
採用市場の競争が激しくなる中、「他社はもう新卒採用に向けて動き始めているのでは?」と焦りを感じることはありませんか?
近年、新卒採用のスケジュールは早期化しています。3月の「就職活動解禁日」に合わせて動き出しても、すでに学生の関心は競合他社へ――というケースも少なくありません。
この記事では、学生の行動パターンを踏まえ、他社に後れを取らないための採用スケジュール設計の考え方を詳しく解説します。
☑ 新卒採用の年間スケジュールの全体像
☑ 各時期に行うべきプロモーション(採用広告・広報活動)
☑ 採用プロモーションにおすすめのメディア
特に認知度に課題があるBtoB企業などは、「どの時期に、どのような施策を打てばよいか」を明確にし、自社の採用力を一段引き上げるスケジュール戦略を見直していきましょう。

採用スケジュールの早期化
新卒採用のスケジュールは、政府が定める「採用選考に関する指針」に基づいて進められるのが原則です。
この指針は、内閣官房・文部科学省・厚生労働省・経済産業省の4省庁が共同で策定しており、学業への影響を最小限に抑えることを目的としています。
具体的なルールは以下の通りです。
広報活動開始 :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
※引用:厚生労働省 大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184189_00002.html
採用選考活動開始 :卒業・修了年度の6月1日以降
正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降
このスケジュールは「就職活動解禁日」として毎年ニュースなどでも取り上げられますが、実は法的拘束力はありません。
そのため、表面上は「3月に企業の広報やエントリー募集がスタートし、6月から選考開始」という流れに見えるものの、実際には1年以上前から採用活動が始まっているのが現実です。
多くの企業では、大学3年生の夏から秋にかけてインターンシップやオープンカンパニーを実施し、学生との早期接点づくりを進めています。さらに、一部の企業ではインターンシップ参加者を対象とした「早期選考」や「プレエントリー制度」も導入しており、これらが事実上の採用広報として機能しています。
つまり、制度上の「採用解禁日」と実際の「学生の動き出し」には大きなギャップがあります。就活ナビサイトの解禁(3月)を採用活動のスタートと捉えていては、競合企業に後れを取ってしまいます。
28卒の新卒採用スケジュール
では、実際に企業はいつから新卒向けの採用活動をスタートすればよいのでしょうか。
結論から言えば、「就職活動解禁日」の1年以上前から採用戦略を固めておく必要があります。
28年卒の場合は、企業側の新卒採用スケジュールは以下のようになります。

■大手企業(就職活動解禁日を順守するスケジュール)
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年4月~ | インターンシップ募集開始 |
| 2026年7月~2027年2月 | インターンシップ実施 |
| 2027年3月 | 会社説明会・広報活動開始 |
| 2027年6月~9月 | 選考(書類選考・面接) |
| 2027年10月 | 内定通知 |
■中小企業・技術職採用の場合
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2026年4月~ | インターンシップ募集開始 |
| 2026年7月~2027年2月 | インターンシップ実施 |
【早期選考】
| 2026年10月~2027年2月 | 早期選考(書類選考・面接) |
| 2026年12月~2027年2月 | 早期内定出し |
【本選考】
| 2027年3月 | 会社説明会・広報活動開始 |
| 2027年6月~9月 | 選考(書類選考・面接) |
| 2027年10月 | 内定通知 |
※早期選考の実施時期は企業によって異なります。上記はあくまで一例です。
このように整理すると、新卒採用を「3月の解禁」から動き始めるのでは遅いことがわかります。
優秀な学生は、夏のインターンに参加するために大学3年の5〜6月ごろから企業研究を始めるのが一般的です。
したがって、企業側の準備はそれよりも早く、採用戦略の設計段階から着手することが重要です。
遅くとも「就職活動解禁日」の1年以上前(1〜3月ごろ)には、採用活動全体の戦略設計や夏のインターン向けの広報計画を立てましょう。
■企業が夏インターンまでに行うべき準備
| 時期 | 主な取り組み内容 |
| 12月~2月 | 採用チームの立ち上げ/採用戦略・スケジュール設計 |
| 1月~3月 | 夏インターンシップに向けた広報準備 |
| 4月~6月 | 夏インターンシップに向けた広報活動開始 |
早期に動き出すメリット
「就職活動解禁日」の1年以上前から動き出すとなると、1年を通じて採用活動を行う必要があります。
これから新卒採用に力を入れ始めようと考えている企業にとってはハードルが高いかもしれませんが、採用スケジュールを後ろ倒しにすると、優秀な学生はすでに他社のインターンや選考に進んでいる状態になってしまいます。
結果として、母集団の形成や内定承諾率などに大きく影響が出てしまうため、なるべく夏のインターン前の時期から動き出すことが重要です。
早期に動き出すメリットは、主に以下のような点が挙げられます。
・認知形成のタイミングを先取りすることで、大手企業に対抗できる
・優秀な学生と早期に接点を持ち、関係を育てられる
・広報・広告のPDCAを回せる
それぞれについて、詳しく解説します。
①認知形成のタイミングを先取りすることで、大手企業に対抗できる
株式会社リクルートの調査によると、2025年卒の学生のうち、インターンシップをはじめとするキャリア形成支援プログラムに参加した学生は 73.6% にのぼり、ほとんどの学生が就職活動解禁日前から動き出していることがわかります。
つまり、学生が企業を「知る」きっかけの主戦場は、3月ではなく、前年の夏から秋ごろ に移っているといえます。同じ株式会社リクルートの調査では、大学3年生の9月までに就職活動を開始している学生は 61.6% と過半数を超えています。

参考:株式会社リクルート 就職みらい研究所 『就職白書2025』https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/hakusho20250220-2.pdf
さらに、学生が実際にエントリーする企業は平均で 約20社 程度であり、そのうち およそ半数はもともと知っていた企業 です。知名度の高い大手企業やtoC企業と差別化を図るためには、インターンシップや情報発信や広告を通じて早期に学生との接点をつくることが不可欠 だといえます。

引用:株式会社ディスコ キャリタス就職 2022 学生モニター調査結果 https://www.career-tasu.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/04/202104_gakuseichosa_kakuho.pdf
新卒採用においては、「早期に接点を持った企業ほど学生の印象に残りやすい」といえます。
特にインターンシップやオープンカンパニーなどを通して早期に出会った学生とは、その後の半年〜1年を通じて継続的に関係を構築できる点が大きなメリットです。
とくに認知度が低いBtoB企業の場合、仕事内容や事業内容が学生にとってイメージしづらいことが多いため、時間をかけて理解を深めてもらうプロセスが必要になります。
たとえば、夏のインターンで接点を持った学生に対しては、秋以降、オウンドメディア(採用サイトや企業のSNS)を通じて継続して情報を発信することができます。
社員インタビュー記事や事業紹介動画などのコンテンツを通じて、ナビ解禁後のエントリー期には、単に応募を検討する段階にとどまらず、企業理解度の高い状態をつくることができます。
このように、早期に接点を持つことで企業理解度の高い学生からのエントリーが増え、質の高い人材の獲得につながることが、早期広報の最大の利点です。
採用活動を3月から始めてしまうと、「効果を検証する時間がない」「反応を見て改善できない」といった課題が生じます。
一方、夏から採用広報をスタートすれば、広告やコンテンツの反応データを蓄積し、どのメッセージやクリエイティブが学生に刺さるのかを早期に把握できます。
たとえば、夏のインターンシップ募集期にWeb広告でA/Bテストを行い、反応のよかったメッセージやクリエイティブを冬のインターンや3月の本広報で再利用すれば、費用対効果の高いプロモーションを展開できます。
このようなメリットから、認知で差がつきやすいBtoB企業こそ、早期に動き出して“先行者優位”の状態を確立すべきです。
スケジュール設計の流れ
新卒採用における「スケジュール設計」は単に「いつ説明会を開くか」「いつ内定を出すか」といった日程管理の話ではなく、 採用活動全体を戦略的に動かすための設計図です。そのため、スケジュール設計を行う際はいきなり日程を決めるのではなく、まずは採用活動の目的を整理することから始めましょう。
【スケジュール設計のステップ】
① 採用活動の目的整理
・採用人数・職種の設定
・求める人材像の明確化
② 採用戦略の設計
・自社の魅力・強みの整理
・採用コンセプトの設計
・採用活動に必要な予算の調達
③ スケジュールの設計
・年間採用スケジュールの作成
・プロモーション計画の立案
これらのステップを早期に固めておくことで、優秀な学生との早期接点を生み出すことができるだけでなく、インターンシップから本選考、内定フォローまでの採用広報全体に一貫性が生まれます。
結果として、学生に与える印象にブレがなくなり、ブランドイメージの向上や応募意欲の醸成につながります。最終的には、母集団の質・エントリー率・内定承諾率といった採用効率の向上にも大きな効果が期待できます。
採用コンセプトの設計や採用プロモーションの進め方は、以下の資料にて詳しく紹介しています。
【フェーズ別】採用スケジュールに合わせた広報戦略
採用スケジュールを設計したら、次に重要になるのがフェーズごとの広報戦略です。
採用活動は、「認知 → 興味 → 応募 → 選考 → 内定・承諾」という流れで進みます。
効果的な採用広報を行うためには、学生の行動や心理の変化に合わせて、最適なタイミングで情報を発信することが重要です。
あらかじめ年間を通した広報戦略を立てておくことで、広告出稿やイベント実施のタイミングを最適化できるだけでなく、限られた予算の中でも最大限の効果を発揮することが可能になります。
そのため、採用スケジュールを策定する際には、広報・プロモーションについても同時に設計しておくことが重要です。ここでは、4つのフェーズに分けて、実施すべきプロモーション施策をご紹介します。

① 認知形成期(2〜6月頃:大学2年の冬~大学3年生の春)
この時期は、「まず知ってもらうこと」が重要です。
これから就職活動を始める学生(3年生)と、選考開始となる学生(4年生)の2学年両方をターゲットに、広く認知施策を行いましょう。
就職活動を早めに始める意欲的な学生は、この時期から就活ナビサイトやSNS、口コミサイトなどを通じて企業研究を始めます。
しかし、学生に知られていない企業は、そもそも調べてもらえないという大きな課題があります。
とくにBtoB企業の場合、社名や事業内容が学生にとってなじみが薄いケースが多く、早期のブランド認知施策が不可欠です。
この時期に効果的なのは、TVCM・WebCMなどの動画広告や、OOH(交通広告・街頭ビジョン)を活用した露出強化です。
企業の知名度を高めるために、以下のような工夫を行うことが重要です。
・何をしている企業なのかをビジュアルで分かりやすく伝える
・「自社の技術や製品が社会でどのように役立っているのか」など学生が企業に関心を持ってくれるテーマでメッセージを発信する
・企業名を印象付け、学生の記憶に残る工夫を行う(企業名を入れたキャッチコピーや音楽を使用するなど)
② 関心喚起期(6~10月頃:夏~秋インターンシップ時期)
この時期は、学生が企業選びの軸を形成し始めるフェーズです。
目的は「自社に興味を持たせ、接点をつくること」——つまり、インターンシップへのエントリーです。
インターンシップへの集客を主軸に、Web広告やSNS広告でのターゲティング配信、大学最寄り駅でのOOH広告など、ターゲットとなる大学の学生に絞った広告施策が効果的です。
さらに、理系学生や専門職志望の層には、学会・専門サイト・大学研究室向けの媒体など、職種別・専攻別に特化した広告出稿も有効です。
また、インターン後に学生が再訪しやすいよう、採用サイト内に社員インタビューやプロジェクト紹介などの「理解促進コンテンツ」を用意しておくと、後の応募につながりやすくなります。
③ 比較・検討期(11〜2月頃:就活準備・広報直前)
学生が志望企業を絞り込み、エントリーする企業を意識し始める時期です。
このフェーズでは、新たな認知拡大よりも、インターンシップで接点を持った学生へのフォローが最重要です。
マイナビの調査によると、26卒学生のインターンシップ平均参加社数は5.2社で、ほとんどの学生が複数企業のインターンシップに参加しています。
さらに、インターンシップに参加した企業について「採用選考に参加しない」と回答した学生は7割を超えており、インターンシップの参加学生が多かったからといって、そのままエントリー数が増えるわけではありません。

引用:マイナビ 2026年卒 大学生広報活動開始前の活動調査 https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250220_92766/
この時期に情報発信を途切れさせてしまうと、「知っていたけれど印象が薄れた企業」として埋もれてしまう恐れがあります。そのため、継続的なコミュニケーションと関係構築を意識しましょう。
【インターンシップ参加者へのフォロー施策】
・メールや公式LINE等を活用した情報提供・コミュニケーション
・採用サイトでの動画コンテンツ配信
・ブログやSNSによるタイムリーな情報発信
・座談会やフォローイベントの実施
➡ 「会社で働くイメージを持てるコンテンツ」や「インターン参加者限定イベント」など、特別感を演出するフォローが効果的です。
もちろん、インターン未参加の学生へのアプローチも欠かせません。
以下のような施策を組み合わせて認知を拡大しましょう。
・就活ナビサイトでの企業情報更新
・ナビサイト内広告の出稿
・冬インターンや企業説明会への誘導を目的としたWeb広告
就活ナビサイトは多くの企業が利用しているため、それだけでは他社との差別化が難しいのが実情です。
そのため、ナビサイトへの掲載だけでなく、自社イベント(冬季インターンや説明会など)への誘導を強化するWeb広告施策を実施することが重要です。
④ 選考・内定期(3〜10月頃:ナビ解禁〜内定フォロー)
3月の「就職活動解禁日」以降、多くの企業が一斉に新卒採用に向けた広報活動を開始します。
①認知形成期で解説した通り、3月前後は3年生と4年生を同時にターゲットとした企業認知度の向上とイメージ強化が非常に重要です。
ただし、それだけではエントリー数の拡大にはつながりません。
このフェーズでは、広告の目的を「応募促進」と「企業イメージ強化」の二軸で設計することが重要です。
応募促進の施策としては、ナビサイト上のバナー広告やWeb広告を活用して応募を後押しする一方、TVCMやOOH広告などの公共メディアを通じて信頼感や企業規模を訴求しましょう。
また、エントリー受付後は、応募選考中や内定後の学生へのフォローも欠かせません。
LINE公式アカウントでの継続的なコミュニケーションに加え、SNSや自社採用サイトで社員や職場の雰囲気が伝わるコンテンツを発信が効果的です。
特にBtoB企業の場合、実際に働く「人」を通じて社風を伝えることが、内定辞退率の抑制につながります。
採用広報におすすめの媒体とスケジュール設計の上での注意点
フェーズごとに実施するべきプロモーションについて紹介しましたが、新卒採用で使われる広告媒体は効果的な広告実施時期や準備にかかる期間が、それぞれ異なります。
ここでは、代表的な媒体である「ナビサイト内広告」「TVCM」「WEB広告」「OOH広告」について、特徴やメリット、そしてスケジュール設計上の注意点を解説します。
① ナビサイト内広告|母集団形成の“軸”となる基本施策
就活ナビサイト(例:リクナビ、マイナビなど)は、新卒採用における代表的な集客チャネルです。学生が企業情報を検索・閲覧する中心的な場であり、ここでの露出が母集団形成の第一歩となります。
特徴:
ナビサイト内広告は、業界・職種・エリア・属性などの条件でセグメントを設定して出稿できる点が強みです。学生の情報収集の中心がナビサイトであるため、掲載開始直後(3月)から夏までの期間に高い閲覧数が見込め、短期間で多くのエントリーを獲得することが可能です。
ただし、多くの企業がナビサイトを利用しているため、他社との差別化が難しいという課題もあります。露出を増やすにはオプションの追加などが必要となり、効果に対してコストが高くなる傾向がある点にも注意を要します。
スケジュール上の注意点:
掲載準備には、原稿作成・掲載審査などを含めて、最短でも1〜2か月程度を見込む必要があります。
さらに、ナビサイトは利用企業が非常に多いため、早めの掲載予約が不可欠です。3月に掲載を行いたい場合は、前年の秋〜冬ごろには準備を開始することをおすすめします。
② TVCM|短期間で認知を一気に高める“インパクト施策”

TVCMは、学生だけでなくその親世代からの認知や信頼も得られる強力なメディアです。
特にBtoB企業など、学生にとって馴染みの薄い企業にとっては、企業名を「知ってもらう」認知フェーズにおいて高い効果を発揮します。
特徴・メリット:
TVCMはマス広告としてのリーチ力が圧倒的で、エントリー直前の1〜3月期の放映によって「あの会社、テレビで見たことがある」という認知・信頼を短期間で形成できます。TVCMによって得た好印象が、応募意欲向上につながるケースは多く見られます。
さらに、TVCMは企業のブランドイメージ向上(ブランディング効果)にもつながり、社員のモチベーション向上などインナー効果も期待できます。
ただし、TVCM放映はほかのメディアよりも費用が大きいため、地元人材の獲得を目的に地方エリアで限定的に放映するなど、目的とターゲットを明確にした戦略的な活用が重要です。
スケジュール上の注意点:
TVCMの制作には、企画〜撮影・編集まで最低2〜3か月、さらに放映枠の確保まで含めると4〜6か月程度を要する場合があります。
また、TVCMはコストが大きいため、「とりあえず制作する」のではなく、企業が伝えたいメッセージや目的を明確に定めて制作することが重要なため、十分な準備期間を確保しましょう。
③ OOH広告(交通・屋外広告)|就活生の“行動動線“に合わせた接点づくり

OOH(Out of Home)広告とは、駅構内・電車内などの交通広告や街頭ビジョンなど、屋外で掲出する広告を指します。
大学への通学や就職イベントへの移動タイミングなどで繰り返し接触できるため、行動喚起や記憶定着に効果的なメディアです。
特徴・メリット:
OOH広告は、TVCMのように広範囲にリーチできる一方で、接触の文脈が明確である点が特徴です。
たとえば、大学周辺や就活イベント会場の最寄り駅に掲出することで、「自分が就活しているタイミングで目に入る=自分ごと化しやすい」という心理的効果を生み出すことができます。
また、OOH広告は自主視認性が高いメディアであるため、強制的に表示されるWeb広告のようなネガティブな印象が付きにくい点もメリットです。 学生に対して、自然な形で企業を印象づけることができ、他メディア(TVCM・Web広告など)との相乗効果も高いことが特徴です。
スケジュール上の注意点:
OOHは掲出枠の空き状況やデザイン審査の都合上、少なくとも1.5~2か月前から申し込みが必要です。特に、大学周辺や主要駅など人気ロケーションは早期に枠が埋まるため、掲出希望時期の3~4か月前には企画を確定しておくのが理想です。
④ Web広告(ディスプレイ・動画広告など)|柔軟にPDCAを回せる運用型施策

Web広告は、ターゲット層にピンポイントでリーチできる点が大きな魅力です。Google広告、YouTube、SNS広告などのプラットフォームを活用し、年代や興味関心を細かく絞り込んで広告配信を行うことができます。
特徴・メリット:
Web広告の最大の強みは、データをもとにPDCAを高速で回せる運用性にあります。
クリエイティブや配信ターゲットを柔軟に変更し、成果データをもとに改善を重ねることで、短期間で費用対効果を最適化できます。
また、Web広告では企業の採用サイトへの直接リンク設定が可能なため、認知拡大や興味喚起に加えて、「エントリー獲得」を目的とした配信設計も実現できます。そのため、インターンシップ募集から本選考のエントリー募集まで、幅広い時期で活用できる柔軟な施策です。
さらに、目的に応じて媒体を使い分けることで、より高い効果を期待できます。
ーーーーーーー
・認知拡大期:
YouTubeやSNS広告でWebCMを配信し、企業の存在・イメージを広く浸透させる。
・エントリー獲得期:
GoogleのP-MAXキャンペーンを活用し、検索・ディスプレイ広告など複数面からアプローチすることで、応募促進のパフォーマンスを最大化。
ーーーーーーー
このように、時期ごとに目的を明確に設定し、媒体や配信手法を最適化することが成功の鍵です。
スケジュール上の注意点:
Web広告は比較的短納期で開始できますが、効果を最大化するためには事前準備が欠かせません。 配信ターゲット・エリア・配信時期などの設計に十分な検討期間を設ける必要があります。
目安として、配信開始の1〜2か月前からクリエイティブ制作や配信設計の準備を進めるとスムーズです。
また、掲載後も週単位で運用データを分析・改善を行い、継続的に最適化を図りましょう。PDCAをしっかり回すためにも、Web広告運用に精通した広告会社へ運用を委託することをおすすめします。
新卒採用におすすめ!「JRE Ads」で狙った学生をターゲティング
新卒採用向けWeb広告として、特定の大学やアクティブな就活生にピンポイントで配信できる「JRE Ads」をご紹介します。
「JRE Ads」は、JR東日本グループが保有するSuicaの利用データや購買データなど、生活動線に基づく情報を活用したWeb広告サービスです。
通学定期券データやSuicaの乗降データを活用することで、特定の属性を持つ学生層に対して精度の高い広告配信が可能になります。

活用例①理系大学生のターゲティング
理系学生は母数が少なく、大学や研究室を中心としたクローズドなネットワークで情報を得る傾向があるため、就職ナビサイトだけでは接点を持ちにくいターゲットです。
JRE Adsでは、通学定期券データから理系大学に通学している学生層を推定し、的確に広告を配信できます。
さらに理系学生へのアプローチは、自分への広告であると理解させ、信頼感を得ることが重要です。
JRE AdsでのWeb広告に加えて、大学最寄り駅に交通広告を掲出すれば、駅で広告を見かける安心感・信頼感を与えることができ、相乗効果が期待できます。
活用例②就活イベントに参加した学生のターゲティング
大型の就活イベントでは、数十〜数百社の企業が出展し、学生も1日で多くのブースを回るため、高いコストをかけなければ印象に残りにくいという課題があります。
JRE Adsでは、Suicaの乗降データを活用し、イベント開催日に最寄り駅で降車した20〜24歳の層に限定して広告を配信できます。これにより、イベント後に学生へWeb広告で再アプローチし、「あのとき見た企業だ」と思い出してもらいやすくなります。
結果として、ブース装飾などに多額の費用をかけるよりも、効率的に認知・想起を促進することが可能です。
このように、JRE Adsを利用すると特定ターゲットへの無駄のないアプローチが可能で、ほかのメディアよりも効率的に新卒採用向けの広告実施ができます。実際に、JRE Adsを利用して理系大学生へのインターン募集を行った企業では、インターン応募数が1.2倍に向上しています。
JRE Adsに興味がある方は、ぜひ以下のサービス資料をご覧ください。

まとめ|採用スケジュール設計は“戦略”で差がつく
新卒採用は年々早期化が進み、学生の多くが大学3年の夏インターンから動き出しています。特にBtoB企業や採用競争の激しい業界では、夏インターン前の段階から採用計画を立て、プロモーションの準備を進めておくことが他社に後れを取らないポイントです。
採用スケジュールの設計は、単なる「いつ説明会を開くか」「いつ選考を始めるか」という日程管理ではありません。母集団形成から内定承諾までを見据えた中長期的な戦略設計こそが、採用成功の鍵を握ります。学生の動きに合わせて時期ごとに発信内容や活用メディアを最適化することも重要です。ナビサイトを中心とした広報だけでなく、Web広告やOOH広告などを組み合わせ、効率的にターゲット層へリーチできる情報発信を意識しましょう。
採用は短期決戦ではなく、年間を通じたマーケティング活動です。自社の強みを学生に正しく伝えるためにも、早期にスケジュールを設計し、データを活用した戦略的なプロモーションを行うことが重要です。
当社は、BtoB企業のリクルートを目的としたブランディング広告や、大手転職サービスの広告制作などの実績があり、採用マーケティングに強い広告会社です。採用プロモーションの戦略設計や、ブランディングにお悩みがある方はぜひご相談ください。














