的財産権は存在します。

※法令についてはこちらを参照:e-GOV「知的財産基本法」

 
 
 

IPコンテンツの種類:自社IPと他社IP

IPコンテンツは「誰が保有するものか」で、自社IPと他社IPの2種類に大別されます。

自社IP


文字通り、自社で創作した作品やキャラクターのことです。
自社で作成したIPコンテンツであれば当然ながら自社で自由に使用することが可能です。反対に他社は無断で使用することはできません。

例えば『スーパーマリオ』というゲーム作品シリーズを生み出した任天堂株式会社にとっては、「スーパーマリオブラザーズ」というタイトルもキャラクターである「マリオ」や「ルイージ」も自社IPにあたります。

◆自社IPのメリット
・自社のブランド価値向上につながる
・利益を自社ですべて回収できる
・他社に貸し出すことでライセンス収入が得られる


知名度が高かったり、人気がある独自のIPを保有していることは他社との差別化ポイントとなり、ブランド価値を高めることにつながります。
またIP使用に費用がかからないためキャッシュアウトを抑えられ、発生した利益は100%自社のものとなります。反対に自社IPを他社に貸し出す場合には、ライセンス料を得られるため新たな収入源になる点もメリットです。

◆自社IPのデメリット
・創作にコスト・リソースを割く必要がある
・広く認知されるには時間がかかる
・ヒットする保証がない

すでに有名な自社IPを保有している場合は大きなデメリットはありませんが、新たに自社IPを創作・育成する場合にはかなりの覚悟が必要です。
まず作品やキャラクターを作り出すには、アイデアやコストが必要です。そして作り出してから認知されるまでにさらに時間やコストがかかります。加えて、開発したコンテンツが必ずヒットする保証はありません。人気が出なかった際には開発にかけたコストが回収できないリスクがあります。
 
 
 

他社IP


他社が保有する作品やキャラクターのことです。
例えば、人気漫画のキャラクターが企業のCMに登場するのはわかりやすい例です。これは当該企業が漫画のIP保有者である出版社にライセンス料を支払うことで、自社のプロモーションにキャラクターを活用しているケースです。

◆他社IPのメリット
・コンテンツを創出する時間・手間・コストが削減できる
・コンテンツの知名度やファンベースを利用できる
・集客や売り上げを見込みやすい


まず自社IPのようにコンテンツを作ったり育てたりする必要がありません。時間をかけずに即コンテンツの人気にあやかることができます。すでに知名度があったりファンがいるIPコンテンツを活用すれば、これまで自社と接点がなかったコンテンツファンを自社の新規顧客として獲得できる可能性が生まれます。
また活用するIPコンテンツの人気次第である程度の効果を見込めるので、売り上げなどの見通しも立てやすくなります。


◆他社IPのデメリット
・使用料(ライセンス料)がかかる
・制限・条件があって自由度が低い
・意思決定のスピードが落ちる


他社IPを活用するには権利元へ使用料の支払いが必要です。使用料は作品やキャラクターごとに違い、有名IPになるほど使用料も大きくなります。
また権利元は作品やキャラクターのイメージ・世界観を守るために利用制限や契約条件を設けており、使用料を払ったからといって好き勝手に使用できるわけではありません。企画内容やクリエイティブは権利元の監修を受ける必要があるので、どうしても意思決定のスピードが落ちてしまう傾向があります。
 
 
 

自社IPコンテンツの開発

自社IPコンテンツの新規開発には相応の覚悟(時間・労力・コスト)が必要というお話をしました。しかしゲーム会社やメディア会社などコンテンツ制作を専門としている企業以外でも、自社でキャラクターを開発して成功している企業は数多く存在します。

例えば、2020年に生誕70周年を迎えた不二家の「ペコちゃん」は大変秀逸な例です。
1950年に不二家洋菓子店の店頭人形としてデビューしたペコちゃんは看板商品であるミルキーのパッケージ、CMをはじめさまざまな場所に登場し、いまや不二家を象徴する存在に成長しました。

 
その人気は自社のマスコットキャラクターの域を超えて、他社とのタイアップを数多く生み出すIPコンテンツとしても利益をもたらしています。
70周年に際しても下記のようなコラボ商品が登場しました。
 
◎香水:アクア シャボン(株式会社ウエニ貿易)

 
◎リップクリーム:DELICIOUS LIPCREAM(株式会社サン・スマイル)

 
◎腕時計:UNDONE(株式会社UNDONE JAPAN)

 
 
 

他社IPコンテンツのプロモーション活用

IPコンテンツをプロモーションに活用すると、さまざまな効果が期待できます。一つのプロモーションの中でもブランディング&販売促進、認知獲得&販売促進のように複合的な効果が生まれますが、ここではわかりやすく3パターンに分けてご紹介していきます。

 

企業が、有名なIPコンテンツを通じてメッセージを発信することで、多くの生活者の認知や共感を得る手法です。
 

ONE PIECE×丸紅株式会社:企業広告

©尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 
丸紅グループがめざすべきビジョン「Global crossvalue platform」を、『ONE PIECE』の世界観と重ね合わせて、「できないことは、みんなでやろう。」をスローガンとし取り組む企業姿勢を発信しました。
 

 
 

キャンペーンにIPコンテンツを絡め、コラボノベルティなどを用意することで、商品・サービスの購入につなげる手法です。 
 

進撃の巨人×NewDays:コラボプレゼントキャンペーン

 
NewDaysが、テレビアニメ『進撃の巨人』の新シーズン放映に合わせて、商品購入でオリジナルグッズをプレゼントするマストバイキャンペーンを実施。コアファン層による商品購入を促しました。一部店舗ではすぐにグッズが配布終了となるなどファンを中心に大きく話題になりました。

※事例の詳細はこちら 

 
 

IPコンテンツを使ったオリジナル商品を開発・発売し商品購入を促す手法です。パッケージにキャラクターのビジュアルが使われたり、商品そのものをキャラクターの形にしたりするのが一般的です。
 

ゴールデンカムイ×サッポロビール株式会社:限定デザイン商品

 
サッポロビールが、北海道を舞台にしたテレビアニメ『ゴールデンカムイ』とタイアップし、限定デザイン商品「ゴールデンカムイ缶」を期間限定・数量限定で販売。2018年から継続する大好評の商品化企画となっています。
商品化に合わせて、抽選でオリジナルグッズが当たるキャンペーンなども開催し盛り上げを図っています。

※事例の詳細はこちら 

 
 

★合わせて読みたい ↓
IPコンテンツと企業のコラボについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。

https://online-soudan.jeki.co.jp/information/blog/content/company_collaboration/

 
 
 

IPコンテンツ活用プロモーション 成功のポイント4つ

➀商材とIPコンテンツのマッチングを重視
➁作品の世界観を尊重
➂限定感のあるオリジナルグッズを用意
➃SNSを絡めてファンが盛り上がれる仕掛けを

 
 

 
まずは商材と親和性の高いIPコンテンツを選定することが重要です。
例えば若年女性がメインターゲットの商材であれば、若年女性ファンが多いIPコンテンツを起用するという考え方です。商材とIPコンテンツにミスマッチがあると十分な効果を得られないだけでなく、ブランドイメージの毀損にもつながりかねません。むやみに知名度が高いキャラクターを選ぶのではなく、自社ブランドや商材のイメージにマッチするかどうかを見極めましょう。

一方で従来の顧客層とは異なる新たな顧客獲得を目的として、あえてイメージの異なるIPコンテンツと組むというケースもあります。その意外性がうまく作用する場合もありますが、その分難易度が高いので十分に検討が必要です。
 
 

 
企業本位の企画や、人気にあやかろうと取って付けたようなキャンペーン・商品を仕立てると、コンテンツファンから反感を買ってしまうリスクがあります。作品をきちんと理解した上で、その世界観をプロモーションに反映することが大切です。
例えばキャラクターの持つストーリーや性格をデザインやコンセプトに落とし込むことでファンの共感や納得感を生み出します。ファンが喜ぶ企画になれば、自然に参加・購入してくれるようになります。
つまりコラボするIPコンテンツへのリスペクトこそが、成功のポイントです。
 
 

 
魅力的なオリジナルグッズを用意することは販売促進の近道です。
重視すべきポイントはこの3つです。

・オリジナル性(ex.このキャンペーンでしか手に入らない)
・希少性(ex.期間限定、個数限定などの限定感)
・コレクション性(ex.キャラクター別に〇種類のラインナップ)


商品化の場合も同様で、複数のパッケージを用意するなど、ファンが集めたくなる気持ちを上手に活かすことでリピート購入につなげることができます。
 
 

 
企業が普通に商品情報を発信してもSNSで話題になることはほとんどありませんが、IPコンテンツが絡むと話は別です。コンテンツのファンはSNSやWeb上で常に情報を探しており、新たな情報を見つけたら、それをファン同士でシェアしてくれます。うまく仕掛けを作ることで、自発的にファン同士で情報拡散してくれる可能性が高まります。
例えば情報解禁を段階的に行う、ファンが情報収集・拡散をしやすいように専用のハッシュタグを作るなど、ファンが盛り上がれる仕掛けをプラスして、効率的に施策の認知を広げていき、販売促進や新規顧客の開拓につなげましょう。 
 
 
 

まとめ

以上、IPコンテンツについて解説しました。
IPコンテンツを上手に活用することでプロモーションの幅が広がり、販売促進や新たな顧客層の獲得にもつながることがご理解いただけたのではないでしょうか。

本コラムでご紹介したこと以外にも、IPコンテンツ活用のノウハウを凝縮した資料をご用意しています。ご興味のある方はこちらからダウンロードしてみてください。
 

 
ただし、IPコンテンツの利用には専門的な知識やノウハウが不可欠です。もしもプロモーションをご検討の場合は、広告会社などプロを頼ってみてください。
 
 

IPコンテンツ活用プロモーションなら、キクコト「キャラ活マーケティング」へ

 

 
当サイトの運営会社であるジェイアール東日本企画は総合広告会社として、数多くの企業とIPコンテンツのコラボプロモーションを手掛けてきました。販売促進プロモーションや商品化のプロデュースはもちろんのこと、大型イベントや各種メディアを絡めた広告展開まで幅広い実績があります。
 

 

 
 
貴社の課題に応じて、最適なIPコンテンツのご提案やプロモーション企画の立案からトータルでサポートが可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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