こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト シニアターゲティング」編集部です。
今回のテーマは超高齢社会が進む日本において拡大し続ける「100兆円シニア市場」です。このシニア市場の現状とシニア市場攻略のためのポイントをお話しします。
・これからシニア向け商材・サービスの展開を検討している方
・シニア向けプロモーションの打ち手にお悩みの方
・シニアに効率的にアプローチする方法を探している方
このような方々の課題解決のヒントになれば幸いです。
拡大を続けるシニア市場
◆市場規模は100兆円
旧みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)産業調査部によると、2025年までにシニア市場の規模は100兆円を超える見通しです。内訳としては、「医療・医薬産業」「介護産業」合わせて約50兆円、「生活産業」で約51兆円と予想されています。
医療や介護だけでなく、生活の質が向上する教養・娯楽などの市場にも波及する点は特徴と言えます。これにより直接的・間接的に影響を受ける産業が多く生まれることは注目すべきポイントです。
◆3人に1人がシニアの時代へ
シニア市場拡大の最も大きな要因は、高齢者人口の増加です。総務省の推計によると、2022年9月時点の日本の65歳以上人口は約3,627万人、総人口に占める割合は29.1%となっています。すでに日本人の4人に1人以上がシニアなんですよね。
今後も65歳以上人口は増加傾向が続き、2042年に3,935万人でピークを迎えると推計されています。そして少子化の影響を受けて総人口が減少する中で、65歳以上の人口が増加することにより、2036年には33.3%に及び、人口の実に3人に1人がシニアという時代が訪れます。
この高齢化率(65歳以上の人口比率)は、世界的に見ても非常に高く、日本は世界一の高齢化率国なのです!
▼高齢化の推計と将来推計
▼世代別金融資産分布状況
◆60歳以上が6割の資産を保有
続いて、世代別の保有金融資産について見てみると、60歳以上が占める金融資産の割合が全体の6割を超えることがわかります。平成元年時点では31.9%ですから、この30年ほどでその割合が倍増しているんですね。
金銭的に余裕があり、多くの貯蓄を抱えていることからもシニア市場の高いポテンシャルを読み取ることができます。
▼世代別金融資産分布状況
攻略ポイント①:シニアを細分化して考える
◆シニアの分類
一口にシニアと言ってもその数は3,500万人以上。それを一括りに「シニア/シニア市場」とターゲティングした気になってしまうことはシニアマーケティングのよくある失敗です。
いわゆる「シニア」の中には、さまざまなライフスタイル、健康状態、趣味嗜好を持った人々がいます。そのため年齢や性別だけで分類するのも正しい方法とは言えません。
ここでは代表的な分類をご紹介します。
・アクティブシニア
アクティブシニアとは、身体的に健康で行動的、かつ意欲的に仕事や趣味の活動に取り組む活発な高齢者を指します。
自立意識が高い、健康に対する意識が高い、新しい価値観を柔軟に受け入れるといった特徴を持っています。
・ノンアクティブシニア
アクティブシニアとパッシブシニアの中間に位置する層です。
身の回りのことは自分でできる程度に健康的ですが、アクティブシニアと比べると、在宅志向が強いのが特徴です。自身の健康や生活・経済面など、今後の人生に漠然と不安を抱えており、積極的に活動しきれない傾向があります。
・パッシブシニア
パッシブシニアとは、日常的に家族や医療従事者、介護スタッフなど第三者の支えが必要な、要介護状態のシニアのことです。
高齢になればなるほどその割合は多くなります。 収入源は年金のみの場合がほとんどで、介護度合いにもよりますが、日常生活範囲が狭くなってくるのが特徴です。
この分類は一例で、この他にも各研究機関がさまざまな分類を提唱しています。
◆シニア市場攻略のカギはアクティブシニア
いずれの分類をした場合でも、マーケティング上、最も注目するべきは「アクティブシニア」です。なぜならアクティブシニアは消費者としての市場ポテンシャルが他のシニア層に比べて非常に高いからです。
アクティブシニアの特徴をこちらに挙げてみましょう。
・健康で活動的
・仕事や趣味に意欲的
・旅行や買い物、学びなど自分のためにお金をかける
・健康維持に対しても意識が高い
・社会とのつながり、他者とのつながりを大切にする
・時間的・金銭的に余裕がある
いかがでしょう、これを見るだけでもさまざまな産業でビジネスチャンスがありそうですよね。このアクティブシニアを押さえることがシニアマーケティング成功のカギと言っても過言ではありません。
※アクティブシニアについて、より詳しく知りたい方はこちらのコラムも併せてご覧ください↓
それでは、このアクティブシニアにはどうアプローチしたらいいのでしょうか?
攻略ポイント②:シニアへのアプローチ
◆シニアのメディア接触状況
最適なアプローチ方法を検討するにあたり、まずはシニアがどのようにメディアに接触しているのかを知ることが重要です。
総務省情報通信政策研究所の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、60代のインターネット行為者率と行為時間は共に年々伸びていることがわかります。
また60代の70%以上がインターネットを利用しており、他のメディアとの比較でもテレビに次いで2番目に多くなっています。
▼【経年】[平日]「インターネット利用」の平均利用時間・行為者率(年代別)
▼【令和2年度】[平日]主なメディアの行為者率・行為者平均時間(全年代・年代別)
さらに「趣味・娯楽に関する情報を得る」メディアという問いでは、60代でもインターネットがトップとなり、日々の情報収集に欠かせないメディアになっていることがわかります。
▼【令和2年度】「趣味・娯楽に関する情報を得る」(最も利用するメディア)(全年代・年代別・インターネット利用/非利用別)
シニア世代においてもインターネットの影響力が増していることがよくわかりますね。
しかしその一方で、シニア世代においてはテレビ・新聞・雑誌といったメディアが未だに大きな影響力を持っていることも忘れてはいけません。
上のデータを見ると、(テレビが大きなパワーを持っているのは言わずもがなですが)新聞や雑誌といったアナログの紙媒体が一定のポジションを保っていることは注目に値します。
近年、紙媒体の広告価値低下が叫ばれていますが、60代では必ずしもそう言えないのが大変興味深いポイントです。
(今回の調査に含まれていない70代以上ではさらにその割合が高まると推測できます。)
ポイント
・シニア層には紙媒体も有効
・デジタルとアナログ両面からのアプローチが必要
他の年代とは全く違うメディア接触傾向を持つシニア層。このシニア層にアプローチするには、アナログとデジタルを組み合わせたメディア戦略を策定する必要があります。
アクティブシニア向けおすすめメディア 「大人の休日俱楽部」会員誌
ここでアクティブシニアへのアプローチにおすすめの広告メディアを一つご紹介します。
みなさん、「大人の休日倶楽部」をご存じでしょうか?吉永小百合さん出演のCMやポスターを見たことがあるという方は多いと思います。「大人の休日倶楽部」はJR東日本が運営するシニア・プレシニア向け旅行会員組織で、50歳以上の累計会員数280万人を数えます。
会員の方には月に一回自宅へ会員誌が送られてくるのですが、実はこの会員誌に広告を掲載することができるのです。
アクティブシニアだけにピンポイントでアプローチできるメディアは多くないので、50歳以上(半数以上が60歳以上)の、旅行を趣味とする活動的な方だけにターゲティングできるのは非常に魅力的です。
こちらに資料をご用意しているので興味がある方はぜひアクセスしてみてください。
また期間限定で上記の「大人の休日俱楽部」会員誌広告とJR東日本が保有する顧客データを活用したWeb広告「JRE Ads」を掛け合わせた広告パッケージメニューもご紹介可能です。
「JRE Ads」はJR東日本グループが保有する、移動や購買などのユーザーデータを運用型広告に活用できるWeb広告で、特定の駅利用者への配信、指定の商品購入ユーザーへの配信など、独自のターゲティングが可能です。
なんとSuicaの移動履歴=確定データを用いた精度の高いエリアターゲティングができるのが大きな特徴です。
大人の休日倶楽部会員誌広告と掛け合わせることでより効率的にシニアにアプローチできるメニューです。
ご興味のある方はこちらのページをご覧ください。
※シニア向け広告メディアについてまとめたこちらのコラムも参考にしてみてください↓
シニア市場の攻略まとめ
拡大を続けるシニア市場において、シニアマーケティングの重要性は日に日に増しています。
シニアに効率的にアプローチするためには、市場やターゲットを正確に把握すると共に、自社のターゲットを具体化することが重要です。
シニア全員に受け入れられようとするのではなく、自社の商品・サービスを誰に届けたいのかを明確にし、ターゲット像を具体的に設定することから始めてみましょう。
とはいえ、どのようにターゲット設定をしたらいいのかわからない、ターゲットを設定したけれど効率的な届け方がわからない、と悩まれることもあるでしょう。
そんなときは本サイトの運営会社であるジェイアール東日本企画へお気軽にご相談ください。
当社は「大人の休日俱楽部」会員誌の企画・編集を18年間にわたりサポートしてきた実績があり、シニアマーケティングの知見やノウハウを多く蓄積しています。もちろん総合広告会社として、シニアに対する市場調査からマーケティング戦略、メディアプランニング、施策の実行、振り返りまでトータルにサポートが可能です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。