【広告効果測定】3つのポイントと媒体別の測定指標・測定方法を解説

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。


広告を実施するうえでは、出稿後、本当に広告効果があったのかを測定し、把握することは欠かせません。
ただ、これまでに広告を実施したことのある方なら、一度は次のような悩みを感じたことがあるのではないでしょうか。

・広告を実施したが、やって終わりになってしまい、結局その効果がよくわからなかった。
・実際、広告がどの程度売上に貢献したのかきちんと把握できなかった。
・どの指標で広告効果を測るのが正しいのか、イマイチ理解できていない。


広告効果測定は、広告の費用対効果を向上させるうえでも非常に重要です。
目標以上の結果が出ていれば、現状の施策継続という意思決定ができ、逆に下回れば測定結果をもとに改善策を検討する必要があると判断できます。


今回は、自社のマーケティングや広告を担当する方に、広告効果測定の概要と広告効果の種類、測定時のポイントや媒体ごとの測定指標・方法をくわしく解説します。



広告効果測定とは

広告効果測定とは、出稿した広告の効果がどの程度得られたのか、その成果を測定することです。
広告効果測定によって広告の課題を検証し、より費用対効果の高い広告出稿につなげられるため、広告・マーケティング担当者にとって必須の工程といえます。

広告効果測定の結果から、広告自体の改善が必要なのか、もしくは出稿媒体や出稿時期の変更が必要なのかなど、どの要素をどう修正すべきか把握し、次につなげることが重要です。



測定する広告効果の種類


広告効果は、一般的に次の3つに分類することができます。

・接触効果
・心理効果
・売上効果


接触効果


広告を通して、商品やサービスの認知度を高める効果のことを指します。
新商品など認知度の低い商品は、まず多くの人に商品を知ってもらう必要があります。とにかく商品やサービスの認知度を高めたいという場合、まずは接触効果を狙った広告を中心に出稿していく必要があります。


心理効果


接触効果の次の段階として、その商品やサービスの詳細を深く理解してもらい、商品やサービスへの好感をはぐくむ効果のことを指します。
ユーザーが商品について「ただ知っているだけ」の状態から、その魅力を理解するフェーズにつなげ、購入・申し込みへの距離を縮めます。


売上効果


商品やサービスの購入・申し込みに直接つながる効果を指します。
認知度・理解度が高まったら、最後は直接的な売上アップにつなげましょう。高単価な商材における資料請求など、売上につながる行動を促す部分もこの売上効果に分類されます。


これらの広告効果のうち、実際にどのような効果がどのくらい出ているのか、指標を用いて数値的に明らかにするのが広告効果測定です。



広告効果測定で押さえておくべき3つのポイント

次に、広告効果測定を行ううえで押さえておくべきポイントを解説します。
広告効果測定で大切なのは、広告そのものの評価だけでなく、どのくらい広告の目的が達成されたかということです。

「広告がどのくらい生活者に届いたのか?」
「どういう印象を持たれたのか?」
「商品やサービスがどのくらい認知されたのか?」
「購入や紹介といったアクションに結びついたのか?」

こうしたことを知るためには、次の3つのポイントを押さえておくことが重要です。

出稿前後で比較する
外的要因を把握する
市場の動向を把握する



①出稿前後で比較する


広告効果測定においては、広告でどう変わったのかを知りたいので、基本的には出稿前と出稿後で比較します。

各数値を正しく比較するためには、測定する期間や対象とするユーザー属性などの条件を、出稿前後で同じにすることが重要です。

例えば、広告出稿前はその商品やサービスの非認知ユーザーを調査対象にしていたにも関わらず、広告出稿後は、もともと商品やサービスを認知・利用していたユーザーを調査対象にしてしまったら、広告の効果を正確に測ることはできません。
全く同じ条件にすることは難しいかもしれませんが、測定における条件を変えないことは大事なポイントです。

もし広告出稿前後で数値に変化がない場合は、広告そのものを見直す必要があります。同じ条件下で出稿前後の数値を比較し、その都度見直しを行いながら、広告の効果を最大化していきましょう。



②外的要因を把握する


2つ目のポイントとして、外的要因を把握しておくことも欠かせません。
外的要因には、「季節効果」「トレンド」「イベント」「他のメディア要因」などが挙げられます。こういった外的要因は、広告自体の作用とは関係なく、売上やPV数などの指標に大きく影響する可能性があるのです。

例えば、同じ業界の商品やサービスがテレビで話題になれば、二次的に自社の商品やサービスの認知も上がることがあります。
タイミング次第で広告の効果が変化するということです。

また、仮に新発売のアイスクリームの広告を出稿する場合、夏と冬ではユーザーが関心をもつ度合いに差があるため、時期によって広告の効果も変わってくるでしょう。

このように、外的要因を把握しておかなければ正確な広告効果測定は難しいのです。
広告を実施する際は、出稿前にできる限り想定される外的要因をイメージしておくことが大切です。



③市場の動向を把握する


3つ目のポイントは、市場全体の動向を把握しておくことです。
市場の動向によって、広告の効果に大きな差が生まれることがあるからです。

自社のデータが上がったり下がったり変化しているときに、市場全体や競合も同じように上がったり下がったりしていれば、それは市場全体の変化だと捉えるのが自然です。

広告効果測定に限った話ではありませんが、バイアスを防ぐために、絶対値で語らずに比較することが重要なのです。


こういった市場の動向を知る方法としては、競合調査やアンケートなどが有効です。
例えば、同じジャンルの商品やサービスを展開する競合企業を複数挙げ、売上が伸びているか落ちているか、顧客に変化はあるかなどを調査します。
競合の中でも企業によって売上に差が出ている場合は、その要因をさらに調べることでより詳細に把握することができます。

また、アンケートを実施してターゲットとするユーザーの意見を集めることで、世間のトレンドを直接知ることも可能です。



広告媒体別の測定指標と測定方法

マス広告やWeb広告など、広告手法は数多くありますが、媒体ごとに広告効果の測定方法や測定指標が異なります。また、広告媒体によって測定のしやすさや測定可能な範囲も変わってくるので、合わせて確認しておきましょう。


ここでは、マス広告の4媒体(テレビCM、新聞、ラジオ、雑誌)、Web広告、OOH(交通広告)に分けて、広告の効果測定指標や測定方法について解説します。



マス広告:テレビCM



テレビCMの主な効果としては、認知獲得やブランディングが挙げられます。幅広い層に向けて一斉に情報を届けることができるので、自社の商品・サービスの魅力をより多くの人の記憶に残すことができます。
またテレビCMは、その企業自体や商品・サービスのイメージも左右するため、ブランディングに与える影響が大きいです。

テレビCMの効果測定には「GRP」「GAP」という指標を用います。

・GRP
GRPは「Gross Rating Point(延べ視聴率)」の略称です。
テレビCM放映時の毎分の世帯視聴率をすべて足して計算します。GRPをもとに、どの程度CMが視聴者に届いているかを試算します。
GRPは、どの時間帯にどのくらいの頻度で広告を放映するかを決める際の指標にも使われます。

・GAP
GAPは「Gross Attention Point(延べ注視量)」の略称です。
先に挙げたGRPは、「ターゲット層が特定できない」「視聴者が本当にCMを見ていたかわからない」という課題がありました。
そこで、センサーカメラを導入し、誰がどのくらい画面を見ているかを含めて測定したものがGAPです。センサーカメラの顔認識機能により個人が識別できますし、実際に画面がちゃんと見られているかの注視度合いを測ることができます。



マス広告:新聞広告


新聞広告は、新聞に掲載する広告を指します。
広告媒体の中でも歴史が古く、新聞という媒体自体への信頼度が高いので、広告掲載する自社の商品・サービスも信頼を得やすいです。

新聞広告の効果測定において、ダイレクトマーケティング系の商材の場合は「CPR」「CPO」という指標を用いるのが一般的です。

・CPR
CPRは「Cost Per Response」の略称で、サンプルの申し込みや会員登録などの問い合わせといったレスポンスへの単価を意味します。「コスト÷レスポンス件数」という式で求めることができます。

・CPO
CPOは「Cost Per Order」の略称です。受注1件あたりの単価を意味し、「コスト÷受注件数」という計算式で求めることができます。



マス広告:ラジオCM



ラジオCMはラジオ番組の放送中に流れる広告です。
作業中や運転中、移動中などに“ながら聴き”ができる媒体です。

時間帯や番組によってリスナー層が異なるため、ターゲティングしやすく、ターゲットにピンポイントで訴求したい場合に有効な手法です。ラジオ局によって受信できるエリアが決まっているため、地域に密着した販促やキャンペーン訴求などにも効果があります。

ラジオCMの効果測定には「聴取率」という指標を用います。

・聴取率
聴取率は、テレビでいうところの視聴率のような指標で、ある時間帯にラジオが聴かれていた割合を調べたもので、個人単位で測定を行います。



マス広告:雑誌広告


雑誌広告は特定の雑誌に出稿する広告のことを指します。
雑誌によって読者層が異なり、自社の商品・サービスと親和性の高い雑誌を選ぶことができるため、ターゲティングの精度が比較的高いという特徴があります。

ただし、雑誌広告は、他のマス広告のように具体的な効果指標データを獲得するのが難しいというデメリットがあります。

雑誌広告の効果測定に用いられる指標としては「販売部数、発行部数」が一般的です。

・販売部数、発行部数
広告出稿した雑誌の販売部数や発行部数をもとにリーチ数を試算し、広告効果を測定します。



Web広告



Web広告は、WebサイトやSNS、YouTubeなどのデジタルメディアに出稿する広告を指します。
種類も豊富なため、目的に応じて広告を使い分けることができます。

また、細かいターゲティングが可能で、年齢・居住地・趣味・嗜好などのデータから、自社の商品・サービスのターゲットとなりそうな相手に絞って広告を届けることができます。
マス広告と比較して、少ないコストで行えるのも特徴です。

Web広告は、マス広告と比べると広告効果を測定しやすいですが、目的に合わせた指標を設定することが大切です。指標の種類も多く、どの数値を上げれば広告の目的を達成できるか判断し、対策を打たなければなりません。

Web広告の効果測定は、以下の3つの段階ごとに行うのが一般的です。

・インプレッション:広告が何回表示されたか
・トラフィック:目的のWebサイトに広告から何人を誘導できたか
・コンバージョン:誘導先のWebサイトで何人または何回、商品・サービスの購入、申込等があったか

それぞれの段階に応じて適切な指標を用いた測定が必要です。各段階の主な効果測定指標を説明します。

・インプレッション

impは広告が表示された回数なのに対して、リーチ数は実際に広告を見たユーザー数を測定する指標です。
例えば、1人のユーザーが同じ広告を2回見たとき、impは2、リーチは1となります。
impだけでは広告が届いたユーザー数を把握できないため、impと合わせてリーチ数も確認するのがおすすめです。

・トラフィック

クリック数は、その数が多いほどユーザーの関心を惹く広告出稿ができていると言えます。
CTRは「(クリック数÷インプレッション数)×100」で算出します。
CPCは「広告費÷クリック数」で算出します。

・コンバージョン

CVRは「(コンバージョン数÷クリック数)×100」で算出します。
CPAは「広告費÷コンバージョン数」で求められます。

広告の最大の目的はコンバージョンなので、コンバージョンを増やすために、まずはインプレッションを増やし、さらに広告内容を最適化することによってトラフィックを向上させます。そのうえでコンバージョン単価を測定・検証し、費用対効果の高い広告運用を目指していくことが重要です。
 
 

OOH(交通広告)



OOHとは「Out Of Home」の略で、交通広告や屋外広告のことを総じてOOHメディアと呼びます。
一般的に、交通広告は電車や駅、バスなどの公共交通機関に設置されるメディアを指し、屋外広告は、街中のビルや商業施設などの店舗内外などに設置されたメディアを指すことが多いです。
 

従来、OOHは広告効果の把握が難しいことが課題でした。
しかし昨今、広告費の予算削減や効率化の観点で費用対効果の詳細な分析が求められるようになっていることや、Web広告の伸長で広告効果測定がより重要視されるようになったことで、OOHにおいても広告効果測定のニーズが高まっています。
 

こうした状況下で、各媒体社や広告会社がOOH広告効果測定の課題に取り組む中、当社は、OOHをViewable(視認可能)ベースで計測し、効果を可視化する独自の計測ソリューションを開発しました。

その計測ソリューションを活用したサービスが「効果が見えるOOH」です。
 

この計測ソリューションでは、効果測定の指標として「インプレッション数(Viewable imp)」を用いて計測します。
 

・インプレッション数(Viewable imp)
当社が実施する「jeki移動者調査」のデータなどを活用して算出した各メディアの延べ広告可視人数と、リアルタイム人流の数値を掛け合わせて算出します。
リアルタイム人流は、提携しているクロスロケーションズ株式会社の持つ人流分析データを用いて推計します。

このインプレッション数に関して、曜日別の推移や、その性・年齢の内訳などの数値も見ることが可能です。
 


また「効果が見えるOOH」では、インプレッション数(Viewable imp)の計測に加え、オプションとして次のメニューも用意しています。
 

■広告接触後の認知状況を可視化する「ブランドリフト調査」
■広告接触後の行動を可視化する「来店計測」

 

これらを活用することで、より詳細に広告効果を測定することが可能です。

詳しい効果測定方法や活用ケース、オプションメニューの詳細を知りたい方は以下の資料をご覧ください。



また、「効果が見えるOOH」のオプションとしてご紹介した「ブランドリフト調査」「来店計測」について、まず概要を理解したいという方は以下のコラムもぜひご覧ください。




まとめ

本コラムでは、広告効果測定を行う際のポイントや、広告媒体別の効果測定指標・測定方法を解説しました。
 

広告はただ出稿するだけでなく、その効果を測定し、費用対効果を最大化することが重要です。広告効果測定には媒体によって異なる指標があり、目的に合った指標の分析が必要になります。
狙う広告効果とそれに合った測定指標を理解し、施策ごとにきちんと分析しましょう。
 

最後にご紹介したOOHの効果可視化サービス「効果が見えるOOH」は、次のような広告・マーケティング担当の方に幅広く活用いただけます。
 

・OOH広告の出稿を検討中の方
効果測定の難しさから、これまでOOH広告の実施を踏みとどまっていた方
 

OOH広告に関してのお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。


icon この記事を書いた人

関連おすすめ記事

人気記事

テレビCMの効果とは? 知っておくべき最新の効果測定
【バス停広告】特徴や料金、活用ポイントを解説
【新宿駅おすすめ広告メディア10選】広告会社社員が解説!
【Z世代マーケティングを解説!】特徴やポイント、おすすめ広告メディアもご紹介