【販促イベント】リアル×SNSで参加と共感を生むコミュニケーション設計とは?

キクコト 編集部

こんにちは、ジェイアール東日本企画「キクコト」編集部です。
広告・マーケティングに”効く”コラム、今回のテーマは「販促イベント」です。

商品体験会や試飲・試食会など、直接ユーザーの購買行動を促すことを目的に行われる販促イベント。デジタル広告が主流になった現代においても、リアルな場で顧客との接点を生む販促イベントは根強い効果を持ちます。しかしながら、単にサンプリングや抽選会を行うだけではもはや不十分であり、ブランド体験を軸とした“共感”と“参加”を生む仕組み作りが必要です。

当コラムでは、販促イベントの種類や企画のポイント、さらに最新の成功事例を交えて、広告マーケティング担当者に役立つ戦略的な考え方を体系的に解説します。

当コラムでわかること

・販促イベントの役割
・販促イベントの種類
・販促イベントのトレンド
・販促イベントの最新事例
・キャラクターを活用した販促イベント事例

このような人におすすめ

・販促イベントの担当者で情報収集中
・販促イベントのノウハウを知りたい
・販促イベントの最新事例を知りたい
・キャラクターコラボによる販促イベントを検討中

■販促イベントの基本的な役割

販促(販売促進)イベントは、顧客に商品・サービスの魅力を「体感」してもらう重要な場です。実際に商品を試したり、ブランドの世界観に触れたりすることで、購入前の心理的ハードルを下げ、購買行動へ導く効果が期待されます。また、顧客とのコミュニケーションを深める接点として、LTV(顧客生涯価値)向上の足掛かりにもなります。

近年の販促イベントはSNSを活用することが一般的で、デジタルとリアルの相乗効果を生み出し、より多くの潜在顧客にブランド認知を広げる役割も求められます。

■代表的な販促イベントの種類

●サンプリングイベント

サンプリングは、消費者に商品やサービスを試してもらうことで、販売促進につなげる王道の手法です。古典的ではありますが、その場で使い方や特徴を直接伝えられる利点が大きく、特に食品や化粧品など体感型商品との相性が良い施策です。近年では単なるサンプリングだけでなく、SNSで話題化されるようなユニークな仕掛けで集客したり、UGC(ユーザー生成コンテンツ)を活用して二次拡散を狙うなど、大掛かりなサンプリングイベントが増えています。

サンプリングイベント事例
花王ビオレ:埼玉西武ライオンズとのオリジナルコラボ商品を、ホーム戦来場者全員にサンプリング

花王のスキンケアブランド「ビオレ」が、プロ野球チームの埼玉西武ライオンズとコラボ。『ビオレ 冷タオル ライオンズデザイン』のベルーナドーム限定発売を記念して、ホーム戦来場者全員に本商品1枚をサンプリングしました。

企画のポイントは、

 ・夏の暑熱対策商品である「ビオレ冷タオル」のサンプリングを、夏のナイター観戦という絶好の
   モーメントで実施
 ・ライオンズのチームカラーを使ったブルーの限定デザイン

で、非常に効果的なサンプリングイベントになりました。

出典:PR TIMES|花王株式会社『埼玉西武ライオンズデザイン「ビオレ 冷タオル」を数量限定発売ベルーナドームでは来場者全員にサンプリング*1 を実施』(2025年7月8日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001697.000009276.html

●ポップアップストアイベント

一定期間限定で開設するポップアップストアは、希少性・話題性を演出できる販促イベントとして注目されています。空間デザインを工夫し、ブランドの世界観を濃密に体験させることで、ECでは得られない体験価値を提供できます。加えて、SNS映えを意識した装飾やフォトスポットも重要です。

ポップアップストアイベント事例
味の素:「限界麺」の開発を機に、期間限定店舗「Cook Do®」オイスターソース 限界麺を渋谷にオープン

味の素は、「Cook Do®」オイスターソースの新しい食べ方提案として「限界麺」を開発。そのお披露目のために、6日間限定の店舗(ポップアップストア)を渋谷にオープンし、試食イベントを開催しました。
期間限定の店舗では中華麺、うどん、パスタの3種の「限界麺」を1皿各50円(税込)で提供。また、ひき肉、卵黄、小松菜の有料トッピングや、卓上にある調味料などを使ってカスタマイズすることで自分だけの「限界麺」を作ることができるというもの。来場者には「限界麺」を自宅で簡単に作ることができるレシピも配布されました。

出典:PR TIMES|味の素株式会社「物価高の中でも食卓を楽しむ新提案!「限界麺」が節約の味方に『「Cook Do®」オイスターソース 限界麺』4月23日(水)より期間限定で渋谷にオープン」(2025年4月16日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000092524.html

●オンラインイベント・ライブ配信

コロナ禍を経て、リアルに代わる手段として定着したのがオンラインイベントやライブ配信です。リアルタイムで商品説明を行いながらチャットで質問に答えるスタイルや、SNSで同時にキャンペーンを打つなど多様な組み合わせが可能になっています。これにより遠隔地の顧客にもリーチでき、幅広いマーケティングチャネルとして浸透しました。

ライブ配信イベント事例
株式会社シード:ソフトコンタクトレンズ「シード AirGrade」がVTuberグループ「にじさんじ」とコラボキャンペーン第2弾を実施

シードは、昨年の「シード AirGrade×にじさんじコラボキャンペーン」で、「緋八マナ」と「小柳ロウ」によるコラボ配信の最大同時接続者数が8,324名、「コラボ限定トークボイス」がもらえる「Xフォロー&リポストキャンペーン」の応募者数が12,659名と大きな反響を呼んだことを受け、第2弾を実施。
第2弾では「伊波ライ」とのコラボにより、前回同様ライブ配信やコラボ限定のプレゼントなどを展開しました。

出典:PR TIMES|株式会社シード「ここでしか手に入らない“伊波ライ オリジナルグッズ”が当たる!シード AirGrade×にじさんじコラボキャンペーン第2弾キャンペーン期間: 2025年3月24日(月)~4月30日(水)」(2025年3月19日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000135.000038735.html

上記のように、販促イベントやキャンペーンに人気VTuberを起用するケースをしばしば目にするようになりました。数十万人単位のチャンネル登録者数を持つVTuberは、自身のライブ配信内で商品の紹介やレビューを披露し、視聴者の関心をひきつけ、彼らを推す多くのファンに購入を促します。
ライブ配信に加え、商品を購入したユーザー(ファン)に、VTuberのオリジナルボイスや限定グッズのプレゼントと組み合わせることで、購買意欲の向上と販促効果の最大化が期待できます。

VTuberなど人気のコンテンツを「推す」ファンを、自社のマーケティング施策に取り入れる「推し活マーケティング」についての解説書「推し活マーケティングはじめてガイド」を公開中です。詳しく知りたい方は、こちらからダウンロードしてください。

●キャラクターコラボイベント

キャラクターコラボイベントは、企業やブランドが人気のアニメ、漫画、ゲームなどのキャラクターと提携して実施する施策を指します。多くのファンが存在する人気のキャラクターを起用することで、キャラクターのファン層にアプローチし、集客や売上の向上が期待できます。

キャラクターコラボイベント事例
横浜八景島シーパラダイス:TVアニメ「SPY×FAMILY」との夏休みコラボイベントを開催

横浜八景島シーパラダイスが、夏季期間中 TVアニメ「SPY×FAMILY」とのコラボイベントを開催。700種12万点の生きものを展示する園内を周遊しながら、各所で、『SPY×FAMILY』の世界観を楽しめるイベントを展開していくというものです。

出典:PR TIMES|株式会社横浜八景島「【横浜・八景島シーパラダイス】 夏はシーパラでわくわくがいっぱい!!TVアニメ『SPY×FAMILY』夏休みイベントin横浜・八景島シーパラダイス」(2025年6月27日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000791.000011571.html

キャラクターを活用したコラボイベントなど、キャラクターマーケティングの基本的なノウハウがわかる教科書「キャラ活マーケティングはじめてガイド」を公開中。興味がある方はこちらから資料ダウンロードしてください。

●統合型販促イベント

上記で言及した販促イベントの手法を、目的に合わせて組み合わせたり、複数社で共催という形をとる販促イベントです。必然的に規模が大きくなり、予算と時間をかけることになりますが、話題性や集客力が期待できます。

統合型販促イベント事例
キッコーマンソイフーズ株式会社:豆乳フェス

キッコーマンソイフーズは、10月12日の“豆乳の日”に “史上初”となる豆乳のお祭り『キッコーマン豆乳 Presents 豆乳フェス 2024』を新宿サザンテラスで開催。

このイベントには、

 ・林遣都さん、体操選手の萱和磨さん&谷川航さん、すがちゃん最高No.1さんなど豆乳愛好家が監修
  したメニューを提供
 ・話題の有名店や豆乳専門店が一堂に集結し、オリジナル豆乳メニューを提供
 ・ソイラテや湯葉づくりなど、ワークショップで豆乳の奥深さを体験
 ・サンリオの人気キャラクター「シナモロール」とのコラボコーナー

など、盛りだくさんのコンテンツを楽しむことができる内容となっていました。
つまり

 ・サンプリング
 ・試食体験
 ・コラボ限定メニュー
 ・キャラクターコラボフォトブース

といった、販促イベントのさまざまな要素が統合された「フェス」形式の事例です。

出典:PR TIMES|キッコーマンソイフーズ株式会社「10月12日は“豆乳の日” 豆乳について知って、楽しんで、味わえる!“史上初”となる豆乳のお祭り『キッコーマン豆乳 Presents 豆乳フェス 2024』開催」(2024年9月20日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000101654.html

■ 販促イベントを成功に導くポイント

●目的の明確化

まず初めに「販促イベントで何を達成するのか」、その目的を明確にすることが大切です。新規顧客のトライアルを促進したいのか、既存顧客との関係を深めたいのかなど、目的に合わせてどのような販促イベントを行うべきかを決めていきます。

●ターゲットインサイトの理解

販促イベントに、どのような人が来場してほしいのかを深く掘り下げることが重要です。ターゲットのライフスタイルや趣味嗜好、行動パターンを踏まえて、体験価値や景品設定を企画することで参加率と満足度が大きく変わります。

ターゲット設定事例
ルミネ立川:たまごっちと一緒にリアル謎解きゲームを開催

ルミネ立川は、メイン顧客である20代30代女性を対象にした夏休みの集客&販促イベントで、たまごっちを起用したリアル謎解きゲームを実施。これはターゲットである彼女たちが、幼い頃や学生時代に親しんだキャラクターとして、デビュー20周年の「たまごっち」が選ばれ、謎解きゲームの形で開催されたものです。

この事例は、

 ・20代30代の女性たちが、夏休みに童心に帰って遊べるイベント
 ・たまごっちは、彼女たちにとって親しみがあり懐かしいキャラクター
 ・涼しい館内で、リアル謎解きゲームを楽しみながらショッピングもできる
 ・たまごっち20周年の話題性

 など、ターゲットインサイトを上手く捉えた販促イベントでした。

● さまざまなチャネルを活用した集客&拡散策

面白い販促イベントを企画しても、来場してもらえなければ意味がありません。販促イベントを成功させるためには集客方法が非常に重要になります。ターゲットに合わせてSNS、Web広告、オフライン広告などさまざまなメディアを使い分けましょう。

また公式SNSを活用して、イベント参加者だけでなくその周辺層にまでリーチする動線設計を心がけるのが、今日的なコミュニケーション手法です。

● 顧客参加型の設計

イベント自体に顧客が主体的に参加できる仕組みを入れることが、特にSNS拡散には有効です。フォトコンテストやリアルタイム投票など、ユーザーが投稿したくなる仕掛けを用意しましょう。

顧客参加型の設計事例
ロート製薬:メラノCC®ブランドを体験できる、温浴施設とのコラボイベントを開催

ロート製薬は、スキンケアブランド「メラノCC®」の体験イベントを、関東で人気の銭湯「松本湯」とのコラボで実施。お風呂やサウナでリラックスしながらメラノCC商品を実際に使用し、効果を実感してもらう特別体験空間を約1か月限定で提供しました。

当イベントは商品体験だけにとどまらず、

 ・クラウドファンディングによりわずか1日で改修資金を達成したSNSでも話題の老舗銭
  湯を開催場所に選定
 ・その人気銭湯を、「メラノCC®」ブランドの世界観で徹底的に空間ジャック
 ・人気急上昇中の犬のキャラクター「スケータージョン」を起用し、来場者限定でガチ
  ャガチャなどのコラボグッズを販売

と、話題性を作り出すコミュニケーション設計が綿密になされていました。

出典:PRTIMES|ロート製薬株式会社『ロート製薬のロングセラーブランド「メラノCC®」と関東地方で人気の銭湯「松本湯」が初のコラボレーションを実施します! メラノCCブランドを存分に体験できる特別体験空間に!』(2025年1月17日)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000406.000044879.html

●効果検証

リアルの販促イベントをSNSと連動させることで、

  ・インプレッション数
  ・エンゲージメント数(いいね)
  ・フォロー数

などで検証することができます。
またイベント期間中の

  ・キャンペーンサイト流入数
  ・オウンドサイトへ流入数

も確認すべきでしょう。
オフラインでは、

  ・イベント会場への来場者数
  ・来場者アンケートで満足度や改善点の意見をもらう

などの効果測定方法が挙げられます。

これらの定量・定性データは、次回以降の販促イベントやそのほかの施策を行う際にも貴重なデータとなります。

■まとめ

販促イベントは、顧客にブランドを「体験」させる最高のチャンスであり、うまく設計すれば短期的な売上効果だけでなく、長期的なロイヤルティ醸成にも寄与します。デジタルとのハイブリッド化によりさらに可能性が広がるいまこそ、単なる集客イベントではなく、企業のマーケティング戦略の一環として企画する視座が求められます。

マーケティング担当者のみなさまには、今回紹介した事例やポイントを、次の販促イベントの参考にしていただければ幸いです。

■キャラクターを活用した販促イベントは、ジェイアール東日本企画にご相談ください

当コラムを執筆するジェイアール東日本企画(jeki)は、さまざまなキャラクターを活用した販促イベントやキャンペーンに多くの実績を持っています。興味がある方は、「jekiキャラクター活用プロモーション」事例集をダウンロードしてご確認ください。またご相談事項は、メールでお気軽にお問い合わせください。

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