こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
広告・マーケティングに“効く”コラム、今回のテーマは「新幹線広告」についてです。
新幹線は、今や函館から鹿児島まで日本列島各地をつなぐ大動脈であり、さまざまな人々の長距離移動を支える重要な交通手段となっています。
この長距離高速鉄道網を「広告メディア」の視点で捉えると、ユーザー属性や接触状況など他メディアにはないユニークな特徴が見えてきます。
当コラムは、「新幹線 広告」と検索した方に、単なる媒体情報だけでなく、さまざまな角度からの考察も含めて、新幹線広告を出稿する意義について解説します。
特に
・ビジネスユーザー
・旅行好きのアクティブシニア層
をターゲティングしたい方におススメの内容です。
■新幹線基礎データ
はじめに新幹線の基礎データを確認します。
●2023年度 JR各社新幹線の、延べ乗車人員
3億4588万人(国土交通省「鉄道輸送統計月報(概要)」より筆者が算出)
コロナ禍で一時落ち込んだ利用客数も、2019年度の4億1,550万人の約83%まで戻りつつあります。
■新幹線ユーザーのプロフィール
さまざまな人がそれぞれの目的で新幹線に乗車しますが、平日は
・ビジネスパーソン(出張、通勤含む)
・アクティブシニアなどの旅行者
が約7~8割を占め、週末には、家族連れや若い年代の趣味や旅行も多く、多彩な乗客が乗り合わせる傾向にあります。
◎東海道・山陽新幹線
下図は、東海道・山陽新幹線の調査データですが、ビジネスユーザーが過半数を占めます。
性・年代別利用者
上の2つのグラフから、東海道・山陽新幹線は40代・50代の男性ビジネスマンがボリュームゾーンであることがわかります。60代の男女合わせて13.1%という数字も、旅行需要を中心に見逃せない層です。
◎東日本エリアの東北・上越・北陸新幹線
一方、東日本エリアの東北・上越・北陸新幹線は、ビジネスパーソンと旅行者で約7割を占めるものの、その内訳は全く異なります。
調査データからは、東海道・山陽新幹線が、
出張・ビジネス52.3%、観光旅行17%なのに対して、
東日本エリアの新幹線は、
観光・レジャー47.7%、出張・ビジネス19.9%
と、構成比率が全く逆であることがわかります。
性・年代で見ると、男性は約30%がビジネス・出張目的(青枠)に対して、60代以上の観光・レジャー目的のユーザーが約50~70%と突出(赤枠)。「旅行好きのアクティブシニア」というユーザープロフィールが、ぐっと浮上してきます。
これは、東海道・山陽新幹線が首都圏と名阪神・博多という大都市圏間をつなぐ路線であるのに対して、東日本エリアの新幹線は、すべて首都圏と地方を結ぶラインであることからも利用者のプロフィールが想像できると言えるでしょう。
※他の路線については、省略します。
■新幹線広告のメリット
●高いターゲティング性
新幹線の利用者は、ビジネスパーソンや旅行者など特定層の比重の大きさが明確なため、ターゲティングしやすいメディアと言えます。
●長時間の露出・接触
移動時間が長いため、他のメディアに比べ広告に接触する時間も長くなり、広告効果が期待できます。
●高い視認性
まず新幹線車内には、広告物が少ないという前提があります。そのため密閉された空間内で目に留まりやすく、認知されやすいメディアです。
●反復効果
通勤や出張で定期的に新幹線を利用するユーザーには、高い反復(フリークエンシー)効果があります。
■新幹線広告の種類
新幹線の広告にはさまざまな種類がありますが、以下の3つのカテゴリーに分けて、ご説明します。
①駅メディア
・集中貼り
新幹線主要駅のホームに向かう階段・エスカレーターの壁面にB0判のパネルを掲出します。 新幹線利用者に対し短期的・集中的・効果的に訴求します。
東京駅新幹線改札内集中貼りは、6枚連続の集中貼りが可能です。
※その他、ホーム上には通常のポスター広告やサインボードも設定されています。
・デジタルサイネージ
新幹線利用者の動線上に掲出されるデジタルサイネージは、映像で印象的に情報を伝えることができ、広告認知度の高いメディアです。また改札付近の設置場所は、複数回の視聴による刷り込み効果も期待できます。
・ホームドアシート
東海道・山陽新幹線「のぞみ」停車駅(東京駅、品川駅、新横浜駅、名古屋駅、京都駅、新大阪駅の6駅)のグリーン車付近ホームドアにシート広告をセットで展開するメディアです。
もともとホームドアは安全対策として設置されているため、そこにある広告は乗客の視界にも入りやすく、視認性に優れています。また、新幹線の到着までホームドア広告を見る時間が比較的長いので、記憶に残りやすいという特性があります。
グリーン車ユーザーである経営者層、高所得者層に対して強い訴求効果も期待できます。
※駅メディアは、駅の乗降客数により料金が異なります。
②車内メディア
・ドア横の額面広告
ビジネス・旅行利用のユーザーをターゲットにした広告メディア。新幹線の車内は、広告物が少ないので視認性が高く、接触時間も他のメディアに比べ長いため記憶に残りやすく、広告認知度は高い傾向にあります。
デッキでの電話やトイレで通路に立つたびに、広告が目に入ってきた記憶がある方も多いのではないでしょうか。
(※東海道新幹線は、同メディアを「ボード」と呼びます)
※その他、新幹線の車内広告には、
・デッキの額面広告
・電光文字広告
なども設定されています。 ※上記の車内広告は、新幹線の路線により料金が異なります
・車内サービス誌
座席前のポケットに搭載され、自由に持ち帰ることができる無料情報誌。冊子スタイルは長時間移動に適しており、「手に取って読む」という能動的な行為により、内容が記憶に残りやすくなります。この特長を活かして、広告にも詳しい情報を載せて商品理解を深めることができます。
・
●「Wedge」東海道・山陽新幹線のグリーン車のシートポケットに搭載。ビジネスパーソン
向けの情報誌。参考数値:グリーン車座席数|約214万席/月
●「ひととき」 東海道・山陽新幹線のグリーン車のシートポケットに搭載。旅行客向けの情報誌。
参考数値:グリーン車座席数|約214万席/月
https://www.wedge.co.jp/common/dld/pdf/70910fad4b22c79ec11368c41c352764.pdf
●「トランヴェール」JR東日本が運行する新幹線(北海道・東北/上越/山形/秋田/北陸)の全座席の
ポケットに搭載。東日本各地 の歴史・文化など地域の魅力を紹介する情報誌。参考
数値:閲覧可能者数|約630万人/月平均
車内サービス誌の中でも、全座席のポケットに搭載され、特に閲覧者数が多い「トランヴェール」について、さらに詳しく解説します。
●月平均630万人の閲覧可能者数
JR東日本の新幹線の全座席に搭載されている「トランヴェール」は、閲覧可能者数が約630万人/月平均(各駅の乗車人員2022年度より算出)と、圧倒的なリーチを誇る広告メディアです。
●高品質なコンテンツ
東日本各地の観光スポットや文化、食を中心に取り上げ、地元の特産品やグルメ情報、季節のイベントなど、旅行者に有益な情報を網羅。インタビュー記事や特集記事も掲載され、読み応えのある内容となっています。
●50代以上、中でも旅行好きのアクティブシニアにもターゲティング可能
「トランヴェール」は、JR東日本の新幹線の利用者全般をターゲットとしていますが、シニア層に向けた広告も多く見受けられます。
その理由として、
・退職後の余暇を楽しむための旅行や、孫との家族旅行で利用するケースが多い
・経済的に比較的余裕があり、旅行や趣味にお金を使う傾向がある
・シニア層は健康、旅行、文化、グルメに高い関心を持っています。これらの分野はトランヴェールの内容と一致しており、広告との親和性が高い
などが挙げられます。
◎シニア向け広告の業種例
・健康商品・サービス
健康食品やサプリメント、温泉やリラクセーション施設、健康に関連する商品やサービスの広告
・文化・趣味関連
伝統工芸品や美術展、音楽イベントなど、文化や趣味に関連する広告。
・観光・宿泊施設
旅行先の観光施設や宿泊施設のプロモーション、旅行の際に役立つ広告。
合わせて読みたい!
トランヴェールを活用したプロモーション事例も紹介しています。
③オンラインメディア
ここまで、新幹線を利用するビジネスパーソン、旅行者、シニアなどにリアル(オフライン)でアプローチできる広告媒体についてご説明しましたが、現在は顧客データを活用して新幹線ユーザーをセグメントするWeb広告配信もできるようになりました。以下、その例をご紹介します。
■JR東日本の新幹線利用者をターゲティングしてWeb広告配信する「JRE Ads」
「JRE Ads」は、JR東日本グループのさまざまな顧客データをWeb広告配信に活用するサービス(いわゆるCDPデータ広告)ですが、顧客データから「JR東日本の新幹線利用者」を抽出して広告配信することが可能です。
このソリューションを使えば、新幹線に乗車中の「出張の多いビジネスパーソン」や「旅行好きのアクティブシニア」に効率よく広告を配信することができます。
JRE Ads(JR EAST顧客データ活用Web広告サービス)とは?
JR東日本グループの顧客データ(移動、購買の履歴データ)を、さまざまなビジネスに合わせてセグメントし、Web広告配信に活用するオリジナルサービスです。Suicaデータ、「えきねっと」会員データ、「大人の休日俱楽部」会員データ、ビューカード会員データ、JREモール購買データ他と、Google広告などの媒体セグメント機能を掛け合わせて、効率の良い広告配信を実現します。
●広告配信例①
商 材:有料ニュースサイト
ターゲット:ビジネスパーソン
セグメント:「えきねっと」で新幹線予約、「トレインデスク」予約、ビューカード会員、
新幹線改札通過、「ステーションワーク」利用
配信メディア:Google Yahoo! Facebook X
●広告配信例②
商 材:首都圏の新規オープンホテル
ターゲット:アクティブシニア
セグメント:「えきねっと」で新幹線予約(地方から首都圏への旅行者に限定)
「大人の休日俱楽部会員」(50歳以上の旅行会員組織)、ビューカード会員、
配信メディア:Google Yahoo! Instagram
上記事例とは別に、50歳以上の旅行好きが集まる「大人の休日俱楽部」会員にアプローチする「大人の休日俱楽部」会員誌広告とJRE Adsをセットにした「リーチ&ターゲティングプラン」も効果的です。
専用ページはこちら ➡ https://online-soudan.jeki.co.jp/information/blog/senior/otona_jreads/
広告配信例③
商 材:資産運用コンサルティング
ターゲット:高所得層のシニア
セグメント:えきねっとでグランクラス(グリーン車も含む)予約、ビューゴールドカード会員
配信メディア:Google Yahoo! Facebook
●グランクラスの乗客をセグメントして、Web広告配信が可能です
グランクラス(GranClass)とは、“新幹線のファーストクラス”と呼ばれる特別車両で、JR東日本管内の東北・北海道新幹線、北陸新幹線、上越新幹線に設けられています。
相性の良い業種
・高級ホテル
・リゾートマンション
・高級車などの高価格帯の商品
・資産運用
例にあるような、長距離移動に適したサービスや旅行に関連する商品、高価格帯の商品など、購買意欲が高まりやすいシーンに限定してターゲットにリーチします。
その他、相性の良い業種
・法人向けサービス(人事労務業務支援サービス、SaaSなど)
・電子書籍などのソフトウェアサービス
・観光誘客や移住促進をしたい地方自治体
新幹線ユーザーのターゲティングに効果を発揮する「JRE Ads」の、
料金や条件など詳細資料をご希望の方はこちらからダウンロードを!
■新幹線ユーザーはSNS利用率が高く、情報発信力がある
近年の新幹線ユーザーは、日常の出来事から出張先や旅先、移動中に見たことなどリアルでの体験をSNSに投稿し、シェアする傾向があります。
ドラマ「#居酒屋新幹線」の人気に見る、昨今の新幹線ユーザー像
出張帰りの密かな楽しみを描いたドラマ「#居酒屋新幹線」(原作:天宮さろん、KADOKAWA、ジェイアール東日本企画)のヒットにも、その傾向が伺えます。同作は、あるビジネスマンが出張先で出合った美味いものを買い込み、帰りの新幹線で一人楽しむというシチュエーションドラマ。劇中でも、お酒やおつまみの写真を撮りSNSに投稿、フォロアーが反応するというシーンが毎回繰り広げられます。
このドラマの影響からか、出張帰りのビジネスパーソンが「居酒屋新幹線、開店します」の投稿で自らの体験をシェアしている様子が数多く見られました。反響の大きさに、続編「#居酒屋新幹線2」も制作されました。
■新幹線ユーザーへの広告は、オン・オフ両面アプローチがより効果的
このように新幹線の乗客は、リアル(オフライン)とオンラインをシンクロさせて情報の収集や拡散を行っており、広告接触においてもオンライン・オフライン両面からアプローチする手法が理にかなっています。
ビジネスパーソン、アクティブシニアなど新幹線利用者へのターゲティング広告のシナリオは、ジェイアール東日本企画がご提案します
新幹線広告に限らず、マーケティングの目的は売りにつながるシナリオを作ることです。
ビジネスパーソン、旅行好きのアクティブシニアに対して
・認知メディアである新幹線駅広告
・理解促進に有効な新幹線席サービス誌広告
・CV目的のWebターゲティング広告からLP/サイトへ
これらを効果的に組み合わせ、御社のビジネスに最適なメディアプランをご提案いたします。当サイトを運営するジェイアール東日本企画にお気軽にご相談ください。
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